2012年1月


   
JCCP国際シンポ・原油へのイラン影響3~4ドル上下
 (1月30日付)
 
 
産油国との石油精製分野などでの技術協力や人的交流を推進する国際石油交流センター(JCCP、木村彌一理事長)は1月25~26日、都内でサウジアラビアやクウェートなど中東産油国の石油会社幹部らを招き、国際シンポジウムを開催。エネルギー問題専門家でFACTSグローバルエナジー社のフェレイドン・フェシャラキ会長が「フクシマ後のアジア・中東の石油市場見通し」をテーマに講演した(写真)。
 フェシャラキ氏は、日本の石油価格を左右する原油価格指標について「日本の方々はWTIを価格指標として気にするが、WTIは見なくてもよい。ブレントを見なければならない。あるいはブレントプラスドバイの価格を見れば感触をつかむことができる」と指摘し、今年の石油市場については需要の伸びが鈍化し価格の下げ圧力となる一方、イランへの制裁問題やイラクで暴動が起きるなど地政学的なリスクが上げ圧力になるとし、こうした上下の圧力によって、「原油価格は11年と変わらない水準で推移するのではないか」と予測した。
 イラン情勢について、「世界的にイランから原油を買うなという圧力が強まるだろうが、結果的にはイランの供給量が大きく減ることはないだろう」と指摘。価格的にも「20~30ドルも上がることはなく、せいぜい3~4ドル上下する程度」と、大きな価格変動が起きる可能性は低いとした。日本、韓国、インドについては「小幅の輸入量の削減はあるだろうが象徴的に10~15%程度削減するのでは」と述べた。イランも「トータルの70~80%の輸出はできるものと見ている」とした。



 
  
     
2011年元売ガソリン精製粗利・前年比15.8%増
 (1月30日付)
 
 
2011年の元売ガソリン精製粗利(現物京浜海上渡し対原油FOB)は前年比で15.8%多い13.1円/Lに達した。一昨年の09年比では1.5倍に増加している。内需の減退が鮮明に出ているガソリンで現行の仕切り方式への改定以降、元売はこの1年半の間、劇的な収益良化を果たした足跡が見て取れる。ただし直近1月の状況は原油見合いで卸市況が割安で推移しており、12年初は東日本大震災直後の大増産と売れ行き不振で採算性を損ねた昨年4月以来、9ヵ月ぶりの低位に陥没している状況。
 業転海上相場と原油FOB相場を差し引きしたガソリン・スプレッドは12年平均で13.1円となり、前年比で1.8円、15.8%増加した。年初こそ低位となったが大震災を挟んで6~8月の夏場に18円前後の高採算となったことで平均を押し上げた状況が見て取れる。
 現仕切り方式への切り替えの端緒となった超低収益の09年との比較では4.5円、52%=1.5倍もの劇的な収益良化を果たしている。陸上出荷コストとブランド料相当の系列コストを負う系列SSは、これに約3円加算した単位収益を元売にもたらしている構図だ。
 ただし、元売にとってのガソリンの高採算性にもかげりが出ている。首都圏の現物陸上出荷をベースにした11年の精製元売粗利は、平均12.2円にとどまり、コストが割安な海上出荷との逆転現象が発生している。コスト面で1~1.5円程度、海上出荷に対して割高になる陸上出荷は12年は1、4月のみが経済原則通りとなったが、5月以降は8ヵ月連続で陸上安となった。特に海上の採算性が最高値に達した夏場に陸上の割安が出現しており「売れ行き不振」と「陸上安」は同義語となっている。
 この1月に入って一段とガソリンの採算性にかげりが出ている。4月以来の低位で海上9.8円、陸上9.9円と、さらに「売れ行き不振」シグナルといえる海陸格差ゼロという状況に陥っている。


 
  
     
沖縄・盛大に石油会館落成式
 (1月23日付)
 
 
沖縄県石油組合(金城克也理事長)の沖縄石油会館が完成し1月18日、関係者約100人が参加し盛大に落成式が行われた。金城理事長は「沖縄が本土復帰してちょうど40年という節目の年に当たる今年、新会館が完成したことは歴史の重みを感じる。会館建設のために私たちは30年前から建設資金を積み立てて来た。業界はこれからさらに厳しい状況が続くが東日本大震災によって石油の重要性が見直されている。新会館の落成を機にさらに活発に組合活動を展開しましょう」とあいさつした。
 内閣府沖縄総合事務局の山内徹経済産業部長は再生可能エネルギーが増えている中でも石油の重要性が認識されていることを指摘し「石油の安定供給や品質確保に貢献している沖縄県石油組合の組合活動の新しい拠点が出来た」と祝辞、全石連の河本博隆副会長・専務理事は沖縄のガソリン税軽減措置の継続方針が決まるまでの経過などを説明したうえで「さまざまな問題に力を合わせて取り組もう」と述べた。
 新会館は那覇市に隣接した八重瀬町伊覇228。敷地約600平方メートル。建物面積は約150平方メートル(平屋)で、事務所、応接室などのほか約50人が収容できる会議室がある。2月1日に正式に移転する。




新会館(写真上)の落成を祝い、テープカットする金城理事長(写真下=中央)ら
 
  
     
資源・燃料予算案、総額2,541億円に
 (1月18日付)
 
 
閣議決定した来年度予算案のうち、資源エネルギー庁の資源・燃料関係予算は前年度比17%増の2,914億円、うち石油天然ガス関連で2,541億円を計上した。震災で損壊した供給網の復旧を行い、地域SSを中心とした供給拠点を整備、災害時における安定供給体制の抜本的改善を進め、石油備蓄制度のさらなる強化を図る。また円高メリットを活用した上流権益獲得の支援を強化する。
 具体的には、海外の石油・天然ガス権益の確保に向け、探鉱・資産買収出資金として276億円を措置するなど上流開発に613億円を計上。石油精製機能の強化では204億円を計上し、コンビナート域内の連携強化や精製機能の集約化に向け80億円を措置した。
 災害時における安定供給体制の強化に向け、国家石油備蓄の推進で908億円、民間備蓄の推進で22億円を計上。各地域で石油供給拠点となる基地や油槽所を選定し災害対応能力を抜本的に強化、それぞれ68億円、51億円を措置した。

 
  
   
全石連・石油協会賀詞交歓会 「税金の二重取り許すな!」
 
 (1月16日付)
 
 
全石連(関正夫会長)と全国石油協会(持田勲会長)は1月13日、都内で新年賀詞交歓会を開催した。全国の組合執行部が参加したほか、国会議員、経済産業省など行政関係者、元売各社社長など約400人が出席、関会長はガソリン税からも消費税を課す「税金の二重取り」を許さない全国行動を提起するとともに、大震災で被災しても奮闘した仲間に謝意を表しながら「仲間の心情に同調して石油を大切に扱った被災直後の商売のあり方を原点にしよう」と呼びかけた。来賓の与党国会議員も税制に対する組織活動へ支援を確約した。
 会場各所に「ぜんせき」付録「税金の二重取り許すな!」ポスターが貼られる中、関会長が3・11に絡む被災地を中心とした精販一体となった安定供給の労苦を称えた後、その後に各地で乱売競争が起こったことに対し自省を求めた。
 来賓として、北神圭朗経済産業大臣政務官、山岡賢次衆議院議員、大畠章宏、海江田万里各元経済産業大臣が祝辞を述べた。
 引き続き天坊昭彦会長が壇上に立ち「サプライチェーンを健全に保つためには、一定の石油需要を維持することが不可欠。SS過疎地がこれ以上増加すれば全国的な安定供給体制を維持できなくなる。脱石油政策の方針転換をしてもらわねばならない。地域SSが今後も生活拠点としてしっかり経営を続けていくためには、仕入れに見合った価格で販売し、再投資可能な適正マージンを確保することが必要。業界としての責任を果たせるようお互いがんばろう」と述べた。
 増子輝彦参議院議員、中山義活・石井章衆議院議員、藤田幸久参議院議員が壇上に立ち、持田勲石油協会会長が乾杯をリードした。
 最後に早山康之全石連副会長が「内需2割減の前提で、元売は販売業界を牽引してほしい。この2年が業界の正念場となる」と締めくくった。 
 

「税金の二重取り許すな!」を全国運動とすることで始まった今年の組合活動(関会長は、右手にチラシを掲げて、賛同を呼びかけた)

 
  
   
全石連・「タックス・オン・タックス」廃止へ全国運動展開
 (1月13日付)
 
 
全石連(関正夫会長)は1月12日に開いた正副会長会議と消費税問題対策本部との合同会議で、ガソリン税に消費税が上乗せされているタックス・オン・タックスの廃止に向けて全国一丸となって要望運動を実施していく方針を確認した。消費税増税によるさらなる税負担はドライバーに重くのしかかることから、まずはポスター(写真)での周知を徹底し、消費者を巻き込んだ全国運動として展開していく。
 政府・与党が6日に決定した「社会保障と税の一体改革」素案では、消費税の税率を2014年4月に8%に、15年10月に10%まで引き上げる案を提案している。昨年末、この素案の取りまとめに向けた民主党内の議論が始まったことから、全石連は消費税増税問題対策本部(本部長・関正夫会長)を設置し、消費税導入以来、業界の懸案であるタックス・オン・タックスの廃止を改めて訴えていくことにした。
 全石連・油政連はこれまで毎年度の税制改正要望で、タックス・オン・タックスの廃止を重点要望項目として訴えてきた。今回は、政府・与党案として本年3月までに消費税増税の準備法案を提出することにしていることから、この見直しに際しての議論の中でガソリン税に係る消費税のタックス・オン・タックスの廃止を求める方針。
 ガソリンの需要が減少していく中でガソリン税の旧暫定税率はそのまま維持されており、今後、消費税増税になることでドライバーの税負担はさらに重くなる。このため需要減少に拍車がかかることが懸念されており、税の実質的な徴収者である石油販売業界として「業界を圧迫するような税のあり方や増税について見直しを求めていくべき」との声が上がっている。
 これらの運動方針は、13日の全国理事長会議で報告したうえで全国の石油組合および油政連県連を通じて周知し、地元選出議員などを対象に要望運動を実施していく。