2012年6月


総合エネ調で安藤部長が石油の重要性指摘
(6月25日付)

 エネルギー政策の抜本的な見直しを検討する経済産業省の総合資源エネルギー調査会・基本問題委員会が6月19日開催され、震災による原発事故によって、主要なエネルギー源としてその重要性が高まっている資源・燃料の安定供給の課題と今後の対応について議論した。
 資源エネルギー庁の安藤久佳資源・燃料部長が、大震災を踏まえた国内燃料供給インフラの課題と対応について説明。被災地及び周辺地域の製油所が稼働停止し、かつ被災地外からの物流網が途絶する場合を想定し、精製元売会社の出荷機能強化、地域ごとの製品の国家備蓄、各社の協力体制の構築の必要性などを指摘した。また、「燃料インフラは太平洋岸に集中しており、首都圏直下型地震・連動型地震に対応したインフラ整備が今後の課題」とし、「日本海側から太平洋側の大需要地に輸送・移送していくためのインフラ整備」や、「製油所や油槽所などをどう整備していくかが課題」などと、安定供給インフラの整備に向けた今後の論点を示した。
 加えて、緊急時の地域の燃料供給拠点となる中核SSの整備など、一連の石油サプライチェーンの維持・強化に向けた体制整備を進めていく考えを示した。
 意見交換では、橘川武郎一橋大学大学院商学研究科教授が「石油とLPガスは分散型電源・エネルギー。震災時に東北で多くの命を救ったのは石油であり、LPガスであった」と、緊急時における分散型エネルギーとしての石油の重要性を訴えた。ただ、「石油の需要はジリ貧で、夢がない。これからは強い石油企業を造るしかない。それが一番のエネルギー安全保障」と強調。石油コンビナートの広域連携や天然ガス分野への積極的な参入などを提言した。
 一方、枝廣淳子ジャパン・フォー・サステナビリティ代表は、「震災後、石油が必要なところに遅れずに運ばれ、被災地が非常に助かったということを見聞きした。震災に備え、石油を地域社会・コミュニティーレベル、家庭レベルで備蓄できるような制度・仕組みを作っていくことが必要」とした。
 安藤部長は「公民館や学校など公的施設に防災用の燃料として、石油やLPガスを燃料とした機器も合わせて常備しておくような、防災拠点整備を具体的に始めつつある」と説明した。




SS犯罪被害・この6年で半減
(6月18日付)


 警察庁が6月14日公表した2011年犯罪情勢統計によると、SS(LPGスタンド含む)で発生した刑法犯の認知件数は前年比552件減の4,367件となり、6年前に比べて半減したことがわかった。ここ12年間のピークは03年の1万1,588件で、昨年は微増となったが、再び減少に転じている。
 犯罪種別を見ると、窃盗が2,733件(前年は3,016件)で全体の6割強を占め、うち「自動車盗」が38件(25件)、「自販機荒らし」が157件(99件)と増加。一方、「詐欺」は774件(951件)、「器物損壊等」も407件(476件)と減少した。
 また、粗暴犯のうち「暴行」が95件(79件)と大幅に増加したが、「傷害」は49件(65件)、「恐喝」は7件(10件)に減った。
 なお、全刑法犯の認知件数は7%減の148万件とこの10年間で半減、検挙率は31%だった。





2011年・SS事故・流出事故79件に増加
(6月15日付)


 消防庁は2011年中(1~12月)に発生した危険物事故状況をまとめた。SSを含む給油取扱所での火災は前年と同数の29件、流出(油漏洩など)が10件増の79件となるなど、給油取扱所での火災・流出件数は依然多い水準にあることがわかった。万が一、火災・流出事故が発生すれば、SS経営や会社の社会的信用に多大なダメージを与えるだけでなく、2011年2月1日施行の消防法改正省令によって、経年地下タンクの漏洩防止対策が喫緊の課題となっており、事故の未然防止に向けた安全対策の実行など、迅速な対応が求められている。なお、今回の事故概要では、東日本大震災その他最大震度6弱以上の地震による被害(事故件数、死傷者数、損害額などすべて)は除外されている。
 給油取扱所における火災事故は29件。一般取扱所(119件)、製造所(30件)に次いで発生数が多く、ここ5年間はこの3施設が上位を占めている。給油取扱所での事故は30件前後で推移するなど、発生の危険性が依然、高い水準を示している。1件当たりの損害額は14万円と比較的軽微で、幸いにも被害の拡大による損害額の増大は免れた格好だ。
 発生原因を見ると、「維持管理不十分」、「操作確認不十分」が各6件で最も多く、次いで「操作未実施」が4件など、人的ミスによる原因が22件と全体の4分の3を占める。
 一方、油漏洩などを含む流出事故では、一般取扱所が95件で最も多く、次いで給油取扱所が79件と上位に位置する。3年連続で増加しており、減少の兆しは見えない。また、タンクローリーなどを含む移動タンク貯蔵所も10件増の52件と高い水準にある。給油取扱所における1件当たりの損害額は22万円と、他の貯蔵所・取扱所に比べ比較的軽微だった。
 発生原因を見ると、給油取扱所では「腐食疲労等劣化」が26件と最も多く、全体の3割を占める。発生件数が前年比で10件増加するなど、施設の老朽化が年々進んでいることが流出事故につながっていると見られる。次いで「操作確認不十分」が7件など人的要因も28件にのぼる。
 一方、移動タンク貯蔵所では、「操作確認不十分」が16件、「交通事故」が10件など、人的要因が上位を占めている。
 このほか、火災や危険物の流出を伴わない破損や交通事故といった事故が165件発生しているが、そのうち給油取扱所が117件と圧倒的に多くなっている。





2011年度・石油の不当廉売申告件数注意件数が激減
(6月13日付)


 公正取引委員会が6月6日公表した2011年度の不当廉売注意件数によると、石油製品の「注意」は444件と、前年度比で4割減に減少した。不当廉売申告の多い家電製品や酒類などを合わせた小売業全体の注意件数も3割減の1,772件にとどまった。不当廉売の全体の申告件数も7,102件と2割減となった。石油販売業界では、各地で散見される廉売行為に対し、2010年1月に施行した改正独禁法への期待から、申告件数は一時的に急増したが、警告や排除命令といった厳しい措置が取られることがなく、「実効性が全くない」といった改正独禁法への期待感が薄らいだ結果、申告件数が減少、注意案件も大幅に減少したものと見られる。
 石油販売業界では、ガソリンの安値販売競争が各地で常態化しており、地場SSの卸価格を下回るような廉売行為も散見されるなど、改正独禁法が施行した10年1月から3月にかけて申告が急増した結果、09年度の石油製品の「注意」は956件と、前年度から一気に倍増した。
 しかし、改正独禁法の目玉となっていた不当廉売への課徴金の適用案件がなかったことに加え、申告しても「注意」にしかならず、同じ業者が繰り返し「注意」を受けても、それ以上の厳しい措置が廉売業者に対して行われることがないため、「注意ではなんの抑止効果もない」と、改正独禁法の実効性に強い不信感が高まっている。
 こうした実態を反映して、09年度から3年連続で不当廉売申告数、注意案件とも激減しているのが実態だ。





SSビジネス見本市に約1,000人が来場
(6月8日付)


 東日本大震災の影響により昨年度の開催が中止となり、今回が2年ぶりの開催となったSSビジネス見本市の会場には、四国地区のSS経営者を中心に約1,000人の見学者が訪れ、期待どおりの賑わいを見せた。出展企業・団体数も43に及び、厳しさを増す経営環境の中で生き残っていくための、最新機器の展示や経営ノウハウの提案を行った。
 見本市は開会あいさつで松山SSビジネス見本市実行委員長の山内章正四国支部長が「常連の皆様ほか地元2社・団体を含め、ご参加いただいたことに感謝したい。全国500人、地元500人の約1,000人が来場し、見学する。常に新しい情報、機器、ツールをご提供いただくことで、業界の参考となることを期待している」、全石連の土川保夫広報部会長が「燃料油だけでは食べていけない時代。会場を巡回し、SSがいろいろなアイデアを凝らしてお客様に提案していく必要があると改めて感じた。SS業界発展のために参考となるお話を頂戴できればありがたい。また、ぜんせき新聞にも広告出稿してPRしていただきたい」などとあいさつ、開幕した。
 ひめぎんホール「真珠の間」で開催された2012年度「松山SSビジネス見本市」には、43社・団体が出展した。震災後初の開催となった今回は、緊急用バッテリーなど災害時用の機器類を展示する企業も見られるなど、時代を反映した展示が目立った。特に、LED照明などの省エネ機器や、太陽光発電、電気自動車用充電機器など新エネ対応機器の展示も多数に及び、来場者も高い関心を示していた。
 このほか、消防法対応の補助事業に係る技術・機器として関心が高まっている地下タンク内面ライニングや精密油面計などの紹介、カーケアを中心とした収益向上策の提案など、経営に直結する展示・提案が主流を占めた。さらに、地元ということで菊間国家石油備蓄基地を操業管理する石油天然ガス・金属鉱物資源機構が太陽石油と並んでブースを出展したのも今回の大きな特色となった。
 ■出展企業・団体
 【Aブース】▽㈱タツノ▽JX日鉱日石エネルギー㈱▽イーアンドイー㈱▽トキコテクノ㈱▽昭和機器工業㈱▽シャープシステムプロダクト㈱▽㈱富永製作所
 【Bブース】▽エムケー精工㈱▽SFJ㈱▽太陽石油㈱▽㈱テクノネット▽コスモ石油㈱▽㈱ヨコハマタイヤジャパン▽㈱ダイフクプラスモア▽㈱日搬▽住友ゴム工業㈱
▽コモタ㈱▽㈱サンフロイント▽ブリヂストンタイヤジャパン㈱▽NECインフロンティア㈱▽昭和シェル石油㈱▽玉田工業㈱▽出光興産㈱▽石油連盟
 【Cブース】▽(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構▽(有)ジャパンマグネット▽コンフィデンスソリューションシステムズ㈱▽ガーデンネットワーク㈱▽㈱グッドワン▽㈱Penコーポレーション▽㈱MPCシステム開発▽㈱エスコ▽㈱アイ・シー・エヌ▽ビユーテー㈱▽イービストレード㈱▽スポーツワンインターナショナル㈱▽㈱NTTファシリティーズ▽カーコンビニ倶楽部㈱▽㈱東京工業品取引所▽㈱トーヨータイヤジャパン▽ホームネットカーズ㈱▽ティー・アイ・トレーディング㈱▽全石連共同事業部会

 



全石連松山総会・石油の力を精販で示そう
(6月8日付)


 全石連(全国石油商業組合連合会、全国石油業共済協同組合連合会)は6月7日に松山市で通常総会を開催、再選された関正夫会長の新執行体制を発足させた。全国47都道府県の代表400人が参集、大震災で再評価された「石油の力」「SSの力」を持続的に発揮するために、地方と中央組織が一体となった事業方針を確定した。公正な取引条件の確率を通じた過当競争体質からの脱皮を図る一方、行政・政治に、石油の中期的な位置付けを適正化するエネルギー政策を基本に、地域エネルギーインフラとしての機能強化を求める。一方、2年ぶりに同時開催された「SSビジネス見本市」には四国全域からの組合員が加わり、1,000人の来場者でにぎわった。
 総会前に、この1年間で死去された関係者に黙祷をささげた後、地元を代表して愛媛の山内章正理事長が歓迎のあいさつを行った。
 引き続き関正夫会長が壇上に立ち、大震災で再認識された石油とSSへの高い評価がその後、石油業自身が貶めている現状に強い危機感を示し、「石油販売業がどうあるべきか。行政、元売、そして我々自身が真剣に議論を尽くす」ことを全国組合員に求め、地方と一体となった活動展開を全国に訴えた。
 総会には北神圭朗経済産業大臣政務官、中村時広愛媛県知事、木村康石油連盟会長、各元売社長など多数の来賓が出席、各観点から石油販売業界への期待を込めたあいさつを述べた。
 議事は山内議長(四国支部長)のもとで進行され、「組合活動を通じて経営を改革しよう」のメイン・スローガンのもと、「需要変化に対応したSS経営に取り組もう」「公正で透明な取引環境の実現を目指そう」「災害対応・安心安全のSSネットワークを強化しよう」「機関紙・共同事業を利用し経営基盤を強化しよう」の個別スローガンを踏まえた各部門の事業計画を承認した。
 さらに役員改選では、関会長が再選、副会長には荒木敬一氏(東京理事長)が新任、出光芳秀氏(九州支部長)が再任、5副会長は留任して、関新執行体制が発足した。
 また、星野進(埼玉)、堀江亮介(千葉)、土川保夫(愛知)、松田好民(京都)、西尾恒太(大阪)氏が国家表彰受賞者として、三原英人氏(愛媛)が功労役員代表として、宮城、福島、山形、新潟、神奈川、島根、宮崎、沖縄が共同事業優秀組合として各顕彰された。

第2次石油危機を迎えた33年前の総会の地・松山で、
「石油の力」「SSの力」発揮へ総力で取り組む全石連・関新執行部




総合エネ調・2030年の電源構成 火力は25~50%
(6月4日付)


 総合資源エネルギー調査会基本問題委員会が2030年時点の電源構成について、4つの選択肢を示した。原子力発電の比率は0、15、20~30%の3案とし、10年度実績よりも比率が高まる35%は参考値とした。ただし原子力の維持・推進と脱原発の二項対立の溝は埋まらず、政治判断に委ねられる結果となった。
 電源構成における30年のエネルギーミックスの選択肢は、具体的な数字を示さない選択肢①と、具体的な数字を示す4案の計5案(参考値を含む)が提示された。電源構成においても重要な位置付けを占める火力は、ベース・バックアップ電源として電源を支える。
 化石燃料については、「コスト面で優位性があり、中長期的にも我が国のエネルギー供給の過半を占める重要なエネルギー源」とした。原発依存度の低減を図るため、「当面、火力を活用することが重要」と指摘。「環境負荷に最大限配慮しつつ、化石燃料を有効活用する必要がある」とした。また、「エネルギーの安定供給確保には、海外からの調達や備蓄のみならず石油やLPガスを中心とした非常時に備えた体制整備も重要」と石油の重要性を強調。
 再生可能エネルギーは「開発・利用を最大限加速化することが求められている」としながらも、「現実性の乏しい期待値をベースにエネルギー政策を組み立てれば、将来大きな禍根を残しかねない」と指摘。「現実的な目標を設定すべき」とも付け加えた。
 一方、各選択肢ごとの経済影響も示し、30年に原子力を0とした場合に、月額の電気料金が10年度の9,900円から、最大約2万3,100円にまで跳ね上がるという試算も明記した。





消防法規制対象SS地下タンク・14年度末までに2,805本
(6月1日付)


 全石連は全国47都道府県石商を通じて、全組合員を対象に、経年地下タンクの漏洩防止対策を義務付けた消防法改正省令によって、2013年2~3月末と2014年度中に規制対象となるタンク・SS数を調査した。その結果、13年2月から14年3月末までで、新たに規制対象となるタンク数は2,805本、SS数で1,035ヵ所に上ることがわかった。
 調査によると、埋設後概ね50年以上の「腐食の恐れが特に高いタンク」は13年2~3月で134本(69SS)、14年度中に366本(155SS)。埋設後概ね40年以上の「腐食の恐れが高いタンク」は、13年2~3月で668本(247SS)、14年度中に1,637本(564SS)となった。
 経年地下タンクの漏洩防止対策を義務付ける消防法改正省令が11年2月1日施行された。2年間の猶予措置が設けられたが、来年1月末でその期限を迎える。国は規制対象となるSSに対し、激変緩和措置として、11年度予算並びに11年度第3次補正予算で、タンクのFRP内面ライニングなどの漏洩防止対策を支援することとした。
 一方、13年2月以降に規制対象となるSSに関しては、支援対象となっていないため、新たな支援措置を求める声が高まっている。
 全石連・油政連では、民主党石油流通問題懇談会で、13年2月以降、順次、義務付け対象となる地下タンクなどにおける漏洩防止対策に係る支援を求めている。