2012年7月


衆院・経産委 インフラとしてのSSの重要性指摘
(7月30日付)


災害時の石油製品の円滑供給を目的に石油備蓄法などの改正案を審議している衆議院経済産業委員会は27日、集中審議を行った。質疑では昨年の東日本大震災において明らかになった地域SSのライフラインとしての重要性を指摘する意見が相次ぎ、国としての抜本対策を求める意見が出た。枝野幸男経済産業大臣は「SSは欠かすことのできないインフラ。政府として全体構造の中で考えていかなければならない課題」と答弁した。
 自民党の近藤三津枝議員は「SSは国民生活に欠かせないインフラとしていくべきで、災害情報の提供やトイレ、水の供給など人々の助け合いの拠点ともすべきである」として、SSに対するインセンティブ政策の強化を求めた。また、中核SSについても「災害時に公衆電話の増設できるよう有線電話を設置して情報拠点としていくほか、備蓄品を格納する倉庫の設置し、SSを地域の防災ステーションとしての機能を充実させるべき」として国の助成を求めた。
 枝野大臣は「震災時にSSの人たちは自ら被災したにもかかわらず頑張っていただいた。頭が下がる思いだ」と述べ、地下タンク支援や中核SSの整備などのハード面のほか、災害に備えた行動計画や研修などソフト面でもさらにバックアップしていく考えを示した。
 新党きづなの中後淳議員は「中核SSは3分の2が補助されても、残り3分の1はSSの自己負担。単純計算で1,000万円となり、いまの経営状況で、災害協力として中核SSとなっても売上げが増える見込みもない。自己負担がかなり重いが全国目標の2,000ヵ所は可能なのか」と質問。
 北神圭朗大臣政務官は「SSの厳しい経営の中で自己負担分の支援として、信用保証制度や利子補給制度を創設している」と述べた。
 一方で同議員は、「地下タンクの整備を国が支援しているということは、社会インフラとして認められているということ。過度な競争で潰れておりセーフティネットが必要なのではないか」と質したのに対し、枝野大臣は「日本全体の人口が減っている中で、SSなど必要最低限の生活インフラを支えることが求められている。政府として全体構造の中でほかの閣僚にも働きかけて検討していかなければならない」と答えた。





2011年度ガソリン1SS平均月間販売量は126kl
(7月27日付)


2011年度のガソリン内需5,721万キロリットルに対して、SS数は3万7,743ヵ所。これにより1SS平均ガソリン販売量は前年度比1.1%増の1,516キロリットルとなり、月間平均では1.3キロリットル増の126.3キロリットルと微増になった。
 11年度は震災によって、ガソリン内需が3年ぶりに下回ったものの、SS数は94年度をピークに減少に歯止めがかからない状況が続いていることから、1SS平均のガソリン販売量を押し上げた格好だ。
 過去10年間の推移を見ると、月間販売量は03年度に100キロリットルの大台を超えるなど、増加し続けている。ガソリン内需が04年度(6,148万キロリットル)にピークアウトを迎え、需要減が顕在化しつつあるものの、09~10年度の高速休日1,000円などによる需要の下支えで微増に転じるなど、内需の底堅さも見せている。一方で、SSはこの10年間で1日4ヵ所のハイペースで減少するなど、1SS平均のガソリン販売量が伸長は続いている。






政策・環境部会 内需6割減時代対応へSS生き残り策検討
(7月27日付)


全石連の政策・環境部会(森洋部会長)が7月25日に開かれ、27日から始まる経済産業省の来年度税制改正ヒアリングへの対応を協議するとともに、ガソリンの需要減を踏まえたSSの生き残り策の検討に向けて、議論していくことで一致した。
 27日からスタートする税制改正要望ヒアリングで、全石連、石油連盟など資源・エネルギー関係団体については8月3日に開催される。全石連では来年度税制改正要望で「ガソリン税に係る消費税のタックス・オン・タックスの廃止」、「ガソリン税・軽油引取税の当分の間税率(旧暫定税率)の廃止」、「車体課税の代替財源として石油諸税を増税することには反対」、「地球温暖化対策税のさらなる負担増に反対」など、すでに4兆4千億円もの高額な税金がかけられている石油に、さらなる税負担を強いる不公平な税制改正には断固反対していくことを確認した。
 意見交換では「自動車取得税や重量税について廃止を含めた見直しが規定路線となりつつある。これらが廃止されると、燃料への課税強化が浮上する可能性がある」、「財務省は燃料課税が欧州などと比べて低いと見ており、ガソリン税や軽油引取税の増税が狙い撃ちされる危険がある」と、車体課税の見直しなどを注視していくことが必要との認識で一致した。
 森部会長(写真)は「2030年度のガソリン需要が10年度比で6割減という試算は、我々石油販売業者にとってはかなりショッキングな数字。需要減の中でいかにSSの経営をソフトランディングさせていくかが課題。部会の中で方向性を示していかなければならない」と提言。今後、SSの生き残りに向けた具体策の検討を進めていくことで一致した。





BP統計・2030年でも輸送用燃料87%が石油
(7月23日付)

「2012年BP統計発表会」が都内で開催され、2011年の国際エネルギー情勢とともに、30年までのエネルギー動向についての見通しを示した。11年は12年連続で1次エネルギーにおける石油のシェアが減少している状況が報告されたが、「輸送用の燃料としては石油が主で、30年でも87%の輸送用燃料は石油ベース」と基幹エネルギーとしての石油の重要性を強調した。
 11年のエネルギー情勢は、1次エネルギー消費については、「非OECD諸国では5.3%増加、OECD諸国のエネルギー消費量は0.8%減少した。平均GDPが伸びたにもかかわらず、エネルギー消費は07年をピークに3.3%減少している。過去4年中3年で下がっている」など、世界的に需要減が進んでいることを報告した。
 原油市場については「大幅に上昇。ブレント原油は40%上昇し、平均価格は年間1バレル当たり111ドルの名目価格で過去最高となった」とし、その要因について「リビアを中心とするアラブ諸国での激動と、その穴を埋めるべき他のOPEC諸国の増産がスローペースであったこと。リビアの生産量が1国での減産量としてはソ連邦崩壊後以来の規模となった」ことなどを解説した。
 消費については「11年はGDPが伸びたにも関わらず、日量60万バレルの増加しかなく、12年間連続で1次エネルギーにおける石油のシェアが減少した」とし、「OECDにおける減少は構造的。非OECD諸国での消費は約120万バレル伸びたが、OECDの消費は引き続き60万バレル減で、95年以来、最も低くなった」と指摘した。
 また、精製商品別では「最も弱かったのはガソリンを含む軽質留分で、30万バレル減少。ガソリンは価格に敏感で、小売価格の高騰が消費を抑えた。OECD、非OECD諸国いずれの場合も新型車両は燃費性能が急速に改善している。数年来高止まりしている原油価格が消費者の好みも変化させている。車両の買い替えには時間を要するが、今後数年の間に燃費の改善が消費にも影響を及ぼす」などと見通した。
 30年までのエネルギー動向については、①エネルギー需要は今後20年で約40%増え、この96%は新興国②30年になっても化石燃料が世界のエネルギー需要の80%を占める③輸送用の燃料としては石油が主で、30年でも87%が石油ベース④石油需要は今後も年率1%弱の伸びになり、深海石油やバイオ燃料もさらに持続可能な方法で生産していかなければならない⑤今後も温室効果ガスの排出量は拡大し、30年には28%増えるが、より積極的な政策を行った場合には、増加を10%にとどめることが可能―などと説明した。
 



兵庫・河本副会長招き商標権問題で討議
(7月23日付)


兵庫石商(中村彰一郎理事長)は7月19日、神戸市内で正副理事長・常任理事会を開き、全石連の河本博隆副会長・専務理事を招いて「ガソリン流通における商標権問題について」の解説を受けた。今年3月にまとめられた「ガソリン流通における商標権問題の論点と対応策」(黄本)の内容を中心とした講演で、河本副会長は商標権における法的論点を指摘、今後の可能性に言及した。
 同会であいさつした中村理事長は「市場では売り急ぎの傾向もみられ、いまこそ我々が本当の意味で質への転換を図るかが求められている。本日は河本副会長・専務理事にお願いし、いま必要な知識を得て今後の参考にしていきたい」と述べた。
 河本副会長は講演で商標権問題に取り組んできた経緯や、法的根拠を提示したうえで、組合員の問題意識のあり方がこれから重要になることを示唆した。
 意見交換では組合員から「業転を買いたくても買えない組合員が多い。業転と系列価格の格差を解消する方策が必要」「業界全体で業転を買えばおのずと格差問題はなくなる」などの意見が出され、全石連が商標権問題などに取り組む姿勢を支持する声が相次いだ。


質の経営が求められることを示唆する中村理事長




「石油=悪者」イメージ払拭をエネ庁幹部に訴え
(7月20日付)


資源エネルギー庁の後藤収大臣官房審議官(エネルギー・環境担当)らが7月17日に全石連を訪れ、関正夫会長や河本博隆副会長・専務理事らと今後のエネルギー政策のあり方について意見交換した。関会長は、ばく然とした地球温暖化やCO2の問題を理由に、石油の重要性を否定し、その需要を減らすようなエネルギー政策が目立ってきていることに疑問を呈した。そのうえで、震災で果たした石油の重要性を再認識し「これ以上石油をいじめないでほしい」と訴えた。
 原発事故を受けて、エネルギー政策の抜本的な見直しを進めている総合資源エネルギー調査会では、2030年度のガソリン需要が10年度比で6割減少するというエネ庁試算が示された。エネ庁側からは、ガソリンの大幅な需要減について、高齢化や人口減少、乗用車の燃費改善に加え、ハイブリッド自動車やプラグインハイブリッド自動車、電気自動車など次世代自動車が新車に占める割合が7割に達することが大きな要因であると説明した。また、「経産省が2010年に策定した次世代自動車普及戦略で、ガソリンは次世代自動車の普及で需要が大幅に減っていく試算となったが、軽油や灯油についてはそうした試算はなく、ガソリンの需要減だけが目立つような見通しになっている」と説明した。
 関会長は、「石油に課せられた税金で、次世代自動車や再生可能エネルギーの普及の補助などを行っている」と石油諸税の使い道について、大いに問題であると強く訴えた。また、CO2問題についても、「大気中に占める割合はわずか0.032%であり、地球温暖化に大きな悪影響を与えるものなのか」、「ガソリン車のマフラーからどのくらいのCO2が排出され、どういう影響を与えているのか」などと疑問を呈した。
 これに対し、エネ庁側からは「単位熱量あたりのCO2発生量は石油よりも石炭のほうが多い」(CO2発生量は石炭が5に対して石油が4、LNGが3=表参照)と説明した。
 こうした実態を踏まえ河本副会長は、「CO2問題で石油が悪者扱いされており、一般大衆や学識経験者の間で、石油が悪いというイメージができあがっている。そのイメージをエネ庁で払拭してほしい」と要望した。



石油の重要性を訴える関会長(右)




経営部会・商標権問題を集中討議
(7月18日付)


今年3月、全石連が業界内外の有識者と取りまとめた「ガソリン流通における商標権問題の論点と対応策」。新体制初の会合を開いた全石連経営部会(中村彰一郎部会長)では、新メンバーがこの報告書をもとに初の集中討論を行った。「業転の取扱いに苦労する事業者に一定の指針を示すもの」「SSが信義則を守れるようにするのが筋だが、そうでない以上、こうした指針は経営を守るひとつの材料になる」などの発言が相次いだ。
 系列玉と業転玉の価格差が拡大する中、経営を維持するためには業転玉を手当てせざるを得ない事業者が増えている。一方で商標権を理由に、元売からこうした取引を制約されるケースも増えている。そのため全石連は、業転を市場に振り出す元売が、系列SSにはその購入を制約する理由にしている商標権の正当性について研究した。研究会では03年にブランド服の並行輸入に関して示された商標権に関する最高裁判例などを参考に検討し、業転玉が系列玉と同じ真正商品であることが証明できる場合には、元売は商標権を根拠として、その取扱いを阻止することは認められない、などの解釈を示した。
 部会討議では「系列制度を作っている元売が、自ら業転玉を出し、その一方で系列には業転を買うなというのは、全く間尺に合わない」「元売商標の位置付けが、流通ブランドやメーカーブランドなどごっちゃになっているのではないか」など、現在の石油販売業界における商標権の考え方そのものに疑問を投げかけた。
 また、「現在のように業転玉が市場に出回っている中で、中小零細については、一定量を仕入れなければ生きていけない。今回の報告書はその生き残りのための指針となる」「業転の扱いや商標の考え方については業界側にも温度差があり、それを一つにまとめていくのは難しいが、一つのツールとして少しでも実効性のあるものにしていくことが必要だ」など、この指針を評価・活用すべきだとの意見が出された。





2030年ガソリン需要60%減の正体~6割は次世代車
(7月13日付)


エネルギー基本計画の抜本的な見直しを検討する総合資源エネルギー調査会基本問題委員会で示された“2030年度にガソリン需要が6割減”という石油製品の需要予測は、石油販売業者に大きな衝撃を与えた。特に減少幅が著しいガソリンの需要減少要因が、明らかになった。
 需要予測全体の方向性については、実質GDP成長率を0.8~1.1%という慎重ケースで想定し、省エネ対策についても政府として取り組むことができる最大限の政策投入を行ったケースで試算を行っている。
 具体的には、10年度比で20年度、30年度時点で、経済的な成長があまり見込めない、あるいは実質的に停滞し、少子高齢化の進展、人口減などの要因も加わり、ガソリン需要は、10年度から20年度までに約600万キロリットル、30年度までに1,300万キロリットルの減少が見込まれるとした。
 また、電気自動車やプラグインハイブリッド車など次世代自動車の割合が、20年度で新車ベースで50%、保有ベースで20%まで高まり、30年度にはそれぞれ70%、56%まで拡大。自動車の燃費改善を自動車メーカーに促すトップランナー基準の運用強化なども加わり、乗用車の燃費改善も進む。これら次世代自動車の普及拡大・燃費改善効果によって、20年度までに453万キロリットル減、30年度までに1,224万キロリットル減を見込む。
 さらに、公共交通の利用促進、モーダルシフト(輸送・交通手段の転換)、カーシェアリングなどの交通流対策で、20年度までに446万キロリットル減、30年度までに564万キロリットル減となる。
 ①経済・社会的要因②燃費改善・次世代自動車普及③交通流対策―これら3つの要因によって、20年度までに1,600万キロリットル減となり、さらに30年度までに3,100万キロリットルの需要が抑制されるとした。





福島・原発被災SS支援で連絡協議会設置
(7月6日付)


福島石商・協(根本一彌理事長)は7月3日、郡山市で理事会を開き、福島第1原発事故による本格的な財物等の損害賠償請求を控えて、被災組合員に損害賠償関連情報の提供などや要望活動を行うため「福島県石油組合・原発事故SS被害者連絡協議会」(委員長・吉田俊秀副理事長)の設置を決めた。また居住制限区域・警戒区域のSS施設や地下タンクに放置されたままの石油製品の処分などについての支援を国、自治体、東京電力など要望していくことになった。
 根本理事長はあいさつで「震災から1年数ヵ月たち、あの時は我々の油は血の一滴と言われたはずだが、忘れ去られている。原発などの問題があるが、みなさんといっしょにこの業界を守り、難局を突破していきたい。石油ほど素晴らしい資源はないといい続けてきたが、石油の力を発揮し組合の力を強いものにしよう」と呼びかけた。
 原発事故による損害賠償は原子力損害賠償紛争審査会の方針に基づいた仮払い補償などが行われてきた。財物など本格的な賠償についてはまだ詳細は出ていないが、今後の東京電力への財物への損害賠償請求に備えて同協議会を設置する。委員には居住制限区域、警戒区域内の双葉町、浪江町、大熊町、南相馬市など8地区から、吉田副理事長はじめ組合員8人と、専門家委員として顧問弁護士(日本法律事務所)2人、顧問税理士1人の11人で構成。設置について根本理事長は「原発問題については連絡協議会で、顧問弁護士と相談しながら対応していきたい」としている。
 原発から20キロメートル圏内や一部周辺地域の居住制限地域、警戒区域には32ヵ所のSSがあるが、福島石商によると震災発生から1年3ヵ月以上たってもSS施設や地下タンクに約1,000キロリットルのガソリン、軽油、灯油などの石油製品が残されたままになっているが、東電、行政機関の対応が行われていない。これらの石油製品は漏洩などによる2災害の発生も懸念されるため、今後の営業再開あるいは再開できない場合でも回収処分が必要となっている。
 原子力災害対策本部通達においても復旧・復興作業に付随して必要となる事業としてSSが掲げられている。このため業務再開可能区域のSS支援として、SS敷地の除染、石油製品の品質検査や廃棄処分費用などの支援。石油製品を汲み上げに備えたSSまでの道路状況などの事前調査。再開が見込まれない区域の地下タンクに残っている石油製品の処分支援などを要望していく。


 




エネ研・今年度内需見通しでSS3油種とも減販見込む
(7月4日付)


日本エネルギー経済研究所は2日、2012年度の短期エネルギー需給見通しをまとめた。それによると、燃料油販売量は発電用C重油の大幅増により、前年度比1.3%増と予測。ガソリン・軽油は被災地などを中心に復興需要があるものの、低燃費車の普及による継続的な燃費改善などによって、それぞれ2.1%、1.3%減と2年連続で前年度を下回るなどと、SS関連3油種の減販は避けられないとの見通しを示した。
 油種別に見ると、ガソリンは、エコカーの普及や軽自動車の増加に伴う燃費改善などで、2.1%減の5,604万キロリットルに落ち込む。軽油も復興需要などで荷動きの回復などがあるものの、輸送効率の改善で1.3%減の3,245万キロリットルに減少。灯油は気温によって左右されるものの、民生用、産業用とも電力や都市ガスなどへの転換が進み、6.2%減の1,841万キロリットルに減少するとした。
 A重油も燃料転換・省エネによる減少基調が続き、1.4%減の1,447万キロリットルに減少。電力用C重油は原発の稼働減に伴って43.4%増の2,128万キロリットルに膨らむ。
 12年度の日本経済は、輸出の増加が期待されるとともに、内需も震災前の回復基調に復帰するとして2.1%の成長を見込む。自動車生産も、上期はエコカー補助金による販売台数増加が見込まれ、下期はその効果がはがれることによる反動減も予測されるが、新興国向けの輸出が好調に推移することも見込まれ、3.7%増の961万台まで増加するとした。
 為替は1ドル80円、原油CIF価格は最近の下落基調を反映して1バレル当たり102.7ドルで想定した


 




エネ研・石油の“復旧力”“柔軟性”の高さに評価
(7月2日付)


日本エネルギー経済研究所は、震災後の国内石油需給と石油の利点についてまとめた。それによると、震災による原発事故によって、全国各地の原発が稼働停止に追い込まれる中で「最後の砦としての電源の役割を果たしのは石油火力であった」と強調。こうした緊急時における石油が持つ“復旧力”“柔軟性”の高さを「今後のエネルギーミックスを考えるうえで、最大限活かしていくという発想が不可欠」と提言した。
 震災直後から、発電用については、重油だけでなく生焚原油の消費量も大きく増加した。2011年度の電力会社の重・原油消費量は前年度倍増の2,339万キロリットルに増加した。07年度の中越沖地震による原発の稼働低下時の2,317万キロリットルを上回り、過去10年で最大となった。
 また、過去10年間の推移でも、ガソリンや軽油などの需要とは異なり、年によって非常に激しく変動していることも浮き彫りになっている(グラフ)。こうした状況について、「石油火力が主としてピーク用電源として用いられ、その稼働状況やその年々の気温、ピーク電力の水準に大きく左右されること」、「原発の稼働が低下した際に、石油火力がそのバックアップ電源として活用されてきた」と、電源の変動に機動的に対応できる石油の復旧力・柔軟性の高さを指摘した。
 特に石油の復旧力・柔軟性の高さは、①貯蔵容易性②調達容易性③輸送容易性④融通容易性の4つから成り立つとした。そのうえで、①原油や石油製品といった異なる形態で貯蔵し、供給途絶の発生ポイントやその内容に応じて、柔軟にその備蓄を取り崩す②アジアではシンガポールを中心に非常に多くの石油製品の取引がスポットベースで行われており、流動性の高いスポット市場が形成されている石油の有効活用③石油は常温で液体であるという性質から、代替の供給手段を確保することが比較的容易④震災被害が比較的軽微だった塩釜の油槽所を元売各社が共同利用することで、被災地への製品供給能力の拡充が図られたことなど、緊急時にはさらに、石油の持つ融通の容易性を発揮するべきとした。
 このような震災における教訓を活かし、石油の安定供給確保に向けて、「最終消費者である国民一人ひとりへの供給に至るまでのすべてのチェーンにわたって考える必要がある」と、製油所からSSに至る石油サプライチェーンの重要性を改めて強調した






政策・環境部会 燃料への代替増税反対など税制改正要望など議論
(7月2日付)


全石連は6月27日、新体制となって初の政策・環境部会(森洋部会長)を開催し、タックス・オン・タックスの廃止や石油製品に対するさらなる増税の反対など2013年度に向けた税制改正要望などについて議論した。森部会長は「石油販売業界に山積するさまざまな課題に対し、政策的見地から方向性を検討し実現に向けて取り組んで行きたい」と抱負を述べた。
 政府・与党が提出していた社会保障と税の一体改革法案は26日、民主、自民、公明の三党による修正案として衆議院で可決され参議院に送られた。これにより消費税増税が現実味を増している。
 そのため全石連としては、これまで訴え続けているガソリン税と消費税のタックス・オン・タックスの廃止をはじめ、消費税転嫁カルテルの実施、さらには転嫁困難に係る支援措置の創設などを、国に対し強く要望していく方針を固めた。
 特に、消費税率が8%になる14年4月には地球温暖化対策税の第2回目の引き上げ(1リットル当り0.25円)が予定されていることからダブル増税となり、石油製品に関しては転嫁がより一層困難になると見られる。そのため「強力な転嫁対策の実施は不可欠」として要望運動をさらに強化していく必要性が指摘された。
 また、一体改革の中では、車体課税について「抜本的見直しを行い、消費税率8%への引き上げ時までに結論を得る」とされたが、昨年の政府税制調査会では「仮に車体課税の負担軽減を行う場合には、国際的に低い水準となっているエネルギー課税の強化などにより安定的な財源を確保することが大前提」との考え方が財務省などから示されている。
 全石連としては今後、本格的に車体課税の見直しが行われるに際して「代替財源としてガソリン税や軽油引取税など石油諸税を増税することには断固反対すべきだ」として、業界をあげた反対運動を実施する考え方などが出された。
 これらの議論をもとに全石連理事会や油政連理事会などでの決議を経て、国や政治に訴えていくことになった