2012年8月


石油備蓄法改正案が成立
(8月31日付)

災害時の石油製品の円滑な供給を確保する石油備蓄法等改正案が8月29日の参議院本会議で可決成立した。公布後6ヵ月以内に施行される。
 今回の法改正は、「石油備蓄法」「石油需給適正化法」「JOGMEC法(石油天然ガス・金属鉱物資源機構法)」の3法。これまで中東地域などでの有事の際に海外からの供給が途絶することを想定してきた備蓄放出の発動要件を見直し、国内で大規模災害が発生した場合に被災地で供給不足が生じた際に備蓄する石油を放出できるようにする。また、石油製品(ガソリン、灯・軽油、A重油)での備蓄を強化し、その管理を元売などに委託する。さらに、元売が連携し、災害時の供給連携計画を地域ごとに予め作成し、災害が発生した際には同計画を着実に実施する。
 SSについても、“石油のサプライチェーン”の最前線としての役割を担うことを可能とするため、地下タンクの増強や自家発電設備の設置などを通じて災害対応能力の強化を図る。警察・消防車両といった緊急車両などへの石油製品の供給に万全を期すために、中核SSを整備するとともに震災時の地域における情報収集拠点としての石油組合を明確に位置付ける。


コスモ・坂出製油所の閉鎖発表
(8月31日付)

コスモ石油は28日に記者会見を行い、経営合理化を目的として、来年7月に香川県の坂出製油所(坂出市、日量14万バレル)を閉鎖すると発表した。コスト削減効果は年間約100億円を見込んでいる。これにより同社は3製油所体制となるが、同製油所の閉鎖だけでは、まだ高度化法の目標はクリアできないため、今後は目標達成へ向けたさらなる取り組みが求められる。
 コスモ石油は合併以来26年間、千葉(22万バレル)、四日市(17.5万バレル)、堺(10万バレル)、坂出の4製油所体制で供給に努めてきたが、少子高齢化などによる国内需要の減少に加えて、中東・アジア地域における新たな製油所建設ラッシュが供給過剰を招き、輸出の落ち込みに拍車をかけると見込まれることから、製油所の集約による供給体制の再構築が必要と判断した。これを受けて、精製能力、装置構成、ロケーションなどから総合的に判断した結果、坂出製油所閉鎖の決断に至ったもの。製油所閉鎖後も、タンクヤードについてはオイルターミナルとして活用していくが、精製装置の跡地利用については今後検討する。
 3製油所体制移行後の供給については、輸出の落ち込みを勘案すると、「トッパー稼働率を現状より10%程度引き上げることで十分に対応可能」としており、原発停止による火力発電用ローサルC重油の特需についても、「対応に問題はない」としている。
 なお、現在稼働を停止している千葉製油所については、事故調査委員会の結論が出次第、再稼働へ向けて取り組みたいとしており、遅くとも坂出製油所が閉鎖される来年7月までには、再稼働に漕ぎ着けられるものと見込まれている。
 組合員からは「現在は除染で需要はあるが、先行きを考えると不安だ。補償をどこまでやってくれるのか」、「帰宅困難地域の除染現場の配送は防護服を着てやっている」など、除染作業を支える給油活動の現状や、「個人の売掛金は避難先がわからないので請求ができない」など問題点が報告された。
 東電福島補償センターの担当者は7月24日に発表した財物賠償基準の内容について説明。東電との質疑応答で吉田委員長は「油が地下タンクに残っている。危険物なので、処理方法、処理補償を早くしてくれという声が強い」と約1年5ヵ月、警戒区域などに放置されたままになっているガソリンなど石油製品の回収処分を訴えた。東電からは回収処分についての対応は示されなった。


来年7月の閉鎖が決まった坂出製油所


経産省・13年度重点政策でSS災害対応力強化盛る
(8月29日付)

経済産業省は27日、産業構造審議会の総会を開き、災害に強い石油インフラの構築や資源・化石燃料の安定的かつ低廉な供給の確保など、エネルギー需給構造を抜本的に再構築していくことなどを柱とする2013年度予算の重点政策を了承した。13年度予算の財務省への締切となっている9月7日までに概算要求と税制改正要望をまとめる。
 政府の成長戦略である日本再生戦略の実現に向けて、革新的なエネルギー環境社会の実現を目指す「グリーン」、医療・福祉ビジネスの拡大を図る「ライフ」、農商工連携の促進など「農林漁業」、小さな企業に光を当てた施策の再構築など「中小企業」の4大プロジェクトに焦点を当て、予算・政策資源を重点配分していく方針だ。特に、震災を教訓に①産業活動・産業基盤のリスク耐性の強化②エネルギー・環境政策の再設計など5分野を中心に施策を進めていく。
 具体的には、災害に強いエネルギーインフラの構築を目指し、災害時に有効な分散型エネルギーである石油を、激甚災害が発生した状況下でも全国に確実に供給するため、石油製品(ガソリン・軽油・灯油など)備蓄を増強するとともに、中核SSの整備など、SSの災害対応能力の強化を図る。
 また、災害時の迅速な石油供給に向けた国・自治体・事業者間の連携体制などを強化し、太平洋側の大需要地への石油のバックアップ供給能力を向上を目指す。
 さらに、地域におけるエネルギー供給の最後の拠り所であるSSを含む石油のサプライチェーンを平時から維持・強化すべく、公正・透明な競争環境の整備や品質の確保、SSの環境・安全規制対応への支援や次世代車への対応、過疎地・離島対策を行うとした。
 このほか、民生部門の発電、省エネ・節電に向けた取り組み支援として、電気と熱を一体的に利用できる家庭用燃料電池(エネファーム)の導入支援を強化していく。15年から市場投入に向け国際的な開発競争が激化する燃料電池自動車についても、15年までに4大都市圏(首都圏、中部、関西、北部九州)を中心に100ヵ所の水素供給設備の整備や水素供給設備のコスト低減に向けた技術開発支援を行っていく。


革新的なエネルギー環境社会の実現を目指すとした枝野大臣(写真中央)


総合エネ調基本問題委・重点政策で石油供給網の維持・強化明記
(8月27日付)

総合資源エネルギー調査会基本問題委員会は23日に開いた会合で、前回会合(7月30日)で示したエネルギー基本計画の骨子となる「エネルギーに関する今後の重点施策」の改定版を提示した。大規模災害を見据えた石油製品の供給システムの再構築に向けて、SSの災害時対応能力の強化や法律に基づく災害時の安定供給体制の確保など、前回提示した施策から、さらに一歩踏み込んだ指針・政策目標を示した。また、石油のサプライチェーンの維持・強化に向けて、SS地下タンクの入換・漏洩防止対策、次世代車の普及を見据えた人材育成支援など、より具体的な政策支援を行っていくことも明記した。
 大規模災害に備えた石油製品の供給システムの再構築に向けては、「全国に張り巡らされたSSは地域のエネルギー供給の最後の拠り所」と強調した。さらに、「緊急時に最も機能を発揮し、最も供給要請を受けるのも、こうした独立型のエネルギー拠点である」と指摘。将来的には水素など「新たなエネルギー源の供給拠点としての活用も考えられる」とした。
 一方で、「SSは年間1,000軒を超える数が減少するなど、需要の減少に伴い年々数を減らしており、災害が発生した場合に最終消費者への供給が滞る恐れがある」、「石油は連産品であり、緊急時に急に特定の製品供給を増やすことは困難」と強調。安定供給体制の強化とともに、平時からの安定的な需要確保の必要性を訴えた。
 そのうえで、今国会に提出した「災害時における石油の供給不足への対処等のための石油の備蓄の確保等に関する法律」の成立後、同法に基づき、元売が連携し災害時の供給連携計画を地域ごとに予め作成し災害が発生した際には同計画を着実に実施すること。国としても、石油業界(元売・石油販売業者)と自治体との間の災害時の石油供給の円滑化に向けた協定の締結を後押していくことも盛り込んだ。
 SSについては、今後とも「石油のサプライチェーン」の最前線としての役割を担うことを可能とするため、自家発電設備の設置などを通じて災害対応能力の強化を図り、警察・消防車両といった緊急車両などへの石油製品の供給に万全を期すために、中核SSを整備するとともに、震災時の地域における情報供給拠点としての石油組合を明確に位置付けることも明記した。
 このほか、「石油製品は省エネなどの進展により国内需要の減少が見込まれるものの、引き続き経済活動や社会生活に不可欠な物資である」とし、SSを中心とした石油サプライチェーンを「平時から維持・強化すべき」とした。具体的には、「石油販売業における公正・透明な競争環境の整備や品質の確保を推進する」のに加え、①SS地下タンクの入換や漏洩防止措置など、環境・安全規制強化への対応に向けた支援②SS過疎地・離島などにおける課題の解決③SSの経営力向上や人材育成など、次世代車の普及を見据えた新たなビジネスモデルの構築に向けた支援―を行っていくことを明記した。



SS短観・7月期 東日本で経営状況悪化
(8月22日付)

全国石油協会がまとめた2012年7月期のSS版地域経済報告(SS短観)によると、石油販売業者が実感するSSの経営状況は、全国平均▲(マイナス)55となり、今年1月期以来、4月期、7月期と2期連続でマイナス幅が拡大した。前回調査に比べ、西日本地区で相対的にマイナス幅が縮小する一方、東日本では悪化が進むなど、東西で明暗を分ける結果となった。震災による自粛ムードの高まりで需要減に見舞われた前年同期と比べては、4ポイント良化した。日本銀行が発表する「企業短期経済観測調査(短観)」6月の「中小企業・非製造業」の業況判断は▲9(前回調査時は▲11)に良化するなど、中小企業経営にも一部に改善の兆しが見えるものの、SS業界のマイナス幅はこれに比べ圧倒的に大きく、厳しい経営状況を物語る結果となっている。
 調査は、47都道府県に設置した地区信用保証委員会委員に委嘱された石油販売業者288社にアンケートを実施(回答数・率、224社・67.4%)。日本銀行が発表する「企業短期経済観測調査(短観)」を参考に、業況判断で「良い」とする回答企業数から「悪い」とする回答企業数を差し引き、指数化(%)した。
 地区別に見ると、経営悪化が著しいのは北海道▲67で、前年・前回比で10ポイント悪化し、厳しい経営状況が明らかとなった。次いで九州・中部がともに▲59の順となっている。震災による復旧・復興需要などでマイナス幅が他地区に比べて低かった東北も前回比で11ポイント悪化し▲46になるなど、東日本での悪化が目立っている。一方、四国は▲38と良化。
 ガソリン販売量の動向では、▲65と前回比で14ポイント悪化。地区別では、中部▲76を筆頭に、近畿▲75、北海道・九州がともに▲71と需要減が各地で顕在化している。
 販売マージンは▲54と前回比で6ポイント良化したが、マイナス幅は依然大きく、マージン確保が厳しい状況に変化は見られない。北海道▲89を筆頭に、東北▲75、関東▲62など東日本地区の苦戦が際立っている。これらの原因については、「急激な仕入価格の上昇に価格転嫁が追いつかない」と、原油価格変動によって、週ごとに目まぐるしく上下する卸価格に振り回され、経営悪化が急速に進んでいることが明らかになった。このほか、「業転仕入れ値と系列仕入れ値の格差」や、「元売販売子会社の安値販売」など、元売各社の販売政策・姿勢に対しても批判が相次いでいる。


 


軽4輪車世帯普及台数が最高更新
(8月22日付)

全国軽自動車協会連合会が8月17日公表した軽4輪車の100世帯当たり普及台数は51台となり、軽4輪車の普及がさらに広がっている実態が明らかになった。国土交通省調査の自動車保有車両数と、総務省調査の住民基本台帳世帯数をもとに、3月末現在の状況を算出したデータで、初めて普及率5割を超えた前年同期からさらに0.7台増えた。
 軽4輪車の保有台数は、35年前となる1977年の約550万台から一環して増え続けており、86年に1,000万台、2001年には2,000万台を突破し、今年3月末では前年比2%増の2,761万台になった。
 一方、世帯数も増え続けているが、それ以上に保有台数が増えているため、100世帯当たり普及台数は36年連続で増加中で、77年の15.9台が82年に20台、88年に30台、00年には40台の大台に達した。これを地域別にみると、全都道府県で前年を上回り、鳥取(99台)、佐賀(98.7台)、島根(97.3台)、山形・長野(各96.9台)のトップ5は全世帯に普及していることになる。また、80台以上の普及地域が4県増の22県と全国の半数近くに迫った。一方少ないのは東京(11.1台)、神奈川(20.5台)、大阪(26.2台)、埼玉(36.6台)、千葉(37.4台)が下位5位だが、いずれも前年より増加した。
 なお、ここ5年間で普及台数が5台以上伸びているのは岩手(5.5台)、福島(5.3台)、茨城(5.1台)、栃木(5.0台)、福井(5.4台)、沖縄(7.4台)の6県、逆に1台未満にとどまっているのは東京と大阪(各0.4台)、兵庫(0.9台)。


 


経済財政白書で再生可能エネルギーのコスト高指摘
(8月20日付)

内閣府がこのほど発表した2012年度の年次経済財政報告(経済財政白書)の中で、太陽光や風力などの再生可能エネルギーで発電した電力は「コストは高い」と指摘した。7月からスタートした再生可能エネルギーの全量買取制度で「買取が増えれば増えるだけ、利用者負担も増加する」とし、「公正妥当な改定をしていくことが望まれる」と注文を付けた。
 白書では、震災を契機に電源構成に変化が生じ「火力発電施設が電力生産の主たる担い手になっている」と石油を含む火力発電の重要性を強調。ただ、「原油はリーマンショック後の底値から高騰しており、コストの高い電気を作っている」とも指摘した。
 一方、原発代替電源として、「再生可能エネルギーの期待が高まっている」としながら、現行の平均電力コスト比で、「太陽光は約3倍」と再生可能エネルギーのコスト高を示唆した。
 7月から一般事業者などが発電した電気を電力会社が全量買い取る制度もスタート。買取価格が「相当高く設定されている」ことで「高収益が制度的に保証され、法人や個人の参入が進む」と政策的に評価する一方、「買取が増えれば増えるだけ、利用者負担が増す」とマイナス面も訴え、価格の妥当性や費用効率を検証するなど、「公正妥当な改定をしていくことが望まれる」とした。



オイル劣化による車両火災防止にSSから注意喚起を
(8月10日付)

全石連は国土交通省からの要請を受け、47都道府県組合に対してエンジンオイル劣化による車両火災の防止対策に関して、組合員SSにおいて消費者への注意喚起を徹底するよう求めた文書を送った。
 消費者への注意喚起のポイントは①オイルの劣化は自動車を長期間使用する場合だけでなく、エンジンが十分に温まらない短時間での使用でも進行するため、オイルの量と汚れを「日常点検」でチェックする②オイル劣化の状態で使用を続けると、最悪の場合オイルが焼き付いて火災発生の恐れがあるため、一定の期間また走行距離ごとに「オイル交換」が必要になる―の2点。
 今回の要請は、国交省の検証結果においてオイルの劣化が車両火災の誘発要因となっていることが明らかになったことを受け、全石連としても周知徹底を図ることが重要であることから実施したもの。





福島・原発事故SS被災者連絡協議会を開催
(8月10日付)

福島県石油組合(根本一彌理事長)は8月7日、郡山市で第1回原発事故SS被災者連絡協議会(委員長・吉田俊秀副理事長)を開き、警戒区域、居住制限区域などにSSのある組合員らが出席し、規制区域内にあるSSの現状報告、意見交換と、東電の補償担当者による財物賠償についての説明、質疑応答を行った。
 原発事故SS被災者連絡協議会は福島第1原発事故により営業停止が続いている警戒区域、避難指示解除準備区域などの組合員SSに、賠償請求の迅速な支援、東電など関係機関に対する要望の取りまとめや要望活動を行うため、警戒区域内の組員はじめ顧問弁護士、顧問税理士らを委員に7月に設置。東電による避難指示区域の財物賠償基準の発表を受けて、第1回目の会合を開いた。
 組合員からは「現在は除染で需要はあるが、先行きを考えると不安だ。補償をどこまでやってくれるのか」、「帰宅困難地域の除染現場の配送は防護服を着てやっている」など、除染作業を支える給油活動の現状や、「個人の売掛金は避難先がわからないので請求ができない」など問題点が報告された。
 東電福島補償センターの担当者は7月24日に発表した財物賠償基準の内容について説明。東電との質疑応答で吉田委員長は「油が地下タンクに残っている。危険物なので、処理方法、処理補償を早くしてくれという声が強い」と約1年5ヵ月、警戒区域などに放置されたままになっているガソリンなど石油製品の回収処分を訴えた。東電からは回収処分についての対応は示されなった。


被災SS組合員から規制区域内での厳しい運営などの報告が行われたSS被災者連絡協議会




総合エネ調基本問題委・SSの機能強化を提言
(8月8日付)

総合資源エネルギー調査会基本問題委員会は2030年度に向けたエネルギー基本計画の柱となる「エネルギーに関する今後の重点施策」の考え方を提示した。原発の依存度をできる限り低減させつつ、省エネの強化や再生可能エネルギーの開発・利用の促進に加え、石油など化石燃料の有効利用により、新たなエネルギーミックスの実現を図っていくこととした。
 我が国では、製油所などの燃料供給拠点が太平洋側に集中しているために、近年発生リスクが高まっている首都直下地震や中部地方から四国地方に至る南海トラフ地震などが発生すれば、日本全体で石油製品の供給能力が長期にわたって毀損する恐れがあると指摘。一方で、地域のエネルギー供給の最後の拠り所であるSSは、年々その数を減らしており、ひとたび災害が発生すれば、消費者への供給が滞る危険があると強調した。このため、災害時における石油製品の安定供給体制を強化するため、平時から安定的な需要を確保することが重要であると提言した。  具体的な対策として、製油所の精製・備蓄機能の強化のほか、SSの災害時対応能力を強化し、迅速かつ確実に石油製品を供給するため、国・自治体・事業者間の連携体制強化の必要性を訴えた。
 また、運搬や保管が容易な分散型エネルギーとして災害時に大きな役割が期待される石油製品については、学校や病院などの地域の防災拠点の災害対応能力強化に向けて石油機器の普及を進め、平時から石油を安定的に利用する環境を整備することとした。
 さらに、地域のエネルギー供給の最後の拠り所であるSSなど、石油サプライチェーンの平時からの維持・強化の必要性を強調。それに向け、石油販売業の公正・透明な競争環境の整備、SSの環境・安全規制強化に対応した支援、SS過疎地対策、次世代車への対応など、SSの経営力向上や人材育成などの支援を行っていくこととした。
 



政府「日本再生戦略」で方針 「20年までに次世代車新車の5割」
(8月8日付)

政府がまとめた「日本再生戦略」のうち、エネルギー分野では、原発事故の反省を踏まえ原発依存をできる限り減らし、再生可能エネルギーの導入拡大や省エネルギーのさらなる推進を図る。70年代の石油危機の経験と教訓を糧に、原発依存度低減というエネルギー制約をバネに「グリーン成長」を達成する。しかし再生可能エネルギーは発電コストが高く不安定であることから当面は化石燃料の重要性が高まるとし、化石燃料の開発投資の促進、技術開発の推進、クリーン利用の拡大などを盛り込んだ。
 また、大震災の経験は災害時における石油などの燃料備蓄の重要性を再認識させたことから、「地域ごとの需給状況を踏まえた備蓄の推進」など、「石油を中心とした化石エネルギーの安定供給確保が担保される社会像を目指す」。
 一方で、世界的に先行する次世代自動車分野(ハイブリッド、電気、プラグインハイブリッド、燃料電池自動車など)において、世界市場を獲得するため、他国を圧倒する性能・品質を実現し、世界的な潜在市場の掘り起こしを図る。20年までの目標として、新車販売に占める次世代車割合を5割まで高め、普通充電器200万器、急速充電器5,000器を設置する。蓄電池についても電力系統用、自動車用、防災用、家庭用と今後、大きな市場拡大が予想される成長産業分野として位置付け、高度化・低コスト化・普及を加速させる。
 バイオエタノールの導入拡大に向けても、食糧に影響を与えない藻類を活用した新たな生産技術・手法の開発を進めていくとしている。





エネ庁長官とエネルギー政策見直しで懇談
(8月3日付)

全石連の関正夫会長、根本一彌副会長、森洋副会長、河本博隆副会長・専務理事らは7月31日、増子輝彦参議院議員と田嶋要衆議院議員の下で資源エネルギー庁の髙原一郎長官と懇談し、エネルギーベストミックスの議論の中での石油の位置付けについて意見交換した。全石連からは6月末に政府エネルギー・環境会議が示した「エネルギー・環境に関する選択肢」の今後の電源構成における3つのシナリオについて「これほど便利で安全で快適かつ経済的なエネルギーである石油を、なんの根拠も示されず軽視していることは、誠に遺憾である」と強く抗議。「石油を正しく評価し、基幹エネルギーとして位置付けるべき」と訴えた。
 根本副会長は「空気中の成分の内、CO2の体積比は、わずか0.032%。その排出量が増加していると言われているにも関わらず、その比率は近年変化していない。しかも、エネルギー使用に伴い発生するCO2量は、年間約11億トンと言われているが、ガソリンによって排出されているCO2量は1割に過ぎない」と指摘。「今回の震災で石油の重要性が再認識された。石油はわたしたちの生活を快適で豊かなものにしてくれている素晴らしいエネルギー。この素晴らしくも大切なエネルギーが賞賛されることはあっても、環境破壊の戦犯扱いされる理由は全くないはず」と、地球温暖化問題で化石燃料、とりわけ石油が犯罪者扱いされている現状に疑問を呈した。
 今後、諸説混在する根拠が明確でない地球温暖化対策ばかりに傾くことなく、石油を正しく評価し、公平・公正な視点でエネルギーのベストミックスを図り、その中で石油が基幹エネルギーとして位置付けられるよう強く要望した。
 髙原長官は、「原発の発電比率の問題ばかりにとらわれており、石油によりCO2がどの位地球温暖化に寄与しているのかもう少し勉強して、石油の位置付けをより公正・公平なものにしていきたい」などと答えた。


エネ政策見直しで懇談した




近畿・青年部合同研修会で吉田国交通副大臣が後援
(8月1日付)

大阪石商21世紀の会(鴻野友次郎会長)、兵庫石商青年部(内芝知憲会長)、京都石商清水の会(高橋良成会長)と和歌山、奈良の若手経営者が参加した青年部合同研修会が7月27日、民主党の吉田おさむ国土交通省筆頭副大臣を講師に招き開かれた。約50人が参加した研修会で吉田副大臣は「エネルギー戦略を考えるうえで石油の安全保障に思いを至らせなければならない。SSは防災上からも重要な拠点」との持論を展開した。
 合同研修会は昨年7月に続くもので、全石連SS未来フォーラム会長でもある内芝氏が提唱する「ブロック単位での青年部交流強化」の一環として開かれた。内芝会長は「各地で青年部の交流が活発になっている。ブロック単位で県境を越えた活動が行われることを切望する」、開催地を代表して鴻野会長も「業界はますます厳しくなる。その中で若手経営者が情報を共有し、あすのSSづくりを目指すのは大変良い」と活動の輪が広がることに期待感を表した。
 吉田副大臣は、消費増税、エネルギー政策の課題を中心に講演し、SSについて「阪神淡路を経験し、この東日本大震災でもう一度、石油の安全保障を考えなければならないと痛感した。SSがいかに震災時の街のキーステーションとなるか、石油がどれほどの力になるか。エネルギー戦略を防災という観点から国民全体で見直す必要がある」と指摘、SSの存在価値が極めて高いことを示唆した。
 さらに「皆さんはエネルギー産業の最先端にいるという誇りを持って、石油、ガス、電力のベストミックスこそが不可欠との意識で臨んでほしい。そのためには本業で儲けなければならない」と経営健全化も重要課題との認識を示した。そのうえで「皆さんには危機感を持って自動車産業のこれからを意識してほしい。今後もガソリンを使ってもらいたいのなら、そういう要望があっても良いと思う」と述べ、業界として声をあげていく姿勢を強調した。
 質疑応答では「タックス・オン・タックスは理解できない」「ガソリン税の地方税法化はできないか」「低燃費車普及のためにエコカー減税を行うなど、我々の業界の思いを無視した行為」など率直な声が相次いだ。
 これに対して吉田副大臣は、「皆さんは大切な徴税機関であり、その思いはよく理解できる」とし、「業界として要望を積極的にあげることが政策に通じる」ことを重ねて示唆した。


「SSの実力が多大」と強調する吉田国交副大臣

交流の場を広げるよう促す内芝会長

50人の近畿若手経営者が参加した研修会