2012年12月


エネ研・今年度ガソリン需要見通しは1%減少
(12月26日付)

 日本エネルギー経済研究所がまとめた石油製品の短期需要見通しによると、2012年度の販売量は、燃費や輸送効率の改善によるガソリン需要は減少するものの、震災以降、原子力発電所の稼働停止による石油火力発電所の稼働増によるC重油の大幅増で、前年度比0.8%増の1億9,766万キロリットルの微増となる。87年度(1億9,169万キロリットル)以来の低水準が持続、09年度以降4年連続で2億キロリットルの大台を割り込む見通しを示した。13年度は原発の再稼働を見込んでC重油の減少を予測、燃料油計は2.3%減。ガソリン、灯・軽油のSS主力3油種も燃費改善や燃料転換で漸減を見込んだ。
 油種別に見ると、12年度のガソリンは、低燃費の次世代自動車の普及による燃費の改善が進み減少基調で推移。上期が0.1%減、下期も減少基調は変わらず1.9%減となり、年度計では1%減の5,663万キロリットルを見込む。13年度も継続的な燃費改善などにより通期で減少し、1.5%減の5,578万キロリットルとした。
 灯油は、12年度が燃料転換など進行で、上期実績が2.5%減、下期も4.2%減と通期で需要不振を見通し、年計では3.6%減の1,888万キロリットルに落ち込むとした。
 軽油は、12年度が燃費や輸送効率の改善が進むものの、復興需要増もあって、上期が2.5%増、下期はやや落ち込んで1.9%減となり、年計では0.2%増の3,294万キロリットルの微増を見込む。13年度は復興需要はあるものの、引き続き燃費や輸送効率の改善が進み、1.4%減の3,247万キロリットルに落ち込む。
 C重油は、12年度が震災による原発の稼働停止に伴う石油火力発電所の稼働増によって、21.7%増の2,889万キロリットルを見込む。13年度は原発の9基程度の再稼働を見込んで石油火力の電源シフトがやや弱まると見込んで9.1%減の2,626万キロリットルに減少するとした。
 燃料油計は、12年度が発電用C重油の大幅増が燃料油全体を押し上げることで0.8%増の1億9,766万キロリットル。13年度はナフサの微増を見込むものの、発電用C重油の減少に加え、ガソリン、灯・軽油などの減少が響き、2.3%減の1億9,310万キロリットルと減販を予測する。
 
 

 


9月末セルフ数・3月末比107ヵ所純増
(12月21日付)

 石油情報センターがまとめた9月末の全国セルフSS数は、3月末比で107ヵ所純増の8,703ヵ所となった。セルフの漸増と過当競争の激化によるSS数の減少で、セルフ率は23.1%に達し、着実に市場での影響力を高めている。
 4~9月の新規出店数は156ヵ所、撤退数は49ヵ所となった。7~9月で見ると、新規出店数は90ヵ所と10年度10~12月期(103ヵ所)以来、7期ぶりの高水準となった一方で、撤退数は22ヵ所と低水準となり、純増が68ヵ所と前期(4~6月)の39ヵ所を上回った。
 都道府県別では、3月末比で純増は8ヵ所増の新潟と静岡、7ヵ所増の茨城と福岡など35都道府県で、千葉と鳥取は2ヵ所減と純減を記録、10県は横ばい。






石油協会・信用保証事業拡充で円滑化法期限切れに対応
(12月14日付)

 中小企業金融円滑化法の期限が2013年3月末に迫り、石油販売業者からも資金問題への危機感が高まる中で、全国石油協会では中小企業が大勢を占める石油販売業者の円滑な資金調達を後押しする信用保証制度の積極的な活用を呼びかけている。過当競争の激化や需要減などによる急速な経営環境の悪化によって、各金融機関の期限切れ後の貸し渋りや貸しはがし、融資条件の厳格化を懸念する声が広がっているもので、石油協会では10月以降、複雑かつ多岐にわたっていたそれ以前の制度を整理・統合したうえ、さらに制度内容を強化・拡充し、石油販売業者の多様な資金ニーズにも対応できる体制を構築した。石油販売業者が期限切れ後に資金繰り悪化に陥らないよう、引き続き、47都道府県石商などを通じて各種信用保証制度の利用を呼びかけていく方針だ。
 石油協会では、07年に急激な資金繰り難によるSSの経営悪化に対処するため創設したセーフティネット資金が9月末に期限を迎えたが、10月以降も期限を定めず継続した。従来からの要請の強かった大口先(年商27億円以上の先)については、利用枠を1億5千万円に拡大した。小口運転資金保証については保証基準等を見直し、より利用しやすい制度にした。
 また、利用勝手の良い小口設備資金を再構築するため、既存の小口設備資金を地下タンク入換・撤去資金と統合。引き続きSSの新設・拡張やSS撤去に係る資金、地下タンク入換・撤去資金、地下タンクのFRP内面ライニング施工資金など、対象範囲をSSの設備資金全般とするとともに、借入限度額を1企業1億円・1SS6,000万円へ、保証倍率を100倍へそれぞれ拡充した。保証割合は95%、保証期間10年以内。
 平常時の運転資金、設備資金だけでなく、次世代自動車の普及や景気動向による需要の変化、不透明な原油価格情勢など、激変する経営環境による突発的な資金需要にも、機動的に対応できるよう、より利便性の高い制度としてSS経営を側面支援していくとともに、石油販売業者に特化した資金制度として利用拡大を図っていく。
 東日本大震災によって、石油販売業・SSの地域社会におけるエネルギー安定供給拠点として重要性が再認識された。石油サプライチェーンの最前線で活躍するSSの資金繰り悪化による倒産・廃業・撤退を食い止めるため、期限切れの影響を最小限に抑えるべく、引き続き、信用保証制度の利用拡充を通じて、切れ目のない資金需要に対応していく方針だ。





第2回次世代エネルギー検討会・水素SSとFCVテーマで講演
(12月12日付)

 全国石油協会は12月5日、次世代エネルギーに関する専門的知見の醸成とSSビジネスモデルの構築を検討する「次世代エネルギーに関する検討会」(座長=持田勲会長)を開催した。第2回目となる今回は、岩谷産業とホンダ技術研究所から、水素エネルギー供給インフラの整備や、燃料電池自動車(FCV)開発の現状と導入に向けた取り組みについて話を聞いた。
 第1部では、岩谷産業の宮崎淳常務執行役員が「水素インフラ整備」について講演。「水素ステーションはSSと同等の設備を整えないとユーザーに利用してもらえない。例えば充填時間も3分程度にしなければいけない。価格面でもガソリンの販売価格と同程度に、6億円といわれる設備コストも下げていかなければならない。当面は充填技術の向上やコスト削減に取り組んでいく」などと、水素ステーションの整備に向けた課題をあげた。 また、実証実験で建設した水素ステーション事例を説明。「赤外線通信機能付き水素ディスペンサー」や移動式タイプや小型の簡易水素ステーションを紹介した。
 「SS向けには併設や設置には法的にクリアしなければならない問題もある。移動式・簡易型の充填設備であれば、充填に時間はかかるが緊急避難的な使い方はできる」と今後、移動式・簡易型の充電設備の普及に取り組み、供給インフラを拡充する考えを示した。
 第2部では、本田技術研究所の守谷隆史上席研究員がホンダのFCV開発の現状と導入について講演。守谷氏は「将来のエネルギーセキュリティとCO2低減に向けて、電気・水素へのシフトが進み、車の電動化が加速する。その中で、電気エネルギーに変換が容易なエネルギーバッファーとして水素は有望」とFCV開発の展開について説明した。
 また、「ガソリンを売っているところで水素を売っていただければ、現在の社会システムと同じ状況のシステムを将来的に構築することは可能」と、水素供給拠点としてSSへの期待を述べ、「これまで自動車会社は”魅力あるクルマの創出”だけを考えればよかった。FCVの普及にはコスト低減、品質技術確立に加え、インフラの整備が最重要課題。自動車メーカーや水素供給インフラに係わる会社間の”競争と協調”が重要になる」と強調した。


岩谷産業・宮崎氏(左)と本田技術研究所・守谷氏




香川・若手組織「オリーブ会」を設立
(12月12日付)

 香川石商(天野博司理事長)は12月4日、高松市内で若手組織「香川石商オリーブ会」の設立総会を行った。総会を前に天野理事長が「次代を担う若手中心の組織づくりは以前から検討していた。今日のように激しい流れに即応していくには若い人の力が必要である。本日はその組織が誕生するわけだが、今後は若い力を結集して自社そしてSS業界の発展のために頑張ってほしい」とあいさつした。
 総会では組織名を香川石商オリーブ会とすることを決めた後、役員の選出を行い、初代会長に国東宣之四国石油社長、副会長に角野恵太アラビア商事社長と三好淳司三木石油社長、監事に好井豊人ヨシイ社長を選出した。
 初代会長に選出された国東会長は「今後は会員間での情報交換、各種研修会、他の青年部会との交流等の事業活動を展開していく予定であるが、なにをするにしても会員の皆さんの支援、協力が必要である。そのまとめ役として頑張っていきたい」と決意表明を行った。


香川石商が若手組織のオリーブ会を設立




全国一斉軽油抜取調査結果・混和嫌疑は1.5%
(12月7日付)

 軽油引取税の脱税や大気汚染などの温床となっている不正軽油の一掃を目指し、10月24~25日に全国一斉に実施された軽油路上抜取調査の結果がまとまった。47都道府県の税務課で組織する軽油引取税全国協議会が12月5日発表した全国の分析結果によると、採油本数は4,261本となり、このうち混和が疑われる試料は63本となった。混和検出率は1.5%と、前年度比0.2%増の微増となった。
 ただ、5年連続で1%台の低い検出率を維持している。不正軽油事案の最近の広域化・悪質化によって、47都道府県の税務当局が緊密な連携を強めるなど、流通阻止活動の強化・拡充の取り組んでいるほか、全国の石油販売業界や需要家団体など関連業界が一体となった地道な不正軽油撲滅対策が功を奏した格好だ。






経営部会・「卸指標「経営自立」2チームが発足
(12月3日付)

 全石連経営部会(中村彰一郎部会長)は11月29日開いた会合で、同部会の下に「我が国における仕入れ価格指標のあり方検討会」と「小規模店の経営自立化勉強会」を立ち上げることを決めた。
 いわゆる元売のブランド料の引き上げなど、新仕切価格体系の見直しによって、PB業者と系列業者との間に業転格差が顕在化。仕切り格差の拡大によって系列業者が市場で苦戦を強いられる一方、仕切価格の前提となる価格指標が元売独自の指標に移行したことで、卸価格の透明性や予見性も失われるなど、系列販売業者の収益確保に大きな影響が生じている。
 こうした状況を踏まえて、検討会では流通サイドにおける仕入価格フォーミュラのあり方について、アジア市場の視点も加味しながら精査・検討することとし、狩野良弘委員(岡山)をチームリーダーに検討を進めていく。
 一方、経営自立化勉強会では、大手に比べて仕切価格で不利な立場に置かれ、市場での競争力を失い、収益の悪化が著しい小規模事業者のSS経営のあり方に焦点をあて、SSの生き残り、経営の自立化に向けた仕入れの多様化や新たな経営改善手法について調査・検討していく方針だ。チームリーダーには渡邉一正委員(長野理事長)が就任する。
 



JX・一光と鈴与エネルギー統合へ
(12月3日付)

 鈴与商事(静岡市、脇本省吾社長)とJX日鉱日石エネルギーは11月30日、鈴与グループのSS運営子会社「鈴与エネルギー」(入谷孝裕社長)とJXエネ子会社の一光(名古屋市、吉川志郎社長)を2月1日に統合することを明らかにした。
 鈴与商事が40%、JXエネが60%各出資して共同持株会社「J&Sフリートホールディングス」を名古屋市に設立、その傘下において鈴与エネルギーと一光の統合を実施する。共同持株会社は資本金1億円で、吉川社長、入谷副社長の体制となる予定。
 30日に静岡市で会見を行った鈴与グループ幹部は、「鈴与グループとJXエネは1934年から石油製品の取引を開始して以来、今日まで信頼を深めてきたが、内需の減少など、今後、一層厳しさが増すと予想される業界環境を踏まえ、一光との事業統合を実施し経営基盤をさらに強固なものとすることが最善との認識で一致した」と統合の目的を語った。
 JXエネは7月2日、独立資本だった一光グループの全株式を取得して傘下に収めた。
 両社の現況は、鈴与エネルギーが①売上高2,209億円②直営170SS(うちトラックステーション98、高速2)③販売店44SS、一光は①2,166億円②158SS(107、21)③39SS―となる。
 その合算による「J&Sフリートホールディングス」は、①4,375億円②328SS(205、23)③83SSとなり、合計411SSを傘下に擁することになる(別表の鈴与エネルギーの県別SS数は本紙調査)。






エネ庁・地下タンク漏洩防止対策を支援
(12月3日付)

 資源エネルギー庁は11月30日、経済対策(第2弾)として、25年2月1日以降、消防法改正省令により規制対象となる地下タンクの漏洩防止対策支援を行うことを決めた。2012年度予備費で対応し、予算規模は87.4億円。東日本大震災を教訓とした地域の防災力向上の一環として、石油製品の安定供給拠点としての重要性が再認識されているSSのうち、経年劣化などによって、油流出などの危険リスクが高まっている地下タンクのFRP内面ライニングなどの漏洩防止措置をSSの防災対策として支援していくもの。経年劣化や一重殻タンクなどの緊急性を有する地下タンクは約1.2万本となる見込み。
 同補助事業は、揮発油販売業者(中小企業に限定。ただし、供給不安地域は大企業も対象)を対象に、来年2月1日以降に規制対象となる地下タンク(消防法改正省令の義務付け期限の到来日にかかわらず申し込み可)のFRP内面ライニングや電気防食システム、精密油面計の施工・設置費用の一部を補助する。補助率は3分の2。
 12月上旬にも事業を実施する団体を公募し、年内にも事業実施団体を決定。1月上旬にも申請受付を開始する見込みだ。