2013年2月


北海道・自民党16国会議員に年金基金問題で陳情
(2月25日付)

AIJ事件の影響などで「代行割れ」が大幅に拡大している北海道石油業厚生年金基金の早期解散の筋道を求め、北海道の石油販売業者を代表して20日、北石連の伊藤豊会長はじめ18人が東京の衆議院議員会館を訪れた。一行は北海道選出の自民党衆参議員16人を前に、同基金が解散したくてもできない窮状にあることを説明し、「あるだけ解散」など解散が実現できる政策づくりを強く要請。地元石油販売業界の切実な願いに対し、議員団は自民党道連としての対応策をまとめ、党本部として強力に対策を講じるよう要請することを決めた。
 懇談会には道内選出の自民党衆参議員全17人のうち16人が本人出席。このほか、全国石油業厚生年金基金協議会の國安教善会長もオブザーバーとして臨席した。
 河辺善一道油政連会長の司会のもと、まず伊藤北石連会長が「ぜひ石油販売業界の窮状を理解いただき、力を貸していただきたい」とあいさつ。引き続き高濵一義道石油厚年理事長が、同基金が陥っている問題について説明し「あるだけ解散」の実現を第一に求めた。また、それが不可能な場合には「代行部分返還額の大幅減額」、「特例解散における連帯保証制度の廃止」、「分割納付期間の最長30年への延長」、「分割納付時の金利0%」のほか、解散により多額の債務を負う加入事業所に対する融資制度の整備や、金融機関による貸し渋りや貸し剥がしが生じない措置を講ずるよう訴えた。
 また、各地域からは「年金基金問題は我々側だけの責任ではない」(北見・石崎猛雄氏)などとして、少しでも早い対応を求める声が相次いだ。
 これらに対し、議員からは「国の制度に準じて加入した中小企業にすべての責任を負わせるのは理不尽」(中村裕之議員)、「自民党道連で対応策をまとめて厚労省に折衝すべき」(吉川貴盛議員)などの見解が出され、「北海道の自民党グループとして、しっかりと対応することを約束する」(町村信孝議員)とした。また、道連会長の伊東良孝議員は「年金基金問題は石油販売業界だけではなく多岐の業種に共通している。党としてもどういう形で配慮できるか、これから本格的に議論する。SSがなくなるのは地域住民にとっても問題であり、対処したい」と述べた。

北海道選出の自民党議員に窮状を説明する高濵道石油厚年理事長(左)





関会長・髙原エネ庁長官に市場正常化へ行政支援要望
(2月20日付)

全石連の関正夫会長と森洋副会長・関東支部長、河本博隆副会長・専務理事らは2月18日、資源エネルギー庁の髙原一郎長官と面談した。過当競争の激化で地場SSを中心とした中小零細業者の倒産・廃業が増加していることを受けて、マーケットの正常化に向け、元売各社に対して、①元売販売子会社の指導強化②不透明となりつつある仕切価格指標の明示化③需給適正化、の3点を指導するよう強く要望した。最近の円安傾向による仕切り上昇と需給ギャップの拡大による業転玉の増大による過当競争の激化で、特に年明け以降、コスト転嫁が進まず、地場中小販売業者を中心に厳しい経営環境に追い込まれている。関会長は「(販売業界は)限界に来ている」と強調、地場中小販売業者の生き残りに向けた全石連の強い危機感をエネ庁に訴えた。
 河本副会長・専務理事は石油販売業界の現状について、「この未曾有の円安の中で、相当な仕切り上昇と小売価格への転嫁不足が起こっている。我々の試算では2月上旬で3.3円もの転嫁不足となっている。もともとSSはマージンが薄く、転嫁不足の重みが強まっている」と、中小販売業者の厳しい経営実態を説明した。
 関会長は「ブランド(系列)、ノンブランド(業転)との差が5~8円もある。ブランド品が安いならよいが、ノンブランド品よりも高くなっている。系列の中小販売業者ほど不利な状況にある」と需給ギャップの拡大による業転格差の問題を指摘。そのうえで「製油所・油槽所では元売各社の色とりどりのローリーが同じ石油製品を運んでいる。それを元売は“ブランドだ、ブランドだ”とやっている。業転玉を買えるようにしてもらいたい」と訴えた。
 一方、森洋副会長は「元売販社の中には、PBと同値、ややもすると安いところさえある。地場中小販売業者の仕切りからすると、同値あるいは下回る価格で売っていることになる。これではとても地場業者はやっていけない。とても正常なマーケットとはいえない状況にある」と過当競争地域での異常な乱売競争に警鐘を鳴らした。さらに「元売は系列業者に対して土曜日から仕切りを上げてくるわけだから、元売販社にも即仕切り上げ分を小売価格に反映させるよう、強く元売を指導してほしい」と訴えた。また、需給ギャップの解消に向けて「円安メリットを生かし、輸出に振り向けていくよう、指導してほしい」と要請した。
 これに対して、髙原長官は「石油販売業界の厳しい現状や、生き残りに向けた強い思いをしっかり受け止めさせていただいた。戸高流通課長が今週から元売各社にヒアリングを行う。本日いただいた要望をしっかりと元売各社に伝えたうえで、必要な要請があれば対応させていただきたい」と述べた。

髙原長官(左)に要望書を手渡す関会長(右中央)ら




石油協会1月SS短観・販売粗利は過去最悪
(2月20日付)

全国石油協会がまとめた2013年1月期のSS版地域経済報告(SS短観)によると、石油販売業者が実感するSSの経営状況は、全国平均が▲(マイナス)53となり、前回調査(12年10月期)に比べマイナス幅がやや縮小した。厳冬による灯油販売の増加がプラス要因として働いたと見られるが、販売マージンは前期(▲67)比からさらにマイナス幅が拡大し、10年10月期の調査開始以来、最悪の▲74に達するなど、SSを取り巻く経営環境は一層厳しさを増している。
 日本銀行が発表する「企業短期経済観測調査(短観)」昨年12月の「中小企業・非製造業」の業況判断は▲11(前回調査▲9)となるなど、中小企業を取り巻く経営環境は依然厳しい状況が続いているが、この数字と比べてもSS業界のマイナス幅は圧倒的に大きく、厳しい経営状況を浮き彫りにする結果となっている。
 調査は、47都道府県に設置した地区信用保証委員会委員に委嘱された石油販売業者284社にアンケートを実施(回答数218社、76.8%)。日銀の「企業短期経済観測調査(短観)」を参考に、業況判断で「良い」とする回答企業数から「悪い」とする回答企業数を差し引き、指数化(%)した。
 地区別に見ると、経営悪化が著しいのは、中国▲65、関東▲59、近畿▲59の順。同じマイナスながら、東北は▲29は前期(▲54)から良化した。
 ガソリン販売量の動向を見ると、全国平均が▲45となり、前期からは5ポイント良化した。北海道▲14、近畿▲64、中国▲22、四国▲38、九州▲43の西日本を中心とした5地区でマイナス幅が縮小した。地区別では、▲64となった近畿を筆頭に、関東▲53の順で、厳しい状況となっている。
 販売マージンは全国平均が▲74と、前期(▲67)からさらに悪化。10年10月期の調査開始以来、最悪となった。地区別では中国▲78、近畿▲77、中部▲76、関東▲75の順。関東・中部・近畿・中国の5地区でマイナス幅が拡大し、マージン悪化が一段と進み、深刻な経営状況に追い込まれていることが明らかになった。これらの原因については、原油価格の高止まりや昨年末以降の円高の進行などによって、仕入価格が週ごとに上昇していることから、「価格転嫁が追いつかない」という声が大勢を占めた。また、「業転仕入値と系列仕入値の格差」や、「元売販売子会社の安値販売」など、元売各社の販売政策・姿勢に対しても依然強い不信感を抱いていることがわかった。






東燃ゼネラル・高度化法対応で10.5万バレル削減へ
(2月18日付)

東燃ゼネラル石油は2月14日、2017年までの中期経営計画を発表した。注目されていたエネルギー供給構造高度化法への対応策として、川崎工場の第1トッパー(日量6.7万バレル)と和歌山工場の第2トッパー(3.8万バレル)の計10.5万バレルの能力廃棄、川崎の2次装置である残油水素化分解装置(H-OIL)の日量3.45万バレルへの増強が公表された。同日付で経済産業省に提出したことも明らかにした。
 また、中期計画では①コアビジネス戦略②統合効果の実現③成長戦略、の3つを柱として、15年までに150億円の統合効果を含め700億円の営業利益の達成を目指すことを明示。さらに17年までにコアビジネス戦略で400億円(製造部門200億円、販売部門200億円)を含む1,300億円の投資を実施する方針を示した。また、成長戦略として他社との協業による国内サプライチェーンの強化やエクソンモービルとの関係をいかした海外展開の検討などを盛り込んだ。





エネ庁・石油製品価格監視を強化へ
(2月18日付)

資源エネルギー庁石油流通課の戸高秀史課長は2月14日、経済産業省内で最近の石油製品価格動向について記者会見(写真)し、原油価格の高止まりや円安の進行など為替相場の動向を踏まえ、石油製品の価格監視を強化する方針を明らかにした。来週早々にも主要元売5社(JX日鉱日石エネルギー、出光興産、東燃ゼネラル石油、昭和シェル石油、コスモ石油)を中心に、ヒアリング調査を開始し、ガソリンや灯油などの出荷・販売状況、在庫状況、生産・輸入状況について最新の情報を聴取することとした。また、各社に灯油などの石油製品については、安定供給に万全を期すよう要請していくほか、価格上昇については、消費者などに、便乗値上げの疑念や誤解を招かないよう、十分に説明していくことも合わせて求めていく考えも示した。
 戸高課長は、「石油製品の小売価格は市場で決まっているものであり、価格そのものについて、行政が指導することはできない。あくまでも価格の監視を行っていくという観点での取り組み」と強調。「石油製品価格は原油コスト、為替、国内市場動向によって決まってくるが、その詳しい中身について、ヒアリングを通じて明らかにしていきたい」と述べた。また、「マーケットの状況、輸出入の状況、在庫の状況なども踏まえて、行政としてしっかり見ていくことが重要」と述べ、価格監視や安定供給確保に向けた情報収集の重要性などを強調した。
 さらに、「いま現在、便乗値上げ的なことがあるわけではない」と強調する一方、「小売段階で聞こえてくる話は、むしろ上昇分を転嫁できない業者がおられる。ある意味、損を出しながら、売っておられる事業者もいる」と過当競争が常態化している地域が散見される石油販売業界の厳しい現状についても説明した。






2012年度ローリー立入調査・不適合車両は17.59%
(2月15日付)

総務省消防庁は昨年11月1~30日にかけて全国一斉に実施した2012年度移動タンク貯蔵所(タンクローリー)に対する立入検査結果をまとめた。それによると、基準不適合車両の割合は、前年比を下回る0.09ポイント減の17.59%となったが、依然高い水準にあることがわかった。中でも立入検査の重点項目として挙げている定期点検に係る義務違反は89件減の1,296件となったものの、「他の事項に比べて非常に多く、憂慮される状況」と指摘。保安確保に向けて、各地方自治体などを通じて、関係団体に注意喚起を行っている。
 立入検査の実施車両数は2万3,073台。このうち、不適合車両数は4,117台、不適合率は17.84%となった。過去5年間の推移を見ると、08年度(19.29%)に比べ、1.45ポイント減と若干減少傾向にあるものの、依然、高い不適合率で推移している。
 不適合車両の内訳を見ると、タンクや付属設備、配管・弁などの変形・破損といった設備の基準維持義務違反が3,537件と全体の86%を占め、違反事案の大勢を占めた。このうち、「消火器の未設置」が685件、「電気設備、接地導線の不良」が673件、「表示・標識の未設置」が527件などが上位を占めた。このほか、「定期点検に係る義務違反」が1,296件、「貯蔵・取扱の基準不適合」が819件、「危険物取扱者の保安講習義務違反」が560件などとなっている。






2012年12月末・元売系列SSは2万7,128ヵ所
(2月13日付)

2012年12月末の元売系列SS数は前年比1,071ヵ所減の2万7,128ヵ所となった(表参照)。年間減少数は千ヵ所を超えたものの、減少率は3.8%に止まり前年と比べ減少速度は鈍化した。ガソリン内需減や老朽化タンクへの消防法規制強化を踏まえ、SS減の大量発生が懸念されているが、消防法規制強化の直前となる12年末集計において減少速度はむしろ鈍化傾向となった。ただ、系列SS数ピークの94年度末と比較すると、減少数は約2万8,723ヵ所に達し、減少率は51%となり半減以上がすでに無くなったことになる。
 一方、元売社有SSは前年比210ヵ所減の6,336ヵ所となり、減少率は3.2%。系列SS数全体と比べると減少率は小幅になった。系列別でみると、EMG系の減少数が大きく目立つ結果になった。また、出光系も4千ヵ所を割り、これでJX以外はすべて3,000ヵ所台以下となった。
 また、セルフ数は前年比127ヵ所増の7,130ヵ所となった。11年は年間トータルで46ヵ所増に止まったことを考えると、12年は約3倍のペースで増えた。系列別で最多はJX系の93ヵ所増、次いで出光系の23ヵ所増となった。唯一コスモ系は18ヵ所の減少になった。社有セルフ数は前年比44ヵ所増の3,593ヵ所となり、ここでもコスモ系のみ減少した。






内外識者招き国際エネルギーシンポジウム
(2月13日付)

日本エネルギー経済研究所やJX日鉱日石エネルギーなどが共催した国際パネルディスカッション(写真)が2月5日、都内で開催され、国内外の石油・エネルギー専門家らを招き、「これからの石油・エネルギー情勢をどうみるか」をテーマに意見交換した。日本エネルギー経済研究所の小山堅氏を司会進行役に、パネリストには戦略国際問題研究所シニアアドバイザーのガイ・F・カルーソ氏、FACTSグローバルエナジーグループ会長のフェレイダン・フェシャラキ氏、石油天然ガス・金属鉱物資源機構上席エコノミストの野神隆之氏の3人が、今年の原油価格見通しや中長期の国際石油情勢について活発な議論が行われた。
 今年の原油価格見通しについて、カルーソ氏は「イラン制裁の動向が供給面での最大の懸案。一方で、北米を中心としたシェールガス革命によって、シェールオイルの生産が増えている。バッドニュースとグッドニュースが入り乱れ、石油市場は不透明な状況にある」と指摘。そのうえでブレント原油は「1バレルあたり110~120ドル。14年は需要圧力が緩み10ドル程度低くなる」とした。フェシャラキ氏は「現在の原油は高過ぎる。105~115ドルが適正だと見ている。サウジアラビアの減産やイラン問題が誇張されている。今後5~10ドル程度下がるだろう」とした。
 一方、野神氏は「株価上昇と原油価格上昇は相関している。地政学的にもイラン・シリア問題の悪化が石油供給途絶につながる恐れもある。夏前にWTIで100~105ドル、ブレントで120ドル以上に上昇する可能性もある。しかしそれ以降は経済回復への期待感が若干薄れ、下方圧力が加わり、ブレントで100ドル、WTIで80ドルまで下落するだろう」とした。
 20~30年の中長期石油情勢について、フェシャラキ氏は「シェールガス・オイルの生産拡大でサプライサイドは強い。石油需要も下がってくる。原油価格は80~90ドルのレンジで考えるべき」と下げ圧力が強まるとした。カルーソ氏も「90~100ドルに下方圧力がかかってくる」と指摘した。
 日本のエネルギー政策への影響について、カルーソ氏は「原油下落や供給の多様性が広がり、日本にはプラス材料に働くはず。生産余力の高まりで、小さな供給途絶が起こっても、原油価格に大きな影響を与えなくなるのでは」と述べた。フェシャラキ氏は「3~5年すれば安い原油のアドバンテージが効いてくる。一方、エネルギー供給構造高度化法によって、一時的にマージンの改善は進むだろうが、さらなる精製元売の再編、合従連衡が必要になってくる。ただそれは政府が主導すべきではない」とした。
 野神氏は「石油・石油化学製品でもアメリカが大きな競争力をつけてくる。それが日本にとって必ずしも有利働くとは限らない。自主開発原油の確保、探鉱開発が重要である」とした。






奈良・「産業廃棄物処理事業」スタートへ
(2月4日付)

奈良石協(竹野德之理事長)はこのほど開いた理事会で、新規共同事業として「産業廃棄物処理事業」をスタートすることを決めた。同事業はSSから排出される産廃物の収集運搬と処理を同石協委託業者により、廃油、廃バッテリーを有価物として高額で買い取り、汚泥、廃プラスチックなどの産廃物を低コストで処理できるようにするもの。SSの経営支援を具体的な形で実現した。
 共同事業による産廃物処理はこれまで近畿各府県で実施され成果を収めている。同石協でもこれまで検討を続け、委託先を他府県で実績を持つ業者と地場業者の2社に指定する形式でのスタートとなった。
 同石協はすでに廃タイヤ共同回収処理事業もスタートさせ、順調に実績を伸ばしており、産廃物処理事業と併せて共同事業が活性化することが期待される。





福岡で世界水素フォーラム開催
(2月4日付)

「水素先端世界フォーラム2013」(産業技術総合研究所、福岡県など主催)が1月30、31の両日、福岡市で開催された。世界10ヵ国から研究者らが集まり、2015年から普及が始まるとされる燃料電池車(FCV)など最新研究成果について意見交換した。
 主催者あいさつで有川節夫九州大学学長は、北部九州では世界でも最高レベルの水素研究拠点づくりが進んでいることを強調、「次世代燃料電池開発などに取り組む施設が次々に完成し、世界一の水素研究の拠点になりつつある」と話した。
 小川洋県知事は、水素は多様な供給源を持つ究極のクリーンエネルギーであり、大震災を契機としてエネルギー構造の見直しの中でも重要な存在として認識されていると強調。「水素関連事業には地元企業の参入が期待され、県は全力でバックアップする」と述べた。
 水素ステーションの設置にはSS業界からの参入が期待されているが、水素関連ビジネスに地元の企業が加わることによって、産業の裾野を広げ、地域活性化にもつなげようという考えを示した。  この後、安藤晴彦一橋大特任教授の「クリーンエネルギーとしての水素の可能性」をテーマにした講演や研究施設見学会などがあった。
 北部九州では福岡水素エネルギー戦略会議や九大が中心になって水素利用についての研究が進んでいる。県やトヨタ自動車九州はFCVの試験走行を始めている。国内では15年にFCV普及が始まることを予測、国は全国で100ヵ所の水素ステーションを設置する目標にしている。

FCVへの期待が高まった世界フォーラム(福岡市で)




2013年度石油流通関係予算は364億円
(2月1日付)

政府が1月29日閣議決定した2013年度予算案のうち、石油製品流通関係予算は、今後本格的な執行が始まる12年度予備費・補正予算を含み364.1億円(13年度当初予算は108.4億円)となった。予備費・補正予算で、災害時の石油製品安定供給確保に向けた中核SSの整備や地下タンクの漏洩防止対策支援を行っていくほか、災害時を含めたSSの安定供給確保対策として、これまで供給不安地域に限定していた地下タンク入換を全国化し、SSサプライチェーンの維持・強化を図っていく。
 12年度補正予算で、「災害に強い石油製品流通網の維持・強化」で総額168.3億円を計上、また12年度予備費で「地下タンク環境保全対策緊急促進事業」で87.4億円を措置。SSインフラの維持・強化に向け、災害時対応や環境保全対策を13年度以降も切れ目なく行っていく。
 13年度当初予算では、「地域エネルギー供給拠点整備事業」のうち、これまで供給不安地域に限定していた地下タンクの入換事業については、中核SS以外のSSでも全国的にさらなる災害対応能力の強化を図る必要性から、地下タンクの大型化や災害時に国からの供給要請に努めていくことなどを条件に、対象地域を全国に広げ、補助率も中小企業者が3分の2(非中小企業者は4分の1)に拡充する。地下タンク撤去についてはこれまで通り工事費の3分の2を補助する。地下タンク・配管からの油漏れの早期発見に向けて、土壌汚染の有無を検査する「土壌汚染検知検査補助事業」には5億円を計上。供給不安地域での安定供給確保に向けた実証事業やSSの災害対応能力強化に向けた人材育成で4.9億円を措置した。
 さらに、SSの次世代化に向けた経営基盤の強化を促していくため、6.8億円を措置。新たなビジネスモデルの構築に向けた実証事業の実施やSSの人材育成などを支援していく。
 公正な競争環境の整備に向けては、石油製品価格の卸・小売価格を全国規模で調査するモニタリング事業で2.5億円を措置。石油製品の品質確保に向けた試買分析も16億円を計上した。このほか、地理的な要因で流通コストが割高で、販売量も少ないために、ガソリン価格が相対的に高い離島対策として、石油販売業者の流通コスト差分を補助し、島民向けの小売価格を実質的に引き下げる「流通コスト支援事業」は30.5億円。加えて、離島の石油製品の流通合理化や安定供給確保に向けた調査研究に対し新たに0.7億円を措置した。