2013年4月


長野・諏訪支部 中日本高速に信用回復と需要喚起を要望
(4月24日付)

長野石商諏訪支部(小松市男支部長)は4月18日、名古屋市の中日本高速道路本社を訪問し、昨年12月に中央高速道笹子トンネルで発生した天井板崩落事故を受け、工事終了後の「利用者の高速道路への信用回復」「需要喚起策」の2点からなる要望書を、SS店頭で集めた3千人の署名とともに提出した。多くの観光地・施設を抱える同支部管内一帯では、事故以降に観光客が激減するなど、地域経済への影響やSSの収益悪化が著しいことから、他業界に先駆けて要望活動を展開した。同支部では今後、他業界にも要望運動が広がっていくことに期待を寄せている。
 要望の具体的な内容は①高速道路・トンネルの安心・安全をこれまで以上に周知し、いまだ不信感を持つドライバーに高速道路への信用復帰、利用を促す②事故の社会的、経済的影響を考慮し、今後1年間を目安に中央高速道(東京―名古屋間)の料金無料化を実施する―の2点。同支部を代表し、小松支部長ら5人が中日本高速を訪問し、要望書、署名を手渡すとともに、事故以降の地元の状況、要望の趣旨などを訴えた。
 小松支部長は「事故後の点検では全国的に不具合が見つかり、トンネルの状況をはじめ、高速利用に対する利用者の不信感は拭いきれていない。まずはそこをしっかりやってもらいたい」と高速道路の信頼回復が必要と強調。一方で無料化については「観光需要を喚起し、離れた利用者の呼び戻しにつながればという思いから」と趣旨を説明した。
 要望に至る背景には、事故以降、諏訪地域のホテルやペンションなどの宿泊施設ではキャンセルが相次いでおり、地元観光業界全体に与えた影響は大きく、高速道路利用者減少によって、各地のSSでも、土日の収益が大幅に減少していることがある。
 事故発生後の1月に開催した支部会でも、組合員から「このままで良いのか」との意見が相次いだ。観光業界など他の動向を待つのではなく自ら行動することで一致、要望内容とともにSS店頭での署名活動を展開することにした。店頭での署名活動期間は1ヵ月間だったが、3千人もの署名が集まった。
 支部側の要望に対し、高速道路会社側からは①について「国の指導に基づき、全力を尽くす」とした。②について「高速道路の運営を受託する当社としては回答できない」としたうえで、「昨年も実施したが、中南信で期限を決めて、割引価格を適用した観光キャンペーンの実施など、いままで以上に利用してもらえそうな企画を考えている。石油販売業界の皆様も参加していただければ」と回答した。
同支部では「とにかく早く動くことが大切だと感じて行動した。我々の行動がきっかけとなり、大きな流れになってくれれば」と、支部で行った活動が他団体や石油販売業界内にも広がっていくことを期待している。
 需要喚起としては、全石連でも「高速道路料金1千円」の復活に向けて活動を開始しているが、石油組合の支部が要望活動を起こすのは全国的にもまれ。組織内における支部活動の希薄化が聞こえる昨今、同支部の取り組みは支部活動のモデルケースとなる可能性があり、注目されそうだ。


諏訪支部で決めた2項目の要望書と集まった署名を手渡す小松支部長(奥右側)




JX・日本初の水素SS、神奈川・海老名に誕生
(4月22日付)

日本初となるSS一体型の水素ステーションが神奈川県海老名市にオープンした。JX日鉱日石エネルギーは4月19日、国内初となる「ガソリン計量機」と「燃料電池自動車(FCV)への水素充填機」を並列設置した水素供給拠点として、Dr.Drive海老名中央店(JOMOネット運営)内に「海老名中央水素ステーション」を開所した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と水素供給・利用技術研究組合(HySUT)との共同実証事業の一環として、日本で初めてSS敷地内での水素充填を行うもので、JXエネは水素ステーションの建設・運営を担う。
 開所式には一色誠一社長(写真中央)、古川一夫NEDO理事長、来賓として小宮山康二資源エネルギー庁燃料電池推進室長、黒岩祐治神奈川県知事、内野優海老名市長らが出席、一色社長は、「水素は環境に優しく供給安定性にも優れた質の高いエネルギー。行政・自治体の理解と協力、規制緩和で、日本で初のガソリン計量機と並んで水素充填機を備えた水素ステーションの開所を迎えた。ドライバーのすぐ横でFCVに水素を充填する光景が日常的に見られる意義は大変に大きいと感じる」と述べた。






関会長・梶山国交副大臣に高速1,000円復活要望
(4月19日付)

全石連の関正夫会長と河本博隆副会長・専務理事は4月15日、梶山弘志国土交通副大臣に会い、石油製品の需要喚起やドライバーの負担軽減を図るため、高速料金の休日上限1千円制度の復活とガソリン税に係る暫定税率(当分の間税率)の引き下げと消費税増税に伴うタックス・オン・タックスの廃止を要望した。
 休日上限1千円制度は2009年3月から11年6月まで実施された制度で、観光地への高速道路利用車が増加するなどの効果が見られた。また、最近のJAFのアンケート調査でも「地域の経済振興に役立った」として復活を望む声が高まっている。
 関会長は「安倍政権の経済政策の一つである地域活性化や観光振興に資するとともに、国民の消費活動の活発化につながる」として、改めて国交省に制度復活を訴え、河本副会長も「石油需要が減少している中、石油諸税は5兆円もの徴収に貢献している。せめて同制度の年間費用500億円を投入していただき、需要を喚起していただきたい」と訴えた。
 梶山副大臣は「政権交代後、国土幹線部会を新たに開催し、割引制度のあり方など議論している。同制度を評価している業界がある一方で、バスやフェリー、鉄道などはしわ寄せを懸念している」と答えた。
 また、円安の影響でガソリンが高騰している中、ドライバーの購入数量が減少しているとして、ガソリン税の暫定税率の引き下げや、来年4月からの消費税増税に係るタックス・オン・タックスの廃止を強く求めた。今年度の税制改正の柱でもあり、需要喚起、ドライバーの負担軽減に向けて早くも要望運動がスタートした格好だ。


石油の需要喚起、ドライバーの負担軽減を梶山国交副大臣(中央)に要望する関会長ら




自民・石油流通問題議連に4PT
(4月17日付)

石油販売業界の現状に理解を示す自民党議員で構成する「石油流通問題議員連盟(野田毅会長)」は10日、自民党本部で役員会を開き(写真)、大規模災害を見据えた石油製品の安定供給確保に向け、社会インフラとしてのSSの生き残り策を具体化していくため、「SS支援対策」「業転問題」「廉売規制」「年金基金問題」の4つのプロジェクトチーム(PT)を立ち上げた。ガソリンなどの需要減が顕在化する中で、安値で大量に垂れ流されている業転玉と系列玉との格差拡大から、各地で過当競争が激化し、高い系列玉を仕入れざるを得ない地場中小販売業者が次々に廃業・撤退に追い込まれている現状を食い止めるため、4つのPTで課題・問題点を洗い出し、議員立法も含めた抜本的な対応策を検討していく。
 野田会長は冒頭、「石油販売業界は価格低迷や過当競争など様々な問題を抱えている。4つのPTで本格的に対応策を検討していきたい」と、SS生き残り策の検討に本腰で取り組む考えを示した。関会長は「我々も真剣に対応していきたい」と、PTでの対応策の検討に期待を寄せた。
 SS支援対策では、東日本大震災によって、災害時や過疎地での石油製品の安定供給拠点という、社会インフラとしてのSSの重要性が再認識されたものの、需要減や過当競争の激化などといったSSを取り巻く急速な経営環境の悪化によって、国の補助制度だけでは生き残ることができないといった問題が浮き彫りになっている。このため、河本博隆副会長・専務理事はガソリン需要を喚起する高速道路の休日上限1,000円制度の導入や、与党が提唱する国土強靭化策において明確にSSを位置付け、災害対応に係る支援メニューの拡充・補助率アップの必要性などを検討課題として挙げた。
 業転問題では、「元売はガソリンで12円もの利益に加え、ブランド料・販売関連コストを我々系列業者に上乗せしている。それに対して我々の利益は10円あるかどうか。地域によっては5円あるかどうか。あまりにも元売と我々との収益の格差が大きすぎる。この卸価格フォーミュラの問題を解決しないと、いつまでたっても業転格差は縮まらない」と、過当競争の元凶となっている業転格差の解消を強く訴えた。
 議員からも「正当な理由とか、著しく下回るとか、継続して下回るとか、そもそも不当廉売の定義が現実に則していない。これではいつまでたっても不当廉売は解決しない」と、現行法規制の問題点を提起した。
 廉売規制では、安値量販業者が不当廉売にならないスレスレの廉売を繰り返していることから、周辺の中小零細業者が不当廉売で公取委に申告しても、「注意」や「措置なし」で終わるケースが大勢を占め、逆に「不当廉売処分を安売りの宣伝に使っている」などと、独禁法の執行強化を強く訴えた。
 一方、議員からは「(現行独禁法は)消費者に力点が置かれ、流通を取り締まることへの道具立てが悪い。議員立法を考えていくべき」、「転籍・PB化の困難性がある。系列の人たちはPOSなどに縛られて、安いものがあっても仕入れることができない。こうした取引実態が、果たして問題にならないか勉強していくべき」と、不当廉売規制の限界も指摘し、議員立法を含めた新たな対応策についても検討していく方針を示した。
 年金基金問題では、厚生年金基金制度を抜本的に見直すよう、一刻も早い法改正を議員に訴えたほか、今後のPTでの検討を通じ、早期解散に向けた対策の拡充を求めた。






関会長ら執行部・杉本公取新委員長を訪問
(4月17日付)

全石連の関正夫会長、河本博隆副会長・専務理事、油政連の森洋会長らは4月10日、3月に公正取引委員会委員長に就任した杉本和行委員長を表敬訪問した。訪問には全石連総務部会長の西尾恒太、経営部会長の中村彰一郎、政策環境部会長の喜多村利秀副会長も同行した。
 冒頭、関会長が「我々の業界は40年過当競争を続けている。そういう商品であることが原因。一滴でもガソリンを多く売りたいという気持ちが先走る。隣で安く売っているとたくさん売れているように見えてしまう。その大元になるところにはいろいろ原因はあると思う。それでもなんとか生きてきたが、ピーク時には6万ヵ所を超えていたSSが、いまは3万7千ヵ所にまで減ってしまった」として、石油販売業界の厳しい経営環境を訴えた。
 さらに近畿支部長でもある西尾副会長は「SSの商売は悲惨な状況。いまは同じ土俵で商売できない環境になっている。そのことが公取委の実態調査で浮き彫りになってくれば、我々の業界にも活性化の可能性が出てくる」と強調するなど、実態調査の成果に期待する声が相次いだ。
 これに対して杉本委員長は「石油販売業界は厳しい状況にあると思う。これに対して、我々になにができるのかできないのか。まずは実態調査によってきちっと状況を把握したい」とするとともに、「公取は、石油販売業界全体をどうしていくかを考える機関ではない。独禁法という一つの切り口でしか対応することはできない。しかし、その切り口にきちっと当てはまれば、その問題に対応することができる」と考え方を示した。


杉本委員長(中央)と懇談する関会長(右から3人目)ら




12年度第4Q・クマリン不適合は63件
(4月12日付)

全国石油協会の12年度通期(4-3月)のSS4油種の試買分析結果によると、ハイオクは6万2,891件で不適合70件、レギュラーは6万6,685件で不適合19件、灯油は6万3,847件で不適合495件、軽油は6万6,072件で不適合252件となった。
 不適合は、ハイオクが前年度比で14件減、レギュラーは20件減と半減以下に、灯油も231件減少、軽油は26件減にとどまった。軽油不適合のうち、クマリン不適合は63件だった。油種・県別の不適合では、ハイオクは岩手、レギュラーは千葉、灯油は大阪、軽油は北海道が最多。






12年度SS倒産は47件
(4月12日付)

帝国データバンクが8日発表したSS倒産件数によると、12年度は47件、負債総額138.6億円となった。前年度比で9件減少したが、負債総額は約27億円増加し、大型倒産の増加が浮き彫りとなった。ガソリン需要減の顕在化で各地において過当競争が激化、SSの経営悪化が深刻化している。
 過去5年間の推移を見ると、SS大型倒産が相次いだ08年度が過去最高を記録したが、09年度以降も件数で50件前後、負債総額が100億円超で推移するなど、高い水準を維持したままだ。販売不振や業界不振などの「不況型倒産」が主因となっており、SSを取り巻く経営環境は一層厳しさを増している。






関会長・コスモ訪問し5項目要請
(4月12日付)

全石連の関正夫会長と河本博隆副会長・専務理事は10日にコスモ石油を訪問し、森川桂造社長に、石油販売業界の生き残りを訴えた5項目の要請文を手渡し、協力を求めた。コスモ石油からは森川社長のほか、小林久志取締役常務執行役員、峯明彦販売部長も同席し、全石連の要請に熱心に耳を傾けた。これで全8元売への全石連要請行動が終了した。
 関会長は要請文の趣旨について説明するとともに「我々が生きていけるか生きていけないかを心配しながら商売をするという状況は、もう勘弁してほしい。3割も業転が出回っていると言われる中で、各社ともうちは業転は出していないとしか言わない。もうそろそろ、どこかでお互いにゆっくり商売ができる環境にしていただきたい」と訴えた。
 これに対して森川社長は「元売全体として需給適正化は使命。高度化法対応では当社の坂出閉鎖が最初であり、次いで室蘭、徳山と続く。少しは需給も整うはずだ」と答えた。さらに、「震災時、電気もガスも止まる中で、灯油は暖房に、煮炊きに、照明にと大活躍し、まさに生命を守った。石油はあまりにも身近なため気がついていないが、生命を守るすごい製品であり、我々はそういう製品を扱う仕事なのだと、入社式で若い人たちに話した。SSも同じだと思う」として、公共インフラとしてのSSの役割を重視する要請文の趣旨に理解を示した。


森川社長に要請文を手渡す関会長(右)




石油協会・12年度信用保証実績4年ぶりに100億円突破
(4月10日付)

全国石油協会が2012年度信用保証実績をまとめた。保証件数は前年度比124件増の642件、保証金額も11.8億円増の100.3億円となり4年ぶりに100億円を突破した。競争の激化などによる経営環境の悪化から、石油販売業者の円滑な資金調達へのニーズが高まっているほか、昨年10月以降、それ以前の制度を整理・統合したうえ、さらに制度内容を強化・拡充し、石油販売業者の多様な資金ニーズにも対応できる体制を構築したことが実績拡大につながった。中小企業金融円滑化法が3月に期限切れを迎え、中小企業が大勢を占める石油販売業者からも資金問題への危機感が高まっており、石油協会では引き続き円滑な資金調達を後押しする信用保証制度の積極的な活用を呼びかけている。
 資金種類別実績では、セーフティネット資金が377件、67.2億円と全体の6割強を占める。次いで、大震災からの復旧・復興を資金面から支援する災害特別資金が114件、17億円、小口の資金需要に特化した小口運転資金が66件、7.6億円と続く。実質的に12年度から開始した中核給油所等特別資金も33件、5.9億円を計上した。
 石油協会では、需要減や不透明な原油価格情勢など、SSを取り巻く環境変化による突発的な資金需要に対しても機動的に対応していくため、複雑かつ多岐にわたっていた制度を整理・統合したうえ、さらに制度内容を強化・拡充した。
 具体的には、07~08年の原油急騰による仕入価格の上昇で、資金需要が急増し、資金繰り難に陥った石油販売業者を支援するために創設したセーフティネット資金制度が昨年9月末に期限を迎えたが、10月以降も期限を定めず継続した。
 従来から要請の強かった大口先(年商27億円以上の先)については、利用枠を1億5千万円に拡大、積極的な事業拡大ニーズや、抜本的な財務体質改善を支援する体制を整えた。小口運転資金も保証基準などを見直し、より利用しやすい制度にした。
 また、利用勝手の良い小口設備資金を再構築するため、既存の小口設備資金を地下タンク入換・撤去資金と統合。SS新設・拡張やSS撤去(廃業は除く)に係る資金、地下タンク入換・撤去資金、FRP内面ライニング施工資金など、対象範囲をSSの設備資金全般とするとともに、借入限度額を1企業1億円・1SS6千万円、保証倍率を100倍に拡充した。
 さらに、石油販売業者の間からは、過当競争の激化や需要減などによる急速な経営環境の悪化によって、貸し渋りや貸しはがし、融資条件の厳格化などといった中小企業金融円滑化法期限切れ後の各金融機関の対応を危惧する声が上がっている。石油協会では、昨年10月以降の保証制度の強化・拡充に加え、47都道府県の石油組合を通じた同制度の活用を促す広報活動によって、期限切れの影響を最小限に抑え、石油販売業者が資金繰り悪化に陥らないよう、各種信用保証制度の利用を呼びかけている。







太陽、三井、キグナス3社へ5項目を要望
(4月10日付)

全石連執行部による元売歴訪の一環として、中村彰一郎副会長経営部会長と河本博隆副会長・専務理事は、太陽石油、三井石油、キグナス石油の3社を訪問し、①業転玉と系列仕切りとの価格差解消②販社SSに対する率先垂範の指導③SS取引実態を踏まえた卸価格方式への見直し④SSの"公共インフラ"としてのPR活動の強化⑤元売にとって系列SSとはどういう存在か―5項目の要請文を手渡し、協力を求めた。
 元売3社からは太陽が岡豊社長、佐々木光治常務執行役員、吉井伸吾販売統括部長、三井が土井常由社長、宗玄亮一常務執行役員販売統括本部長、古澤利信執行役員販売本部長、キグナスが藤修社長、本井正一取締役が応対。
 その中で業転格差、仕切り政策、販社率先などの市場問題については、太陽が「需給ギャップは厳しい問題だが、余剰品は極力、石化シフトで対応するビジネスモデルである。ただ精製能力の国際競争力を維持することも大事。一方、市場連動型仕切りは、システムは良いが運用上の課題があると認識している。小規模でもあり特約店の方々とコミュケーションを緊密化することで、ブランド料も含め納得頂ける努力を続ける。販社SSに問題はないと理解している」と返答。
 続いて、三井は「精製は東燃ゼネラルとジョイントベンチャーの極東石油工業で行っている。エネ高度化法は年内に正式な発表ができると考えている。需給適正化を図り、特約店と共存共栄できる市場環境を実現したい。余剰品は極力輸出したい。仕切り体系は期中改定などで複雑化している。配送業務も煩雑化しておりもっと単純化されても良い。販社SSに仕切り優遇することはない。不当廉売をはじめコンプライアンス重視の指示もしている」との考え方を示した。
 キグナスは「高度化法で需給適正化が進むことを期待したい。昨年は西日本を中心に輸入ガソリンの影響があったが現在は円安で収まっている。ただ依然、懸念材料ではある。一方、昨年末から全国的にガソリンを中心に減販傾向である。需給ギャップ改善はもう一段の取り組みが必要との認識を強めている。販社SSは特約店と同じ扱いであり、収益を安定的に計上できる体質強化を目指している。仕切りは系列維持のための当社コスト、相場動向、さらに特約店の状況など総合的な観点から十分に話し合い、月決めを基本に決定している」と応答した。
 一方、SSインフラやエネルギー政策については、太陽が「石連が3つの安定といっているが、国の政策では安定需要の確保が抜け落ちている感じがある。原発事故や震災対応を含め、まず従来からの脱石油政策を見直し石油エネルギーが大事なことを認めることが重要。税金などにも全石連と役割分担し、広範なPR活動がもっと必要だ。全石連とは同じ船に乗っており、中小企業の視点から積極的に活動してほしい」と積極的に返答。
 三井も「エネルギー基本計画の議論では"石油の力"が発揮できるようスポットライトの当たる政策を打ち出してほしい。インフラが整い利便性が高く安心感もある石油を中心に据えた議論がされるべき。災害時・緊急時対策には貢献したいし、津波に少しでも対応できるよう考え、独自に海に近い系列100SS程度にライフベストを配布している」と理解を示した。
 キグナスも「今後のエネルギー政策では、緊急時の重要性、地域のライフラインとして石油の役割を再認識したうえで、経済性、安定性、安全性、環境性などの総合的な観点から、その政策を打ち出してもらいたい」と返答した。





3元売トップに要請を行った中村経営部会長(上から太陽、三井、キグナス)




全石連・「エネルギー基本計画」で意見書
(4月8日付)

全石連の河本博隆副会長・専務理事は4月3日に開催された政策・環境部会(喜多村利秀部会長)で、資源エネルギー庁の総合資源エネルギー調査会総合部会で議論が始まったエネルギー基本計画の策定に向けて、募集を開始したパブリックコメントに、化石燃料の消費を単に減らすだけの“脱石油政策”の見直しを強く訴えるとともに、「公共インフラ機能を有するSS網の維持・強化」の必要性を提言する意見書を提出したことを報告した。また、出席した部会委員に対し、地元マスコミなどを通じて意見書の内容を広くPRすることを要請し、賛同を得た。  意見提出の背景には、東日本大震災で電気やガスの供給が止まる中、地場SSが自家発電機や人力によって石油製品の供給を支えたことで、石油が「緊急時の必需品」として広く認識され、石油の重要性が改めて認識された。しかし、震災を受けて現在行われているエネルギー政策の見直しでは、原子力の議論が中心で、石油に対する認識が低過ぎることにある。
 このため意見書では、これまでのエネルギー政策が“脱石油”を掲げ、あたかも「石油製品を扱わないことが政策目標とされてきた」ことや、規制緩和・自由化が国内エネルギーの安定供給確保よりも優先して進められてきた結果、いわゆる「SS過疎地」問題が各地に出現していることを問題視した。
 また、SSが災害時や緊急時における「災害対応インフラ」、過疎地域における「生活インフラ」の役割を担い、国民生活や経済活動全般において必要不可欠な“公共インフラ”であることへの認識を促し、「単に化石燃料の消費を減らす“脱石油政策”を見直し、SSの持つ“公共性”を踏まえたエネルギー政策を策定すべきであり、その基盤となるSSネットワークの維持・強化を協力に推し進めるべき」と提言している。





関会長・5項目要望で出光へ
(4月8日付)

全石連の関正夫会長と河本博隆副会長・専務理事が5日、出光興産を訪問、次期社長に内定している月岡隆副社長に、①業転玉と系列仕切りとの価格差解消②販社SSに対する率先垂範の指導③SS取引実態を踏まえた卸価格方式への見直し④SSの"公共インフラ"としてのPR活動の強化⑤元売にとって系列SSとはどういう存在か―の5項目の要請文を手渡し、協力を要請した。出光からは関大輔取締役・常務執行役員・需給部長、松井弘志常務執行役員・販売部長も出席、系列SSを中心にした健全なサプライチェーンの維持へ理解を示した。
 関会長は訪問趣旨を説明し、「全般的に、元売が系列特約店・販売店を激励・鼓舞できない状況が生じている。組合員は先行きを心配しながら事業を行っている。健全な競争を通じて、苦労の甲斐のある知恵の絞り甲斐のある姿を回復するために協力をお願いしたい」と要請した。
 出光・月岡副社長は、国内需給について、「当社は6製油所体制だったが、高度化法対応などで3製油所体制となる。JXとの物流提携で安定供給を図るが、日本の石油サプライチェーンを健全な形で残していかねばならない。特にSS過疎地対策については、安定供給の砦という認識でいる。行政、政治、全石連とも連携して、守るべきは守っていきたい」と述べたうえで、卸価格差について、「大きな格差が生じてしまうのは、基本的に元売の責任。需給の適正化を通じて、業転高が生じるような局面も出るように引き締めていくことが必要」との認識を示した。
 河本副会長・専務理事が、全石連・油政連活動として「政治と行政に対して、脱石油政策を改めること」、「高速休日1,000円の復活を求めていく。ガソリン内需の下支えという側面ばかりでなく、観光業など、地域経済の活性化にもつながる」との考えを示した。
 月岡副社長は、「再生エネルギーやLNGを優遇し、脱石油を継続する方向は、そもそも日本の国益として誤りではないかと感じる。石油の位置付けを明確にし、日本は石油を中心に据える、という方向へ舵を切るべきと考える」と全石連活動に理解を示し、「月刊・出光で、"SSが本当に大好きだ!俺はドライブウェーの上で死ぬことを望む!"という販売店オーナーの声を聞いて、熱くなった。テレビCMにあるような地方の販売店SSを、おおいに力付けたい」と応じた。


月岡副社長(右)に要望書を手渡す関会長




関会長・5項目要望で、昭シ、JX、EMGを訪問
(4月5日付)

ガソリンなど石油製品の需要減や系列玉と業転玉との卸価格差の拡大、さらに各地で勃発する過当競争の激化などによって、存続の危機に直面するSSの生き残りに向け、全石連の関正夫会長と河本博隆副会長・専務理事が4月2日から、元売各社への要請活動をスタートした。2日は昭和シェル石油、JX日鉱日石エネルギー、EMGマーケティング(訪問順)の3社を訪問。関会長が各社の社長・販売担当役員に、①業転玉と系列仕切りとの価格差解消②販社SSに対する率先垂範の指導③SS取引実態を踏まえた卸価格方式への見直し④SSの"公共インフラ"としてのPR活動の強化⑤元売にとって系列SSとはどういう存在か―の5項目からなる要請文を手渡し、SSの生き残りに向けた各社の考えを問い質した。
 元売3社からは、昭和シェルが新井純代表取締役COO(最高執行責任者)と亀岡剛執行役員副社長石油事業COO。JXエネが一色誠一社長と花谷清執行役員小売販売本部販売総括部長。EMGが廣瀬隆史社長と今澤豊文副社長が応対した。
 ①業転格差の解消については、「元売がまずやめなければならないのは供給過剰の問題。需給の適正化に取り組むべき」(昭和シェル)、「需要減に備えて需給を絞っておかないと適正マージンが確保できない」(JX)と需給適正化に取り組む必要性を強調した。また、需給適正化に向けて、「東燃ゼネラルグループとして以前から取り組んでいるのは輸出、貴重なチャンネルの1つと考えている」(EMG)と、輸出にも積極的に取り組む考えを示した。
 特約店の業転購入については「安い玉をお買い上げになるお店があるとすれば、それは抑えようがないが、我が社としては、安定的に供給することが使命で、そういった部分も含めて特約店の方々にはお考えいただきたい」(JX)とした。
 ②子会社SSの率先垂範指導については、「元売各社も競争をしていて、マーケットの中で戦って適正利潤を確保しなければならない。これは個社で対応が分かれるが、皆さんのご要望、お声は十分に承知している」(昭和シェル)、「適正口銭の確保を常日頃から指示している」(JX)、「我々の直営店舗は約140ヵ所。日々、運営していく中で、市場が厳しい状況にあることは十分に理解している。その危機感はひしひしと感じている」(EMG)と厳しい市場の現状には理解を示した。
 ③卸価格方式の見直しについては、「もちろん各特約店がきちんとした健康体で売ってもらわなければならないと考えている」(昭和シェル)、「仕切り政策については従前から透明性と公平性の確保に努めている」(EMG)と述べた。不満が高まっている週中の期中改定については、「業転との差が広がってしまうので、期中改定を行って追いかけている状態。追いかけなかった上期は業転格差が広がり、なるべく格差を縮めたいという販売業者からの要望を受けて始めた」(JX)と説明した。
 ④SSのPR活動の強化については、「需要の創出や需要の維持・拡大は、共通の事項だから、石油連盟と全石連が組んでやるべき」(昭和シェル)、「コマーシャルなども行っている」(JX)、「同感であり、大賛成である。先の震災でインフラとして機能したのはSSだった」(EMG)と、その趣旨に理解を示し全社が大賛成した。
 ⑤系列SSの存在については、「我が社は特約店主義でやっている」(昭和シェル)、「特約店の方々が長く続けていくためにどうすればいいかということを強く念頭に置いてやっている」(JX)、「代理店の数も多く、出資しているところも少ない。企業同士のお付き合いで、それぞれの経営の違いを尊重しがらも、ウィン・ウィンの関係になるように努めている」(EMG)と説明した。
 
 


 
5項目の要請文を元売首脳に手渡す関会長(訪問順に上から昭和シェル、JXエネ、EMG)




九州厚年・基金裁判は全面敗訴
(4月3日付)

九州石油業厚生年金基金(出光芳秀理事長)が、りそな銀行(本店・大阪市)を相手に損害賠償を請求した裁判の判決が29日、大阪地裁で言い渡され、中村也寸志裁判長は基金運用に対する銀行の責任を認めず、基金側の請求を棄却した。
 判決によると、りそな銀行は不動産ファンドで基金の運用をしていたが、金融危機などによって不動産価格が暴落し、運用資産は大幅に減った。基金は「東京のオフィスビルなどを購入した2つのファンドで出た損失分について過失がある」と主張、総額約263億円の損害賠償を請求した。
 基金は「不動産ファンドに適切な助言をしなかった。不動産での運用のリスクについて十分説明しなかった」と主張したが、判決は、銀行側の過失を認めなかった。また、基金は「不動産ファンドに偏って投資した銀行側の判断に過失があった」と訴えたが、判決では、「当時の状況としてはやむを得なかった」などとして、原告の主張を退けた。
 基金側は「判決文をよく読んでから今後の方針を決めたい」としている。







12年度SSガソリン粗利・平均0.4円縮小
(4月3日付)

2012年度のガソリン関連の相場動向は、原油が前年度比1リットルあたり1.1円高、卸が1.7円高となり、精製元売はガソリン製造販売で0.6円の粗利拡大となったが、小売(消費税別)が1.3円高にとどったことで、SSガソリン粗利は11.8円から11.4円へと0.4円縮小した。SS経営は、12月以降にガソリン販売量の減退も顕在化し、ガソリンでSS業は303億円の収益流出につながったことを示すもので、厳しさが募った12年度の経営概況となった。
 12年度の中東産原油指標は1バレルあたり107.1ドル(前年度110.4ドル)、為替は1ドル84.1円(80.1円)となった。ドル建てでは過去最高値だった11年度よりも3.3ドル割安だったが、為替の円安ドル高の影響で、円建てでは1リットルあたり56.7円(55.6円)で、07年度(55.9円)を1.1円上回って過去最高値となった。
 これに対して、資源エネルギー庁調べ(3月は機関紙「ぜんせき」推計)のガソリン卸は、平均130.1円で、前年度比で1.7円高となり、精製元売粗利は0.6円拡大した計算となる。ただし、原油(各日相場)は年度中に最大22.2円の変動を示したが、ガソリン卸(週決め)は最大18.1円の変動にとどまったこと、年度中の原油最高値はこの2月中旬だったが、卸の最高値は年度初めの4月初旬だったことなどから、平均粗利の向上が、そのまま収益に結び付いたとは言い切れない側面もある。
 一方で、SS粗利の悪化は免れようもない。卸見合いで、ほぼ1週間後に小売の最高値、最安値が出現しており、平均0.4円悪化という概況が、そのまま当てはまりそうだ。
 3月ガソリン内需が3%減とすると、年度計では1.2%減の5,650万キロリットルとなり、粗利は11.8円から11.4円へと0.4円減、つまり3.3%減となったことで、全国のSS業の総粗利は、6,746億円から6,442億円へと4.5%減少したことを意味しており、SSからの前年度比での収益流出は303億円となった。
 12年度末SS数が3万6,500ヵ所(3万7,743ヵ所)とすると、1SS平均ガソリン販売量は月129.0キロリットル(126.3キロリットル)と2.1%増えるが、それでも1SS平均のガソリン月間粗利は1,471万円(1,489万円)と1.2%減少した計算になる。