2013年6月


公取委ガソリン流通実態調査・業転シェアは10%
(6月28日付)

 公正取引委員会は6月25日に行われた自民党石油流通問題議員連盟(野田毅会長)の役員会で、ガソリン業転玉の流通など、元売の系列外取引の実態を調査するガソリン流通実態調査の概要版を発表した。それによると、元売が販売したガソリン販売数量のうち、約10%が商社に販売された後、PBSSなどで販売される“業転玉”であるとの実態を示した。また、多くの特約店が仕切価格内訳の開示を受けていないほか、同系列内で最大6.9円の卸格差が出るなど、商社と比べて割高な仕切価格を強いられていることも浮き彫りになった。
 調査は、①新価格体系導入後における系列特約店間の仕切格差の実態②系列玉と業転玉との仕切格差の実態③業転玉を取り扱っている店に対する石油元売の対応―の視点に基づいて実施。元売全8社に加え、いわゆるPBや無印、業転玉を扱っている総合商社・エネルギー商社の11社、全社から回答を得た。また、一般特約店など約1,800SSからも回答を得た。
 PBSSについては、2007年度から11年度の5年間で、SS総数は14.3%減となったが、商社が運営するPBSSは1,163ヵ所から1,323ヵ所に13.8%増加するなど、市場での勢力を高めていることがわかった。
 元売が販売・出荷するガソリンについては、元売が自社で精製したものばかりでなく共同油槽所を利用することにより他の元売が精製したガソリンが混入したガソリンや、バーター取引により他の元売が精製したガソリンまで、自社のガソリンとして系列SSに配送している実態も明らかにした。
 一方、11年7月から12年6月までの1年間に元売が販売したガソリン販売数量(5,184万キロリットル)のうち、約10%(465万キロリットル)が商社に販売された後、業転玉としてPBSSなどで販売されていることもわかった。
 特定の地域及び期間における系列特約店向けの仕切価格については、最も大きな価格差が見られた元売系列では6.9円もの開きがあったほか、商社系特約店に比べ、一般特約店が一番高い仕切価格を強いられていた。さらに、仕切価格算出のベースとなっている物流費や販売関連コストについて、多くの特約店が開示を受けておらず、「全体の仕切価格はわかっていても、それがどういう内訳になっているか全くわからない」という不透明な取引実態も浮き彫りになった。
 加えて、元売は系列特約店に対し、商標使用許諾契約や特約店販売契約により、その元売のガソリンのみを販売することを義務付け、特約店契約を結んでいる元売以外の事業者からガソリンを購入することができない。一方で、同一元売から系列玉も業転玉も仕入れられる商社は、業転玉が系列玉に比べて平均3.8円安いこともわかった。
 公取委は、こうした不透明な仕切価格体系の実態を受けて、公正競争確保の観点から、①系列内の仕切価格差②販売関連コスト③業転玉の取扱制限の3点について適正化を提言。①では元売は一般特約店に対し、仕切価格だけでなく各構成要素の額を請求書などに明記する必要があると指摘した。また、現実問題として事業規模の小さい一般特約店は、販売子会社、商社系特約店に比べ、インセンティブを享受できないことも明らかにした。
 ②では、各元売が販売関連コストを一方的に通知するのではなく、一般特約店の理解を十分に得られるよう説明及び意見交換を定期的に行うべきと提言した。
 ③では、商社が元売から購入し販売しているガソリンは、業転玉といえども、品質上、系列玉と変わることがない。また、共同油槽所で他の元売が精製したガソリンと混合したものを自社のガソリンとして系列特約店に販売していることも常態化している。にもかかわらず系列特約店に、特約店契約に基づき元売のブランドマークを掲げた系列SSで系列玉と業転玉を混合して販売することを禁じているとした。








石油流通議連・公取委調査に厳しい声
(6月26日付)

 自民党石油流通問題議員連盟(野田毅会長)は6月25日に役員会を開催し、各地石商役員を前に元売の供給過剰体制の是正と業界全体の構造改革のための政策的対応を政府に求めていくことを決めたほか、議員立法も視野にガソリン流通市場における事業規制のあり方や関連法規の運用について引き続き検討する。公取委がガソリン流通実態調査で元売が業転玉の購入・販売を制限している行為について“適切でない”との見解には一定の理解を示したが、より具体的な考え方が明記されていないことに“甘い”“明らかに後退している”との批判が出た。「元売は優越的地位を振りかざしている。独禁法違反、極めて不適切という表現に改めるべき」などと、最終結果に反映させるよう求めた。公取委では、議員からの厳しい指摘を受けて調査結果を修正する可能性がある。
 役員会では、公取委がガソリン流通実態調査の概要を発表するとともに、議連のプロジェクトチームのメンバーが先週以降、主要元売各社の販売担当役員らを個別に呼んで、業転流通の実態把握を目的に実施したヒアリング結果を報告した。これらの発表・報告に基づいて、野田会長が公共インフラとしてのSSの生き残りに向けた対応方針を示した中間とりまとめを発表した。
 公取委が発表した流通実態調査では、11年7月から12年6月までの1年間に元売が販売したガソリン販売数量のうち、約10%が商社に販売された後、PBSSなどで販売される“業転玉”であるとの実態を明らかにした。
 また、流通実態のまとめとして①元売が特に一般特約店にとって相対的に高い仕切価格を設定し、その仕切価格の設定に当たり十分な情報の開示や交渉が行われていない場合が見られた②自社が精製したガソリンを商社に販売し、それが安価な業転玉としてPBSSに供給される一方で、系列特約店に対しては業転玉の購入・販売を制限している③これらの行為は、取引上優越した立場にある元売が一般特約店に対し一方的に競争上不利な取引条件を課しているおそれがあるものであり、ガソリンの流通市場における公正な競争環境を整備するという観点からみて適切でない④今後ともガソリンの流通実態について注視していくとともに、事業所管省庁(経済産業省資源エネルギー庁)にあっても、ガソリンの流通市場における公正な競争環境を整備する観点から、まずは関係者間での適切な対応を促す必要がある―と結論付けた。
 元売ヒアリングでは、系列に属さないPBSSなどに系列玉よりも割安な業転玉を卸すという極めて不自然な販売実態と、その流通量の増大という公正競争市場の確保を揺るがす流通問題に対して「一部元売を除いて総じて問題意識が希薄である」と強調。「結論に向けた具体策も出てこなかった」と厳しく批判した。
 野田会長はこれらの結果を受けて、販売業界・元売各社に、エネ庁・公取委などを加えた関係者間で、公正競争市場の再構築に向けた適切な対応を促すとともに事業規制のあり方や関係法規の運用などについても引き続き検討し必要に応じて議員立法も検討していく方針を明らかにした。



議連の取り組みに熱心に耳を傾ける各石商幹部




岡崎消防長官へ過疎地SS緩和要望
(6月26日付)

 全石連の関正夫会長、河本博隆副会長・専務理事は6月25日、消防庁の岡崎浩巳長官と面談し、「過疎地域のSSに対する地下タンク規制等の緩和について」の3項目からなる要望を行った。
 消防法省令改正で埋設後40年以上経過した地下タンクについて、FRP内面ライニング加工や精密油面計の設置などの漏洩未然防止対策を講ずることが義務付けられたが、これらの漏えい未然防止対策は、FRP工事で1SS平均500万円以上の高額の費用負担が発生するため、3分の2の国の助成があっても、自己負担分が捻出できずに廃業するSSが増加している。
 特に過疎地のSSが廃業した場合、地域住民の生活が維持できない事態が想定され、過疎地SSの維持・存続に向け、「地下タンクに係る漏洩未然防止対策等消防法規制緩和」など次の3点の要望を行った。
 ①漏洩未然防止対策の義務付けを緩和すること=過疎地域のSSについては、地下タンクの漏れの点検頻度を1年に1回から2回に増やすことを条件に、漏洩未然防止対策の義務付けを免除すること。
 ②会員管理機能付計量機を使用してセルフ給油が行えるよう規制緩和すること=過疎地域のSSにおいて、地域住民を会員として管理機能付計量機を使用してセルフ給油が行えるよう規制緩和を行うこと。
 ③指定数量の2分の1未満の灯油・軽油は防油堤を設置することなくホームタンクで蔵置することができるよう火災予防条例を整備すること=過疎地域の住居等において、防油堤を設置しなくてもホームタンクにより灯油・軽油を500リットル未満まで蔵置できるよう火災予防条例を整備すること。
 要望に対して岡崎長官は、「安全確保は平等にすべきであり、規制緩和の例外は慎重に対応したい」としながらも、「過疎地の実態を精査したうえで、要望事項の実現性について検討したい」と応じた。



岡崎長官(中)に要望書を手渡した関会長(左)




2012年度エネルギー白書が閣議決定
(6月21日付)

 政府は6月14日、2012年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書)を閣議決定した。10回目となる白書は、2005年に米国を襲ったハリケーンや10年のメキシコ湾原油流出事故、11年の東日本大震災など、エネルギーを巡る世界の過去事例を考察し、エネルギー安全保障の確立に向けた問題点や課題を抽出した。また、大震災で講じた施策と我が国エネルギー政策のゼロベースからの見直し状況などについてまとめた。
 白書では、新たなエネルギー政策構築に向け、生産(調達)、流通、消費、技術開発のエネルギーチェーンに与える影響を5つ要約した。
 ①生産施設の事故や自然災害が多大な影響を与え得る要素としてとらえる②供給国の政策変更による輸出削減③海峡・運河などの要衝が政治的に利用されたり、戦争・事故・災害で通過困難となる(イラクの核開発疑惑に揺れるホルムズ海峡などに視線を向ける必要)④電力・都市ガス・石油・LPガスの各分野において供給インフラの課題が浮き彫りになった(流通システムや制度の不備など、エネルギーチェーンの再構築を図る)⑤燃料価格がエネルギーマーケットの乱高下や価格決定方式の変更などで高騰するリスクと、大気汚染・温室効果ガスによる地球環境問題への影響―を提示した。
 課題への対応の方向性も5つに整理した。①リスクに柔軟に対応していくため、エネルギーの選択肢を増やして、エネルギー源の多様化を図る②資源の安定かつ安価な供給のために調達先を多角化する③備蓄や国際的な協力体制など、セーフティーネットの構築④想定外の問題に対して、安全性・安定性を不断に追求し続ける⑤エネルギー関係の技術開発は一朝一夕に成し得るものではなく、実用化に至るエネルギー技術の開発は、長期間にわたって継続的に取り組むこと―とした。


 




札幌SSビジネス見本市に41社・団体が競演
(6月17日付)

 今年も「SSビジネス見本市」が全石連総会に合わせて開催された。8年前にこの札幌の地で産声を上げた「SSビジネス見本市」。より華やかに、よりパワーアップして“見本市発祥の地”に帰ってきた。出展企業数は41社・団体、見学者は北海道全域から参集したSS経営者を中心に1,000人超と、期待通りの盛り上がりを見せた。札幌SSビジネス見本市の熱気を、グラフで振り返る。
 見本市の開会あいさつの中で見本市実行委員長の伊藤豊北海道支部長は「SSビジネス見本市に初めて本格的に取り組んだのは、実は我々北石連。総会に見本市を併設することで、地元の組合員にも全石連活動を身近に感じてもらい、油外収益向上の場として活用してもらうことが目的だった。全国一巡して札幌に戻ってきたことは光栄なことだと思っている」と、全石連の荒木敬一広報部会長は「収益を上げることが我々の願い。総会への参加者全員に見本市を見ていただくことが、出展いただいた皆様への期待に応えることにもなる。この見本市が双方の成果につながることを祈念したい」とそれぞれあいさつし、札幌見本市が開幕した。
 今年も例年通り、最新型計量機や低燃費タイヤ、省電力型機器類としてのLED照明の展示などが目立ったほか、消防法規制強化という時代背景を反映して地下タンクFRPライニング施工技術のPR、レンタカービジネスや最新技術を駆使した洗車ノウハウの紹介など、収益アップにつながる新たな油外商品の提案も複数見られた。
 さらに、従来から出展している原油先物取引の東京商品取引所に加えて、石油製品の現物取引に取り組んでいるGINGA・ENERGY・JAPANが初めて出展し注目を集めた。8年前の“札幌見本市”では想像もつかなかった新たなビジネスアプローチであり、大きな時代の流れを感じさせる象徴的な動きとなった。
 一方、一般マスコミとしてテレビ北海道が取材に入り、地下タンクFRPライニング施工技術を紹介したブースで長時間カメラを回すなど、SS業界に対する関心の高さをうかがわせる一場面もみられた。
 来年度は、6月に福島県郡山市での開催が予定されている。



会場は常に人の波が途切れず、出展企業からも高い評価を受けた




全石連・札幌総会 精販一丸でSS再生
(6月17日付)

 全石連(全国石油商業組合連合会・全国石油業共済協同組合連合会=関正夫会長)の平成25年度通常総会、全国石油協会(持田勲会長)同定時総会が6月13日に札幌市で開かれた。全石連は「組合活動を通じて経営を改革しよう」のメインスローガンのもと、地域インフラとしての中小SSの生き残り策確立へ向け、卸価格格差に起因する不公平・不公正な取引の正常化、不当廉売規定の実行力向上を期す。関会長は、全国から参集した都道府県理事長に向け、「少しでも多くの仲間が生き残れる経営環境を実現する活動を展開したい」と所信を表明、来賓の政治、行政、そして元売トップに向け、SS再生への協力を求めた。
 全国の石油組合からの参加者と地元・北海道の組合員の計450人、来賓の平将明経済産業大臣政務官、高橋はるみ北海道知事、石油連盟の木村康会長らが見守る中、全石連総会は開幕した。
 まず、この1年間に亡くなられた業界関係者への黙祷が、関会長のリードで行われた。
 開催地を代表して伊藤豊支部長による「一年で最も良い季節に全国から皆さんを迎えられた。ここ札幌で始まったSSビジネス見本市が全国を一巡して、再び同時開催されています。皆さんの滞在中は万全を期した対応をいたしたい」との歓迎の言葉を受けて、関会長が登壇、開会あいさつを述べた。
 引き続き、来賓あいさつ・紹介の後、役員改選で新理事長に就任した茨城・宇田川仁一郎、山梨・西川一也、沖縄・濱元清氏が登壇・紹介された。
 表彰式では、国家表彰者4氏、功労役職員68人(北海道・園部一正氏が代表受賞)、共同事業表彰17石協が披露・顕彰された。
 議長には伊藤支部長が選任され議事に入り、西尾恒太総務部会長が、全石商の「基本スローガンのもと、中小石油販売業者が生き残れる方策として、不公正な取引環境の改善 石油製品への税負担の軽減」という概要の事業計画と総額53.6億円の予算、全石協の総額13.1億円の予算などを説明、全議案が可決承認された。
 また、欠員に伴う役員補選で、地区選出の新理事として、九州・三角清一氏(熊本理事長)、関東・小野里克己氏(群馬理事長)、沖縄・濱元理事長が選任されるなどして全議案審議が終了、いずれも原案通り承認された。また、次期通常総会を福島県郡山市で開催することを決定、根本一彌東北支部長(福島理事長)は、「総会とビジネス見本市について、復興しはじめた東北被災地、そして福島・郡山で、万全を期してお待ちしたい」と述べ、全石連総会が終了した。



全国から450人が札幌総会に集結、SS再生に踏み出す今年度の全石連活動が始まる




消費税円滑化法案が可決
(6月10日付)

 来年4月からの消費税率引き上げに際し、消費税の円滑かつ適正な転嫁や、増税分を小売価格に上乗せすることが困難な中小企業を支援する「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための特別措置法」が5日の参議院本会議の採決で、自民・公明両党などの賛成多数で可決、成立した。
 法案は、①消費税の転嫁拒否等の行為の是正②消費税の転嫁を阻害する表示の是正③総額表示の弾力化④消費税の転嫁及び表示の方法の決定に係る共同行為―の4項目について特別措置を講じ、消費増税の円滑かつ適正な転嫁を促していくもので、2017年3月末までの時限立法となる。
 具体的には、独占禁止法の適用除外として、個々の販売業者が自主的に決めた本体価格に、14年4月1日から消費税8%分を上乗せすることや、15年10月1日から消費税10%分を上乗せすることを、事業者団体が申し合わせて一斉に上乗せする「転嫁カルテル」が認められることになった。また、消費税の表示方法についても「総額表示」とすることなどを事業者団体が一律に定める「表示カルテル」も容認されることとなった。
 一方で、「消費税は当店が負担しています」や「消費税率上昇分値引きします」、「消費税相当分を次回の購入時に利用できるポイントで付与します」などと、消費税との関連を明示し、増税分を事実上、負担させないようないわゆる「消費税還元セール」などの広告や宣伝は禁止する。


 




総務省・自動車関係税制改正議論に着手へ
(6月10日付)

 総務省は、自動車関係税制のあり方に関する検討会の初会合を開き、2014年度税制改正に向けて専門的な検討を始めた。今後、月1~2回ペースで開催し、10月をめどに取りまとめを行う考えだ。
 初会合は、自動車関係税制の経緯とこれまでの議論を振り返りながら、今後の検討課題を確認。13年度の与党税制改正大綱では、自動車取得税の廃止方針を掲げ、代替財源については自動車税の新たな課税を実施するなどにより、「地方財政には影響を及ぼさない」とし、14年度税制改正で具体的な結論を得るとしている。
 これに対し、同検討会では「地方財政は財源不足で、具体の代替財源がないままに地方税を軽減する余裕はない」と指摘。また、今年度予算・地方財政計画額においても、自動車税1兆5,497億円、自動車取得税1,900億円、軽自動車税1,852億円の合計1兆9,249億円となり、「地方税収全体の5.4%を占める重要財源」などとした。


 




2012年危険物事故状況・SS流出は大幅減少
(6月5日付)

 消防庁は2012年(1~12月)に発生した危険物事故状況をまとめた。SSを含む給油取扱所での火災は3年連続で29件、流出(油漏洩など)が20件減の59件と4年ぶりに減少に転じた。火災事故は、過当競争などによってSSの漸減が続く中で、同数を維持するなど依然高い水準にあることがわかった。流出事故は、経年地下タンクの漏洩防止対策を義務付ける消防法改正省令が11年2月1日に施行したことに加え、FRP内面ライニングなどの地下タンクの漏洩防止対策に対する国の支援制度などもあって、前年から大幅に減少した。
 給油取扱所における火災事故は29件。一般取扱所(128件)についで発生件数が多く、製造所(27件)を加えた上位3施設で発生件数の9割以上を占める。給油取扱所での事故は3年連続同数で推移。SS数が年々減少する中で発生の危険性が依然高い水準を示している。1件当たりの損害額は11万円と比較的軽微で、幸いにも深刻な被害には至っていない。
 発生原因を見ると、「操作確認不十分」、「維持管理不十分」など人的要因が12件と、全体の4割を占める。このほか、類焼(他所から火災が燃え移って焼ける)が5件、「故障」「破損」など物的要因が5件などとなっている。
 一方、油漏洩などを含む流出事故では、一般取扱所が96件で最も多く、次いで屋外タンク貯蔵所が81件、給油取扱所が59件と上位に位置する。埋設後40~50年の経年地下タンクに対する消防規制の強化に加え、国の支援措置などもあって、4年ぶりに前年を下回った。また、タンクローリーなどを含む移動タンク貯蔵所は4件減の52件となったが、事故発生件数上位4番目に位置するなど、依然高い水準にある。給油取扱所における1件当たりの損害額は23万円と、他の貯蔵所・取扱所に比べ比較的軽微だった。
 発生原因を見ると、給油取扱所では「腐食疲労等劣化」が24件と最も多く、全体の4割を占める。「維持管理不十分」、「誤操作」など人的要因も22件にのぼる。
 一方、移動タンク貯蔵所では、「交通事故」が17件、「操作確認不十分」が7件、「誤操作」「操作未実施」が各5件と人的要因が上位を占めた。
 このほか火災や危険物の流出を伴わない破損や交通事故といった事故が166件発生しているが、そのうち給油取扱所が122件と7割強を占めるなど圧倒的に多くなっている。  なお、給油取扱所数は12年3月末現在6万6,189ヵ所で、うちSS数は3万7,743ヵ所、全給油取扱所のうち57%がSSとなっている。






2012年度不当廉売注意件数は426件
(6月3日付)

 公正取引委員会が29日発表した2012年度の独占禁止法にかかる不当廉売の注意件数によると、石油製品に対する「注意」は前年度比18件減の426件となり、3年連続の減少となった。不当廉売申告の多い家電製品や酒類などを合わせた小売業全体の注意件数も36件の1,736件に減少した。石油製品を含めた小売業全体の不当廉売の申告件数は1,071件増の8,173件に増えているものの、「申告しても注意にもならない」との失望感が広がっている。また、「業転玉と系列玉との卸格差が拡大しているために、我々系列業者の仕切りレベルで販売しても注意にもならないということ」などと、不公正な市場環境に陥っている現状に危機感を強める。
 石油販売業界では、各地で散見される廉売行為に対し、10年1月に施行した改正独禁法への期待から、申告件数は一時的に急増。09年度の石油製品の「注意」は956件と、前年度から一気に倍増した。
 しかし、改正独禁法の目玉となっていた不当廉売への課徴金の適用案件もなかったことに加え、申告しても「注意」にしかならない実地が積み上がった。そればかりか、同じ業者が繰り返し「注意」を受けても、それ以上の厳しい措置が廉売業者に対してとられることがないため、09年度以降は申告数の減少とともに注意案件も減少。「安売りを消費者に吹聴しているだけ。注意ではなんの抑止効果もない」と、廉売行為の“やり得”を指摘する声も出ている。
 12年度は福井県のミタニに対して、公取委による立入検査が行われ、「排除措置命令などの厳しい措置が下されるのでは」との期待感も高まったが、結果的には「警告」止まりで、改正独禁法の実効性に強い不信感が高まっている。
 一方で、最近の内需不振と需給緩和に伴う業転格差の拡大によって、PBなど量販業者が各地で廉売攻勢を強めている。「そもそも卸段階で7~8円もの格差があって、しかも売り切れ御免の低マージンで販売している廉売業者が、我々の仕切りレベルで販売しても注意にもならない」と嘆く。廉売行為を抑制し、正常な競争環境を整備するはずの独禁法の限界を指摘する声さえ高まってきているのが現状だ。