2013年8月


2013年上半期貿易統計・エネルギーコスト高で過去最大の貿易赤字
(8月30日付)

 財務省が発表した2013年上半期貿易統計によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は4兆8,471億円となり、暦年上半期で過去最大の赤字額となった。化学製品や自動車などが好調で輸出総額は2期ぶりに増加したものの、火力発電用の石油や液化天然ガス(LNG)の輸入増で輸入総額は7期連続の増加となるなど景気回復への影響が危惧される状況となっている。
 商品別にみると、輸入では原油・粗油が前年同期に比べ6%増の6.9兆円、石油製品が9.3%増の1.3兆円、LNGが13.2%増の3.5兆となった。
 震災前の10年比では、原油・粗油が1.4倍に膨らんだほか、LNGも1.9倍に増加している。
 中東との貿易収支を見ると、13年上半期で6.4兆円の輸入超過となっており、半期で震災前10年通年の超過額8.2兆円の8割程度にまで達している。
 震災による原発の稼動停止によって、電源構成に占める火力発電のシェアが増大しており、化石燃料の輸入増大が日本の貿易収支に大きな影響を及ぼしていることが浮き彫りとなった。一方で、日本の経済活動や国民生活を支える石油を中心とした化石燃料・資源の重要性を再認識させる状況となっている。







総合エネ調・エネルギー基本計画策定へ議論
(8月30日付)

 震災を踏まえたエネルギー基本計画の策定を検討する資源エネルギー庁の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会は8月27日、3E+S(エネルギー安全保障、経済性・コスト、地球温暖化への適合性+安全性)の視点からエネルギー需給の現状と課題について意見交換した。
 エネルギー安全保障の根幹を成すエネルギーの安定供給確保に向けた、製油所からSSに至る石油製品供給設備の災害対応能力の強化に向けた取り組みとして、製油所・油槽所においては出荷設備の強化・拡充、SSにおいては中核SSの全国化を取り組んでいることを説明。また、元売会社に石油備蓄法の改正で災害時石油供給連携計画の策定を義務化したほか、石油製品での国家備蓄の拡充を推進していることなどを報告した。
 委員からは「日本は石油がなくなったら滅びるということを痛感した。原発が止まっている現在、ボロボロの石油火力で電気をまかなっている。石油やガスなどに対する日本の脆弱性を補うために、原発の役割やエネルギー消費の削減などに取り組んでいくべき」、「完璧なエネルギーはない。原子力を含めて、各エネルギーをバランスよく合理的に維持していくことが必要」、「重要なことはひとつひとつのエネルギーのメリット・デメリットという話ではなく、バランスの問題に踏み込んで議論していくべき」と、エネルギーのベストミックスの重要性を訴えた。





総務省・震災対応でガイドライン策定へ
(8月26日付)

 総務省消防庁は8月22日、東日本大震災を踏まえ、SSを含む給油取扱所や製造所などの危険物施設での震災対策のあり方を調査・検証する検討会の初会合を開いた(写真)。今年度末を目途に、地震や津波などによる被害の軽減や早急な施設の復旧に向けたより良い対応・対策をまとめたガイドラインを策定する。石油販売業界からは宮城・佐藤義信理事長が委員として参画。佐藤理事長は、大震災発生直後から、未曽有の激震・津波災害の中で懸命な石油製品の安定供給などを通じて、被災地の復旧・復興に尽力してきた経験から、「人間は自然の猛威には太刀打ちできない。“人命優先”を第一としたガイドラインでなければならない」と強く訴える。
 東日本大震災では製油所や油槽所・SS、化学プラント・製鉄所・発電所など多くの危険物施設が被災、操業・事業停止に追い込まれた。そうした空前の大惨事の中から石油業界はいち早く燃料の供給を再開させるなど、人命救助や被災地の復旧・復興に大きく貢献した。こうした被災地の実態を踏まえ、危険物施設における事前の対策や従業員への教育・訓練、発災後の被害の確認・応急措置、復旧対応など、給油取扱所や製造所といった、それぞれの危険物施設に応じた緊急時の対応を適切かつ容易にするためのガイドラインを策定するのが狙い。
 検討会の下に①給油取扱所②一般取扱所③製造所・屋外タンク貯蔵所の危険物施設後にグループ化した3つのワーキンググループを設置。自らも被災者でありながら、石油製品の供給に尽力した石油販売業者などから、発災から復旧までの取り組みや経過などをヒアリング。被災からの事業・操業再開に向けた問題点や課題を抽出するほか、被害の拡大・二次被害の回避などに向けた奏功事例などを整理・分析し、今後の大規模災害発生を想定したより良い対処方法を構築していく。







沖縄で「E10」発売スタート
(8月26日付)

 バイオエタノールを10%混合した「E10」ガソリンの発売が、全国のトップを切って沖縄県のSSで始まった。「E3」ガソリンはすでに同県で本格的に普及し始めているが、“環境にやさしい次世代燃料”として注目されるE10の将来性を占う試みとして期待される。
 環境省はE3を中心に「バイオ燃料本格推進普及事業」を推進しているが、バイオ燃料の普及を加速するため、E10の供給を開始した。販売する製品は日伯エタノール(本社・東京)が袖ヶ浦事業所で製造。ガソリンに10%のバイオエタノールを混ぜて、沖縄に輸送している。
 販売を開始したのは那覇市の有村商事・若狭SS(伊藤忠エネクス系)。SS内に600リットルの簡易貯蔵タンクを設置して発売している。同SSでは「E10対応」のラベルがある車のドライバーに、発売が始まったことをPRしている。まだあまり知られていないためか、給油するドライバーは少ないが、「給油して頂いたお客様は普通のガソリンと同じような感じで使っていただいています」と言う。
 E10は昨年4月の品確法施行規則改正によって新たに規格化されて、一般販売ができるようになった。E10を燃料として使用できる車は、ホンダ4車種、トヨタ2車種が発売されており、沖縄県では約2千台が走行している。
 沖縄県では沖縄産のサトウキビの副産物である「糖蜜」を原料にしたバイオエタノールを使ったE3の普及が進んでおり、すでに県内約50ヵ所のSSで販売され、毎年需要が伸びている。製造コストや対応車の普及などの課題はあるが、将来的にE10の普及が進めば、「エネルギーの地産地消」にもつながることが期待される。





SS過疎地実証事業で滋賀「あいが」を採択
(8月26日付)

 資源エネルギー庁はSS過疎地など石油製品の供給不安が生じている地域などで、SSの運営継続を通じて石油製品の安定供給の維持・強化に向けた実証事業を支援する「燃料供給不安地域対策事業」の一環として、住民出資会社・あいが(滋賀県甲賀市)による複合型SS整備実証事業を採択した。あいがでは今後、既存のSS施設・設備の改修を進め、住民の憩いの場所となるスペースや、日用品などの販売スペースを新たに設置し、地域住民ら利用者へのサービス拡充を図り、SS利用機会の向上を目指す。
 今回実証事業が行われる甲賀市土山町鮎河地区は、甲賀市の中心部から20km余り北東に位置し、98%を山林が占め、人口は490人、159世帯の典型的な中山間地域であるとともに、60歳以上の人口が34%と高齢化が進んでいる。鮎河地区にあるSSは1ヵ所で、同SSは2010年4月に経営難から廃業が決められていたSSを地域住民で存続させようと、住民有志の出資で設立した「株式会社あいが」によって運営している。
 過疎化・高齢化が進行している同地域には、日用品などを買い物する店舗が1軒もなく、車の運転ができず、日用品の購入に支障を来たす“買い物弱者”が増加する恐れが出てきていることから、あいがでは実証事業を通じて、日用品・食料品・農業資材などの販売を行う店舗を併設するほか、タイヤ・オイル交換などの作業スペースを確保し、利用者へのサービス向上を図り、利用機会の増加を目指す。また灯油の個別配送と連携した買い物サポートサービスを実施し高齢者などへのサービス拡充を図る。このほか営業時間の拡大やPOSレジの導入により、顧客サービスの拡充と継続的な顧客ニーズの把握にも努めていく。
 実証期間は9月から来年3月末まで。





住田エネ庁資燃部長・安定供給テーマに佐藤宮城理事長と懇談
(8月23日付)

 宮城の佐藤義信理事長は8月19日、仙台市で資源エネルギー庁の住田孝之資源・燃料部長と災害時における石油製品の安定供給などについて懇談した。住田部長は「被災県である宮城の悩みや困っていることをうかがいたい」として佐藤理事長を訪ねたもので、佐藤理事長からは東日本大震災直後の燃料供給の状況説明や、中核SS・小口配送拠点の環境整備、業転問題対策などについての要望が行われた。
 佐藤理事長は業転問題や系列玉との卸格差の問題について「石油をエネルギー基本計画できちんと位置付けてもらうことによって、最終的には電気やガスと同じ原価積上げ方式で販売価格が決まるようになれば、元売から3割ぐらい出ている業転玉も系列玉の原価もすべて明らかになって平準化されてくるはず。そうすれば一定の粗利を確保でき、過疎地SSでも経営的に困らなくなる」と、石油製品の安定供給確保に向けた標準小売価格導入の必要性を訴えた。
 中核・小口配送拠点の環境整備に向けては「備蓄する燃料の金利負担、地下タンクのメンテ費用もかかる。地下タンクは入れたが維持できないため、いざという時に製品が入っていないということも出てくる。そのため、きちんと製品を備蓄できる環境を整えてほしい」と要望した。
 自治体との災害協定については「協定を結ぶと同時に、官公需適格組合を経由して供給させてもらうことで安定供給が確保できる」と、自治体などによる官公需適格組合の積極的な活用の必要性を強調した。

住田部長と石油製品の安定供給などについて意見交換する佐藤理事長(右)




静岡・廃バッテリー買取事業スタート
(8月23日付)

 静岡石協(入谷孝裕理事長)は8月20日から新規の共同事業として、廃バッテリーの回収・買取事業をスタートした。今回の共同事業化は使用済み鉛蓄電池の適正な処理とリサイクル促進を図る観点から実施するもの。回収事者は組合指定の中村商会(御殿場市)で、バッテリー型式によって代金は異なるが、いずれも有価物として買い取る。
 事業へのエントリー方法について、参加希望の組合員は組合から送付された「廃バッテリー回収事業参加申込書」を組合事務局へFAXするだけ。その後は廃バッテリーが溜まり回収依頼を行うごとに「廃バッテリー回収・買取り依頼書」を組合に送信すると、1週間以内を目途に指定業者が回収に訪れ、現金または振り込みで買取代金を支払う仕組みになっている。
 また、同石協では同じく20日から中村商会を指定業者にしてアルミホイールの回収・買取事業も開始した。なお、廃バッテリー、アルミホイールそれぞれの買取価格など詳細は静岡石協(電話=054-282-4337)まで。





2013年上半期・灯油ストーブ販売が半減
(8月16日付)

 経済産業省が発表した2013年上半期(1~6月)の灯油ストーブ販売台数は、前年比51.5%減の40.4万台に半減した。東日本大震災で灯油ストーブの暖房性能や利便性の高さが再認識され、販売台数が増えていたが、10年比でも8.8%減でほぼ震災前の水準に戻った。新規・買替需要が一巡したものと見られる。





精製機能の廃棄・集約化が進展
(8月7日付)

 資源エネルギー庁は自民党石油流通問題議員連盟(野田毅会長)で、石油製品の供給過剰問題に対応した精製元売会社による石油精製機能の廃棄・集約化の取り組み状況などについて報告、住田孝之資源・燃料部長は、エネルギー供給構造高度化法などによって、「適正な需給率に近づきつつある」と指摘。ただ、今後の需要減を見据え、需給ギャップの解消に向けた元売各社の取り組みを支援していく考えを示した。
 国内石油産業は、石油製品需要の減少傾向や需要構造の白油化、原油の重質化傾向、アジア・中東地域における最新鋭製油所との国際競争激化などに対応し、原油処理装置の廃棄を含む、製油所の生産性向上や高付加価値化への取り組みが急務となっている。
 国は、高度化法に基づいて製油所における原油処理能力の廃棄や重質油分解装置の増設といった対策を予算による政策支援で後押し、これらの取り組みによって日本の原油処理能力は、08年4月の日量489万バレルから、14年4月には393万バレルへ2割程度削減される見通しであることを説明した。
 一方、内需は長期的に減少傾向にあり、14年には334万バレルに落ち込む見通しを示し、「処理能力は393万バレルでその比率は85%となる。世界的に言われている約9割という適正な需給率に近づく」と述べた。ただ需要は漸減する見通しであることから、「引き続き供給過剰にならないよう、元売各社の様々な努力を後押ししていきたい」と述べた。






消費増税でガイドライン
(8月5日付)

 公正取引委員会、消費者庁、財務省は7月25日、増税に伴う価格表示のあり方や広報・宣伝などの具体例を記したガイドライン(指針)をまとめた。また、同日から関係各方面からの意見を求める、パブリックコメント手続きを8月23日締切で開始した(具体的な表示例は表参照)。
 ガイドラインでは、独占禁止法の適用除外として個々の販売業者が自主的に決めた本体価格に2014年4月1日から消費税8%分を上乗せすることや、15年10月1日から消費税10%分を上乗せすることを事業者団体が申し合わせて一斉に上乗せする「転嫁カルテル」が認められることになった。
 また、消費税の表示方法についても「総額表示」とすることなどを事業者団体が一律に定める「表示カルテル」も容認されることとなった。
 表示に関する禁止事項としては、消費税分を値引きするなどの広告や宣伝を禁止する。具体的には、「消費税は転嫁しません」、「消費税率上昇分を値引きします」、「消費税相当分、次回の購入に利用できるポイントを付与します」などを挙げた。
 逆に、「3%値下げ」、「3%還元」、消費税率と一致するだけの「10%値下げ」、「8%還元セール」など、たまたま消費税率の引き上げ幅と一致する広告や宣伝は禁止しない。
 一方、価格表示は04年から「税込み」の総額表示が義務付けられたが、今回は消費増税が2段階で引き上げられる見通しであることから、17年3月までの時限措置で税抜き表示も認められることとなった。
 ただ、販売業者の間からは、「現状、総額表示が義務付けられ定着している中で、14年4月から税抜表示に変え、さらに17年4月からはまた総額表示に戻さなればならず、価格看板やPOSシステムの変更などのコスト・事務負担が増大するのでは」との指摘も出ている。