2013年12月


石連・「流通証明書」導入へガイドライン
(12月27日付)

石油連盟は12月26日、ガソリン取引の透明性の確保を図る「石油製品流通証明書導入ガイドライン」(GL)を取りまとめた。年明け以降、準備が整い次第、元売各社の製油所・油槽所から出荷されるガソリンに同証明書が添付される。資源エネルギー庁も同日付で、同証明書の添付が実効性の高いものになっていくよう、主要商社などへの周知活動などを通じて支援していく方針を発表、この取り組みの進捗状況を元売ヒアリングなどを通じてフォローアップしていく。
 同証明書は元売の製油所・油槽所からSSに出荷されるまでのガソリンの商流・物流をSSが確認できるようにすることで、ガソリン流通の透明性確保を目指す。エネ庁は9月19日付で元売8社に対し通達を発出。ガソリン取引に関する公正な競争を確保する観点から、ガソリンを中心とした石油製品の商流及び実際の物流を記載した証明書の添付についての検討を求めた。これを受けて、元売各社は石油連盟において検討することとし、全石連と協力して石油製品流通証明書導入GLを取りまとめた。
 同証明書の導入にあたっては、実務で使用されている既存の伝票(納品書、請求書等)などの活用も可能とした。
 今後、元売各社は同GLに基づいてエネ庁通達に基づく、導入方法や時期、個別ルールの策定など具体的対応方法を決定し、エネ庁に報告。必要な手続き終了後、速やかに取引先などに説明・周知のうえ、順次実行に移していく。




2012年度ガソリン供給ルートシェア・特約店59%、元売直売21%
(12月20日付)

資源エネルギー庁がまとめた2012年度のガソリン供給別販売実績によると、国内販売は需要減の顕在化で1・9%減の5664万キロリットルに減少した。供給ルートに占める「一般特約店」比率は59・1%、「元売直売」が21・4%などと、前年度に比べ、ルート別シェアに大きな変動はなかったが、全体の需要が落ち込み、内需減退の深刻さが浮き彫りとなっている。10年前の03年度との対比(円グラフ参照)では70%あった「一般特約店」シェアが10%強縮まるなど、地場中小販売業者の廃業・撤退が進行している。なお2012年発表の11年度実績で訂正があり、「元売直売」「商社」「一般特約店」の各シェアに大きな変動があった。
 12年度のガソリン国内販売は、小型・軽自動車やハイブリッド車など低燃費車の普及に加え、高止まりする原油価格による小売価格の高値で、消費節約が進んだことも影響し、前年度比1・9%減となった。98年度以来、14年ぶりの低位。
 ルート別では、11年度訂正版との比較でみると、「一般特約店」は1・6%減の3350万キロリットル、「元売直売」も1・4%減の1213万キロリットルに落ち込んだ。シェアは「一般特約店」「元売直売」が各0・1%増の59・1%、21・4%となった一方で、「商社」は4・3%減の826万キロリットル減となり、シェアも0・4%減の14・6%となった。PB・異業種など業転取引を中心とした「商社・その他」も5・6%減の412万キロリットルと苦戦。シェアも0・3%減の7・3%となった。
 「一般特約店」の内訳を見ると、「特約店直営」が43・4%(2458万キロリットル)、「販売店」が9%(508万キロリットル)、「その他」が6・8%(383万キロリットル)といずれも前年を割り込んだ。
 10年前の03年度と比較すると、「一般特約店」は過当競争の激化によって、廃業・撤退などが増加。990万キロリットルもの需要を喪失した。
 ルート別シェアの推移を見ると、「一般特約店」が70・3%から59・1%に11・2%もシェアを落とす一方で、「元売直売」は11・1%から21・4%と約2倍に膨らんだ。また、「商社」も1%増の14・6%と小幅な上昇にとどまったが、「商社・販売店」が8・4%から5・3%に縮小する一方で、「商社・その他」が3・2%から7・3%に2倍強に拡大している。
 
 



東燃ゼネ・三井石油を買収
(12月20日付)

東燃ゼネラル石油は12月18日、三井物産が保有する三井石油の全株式を買収することを発表した。三井物産は三井石油における約89・9%の株式を保有しており買収額は250億円。これにより三井石油と極東石油工業は同社の子会社となる。公正取引委員会の承認を受けた後、2014年2月4日付で実行される。
 また同日、米国エクソンモービルは同社保有の東燃ゼネラル株式のうち3600万株を三井物産に譲渡することで合意したことも発表された。米国EMの保有比率は22・21%から12・21%に低下し、その一方、三井物産の比率は9・99%となり第2位の株主になる。
 



13年度補正予算閣議決定・石油流通支援160億円超
(12月16日付)

政府は12月12日、2014年4月からの消費増税に備える総額5兆5千億円の2013年度補正予算を閣議決定した。このうち、石油流通支援予算は160億円を超える規模となる。消防法規制強化によって地下タンクの内面補強など、追加的な設備投資が求められるSSの支援や、灯油配送ローリーの購入補助などを行い、石油製品の安定供給の最前線の役割を担うSSの防災・安全対策を加速させる。年明けの通常国会に上程され、予算成立後、早ければ3月にも事業がスタートする見込みだ。
 消防法改正省令により規制対象となる地下タンクの漏洩防止対策支援として、87・4億円を計上。これに加えて、2012年度予備費で措置した「地下タンク環境保全対策緊急促進事業」で積まれた基金を単純延長することで、総額100億円超の予算が確保される見通し。揮発油販売業者(中小企業に限定。ただし、供給不安地域は大企業も対象)を対象に、地下タンクのFRP内面ライニングや電気防食システム、精密油面計の施工・設置費用の一部を補助する。
 灯油配送ローリーの購入費用の一部を補助する「灯油配送合理化促進支援事業」では58億円を措置。過疎地域などで、経営悪化によって、灯油配送を担ってきた地場SSの廃業が進むなど、暖房・給湯用燃料として不可欠な灯油の安定供給に支障をきたす地域が散見される状況になっていることから、供給不安地域や豪雪地などでの揮発油販売業者の小型ローリーの大型化や配送ローリーの共同使用などによる配送合理化などに向けた取り組みを支援する。
 SS・会社所在地がSS過疎地(100平方キロメートル当たりのSSが8ヵ所以下の市区町村)または豪雪地(法律に基づき指定された豪雪地帯または特別豪雪地帯)に加え、過疎地域自立促進特別措置法で指定された地域も含めた地域内にSS・会社が所在していることが条件。全1719市区町村のうち、約1000市町村内のSSが対象となる見込みだ。ただし、SS・会社所在地が補助対象市区町村外であっても、灯油配送先が補助対象市区町村内であれば、補助対象となる。
 このほか、震災を踏まえ、全国に整備した中核SSの取り組みを支援するため、「災害時給油所地下タンク製品備蓄促進事業」として15億円を新たに措置。災害時に地域おける石油製品の中核的な供給拠点として、警察・消防などの緊急車両に優先給油を実施する役割を担う中核SSに対し、一定量の在庫積み増し分に係る燃料購入費用と在庫の管理費を支援していく。都道府県と連携することを補助対象要件に、国が備蓄燃料の購入費用と初年度分の管理費用を支援。都道府県は国が措置する15億円とは別に、2年目以降の製品備蓄に係る管理費用を措置することが条件となる。

 




石油流通議連・取引適正化へ議員立法素案
(12月11日付)

系列玉と業転玉の格差・需給ギャップの解消など、公正競争市場の確保策を検討する自民党の石油流通問題議員連盟(野田毅会長)は5日、役員会を開催した(写真)。資源エネルギー庁からは業転との価格差および需給適正化の取り組み状況について、公正取引委員会からは業転玉取扱いに関する一定のルールづくりに向けた元売各社の対応状況について報告を受けた。そのうえで、ガソリン取引の適正化に向けたエネ庁などによる調査・分析権限等を担保する、同議連有志でまとめた議員立法のたたき台を提示。今後、過当競争の元凶となっている業転格差の動向や、元売各社の市場正常化に向けた改善の取り組みなども見極めながら、同たたき台をベースに議員立法の中身を詰めていくことを決めた。
 エネ庁は前回11月13日の議連役員会の議論を踏まえ、元売各社に社長名でガソリンの需給適正化に対する自社の過去の取り組みや、今後の方針について文書で提出を求めた。
 元売各社からは、さらなる処理量の削減など生産調整を機動的に行うことや、石油化学製品へのシフト、原油処理能力の一層の削減、製品輸出の推進に取り組んでいく方針が示された。また、仕切価格改定や業転の取り扱いなどで優越的地位の濫用と誤認されないよう、誠意を尽くして特約店と接すること、仕切りの公平性・透明性の確保に努めていくことを誓った。エネ庁は今後、今回各社が提出した取り組みの進捗状況を定期的にフォローアップしていくこととした。
 公取委からは、系列特約店などによる業転玉の取り扱いに関する一定のルールについて、元売各社に具体的な対応方針の提出を求めていることを明らかにした。
 一方、全石連からは、石油販売業者の資金繰りがますます悪化し、1日4ヵ所のペースでSSが減少している現状に歯止めがかからないと強調。「業転格差が拡大している元凶は元売による供給過剰問題である」と指摘し、速やかに供給過剰構造にメスを入れるべきと提言した。また、「エネ庁から業転格差が4円程度に縮まってきているという報告もあったが、我々の仕切り以下で販売されている実態もある。いまでも6~7円近い卸格差がある」と訴えた。
 これらの報告を受け、ガソリンの取引における公正な競争の確保と取引の適正化を図る、議連有志でまとめた議員立法のたたき台を提示。同たたき台に対する意見交換では、「要は、ルールを作っても罰則がなければ効力を発揮しない」、「罰則にはどういうものがあるのか、皆で知恵を絞らなくてはならない」と訴え、罰則規定のあり方も含めた法律の中身について今後、具体的に検討していくこととした。
 
 



全石連政策・環境部会 「流通証明書」枠組み大筋で了承
(12月11日付)

全石連政策・環境部会(喜多村利秀部会長)は5日の会合で、資源エネルギー庁が9月19日付で元売各社に発出した通達を受けて、石油連盟がガソリン取引の透明性の確保を図る目的で検討を重ねてきた「石油製品流通証明書」のスキームについて、大筋で了承することを決めた。
 同証明書は、非系列取引の透明性の確保を図るため、元売各社が系列、系列外のいかんに関わらず、製油所・油槽所から出荷されるすべてのガソリンに証明書の添付を求めるもの。意見交換では、「実行に移さなければ、なにも前に進まない。不都合・不具合が出てくればその都度見直せばいい」などと、実施に向けて前向きに進めていくべきとの認識で一致した。
 2014年4月からの消費増税への対応については、これまで通り「総額表示」を継続していくとともに、消費税の円滑かつ適正な転嫁を図るため、転嫁・表示カルテルを実施し、カルテルの実効を確保するための過怠金も設定することを決めた。ただ、市場での表示対応の動向を見極めながら、柔軟に対応していく方針。
 一方、岐阜・山田菊雄理事長から「SS業界として、車検期限を表示したシールの大きさの拡大など、無車検車撲滅に積極的に関与していくべき」との提言を受けて、今後の対応策を検討した結果、国土交通省の来年度予算概算要求で、シール視認性向上や無車検車・無保険車対策の強化が盛り込まれていることから、これらの対策を積極的に後押ししていくことを決めた。
 



IEA・世界エネルギー見通し~国際競争力削ぐエネルギー独歩高
(12月6日付)

先ごろ来日した国際エネルギー機関(IEA)のマリア・ファン・デル・フーフェン事務局長が日本記者クラブで会見し、IEAがまとめた2013年の「世界エネルギー見通し」を報告した。原油価格については、2035年まで1バレル当たり128ドルまで上昇していくとし、昨年の見通しから3ドル上方修正した。原油供給については、北米でのシェールオイル(SO)などの生産拡大で、中東諸国の影響力は一時的に低下するものの、20年代半ばまでに北米など非OPEC諸国の生産量が減少し、唯一の低コスト産油地域の中東諸国が原油供給の中心的な役割を果たしていくとの見通しを示した。
 ブレンド原油の11年以降の平均価格が110ドルとなるなど、「これほど長期にわたる原油価格の高止まりは石油市場の歴史上初めて」と指摘。一方で米国の天然ガス価格は、欧州の3分の1、日本の5分の1で、企業など大口需要家が支払っている電力価格も、2倍以上になっているとした。ガス価格や電力料金など、エネルギーコストは、石油精製や化学、鉄鋼、セメント、製紙などといったエネルギー集約型産業に重大な影響を及ぼし、日欧はこれらの産業分野で世界輸出に占めるシェアの3分の1を失うと警告した。
 ガスなどの高価格の影響を低減させるため、アジア太平洋地域におけるガス市場改革の加速と北米からのLNG輸出を追い風に、現在のLNG契約形態や石油連動型価格メカニズムの硬直性を緩和する必要があると強調した。また、中国や中南米、欧州の一部などでシェールガス開発における米国の成功を小規模に再現できる可能性を示唆した。
 原油価格が35年まで128ドルへと着実に上昇していくことで、新資源への開発を後押しする。ただ、技術力や生産コスト、資源の質などから、SOによって、世界最大の石油生産国へと浮上しつつある米国のような成功を収めることは困難との見方を示した。世界の石油需要は35年には1400万バレル上昇して、1億100万バレルに達する。在来型の原油生産が6500万バレルへと微減するのに対し、SOなど非在来型石油や天然ガス液(NGL)の増加が残りを埋める。
 一方、OPEC諸国が石油需要に果たす役割は、米国の石油生産、カナダのオイルサンド、ブラジルの深海油田、世界各地のNGLの増産で、今後10年間は一時的に低下する。しかし、20年代半ばまでには、非OPEC諸国の生産量が減少し、OPECなど中東諸国が石油供給の中心的な役割を担うとした。
 石油使用量はペースは落ちるものの、35年まで増加傾向をたどる。OECD諸国の使用量が加速度的に減少する一方で、30年前後に中国が米国を抜いて最大の消費国となり、中東も欧州を上回る。また、インドが20年以降最大の需要増加国に浮上する。石油消費がアジアや中東に傾くことで、これらの地域では精製能力が引き続き増強される。逆にOECD諸国では、需要減と輸出市場の競争拡大で、製油所の閉鎖圧力が強まる。そのリスクが最も大きいのは欧州の精製業者であるとした。

 



上越沖にもメタンハイドレート
(12月4日付)

資源エネルギー庁は11月29日、新潟県上越市沖のガスチムニー構造の1ヵ所から、メタンハイドレートを確認したと発表した。6~7月の調査で存在が有力視される225ヵ所に上るガスチムニー構造を発見しており、周辺海域に広くメタンハイドレートが存在していることが明らかとなり、商業化に向けた資源調査の第一歩を踏み出した。
 メタンハイドレートは、メタンと水が低温・高圧の状態で氷状になったもので、日本の周辺海域に相当量の賦存が見込まれるなど、次世代の天然ガス資源として期待されている。今回、無人探査機を使って、この約900メートルの海底にあるガスチムニー構造で、調査やビデオ撮影を行ったところ、一部に白いメタンハイドレートがむき出しになっているところや、海底からガスが噴き出しているところを確認した。
 エネ庁では来年度以降、これら大規模な賦存の可能性がある有望地点で、地質サンプルの取得作業など、埋蔵量を把握するための詳細な調査を行っていくことにしている。また、秋田・山形県沖や島根県の隠岐諸島周辺、北海道沖などでも同様な広域地質調査を行っていく計画だ。
 太平洋側でも3月、愛知県沖で世界で初めてメタンハイドレートの海洋産出試験に成功した。
 
 
白く露出している部分がメタンハイドレート