2014年5月


田中石油流通議連会長代理が全国油政連で講演
(5月30日付)

石油流通問題議員連盟の田中和徳会長代理(写真)が5月22日の全国石油政治連盟通常総会に来賓出席し、この1年間の議連活動の経緯やその目標などについて説明した。田中会長代理は「議連の一番の課題は国民生活に密着した石油販売業の経営維持」と述べ、その具体策として「系列玉と業転玉の格差縮小への取り組みが喫緊の課題」と話した。
 業転格差について田中議員は、「業界からの実態を聞いても、ほかの資料を見ても、業転格差は縮まっておらず、問題解決に時間がかかっている」と述べた。
 さらに「商標権も考えたうえで、すべてのSSが業転玉を購入できようにするべく、差別対価や不当廉売の実態を根底から排除できるような法律はできないかということで、法制局と協議し議員立法のたたき台を作った」、「併せて、資源エネルギー庁と公正取引委員会が同席したうえで、元売とSS業界との協議の場を設けるなど、様々な対策を講じてきた」と経緯を説明した。
 そのうえで、「国民生活に重要な役割を果たしていただいている石油販売業界のみなさんに、これからも安心して商売を続けられるようにすることは国会議員としても重要な課題だと考えている。役所にもこうした新しい取り組みによって、早期に問題解決に取り組むよう求めている」と話した。
 今後の議連活動については、「油政連の県連会長のみなさんも、地元の会議に議連のメンバー議員を呼んだいただき、課題の共有とご支援をしていただきたい」と要請した。
 質疑では、業界側から元売販売子会社の問題が提起された。これに対し田中議員は、「議連として子会社問題も取り上げている。子会社のシェア拡大の一方で特約店・販売店のSSが潰れていっている状況に対応できる策を研究している」と述べた。




議連として、業転格差の縮小が喫緊の課題とした田中会長代行(正面中央)




エネ庁元売ヒアリング・4社が「仕切り」見直し
(5月28日付)

資源エネルギー庁石油流通課は5月22日の自民党石油流通問題議員連盟(野田毅会長)役員会で、4~5月に実施した緊急元売ヒアリング結果を報告した。8元売中4社が仕切価格体系の見直しに着手しており、業転玉など市場価格の変動に加え、原油価格変動を加味した各社独自の価格指標を採用する体系へと移行させつつあることが明らかになった。また、需給適正化に向けた石油化学へのシフト、輸出などの継続的な取り組みで、非系列取引量の割合や非系列・系列取引価格差の抑制・縮小傾向が見られるとした。各社4月中に運用を開始した石油製品流通証明書については、概ね商社など取引先の理解を得ながら大きな混乱なく開始されているとした。
 ヒアリングは元売全8社の販売担当役員らから、ガソリンを中心とした業転玉の流通情勢や系列玉と業転玉との卸格差の実態など、1~3月の状況を聴取したほか、流通証明書の運用状況について調査した。  指標となり得るはずのスポット価格について、大口取引で取引単価が低い海上取引が、ローリー小口取引中心の陸上取引に比べ高くなる時期があり、「指標としての信頼性が損なわれた」「取引実態と乖離した安値で原油価格の回収さえ困難であった」などの懸念が示され、仕切価格体系を「見直した」あるいは「見直す予定」とした元売が4社あり、業転玉など市場価格変動に加え、原油価格変動も加味した仕切価格体系に見直す考えを示した。見直しについて、エネ庁からは「特約店に対し双方納得するように対応すべき」としたのに対し、「特約店に信頼され得る価格を打ち出す」「特約店に対しても説明責任を果たす」などと回答した。
 流通証明書の運用状況については、最終届け先の記載や証明書の発行について態度を決めかねている取引先が一部存在するとし、引き続き取引先から理解が得られるよう、取り組む方針を示した。最終届け先を把握している割合の全元売平均は、3月時点で91%程度で、中には99%把握しているとする社もあった。
 1~3月ガソリン出荷量は1250万キロリットル、10~12月比2・3%減。非系列出荷は10~12月の18%から18・6%に増加。4社で減少、4社で増加。系列特約店と非系列取引との仕切価格差は前回12月比リットル0・3円拡大の3・6円となった。また、同一都道府県内における系列内最大実仕切価格差は前期比で2円縮小して5・2円となった。






全石連2014年度スローガンを決定
(5月26日付)

全石連(関正夫会長)は東京・石油会館で5月21日に開催した理事会で、2014年度事業計画と活動スローガンを決め、翌22日に開かれた全国理事長会議で了承した。
 基本方針を「組織活動を通じて経営を改革しよう」とし、経営健全化や市場環境整備の推進のほか、必要性が高まる災害対応・過疎地対応の推進、組合員への情報提供や共同事業などによる収益確保の推進について、4項目のサブスローガンとして掲げた。
 少子高齢化の進展や低燃費車の普及などによりガソリン需要の減少が顕著になっている。国はこの状況に対応するためエネルギー供給構造高度化法による設備削減を進めたものの、今後の需要減少をふまえるとさらなる設備廃棄が求められている。
 こうした需給ギャップを背景に、市場では業転玉の増加に伴う市況混乱などで石油販売業の経営はますます深刻さを増している。そのため全石連は、市場の変化に対応したSS経営の実践や公正で公平な取引環境の実現に向けて、石油流通問題議員連盟をはじめ公正取引委員会や資源エネルギー庁などの支援を得るとともに、消費者の安心安全のための供給ネットワークの強化に向けて、強力な組織活動を展開する方針とした。


 





エネ調合同会議・緊急時供給体制の課題を提議
(5月21日付)

資源エネルギー庁の資源・燃料分科会と石油・天然ガス小委員会は5月19日、合同会合を開き(写真)、東日本大震災や2月に発生した山梨県などでの豪雪災害を教訓とした、石油の緊急時供給体制に係る課題への対応について検討した。具体的には、災害発生時の石油製品供給に係るBCP(業務継続計画)に関する元売各社のレベルアップのほか、災害時の石油物流の円滑化に向けた関係省庁・自治体との協力強化の重要性が論点として示された。また、需要家側による自衛的備蓄の推進や、全国に約1700ヵ所整備された中核SSの機能強化と自治体との連携強化の必要性などが提起された。
 河本博隆副会長・専務理事は東日本大震災での教訓として、被災地の避難所や病院など重要施設への燃料供給で、「給油口が合わず供給できなかった事例もあった」と指摘。①石油組合と自治体との災害時協定を促進させていくと同時に、②「緊急時の燃料供給の対象となっている重要施設に関する情報の共有化を図っていくべき」と訴えた。また、③「東日本大震災でも山梨の豪雪災害でも、災害発生時には予想しなかった、驚くようなことが起こる。関係機関と一体となった防災訓練を行うべきで、我々も積極的に関与していきたい」と述べた。
 一方、木村康石油連盟会長は、震災時の石油供給に関するBCPに関する元売各社の格付調査で最高位のAランクが「該当なし」となるなど、厳しい評価が下されたことに対して、早急に見直す考えを表明した。また、被災地に迅速に石油製品を供給していくため、被災地の製油所・油槽所に通じる航路・道路の優先的な啓開や、給油困難地域への石油輸送協力、タンクローリー・鉄道の通行円滑化など、関係省庁との連携強化を訴えた。
 このほか出席委員からは、中核SSの機能連携強化に向けて、「必要なところに必要な中核SSがあるのかという視点も加えて、整備する必要がある」と指摘したほか、「緊急時の燃料供給などに関する規制緩和リストをあらかじめ関係各省庁間でつくっておき、緊急事態に備えておく必要がある」などと提言した。






精販協議会が本格議論スタート
(5月19日付)

自民党石油流通問題議員連盟(野田毅会長)での元売5社(JX日鉱日石エネルギー、東燃ゼネラル石油、コスモ石油、出光興産、昭和シェル石油)首脳と全石連正副会長・支部長らとの懇談会を受け、市場問題について実質的議論を行う『元売とSS業界との協議の場』(写真)が資源エネルギー庁と公正取引委員会参加のもと、5月15日に開催された。5元売の販売・企画担当役員が出席。4月から本格的にスタートした石油流通証明書の進捗状況を報告するとともに、市場混乱の元凶となっている業転問題の解決などガソリン取引の適正化、廉売地域における元売販売子会社の販売動向などについて突っ込んだ意見交換が行われた。
 冒頭、全石連の河本博隆副会長・専務理事が全国各地の廉売地域におけるPBや販社販売動向、さらには3月時点で精製マージンが15・1円に対し、流通マージンは10円を下回る9円にまで落ち込んでいるSSの厳しい経営実態について説明した。そのうえで、関正夫会長は元売各社に、「実際に生きるか死ぬかで商売しているのは小売業の零細業者。その辺を十二分にお考えいただき、これからの対応をお願いしたい」と強調。「大元の問題は業転である」と需給ギャップ解消と需給ギャップに起因する業転格差の解消を強く求めた。
 また、全石連の各役員からは、廉売地域におけるPBや販社の販売動向について、「我々の仕入価格で恒常的に売っている。差別対価にならないのか」、「販社の実売価格は系列仕切りを著しく下回った価格で販売しており、我々地場業者はたまったものではない。放置しておけば特約店制度の崩壊につながる」、「販社に仕切価格で販売されたら自由競争にはならない」と訴えた。
 各社からは需給問題については、「高度化法も含めて精製設備を削減したり、需給を締めていく努力をしている」、「需要が下降しており、高度化法で減らしても追いつかない。一朝一夕には難しいが、需給適正化に日々努めていく。元売も小売も相互に襟を正して流通の透明化を進めていくべき」と、引き続き適正化に取り組む考えを示した。販社についても「安売のPB業者の近くにある販売子会社の場合、価格設定が難しくなる。ますますPB業者は増えることになる」との認識を示した。
 引き続き協議の場を設定し、独禁法や商標権の問題も踏まえながら、精販がともに市場問題意識を共有化していくことを確認した。






2014年3月末元売系列SS数・前年比2・6%減の2万5948ヵ所
(5月14日付)

2014年3月末の元売系列SS数は前年比2・6%減の2万5948ヵ所となった。年間減少数は681ヵ所となり、前年度の1289ヵ所減と比べると半減した。ただ、減少した681ヵ所の8割強に相当する602ヵ所が販売業者所有であり、厳しい競争環境によって中小系列SSの廃業や系列離脱によるPB化などによって、販売業者所有の系列SSの大幅減少が続いている。
 13年度の系列SS数の減少速度は急速に落ちた。減少率が3%を切ったのは06年以来8年ぶり。これに伴い、販売業者所有SSの減少数も602ヵ所で、前年度の1130ヵ所減よりは少なくなったが、減少数全体に占める割合は依然8割超(12年度87・7%、13年度88・4%)を占め、占有率も5年連続で上昇している。その結果、14年度末の販売業者所有SS数は1万9726ヵ所となり、ついに2万の大台を割った。これに対して、元売社有SS数の減少は13年度79ヵ所の二ケタ台にとどまり、明暗が分かれる傾向をみせた。
 一方、セルフSS数は前年比3・4%増の7415ヵ所となった。純増数も前年の172ヵ所を大きく上回る243ヵ所。系列別ではキグナスを除くすべてで増加し、SS数に占めるセルフ比率も前年比1・1%増の28・6%に高まった。系列SS数の減少とセルフの増加がこのペースで進むと、今年度末から来年度半ばにかけてセルフ比率が3割を超えることになる。また社有セルフ数も前年比3・1%増、111ヵ所増の3732ヵ所となり、キグナス以外のすべてで増加した。






沖縄・離島の安定供給で提言、行政の支援必要
(5月12日付)

沖縄石商(濱元清理事長)は先ごろ、沖縄県の離島に供給する石油製品の流通と安定供給に関する報告をまとめた。災害時には安定的に供給できないという問題点も明らかになり、「島民の負担軽減のためには輸送の効率化、コストダウンが必要で、国や自治体の助成や支援も重要」との改善策を示した。
 報告は、産官学で組織する「宮古島・石垣島等石油製品流通合理化・安定供給支援事業検討委員会」(委員長・仲座栄三琉球大学教授、委員・濱元理事長ら11人)が、宮古・八重山地域での現地調査、ヒアリング、さらに東日本大震災で被災したJX日鉱日石エネルギー仙台製油所の実態調査などを踏まえて多角的に検討した。
 報告によると、離島への石油製品は沖縄本島西海岸にある製油所や油槽所を起点に①タンカー船②ドラム缶やタンクコンテナを定期船(貨客船)に搭載③タンクローリーなどの方法で運ばれている。
 タンクコンテナは離島の石油販売業者が独自に購入しているが、鋼鉄製とステンレス製がある。容量も異なるため購入金額も違い、使い方によっては耐用年数が異なるために定期的な検査が必要。
 ドラム缶はほとんどが潤滑油用の再利用なので、内部洗浄が必要なうえに使用期限は約半年と短い。内部洗浄の際の廃油処理費用やスクラップ費用の負担がある。またフォークリフトで運ぶ際、ロープで固定しても不安定で、転落する危険性もある。
 台風などの災害時に対応するため、油槽所やSSタンクを大型化し、災害用燃料を常時確保することも考えられる。東京都の「流通在庫備蓄方式」は効果的。
 これらを踏まえて「地域における流通在庫量の拡大、輸送拠点の災害対応力の強化、重要施設の備蓄量の拡充、行政が中心となった需給者間の連絡体制の強化」などを提言、具体的な検討を求めている。



離島向けのフェリーに積み込まれる石油製品のタンクコンテナ




13年度末JA SS数・49ヵ所減の2778ヵ所
(5月5日付)

全農(JA)がこのほどまとめた2013年度末(14年3月末)現在の47都道府県別SS数によると、前年度比で49ヵ所減の2778ヵ所に漸減する一方、セルフ数は33ヵ所増の835ヵ所となった。SS数が漸減傾向にある中で、セルフ数は着実に増えており、セルフ率は業界平均(25・1%)よりも高い30・1%と3割超えとなるなど、各地でセルフ化へ転換を加速させている。12年度のSS減(126ヵ所)、セルフ増(82ヵ所)に比べて、SSの減少、セルフ増加傾向は緩みつつあるものの、近年のガソリンの需要減や各地での販売競争の激化を背景に、老朽SSの廃止を進める一方で、SSの効率化を目的に、大型セルフを核としたSSの集約化を進めるなど、SSの競争力強化への積極的な取り組みが浮き彫りとなっている。
 県別にみると、SS減は23道県にのぼった。減少が目立ったのは8ヵ所減の71ヵ所となった静岡を筆頭に、栃木が7ヵ所減の21ヵ所などとなった。
 セルフはSS数が減少傾向にある中で、着実に拠点を増やしており、セルフ率は1・7ポイント増の30・1%と、全SS数の3割がセルフとなった。19道府県で増加し、特に北海道が6ヵ所増の114ヵ所、茨城が4ヵ所増の18ヵ所など、東日本でのセルフ増加が目立っている。セルフ率は2ヵ所中2ヵ所がセルフの大阪を除くと、埼玉が61・5%、宮城が56・9%、愛知が55・7%、茨城が52・9%に達し、激戦地ほどセルフ化が進んでいる。





エネ庁小委・自治体と中核SS等の連携、緊急時対応に不可欠
(5月2日付)

資源エネルギー庁の石油・天然ガス小委員会が4月28日に開かれ(写真)、緊急時供給体制などに係る現状と課題について議論した。特に災害時の石油製品の供給確保に向けて、2月に発生した甲信豪雪での政府・石油業界挙げた緊急時対応の中で、中核SSを中心とした地域の燃料供給拠点としてのSSや、石油組合が地方自治体と締結する災害時協定の重要性が再認識される一方、SSの稼働・運営状況などに対する情報収集での脆弱性が露呈したことから、中核SSをベースとしたエネ庁、元売、石油組合・SS、地方自治体による効果的な災害情報の収集・蓄積・判断ができる体制整備の必要性が提示された。
 会合では、全石連の河本博隆副会長・専務理事が、①石油組合と自治体との災害協定の締結はLPガス業界と比べ、半分以下となっており、今後とも各石油組合と協力しながら積極的に自治体との締結を推進していく②災害時に人命救助が最優先となる場合には、消防法など関係法令の弾力的・柔軟な運用③災害時の石油製品の安定供給確保を図っていくためには、平時から地域のSSの経営を安定させていくことが課題であり、SSの設備増強に係る支援強化-の3点を提言した。
 東日本大震災を教訓に、エネ庁では、全国の石油組合などとの連携の下、災害時に地域の石油製品供給の拠点となる、自家発電設備や大型タンクなどを備えた「中核SS」を全国で約1700ヵ所を指定整備した。2月に発生した山梨を中心とした豪雪災害対応で、中核SSからの情報収集が機能することが確認された一方で、中核SSが存在しない地域や今後起こり得る大規模災害による広範囲な被災地域での、SSの稼働・在庫状況、元売会社から被災地SSなどへの配送状況をいかに把握していくかが課題として指摘された。
 また、石油組合と地方自治体との災害協定が一定の成果を得た一方で、石油組合などの情報収集体制の脆弱性なども浮かび上がってきたことから、SSが災害対応機能を発揮するための基盤の構築・強化に向けて、中核SSをベースとしたエネ庁、元売会社、SS・石油組合、自治体の連携による情報収集体制強化の方向性が示された。
 中核SSの機能強化に向けては①緊急車両への優先給油を担保するための在庫の確保②災害時の元売から中核SSに対し優先的な供給の担保③災害時に中核SSが有効に機能するよう、継続的な災害訓練の実施などを課題として提示した。
 このほか、需要側による自衛的備蓄の推進や消費者によるこまめなガソリンの補給・灯油の備蓄の必要性なども指摘された。