2014年6月


石油組合と中核SS・8~10月に自治体と合同防災訓練を計画
(6月30日付)

 東日本大震災を教訓に、全国各地に設置された中核SSを中心としたSSの災害対応能力の強化を目指す「緊急時石油製品供給安定化対策事業(災害対応ソフト事業)」の一環として、今年度、地方自治体との合同防災訓練を計画しているところが全国で11石油組合にのぼることがわかった。同事業の推進母体である全石連が全国の石油組合に実施したアンケート調査で明らかになったもので、このうち、岩手(宮澤啓祐理事長)、群馬(小野里克巳理事長)、東京(荒木敬一理事長)、岡山(木村容治理事長)、島根(土田好明理事長)、大分(西謙二理事長)の6組合では8~10月にかけて、各自治体との間で合同防災訓練の実施を確定しており、中核SSを中心とした災害時の安定供給体制の維持・強化に努めていく。
 災害時における被災地などの復旧・復興に欠かせない石油製品の供給体制を維持していくため、国はSSの災害対応能力の強化を目指し、今年度も災害対応ソフト事業を実施することとした。
 具体的には、①近年各地で発生する自然災害などを含めた緊急時におけるSSの役割と対応などについて学ぶ一般SS向けの災害時対応研修会。そして主に中核SSを対象に、②同SSの役割と義務についての研修会③災害発生を想定し、石油組合にSSの営業状況などを連絡する報告訓練④中核SSに設置された緊急用発電機の点検方法と稼働手順を確認する研修に加え、災害に備えた緊急車両などへの円滑な燃料供給体制を整備するため、今年度から新たなに⑤地方自治体主催の防災訓練への参加も支援メニューの1つとし、訓練を通じて、中核SSなどと地方自治体との連携を密に図ることで、各地で想定されている地震や津波、自然災害など、大規模災害の発生に備える。
 中核SSなどが参加する大規模な防災訓練ついては昨年度、11月に東京都・あきる野市合同総合防災訓練に、都との災害時協定に基づく流通在庫備蓄方式により指定を受け、一定量の石油製品を保管している東京石商の組合員SSと油槽所・タンクローリーが参加し緊急車両に対する店頭給油や災害拠点病院への荷卸しなどを訓練した。
 また、3月には群馬石商が県と締結した災害協定に基づき、災害発生時に迅速かつ的確な対応が取れるよう中核SSでの実地訓練を実施した(写真)。








エネ庁小委で地場中小SSの災害時供給における重要性を強調
(6月25日付)

 資源エネルギー庁は6月23日、資源・燃料分科会と石油・天然ガス小委員会の合同会議を開催し、内需減の中で維持すべき石油備蓄総量のあり方や、製油所での石油精製からSSでの消費者・需要家への安定的な供給能力を確保するための経営基盤強化や、石油製品供給の最先端の役割を担うSSにおける災害対応能力のさらなる向上の必要性などが提起された。この中で、全石連の河本博隆副会長・専務理事は、災害時における石油製品供給の“最後の砦”となる中小地場SSの重要性を強調するとともに、元売と連携した防災訓練の必要性を訴えた。
 河本副会長・専務理事は東日本大震災の発災直後から、石油製品の安定供給に尽力したSS現場の従業員らの懸命の取り組みを説明。「ある大手のSS企業では、就業規則で震度6以上の地震が発生した場合には出社してはならないといったことがあったと聞く。これでは地下タンクにいくら在庫があっても供給してはならないということになってしまう。こうなると就業規則がないような個人商店SSの人たちが供給せざるを得ない。上流のほうでいかに供給体制を整えても、SS現場での震災時における火事場の馬鹿力で供給してくれる方々がいなければ、石油が欲しいという被災者のご要望に応えることができなくなってしまう」と、安定供給を支える中小地場SSの重要性を訴えた。
 そのうえで「こうしたSSの現状をよく見ていただき、引き続き支援をお願いしたい」と、国による政策支援の強化・拡充を求めた。
 また、別の委員からも「SSの従業員の方々が震災時に迅速に動けるようにするのが非常に重要であり、これは簡単にできるようなことではない。日々の訓練が重要になってくる」と、防災訓練の重要性を訴えた。
 これに対して、山本和徳石油流通課長は「災害時に石油製品供給にご尽力いただくことを前提に設備支援などハード面のほか、元売と連携した訓練を含め、中核SSにおける災害対応研修メニューの充実などソフト面の強化も図っていきたい」と、引き続きハード・ソフト両面からのSS災害対応能力の強化に向けた支援の充実を図っていく方針を示した。
 一方、石油連盟の木村康会長は「平時から一定量の石油を使っていただかないとサプライチェーンが毀損する。危機時の供給に支障をきたす可能性がある」と訴えた。さらに、運輸部門における需要の構成で石油が96%を占める現状について、「最終的には消費者の選択の結果であり、政策によって市場の状況を強制的に変えるのではなく、消費者が正しい選択ができるようエネルギー間の公正な競争をお願いしたい」と、エネルギー間の競争を歪める過度な政策支援に反対の意向を表明した。

SSによる安定供給体制の重要性を訴えた河本副会長・専務理事(右から2番目)




エネ庁・石油産業の構造調査に着手
(6月20日付)

 経済産業省の茂木敏充大臣は6月10日の閣議後記者会見で、業転玉の増大と系列玉との卸格差拡大の元凶となっている供給過剰設備を抱える石油精製元売会社の事業再編を促すため、産業競争力強化法50条に基づく市場構造調査を実施する方針を正式に発表した。6月末を目途に、石油製品の需給動向や製油所の精製能力を調査・公表する。今年1月施行の同法50条に基づく市場動向調査は初めて。コスモ石油と東燃ゼネラル石油が千葉で両製油所の一体運用に向けた検討を先行させており、今後、過剰供給体制の解消に向けて、京浜や中京、阪神などで接近する製油所間の連携をきっかけに、主要5社体制となっている精製元売各社の再編につながる可能性も浮上してくる。
 3月末に期限切れとなったエネルギー供給構造高度化法によって、国内の精製設備(トッパー能力)は今年度当初の26製油所・日量447万バレルから、今年4月以降、23製油所・393万バレルに縮小。しかし、ガソリンを中心とした石油製品の内需減が顕在化する中で、現在の需要は332万バレルにまで落ち込んでいる。
 災害時に備えた一定量の供給余力は必要との見方がある一方で、需要減は年率2%程度で進んでいくとの需要想定も示されるなど、需給ギャップ解消に向けたさらなる過剰精製設備の削減は避けられないとの見方が強まっている。
 一方、石油精製元売各社の決算も、石油事業単体では在庫評価益を除く実質的な収益は赤字で、SSに至る国内石油サプライチェーンの維持・確保や、国際競争力確保の観点からも収益改善は喫緊の課題となっている。
 茂木大臣は会見で「石油業界の構造改革を進め収益基盤を安定化させることは、エネルギー安全保障に関わる重要な政策課題だ」と、過剰供給体制の解消に向けて、製油所の連携や一体運営などによる効率化に促していく考えを示した。
 資源エネルギー庁では現在、総合資源エネルギー調査会資源・燃料分科会石油・天然ガス小委員会で高度化法の次期告示の検討を進めており、今後1ヵ月程度かけて市場構造調査の結果なども踏まえて告示改正を進めていく方針を明らかにした。






エネ庁小委でSS生き残りへ最小限の利益確保の必要性訴え
(6月18日付)

 資源エネルギー庁の石油・天然ガス小委員会は6月10日、第5回会合を開き、石油サプライチェーンの最先端の役割を担うSSを中心とした石油流通の現状と課題について議論した(写真)。全石連の河本博隆副会長・専務理事は、石油製品の安定供給を通じて消費者との直接的なつながりを有するSSの生き残りに向けて、必要最小限の利益確保の必要性を訴えた。一方、会合では、透明・公正な競争市場確保の前提条件となる仕切価格決定方式について、販売関連コストなど算出根拠の透明性を向上させ、元売と特約店・販売店間で認識と理解を共有することや元売に対し仕切価格の予見可能性の確保を求めた。
 会合で河本副会長・専務理事は、石油販売業の現状と問題点について報告。ガソリン内需が減少傾向にある一方で慢性的な供給過剰状態にあり、量販指向の強い一部のPBSSや異業種SSに、元売販売子会社が加わりし烈な販売競争を繰り広げており、価格競争力に劣る地場中小SSが市場からの撤退を余儀なくされ、依然として近年1日当たり4ヵ所のペースで減少するなど、SS過疎地の増加や災害時における石油の安定供給に支障が生じる懸念が高まってきていると訴えた。そのうえで、石油販売業が災害時や平時を問わず、安定供給機能を果たしていくために、①生き残るための最小限の利益の確保②公正で透明な仕切価格体系の確立③災害対応能力の強化・平時における安定供給の確保―の課題解決に取り組むべきと強調した。
 具体的には、元売各社が系列SSに対し需要が減少している中で相変わらず量販指向の政策を採り、販売数量やカード発券枚数の増加を競わせているなどの前年度実績主義の政策をやめ、利益を出したSSを表彰するなどの販売政策に改めるべきとした。また、余剰ガソリンの流通による市場混乱を防ぐため、エネルギー供給構造高度化法の告示改正による製油所の原油処理装置の一層の削減など、需要に見合った設備最適化を進めるべきと訴えた。
 意見交換では、出席委員から各地で進むSS減によって、SSが3ヵ所以下の市町村が265ヵ所にも増加している現状に危機感を訴える声が相次ぎ、地域・社会政策として、地元自治体や地域住民、石油業界が一体となった取り組みの必要性を提起した。
 一方、原油価格の高止まりや円安傾向によって、ガソリン価格が160円を超える水準で推移している現状に、「品質に変わりがないならブランドに関係なくなるべく安く買おうという消費者が増えている」、「(元売の)ブランドを選別して買おうという消費者はそれほど多くないのでは」と元売のブランド価値(商標権)に疑問を呈し、「ブランド価値を高めていくことが必要ではないか」と指摘した。
 さらに、ガソリンの高値について「石油会社が高い製品を売って儲けているのではないかという消費者の誤解を払拭するため、小売価格の構成をPRしていくべき」と指摘。価格構成に占めるガソリン税などの石油諸税についても「価格を引き上げている大きな要素。石油にかかる税のあり方を考えていくべき」とした。
 河本副会長・専務理事は、高いガソリン価格に占める高額な石油諸税の問題に対し、消費者をはじめ、地方からは「小売価格160円が3ヵ月続くと暫定税率分を引き下げるトリガー条項を復活させるべきといった声が出てきている」と述べた。






郡山SSビジネス見本市に1,200人超来場
(6月16日付)

 今年も全石連総会に合わせて、「SSビジネス見本市」が総会会場と同じ郡山市のホテルハマツで開催された。2011年6月に予定されていた「郡山SSビジネス見本市」は、同年3月11日の東日本大震災により開催中止を余儀なくされた。満を持しての再チャレンジとなった今回は、前回(札幌)、前々回(松山)を上回る45社・団体が出展。会場には東北6県に加えて北関東からもSS経営者多数が参集し、見学者は全体で1,200人超と期待以上の盛り上がりを見せた。
 開会式のあいさつの中で見本市実行委員長の根本一彌東北支部長は「待ちに待ったSSビジネス見本市がようやく開催される。4年前に準備したが、震災により延期になった。しかし皆様方のご協力により、こうして郡山で開催できることを非常にうれしく思う」。全石連の荒木敬一広報部会長は「昨年度より4社多い45社に出展いただき、改めて感謝申し上げる。根本支部長のアイデアでスタンプラリー形式としたことなどにより、大いににぎわうことが期待される。皆様の力をお借りしながら、SS運営の明日へとつなげていきたい」とそれぞれあいさつし、郡山見本市の開幕を高らかに宣言した。
 今回の「郡山SSビジネス見本市」は、地元と直接関係のない企業が一気に4社も新規出展し新鮮味に溢れた展示会となったこと、常連組に加えてここ数年で急速に出展数を増やしつつあるLED照明の展示がさらに拡大したこと、また石油製品市場における情報発信の要となっているリム情報開発が新規出展し、SS業界における石油製品市場への関心の高さをうかがわせたこと、などが大きな特色となった。
 来年度は、6月11日に広島県広島市での開催が予定されている。

SS最新機器に多くの組合員が関心を寄せた




全石連郡山総会・SSの再生400人が誓う
(6月16日付)

 全石連(全石商・全石協)は6月12日に郡山市で通常総会を開催、再選された関正夫会長の新執行体制を発足させた。大震災と原発事故から3年3ヵ月が経過、復旧の途にある福島県郡山市に全国47都道府県の代表400人が参集した。「石油」と「SS」が再評価された原点ともいえるこの地において、極めて悪い収益局面に直面する精販両業界が、元売と全石連との対話によって業界英知を集約し、政治と行政のバックアップを得て、ともに業績浮上を図る地とすることで一つになった。エネルギーにおける「石油の力」、地域社会における「SSの力」を持続的に発揮する方向に強く踏み出す決意を固めた。一方、初めて東北地区で開催された「SSビジネス見本市」には、東北全域および北関東からの組合員が加わり、1,200人の来場者で終日にぎわった。
 総会前に、この1年間で死去された関係者に黙祷をささげた後、地元を代表して根本一彌東北支部長、福島理事長が「本来、3年前に当地で全石連総会を開催することになっていた。東日本大震災で開催不可能となり、ご迷惑おかけしたが、皆様のご理解・ご協力によってようやく催すことができた。ただ、いまだに13万人超が避難生活を余儀なくされている。福島第一原発は廃炉に向けて進んでいるが、道のりはまだ遠い。しかし福島の復興は確実に進展している。2020年までに医療、環境、エネルギーの各分野で整備が進められ、災害以前の姿を取り戻すだけでなく、新生・福島が誕生していくものと思う。郡山、そして福島県の姿を見ていただきたい」と歓迎の意を表した。
 冒頭、関会長があいさつを行ったのち議事に入り、事業計画などを承認、任期満了に伴う役員改選で、引き続き会長に選任された関会長は、「誠心誠意、いままでの経験を十二分に活かし、新役員の皆さんと一緒に全石連の発展に尽くす。精販が協議する場ができたことは大きな進歩。この機会を活用し、我々の立場と元売の立場が渾然と1つになるような体制になればと念じている」と所信を表明、全国の組合員に向けて、精販の一体感を醸し出すよう求めた。
 全石連総会ではこのほか、この1年間で新たに理事長に就任した岩手・宮澤啓祐、秋田・西村紀一郎、静岡・鈴木裕司、富山・島竜彦、福井・井田浩志、奈良・松本安司、兵庫・田中一彦、山口・藤井泓、高知・武井勝一、愛媛・三原英人の10理事長が登壇、関会長の激励を受け、それぞれ意気込みを表明した。
 続いて、この1年間に石油販売業界への長年の貢献で褒章・叙勲を受けた国家表彰受賞者、全国組合が推薦した功労役職員表彰、全石連の共同事業で種目別目標を達成した組合を表彰する共同事業表彰がそれぞれ行われた。
 事業計画と予算、役員改選などの議事をすべて終了後、最後に次期通常総会開催地を中国支部管内に決定。大江英毅中国史部長は「来年は広島で皆さんをお待ちする。気候温暖で瀬戸内の海の幸に恵まれた我が広島へ、ぜひお越し願いたい」と述べ、広島での総会開催が決定した。


震災復興に立ち向かう郡山に結集した石油人がSSの再生を誓い合った




愛媛・トリガー条項復活運動の展開を要望
(6月12日付)

 愛媛石商・協(三原英人理事長)と愛媛油政連(藤村泰雄会長)は、関正夫全石連会長に対し、ガソリン暫定税率に適用されているトリガー条項の復活運動の全国展開を求める要望書を提出した。原油高騰や消費増税などの影響でガソリン価格は1リットル当たり160円を超える状態が続いており、ドライバーの消費抑制が起きているほか、自動車が生活の足となっている地方では大きな負担となっている。そのためガソリンと軽油の税額の半分近くを減税するトリガー条項を復活させるよう訴えたもの。
 トリガー条項は、ガソリンの全国平均小売価格(総務省の小売物価統計調査)が3ヵ月連続160円を超えた時、ガソリン税の当分の間税率(旧暫定税率)の上乗せ分の25.1円、軽油引取税の同じ上乗せ分の17.1円の課税をともに停止するという法律。原油高騰による消費者の負担軽減のために2010年4月に施行されたが、11年3月の東日本大震災発生に伴う復旧・復興対策のため法律の適用が停止された状態にある。
 要望書では「ガソリンをはじめとする石油製品は食料品と同様に必要不可欠な物資であるにも拘らず、長引く燃料高騰によって生活の足を奪っている」と訴え、さらには道路特定財源の一般財源化で「課税根拠自体が曖昧になっている」として、組合活動や油政連活動を通じてこうした声を国に訴えようと提起した。





SS関連危険物事故・過去10年で最少に
(6月6日付)

 消防庁は2013年(1~12月)に発生した危険物事故状況をまとめた。SSを含む給油取扱所での火災事故は前年比7件減の22件となり、3年ぶりに前年を下回った。流出事故(油漏洩など)も3件減の56件にとどまり、2年連続で前年を下回った。火災・流出事故とも過去10年間でみても最も少ない件数をなった。ただ、一般取扱所や製造所などと並んで、件数が多い施設に含まれるなど、事故発生リスクをさらに引き下げる日常点検の励行や人材育成の強化・拡充が必要と言えそうだ。
 給油取扱所における火災事故は22件。一般取扱所(124件)、製造所(32件)に次いで多くなっている。最近5年間でもこの3施設が上位を占めた。SS数が年々減少する中で発生の危険性が依然高い水準を示している。1件当たりの損害額は33万円と比較的軽微で、負傷者2人と、幸いにも深刻な被害には至っていない。
 発生原因では、「誤操作(5件)」、「維持管理不十分(4件)」、「監視不十分(4件)」など、人的要因が15件で全体の約7割を占める。
 油漏洩などを含む流出事故では、一般取扱所(101件)で最も多く、次いで屋外タンク貯蔵所(73件)、タンクローリーなどを含む移動タンク貯蔵所(60件)、給油取扱所(56件)の順。
 給油取扱所の流出事故は、経年地下タンクの漏洩防止対策を義務付ける消防法改正省令が2011年2月1日に施行したことに加え、FRP内面ライニングなどの地下タンクの漏洩防止対策に対する国の支援制度などもあって、漏洩防止対策に取り組む動きが活発化したことなどから前年からさらに減少した。
 流出事故の給油取扱所1件当たりの損害額も69万円となり、他の貯蔵所・取扱所に比べて比較的軽微な額にとどまっている。
 一方、移動タンク貯蔵所については、前年比で12件増の60件となり、過去5年間で見ると09年の68件に次ぐ事故件数の多さとなった。1件当たりの損害額も205万円と最も高かった。
 発生原因を見ると、給油取扱所では「腐食疲労等劣化」が20件と最も多かった。「操作確認不十分」、「監視不十分」、「誤操作」など人的要因も21件に上る。
 一方、移動タンク貯蔵所では、「交通事故」が15件のほか、「操作確認不十分」が13件、「誤操作」「操作未実施」が各7件、「維持管理不十分」が6件と、人的要因が上位を占めている。
 このほか、火災や危険物の流出を伴わない破損や交通事故といった事故が177件発生しているが、そのうち給油取扱所が140件と全体の8割弱を占めるなど圧倒的に多くなっている。
 なお、給油取扱所数は13年3月末日現在で6万4,270ヵ所。うちSSは3万6,349ヵ所で、全給油取扱所のうち57%がSSとなっている。





石油の不当廉売、前年度比26件増
(6月4日付)

 公正取引委員会が発表した2013年度の独占禁止法にかかる不当廉売の注意件数によると、石油製品に対する「注意」は前年度比26件増の452件で、4年ぶりに前年を上回った。不当廉売申告の多い家電製品や酒類などを合わせた小売業全体の注意件数は370件減の1,366件に落ち込む中で石油製品だけが増加した。業転玉と系列玉との卸格差の増大などによってガソリン市場を中心に採算を度外視した乱売競争が各地で勃発。不当廉売が疑われるような価格がまん延したことが原因とみられる。
 SS業界では、各地で散見されるガソリンの廉売行為に対し、10年1月に施行された改正独禁法への期待から、不当廉売の申告件数は一挙に増えた。09年度の石油製品の「注意」は956件と、前年度から一気に倍増した。しかし申告しても「注意」止まりがほとんどとなっている。不当廉売で公取委が立ち入り検査を行ったミタニに対して、13年1月に下されたのは「警告」。近年「排除措置命令」などの厳しい措置は行われておらず、09年度以降は申告数の減少とともに注意案件も減少していった。
 ただ、今回注意案件が増えたことについて、「廉売のやり得を許してはいけない、という危機感の高まりでは」と、申告件数が高水準で推移しているものとみられる。一方で、最近の内需縮小とガソリンの販売不振による需給ギャップの拡大で、「最低でも前年並みの販売量は確保したいというPBや異業種などの量販店に、元売販売子会社を巻き込み、各地で採算度外視で不当廉売すれすれの販売が常態化しているためではないか。周辺にいる地場SSはたまったものではない」と、注意件数増加の背景にあるガソリン廉売市場の拡大に危機感を訴える声が高まっている。