2014年8月


東京都・水素社会実現戦略会議を開催
(8月25日付)

 東京都は都庁で第3回「水素社会の実現に向けた東京戦略会議」(座長・橘川武郎一橋大学教授)を開き(写真)、2020年東京オリンピックで水素エネルギーを活用するための環境整備について議論、都は事務局素案として①水素ステーション(ST)の整備②燃料電池車(FCV)・燃料電池バスの普及③家庭用燃料電池(FC)・業務用FCの普及④安価で安定的な燃料価格⑤社会的受容性の向上の5つを取り組むべき課題に掲げ、具体的に水素ST23~50ヵ所、FCV20万台などと例示、これを受けて活発な意見交換が行われた。
 素案の基本的な考え方は「水素エネルギーを東京の都市づくりに組み込み、環境に優しく、災害に強い都市の実現を目指す」、「製造時にCO2を排出しない水素(CO2フリー水素)も先駆的活用するなど、環境と調和した未来型都市の姿を世界に示すとともに、改めて日本の高い技術力を世界に印象づける」、「水素の多角的な活用による日本のエネルギー構造変革に向け、長期的視点に立ち着実に布石を打つ」。
 これをもとに5つの課題を示したが、①では水素STへの到達時間10~15分、平均時速20km、都内面積1,783平方kmから勘案し、将来的に23~50ヵ所の整備が必要と試算。利用者・事業者の利便性を考慮しつつ、FCVの初期需要が見込まれる都心部、オリンピック・パラリンピックの競技会場が集積するエリアから重点的・計画的に整備を進めて選手や関係者の輸送に活用するなどとし、都市開発、SS併設、移動式、高架下立地など地域特性に対応させていく。
 ②では自動車メーカーや元売をはじめとする104社・団体で構成する燃料電池実用化推進協議会が25年に200万台普及を掲げていることを踏まえ、その1割に当たる20万台を目標と仮置きし、公用車・社用車での先行導入やタクシー・レンタカー業界への働きかけなどを想定。④では安定した水素サプライチェーンの構築・需要創出、水素発電による電力の利用などを促している。
 この素案に対し、エネルギー・自動車メーカー委員からは「数値目標の一人歩き」を牽制する声や、20年までの時間軸と実現可能性との整合を問う意見が続いた。東京石商経営情報新燃料委員会から参画している垣見裕司委員は「水素STをどう設置し、どう増やしていくかの具体的議論を急ぐ必要がある」と強調。こうした指摘に対して橘川座長は「議論のために数値目標を入れた。トップランナーとして選択肢を広げておき、オリンピックをショーケースに最大限どこまでやれるのかを考えていくことが重要」、また、都は水素社会の実現に向けて「予算措置に反映させたい」などと答えた。






秋田・茂木経産大臣へ要望
(8月25日付)

 西村紀一郎秋田石商理事長と荻原正夫秋田県油政連会長は、秋田市を訪れた茂木敏充経済産業大臣に消防法規制強化に対する支援の継続など石油製品の安定供給に向けた支援や、ガソリン税の暫定税率引き下げなどについて要望活動を行った。
 「石油の安定供給に向けた支援について」とする要望書は冨樫博之衆議院議員の同席のもと、西村理事長から茂木経産大臣に手渡された。内容は「東日本大震災では、石油やSSの社会インフラとしての重要性が認識されたところだが、一方、石油需要の減少で国内では1日4ヵ所ものSSが廃止・撤退している」と業界の厳しい現状に触れたうえで、「秋田県においても、ピーク時767ヵ所あったSSが現在476ヵ所と62%まで減少している。少子高齢化が進み、積雪地である本県ではSS過疎化は大きな社会問題で、安定供給できる体制づくりが不可欠」として、①消防法規強化に対する支援継続②灯油ローリー購入支援の継続③石油のサプライチェーン維持・強化に向けたさらなる支援|を要望したもの。
 また、4月からの消費税増税、地球温暖化対策税と原油価格上昇によるガソリン価格上昇については「県内の直近の小売価格は2008年以来の5年10ヵ月ぶりの高値となっており、一般消費者や運輸関連業者からは悲鳴があがっている」として、石油製品利用者の負担軽減に向けて、ガソリン税の暫定税率の引き下げ、タックス・オン・タックスの廃止を要望した。


業界支援の要望活動を行った秋田(左から荻原会長、西村理事長、茂木大臣、冨樫議員)




旧盆商戦は歴史的減販記録
(8月22日付)

 石連週報によるガソリン出荷量は、8月第2週(8月3~9日)が前週比13.2%増、前年比0・2%増の112.4万klと伸びたが、3週(10~16日)は前週比14.2%減、前年比24.3%減の96.5万klと大減販となった。2週に再び前年実績を上回ったものの、3週の旧盆商戦が大失速。量的には最盛期であるにも関わらず100万台割れとなった。過去10年では最低値であり歴史的減販を記録した。
 一方、在庫は2週が前週比7万kl減、4.4%減の155万klと低下したが、3週は大減販で5万kl増、3.2%増の160.2万klに積み上がった。ただ、通年ベースでは記録的な低在庫の状態が続いている。
 軽油出荷量も、2週は前年比3.5%増の67万klとなったが、お盆休みの3週は11.4%減の33万klに落ち込んだ。
灯油在庫は前週比で2週11%増の194万kl、3週9%増の211万klと積み上がったが依然低水準。





九州支部・野田議連会長と懇談
(8月22日付)

 自民党石油流通問題議員連盟の野田毅会長と全石連九州支部、油政連県連会長との懇談会が8月18日、野田会長の地元である熊本市で開催された。野田会長は、業界の苦境に理解を示したうえで、正常化のためには公正な競争とともに適正なマージン確保が前提であるとし、来年度予算の概算要求を前に資源エネルギー庁に強く働きかけることを言明した。
 今春から開催されている「元売とSS業界との協議の場」での意見交換を踏まえてSSの実情を説明するとともに、野田会長への支援を強めることが目的。九州支部の喜多村利秀支部長と油政連の平岡務九州地区連合会長、各県連会長らが出席した。
 喜多村支部長が「野田先生には、SS業界と元売との対話のきっかけづくりをしていただいた。初めて同じテーブルにつくことができたのは野田先生のおかげだ」、野田会長は「石油業界の問題のしわよせが下流に集まっている状況だ。政治家として全力をあげて皆さんのご苦労に応えたい」とあいさつ。平岡会長が「業界の問題について意見を出し合って一歩でも前進したい」と述べ、意見交換に入った。
 同支部や各県油政連から「元売販売子会社やPBSSによる廉売によって、経営が悪化している。低価格競争はお互いを苦しめるということを訴えても理解されない」(福岡)、「SSの9割は零細業者。推定では県内販売量のうち40%が業転で、PBや広域店で販売され、極めて厳しい状況におかれている。そもそもブランド料は必要か。同じ油槽所から出ているのにローリーが違うだけで価格が異なるのはおかしい」(熊本)といった意見が出た。
 また、「不当廉売による摘発が難しいなら、差別対価ではできないか」、「業転をなくすのは難しいが、せめて格差を縮小する努力が必要」などの声もあった。さらに温泉地が多い大分県は、「高速道の料金が土日1,000円の割引制度があった時期はSSに行列ができた」として復活を要望。
 これを受けて野田会長は「精販が一体となって流通の正常化を目指さなくてはならない。これまでの『協議の場』で成果が上がっていないとすれば、やっていないのと同じだ」と指摘した。
 概算要求の具体化の時期が迫っていることから、「エネ庁には概算要求になにを盛り込むか知恵を出すよう宿題を出している。業界の正常化のルールをつくるのはエネ庁の権限だ」と言明した。
 一方で、「これまで公取委は公正な競争ということばかり言ってきたが、私は公正な競争とともに適正なマージンが大切であると言い続けてきた。この1年で公取のスタンスもかなり変わってきた。適正な利益を得てそこで働く人の賃金も上げ、消費意欲を向上させるという経済の好循環を作り出さなくえてはならない」と強調した。


業界の苦境を訴える九州支部と油政連会長ら(正面右が野田会長)




アサヒ商会鈴鹿店が撤退
(8月20日付)

 低価格販売で全国展開するPBアサヒ商会の「鈴鹿店」が7月末に突然店を閉じ撤退していたことがわかった。他府県から量販店が次々と進出し、激戦地と化している鈴鹿市で、派手な価格看板を掲げ安売りの旗頭とさえいわれた同店だが、しのぎを削る争いに利益は思うように確保できず、ついに撤退を余儀なくされたようだ。
 アサヒ商会鈴鹿店は、約4年前に国道23号線に面した同市磯山の旧SSを同社が土地を含めて競売で取得。サインポールの代わりともいえるような高所に赤色矢印でガソリン価格を大々的に表示、キャノピー横面にも「他社より7円も安い」と大書きし、フルサービスを売り物に午前7時から午後10時まで営業していた。
 しかし、岐阜県や滋賀県、大阪府、さらに県内大手などが車の町・鈴鹿に次々と進出。時にはアサヒ商会より安い値段を店頭表示するなど価格競争はエスカレートし、「安売りセルフと7円どころかほぼ価格差はなく苦戦を強いられていたようだ」(市内SS経営者)という。
 競売前の系列店が開店したのは約40年前で地下タンク、計量機などの交換時期に来ていたが、関係者の話では「先月末に突然タンク類などすべて撤去して売却する、との指示が本社からあり慌てて手書きで張り紙を出し店を閉じた。急なことだったので閉店セールなどはしなかった」という。
 三重石商鈴鹿支部の役員は「店舗が古く、フルでの人件費などを考えれば安売りの激戦地で勝ち残ることは難しかったのでは。最近の業転玉と系列玉との価格差縮小も影響していると思う。安売り攻勢のPBが1軒は減ったが、地域の激戦が治まる状況ではない」と話している。


撤退したアサヒ商会鈴鹿店




総合エネ調・14~18年度石油備蓄目標決める
(8月18日付)

 資源エネルギー庁の総合資源エネルギー調査会資源・燃料分科会は、2014~18年度までの石油備蓄目標を決めた。「国家備蓄」と「民間備蓄」に加え、「産油国共同備蓄」を「第3の備蓄」と位置付け、石油備蓄の多様化・分散化を図り、万全の備蓄体制を維持していく。
 具体的には、国備と共同備蓄の2分の1を合計して、IEA(国際エネルギー機関)が求める90日分義務量を確保することとした。民備は14~18年度石油需要見通しを踏まえて試算した1日当たり需要量に備蓄義務日数(70日)を乗じ、目標を設定。
 このうち、国備は各年度で5,047.1万kl(前回13~17年度目標5093.2万kl)に設定。民備は14年度2946.4万klとして、今後4年間で毎年約50万klずつ減らしていく。最近の内需の落ち込みを反映して、各年度とも軒並み3,000万klを下回る水準となった。
 一方、石油備蓄に新たに組み込むこととした共同備蓄については、今年2月、政府はアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国との間で100万klまで増やすことで合意したことを受けて、14年度の85万klから15年度以降は100万klに増やす。
 エネ庁によると、石油備蓄(IEA換算)は5月末現在、国備が91日分(製品換算=4,795万kl)、民備が73日分(3,703万kl)の計164日分(8,498万kl)を確保。今後の需要減により、国備の保有量が90日分を大幅に上回ることを視野に、原油やタンクなどの余剰資産を別途アジア備蓄協力などに有効活用していくなどの方策を検討していく。
 また、「70日分」と石油備蓄法に定められている民備についても、今後の内需減を反映して引き下げるか否かの議論について、①SS過疎地域の広がりなど全国供給網への影響②精製元売各社の事業再編、国際競争力への影響などを論点に、慎重に判断していくこととしている。







関東支部・元売訪問し要望手交
(8月13日付)

 全石連関東支部の森洋支部長(神奈川理事長)と荒木敬一副支部長(東京理事長)は8月7、8日にかけて元売5社(JX日鉱日石エネルギー、出光興産、コスモ石油、昭和シェル石油、キグナス石油)の販売幹部を歴訪、SS小売市場を下支えする需給調整と販売子会社の適正販売を要請する関東1都10県の理事長連名の各社トップ宛ての要望書を手渡した。SS収益が消費増税の4月以降、低迷し続けている一方、内需の減退感が色濃く出ていることに対して森支部長は強い危機感を訴えた。元売各社ともに7月の内需も大きなマイナスに見舞われた一方、小売市場における問題意識を共有できるとし、引き続き、きめ細かな需給対策を実施することを表明した。
 訪問順に、コスモでは佐野旨行取締役常務執行役員と峯明彦販売部長が応対、「子会社SSを含め採算販売を徹底しており、大きく数量が落ちている。各地を訪れているが、(子会社やPBよりも)中には地域の系列有力店のほうに問題があると見受けられたケースもある」と述べる一方、「小売市場への問題意識は共有している。元売として需給を含め、小売市場の正常化のために、精一杯にグリップする」と表明した。キグナスでは小塚信一常務取締役が応対、要望に対して「系列の方々からも悲鳴が聞こえている。精製部門がない当社にとっても小売市場の正常化は必要」と応じた。
 JXエネは、川路正裕販売部長が「実質赤字に陥った前年度と同じ轍を踏むわけにはいかない。全社的に需給バランスなどを精査して機動的に対応している」と取り組み状況を披露、問題意識を共有したうえで、「基本としては、(適正市場構築のために)自社ででき得ることは、なんでもやる、というスタンス」と表明した。
 川崎武彦常務執行役員販売部長が応じた出光は、「需給が締まっていることで、下支えする素地はある。あとはSSマージンが低レベルのままであることが問題」と現状認識を述べ、「社会問題となりつつあるガソリン高に対する石油業界としての広報活動が欠けている。精販で取り組むべき課題だ」と問題提起もされた。昭和シェルでは渡辺浩執行役員経営企画統括部長が、「8月も需給は締まった展開が見通される。特約店の経営が芳しくないという事態はなんとかしなければならない」と述べた。


コスモ石油佐野常務(左手前)

JXエネ川路販売部長(左手前)




国内自動車販売・上半期は好調
(8月1日付)

 2014年上半期の乗用車販売台数は「中古」登録車を除いて好調だった。「新車」は登録車が7%増の155万台、軽自動車が18%増の101万台、合計で11%増の256万台、「中古」は登録車が1%減の177万台、軽が13%増の132万台、合計で4%増の309万台。
 月次推移では「新車」は1年で最も販売台数が膨らむ3月に消費増税前の駆け込み需要が重なり、うち登録車は4~6月に反動減が生じたものの徐々に回復傾向。軽は堅調に増えた。「中古」は登録車の3月駆け込み需要があまり伸びなかった。
 一方、「新車」「中古」の合計をみると、登録車は3%増の333万台、軽は15%増の233万台、総合計では7%増の565万台となった。