2014年9月


石油議連開催、SS生き残り・過疎地対策強調
(9月22日付)

 自民党石油流通問題議員連盟(野田毅会長)は17日、自民党本部で総会(写真)を開き、全石連から系列玉と業転玉との卸格差問題の現状やSSの経営実態など、ガソリンを巡る市場実態について意見聴取した。この中で、同議連の提言に基づいて設置された「元売とSS業界との協議の場」において、SS間の公正競争を阻害する問題・課題の解決に向けて精力的に議論していることを報告した。また、SSのこれ以上の減少に歯止めをかける予算措置などを含めた政策支援や適正マージン確保に向けた公正競争市場の確立を要請した。
 総会には国会議員42人のほか、全石連から正副会長・支部長・部会長、全国の理事長らが参加した。エネ庁、公取委の部・課長らも出席した。
 議事の冒頭、野田会長は「元売とSS業界の間が敵対関係では困る。石油業界として連携しながら実効が上がるようにしなければならないのが大きな課題の1つである。そのために、両者の間に、あえて我々議連幹部も入り、役所にも立ち会ってもらって、両者による協議を重ねている。協議した成果を出さなければならない」と、引き続き「元売とSS業界との協議の場」を通じて、業転問題など石油流通市場の問題解決に取り組む考えを強調した。また、「石油は政策的構造不況業種である」との認識の下、SSの生き残りやSS過疎地問題などに対応していく方針を示した。
 これに対して、全石連の関正夫会長は「議連の先生方のお骨折りで、この4月に元売幹部との懇談会、そして元売とSS業界との協議の場も本日も含め4回開催されている。先生方にご協力いただきながら、引き続き成果が出るようしっかりやっていきたい」と述べた。
 河本博隆副会長・専務理事は、SS設備更新を促進支援する経営安定化促進支援事業の継続・拡充や消防法規制強化に伴う地下タンク漏洩防止対策の支援継続など、2015年度石油流通関係支援予算の拡充を訴えた。ガソリン税・軽油引取税の特例税率(旧暫定税率)の段階的な廃止、地球温暖化対策税の使途(森林吸収源対策など)の拡大反対、沖縄県におけるガソリン税の軽減税率の継続など、税制改正要望も行った。
 出席した議員は、「過疎地域だけでなく、都心でもSSが減っていっている」と、石油製品の安定供給基盤となっているSSの減少に危機感を訴えた。また、「官公需を通じて、公用車などの燃料を地場SSに供給していただく工夫はできるはず」と提言。そのうえで、エネ庁に対し、精販ともに赤字の中でどのようにしてSSが生き残れるのかやSS過疎地問題への迅速な対応策の必要性を強調した。





精販協議会でSSの多重表示改善を確認
(9月22日付)

 資源エネルギー庁・公正取引委員会参加の下、SSの経営問題について議論する「元売とSS業界との協議の場」が9月17日に開かれた(写真)。全石連からは、出席した元売5社(JX日鉱日石エネルギー、東燃ゼネラル石油、コスモ石油、出光興産、昭和シェル石油)の販売・企画担当役員らに対し、仕切価格の問題について指摘したほか、元売販売子会社やコミッションエージェント(CA)の販売姿勢、消費者の誤認を誘う多重価格表示の問題について、迅速な解決を要請した。
 今回の協議の場は、4月16日に開かれた自民党石油流通問題議員連盟(野田毅会長)での元売5社首脳と全石連正副会長・支部長らとの懇談会を受けて、5月15日に5社の販売・企画担当役員らとの間で、市場問題などについて実質的な議論を開始して以来、第4回目の会合となる。
 浜田忠博経営部会長からは、「この協議の場で出された問題点や課題について、各社がしっかり持ち帰っていただき、検討していただいていることに感謝申し上げる」と述べた。そのうえで、仕切価格改定方式に対する系列特約店への具体的な説明を要請したほか、廉売地域での販社やCA(=コミッション・エージェント)などの率先垂範を訴えた。また、消費者の誤認を誘う多重価格表示が増加していることから、全石連が消費者庁と協議し作成したガイドラインに則った価格表示の適正化を要請し、これに対しては合意を得た。
 一方で、公正取引委員会に対し、「月間300kl販売しても、粗利が2円では60万円しかない。これで経営が成り立つはずがない。これを不当廉売で公取委に訴えても『不当廉売ではない』という返事しかこない」と、不当廉売に対する独禁法による実効性担保と厳正な対応を訴えた。
 エネ庁に対しても、7月の石油・天然ガス小委員会の中間報告で示された「適正マージンの確保」を具現化する石油政策の検討を求めた。






エネ庁「SS過疎地連絡会」初会合
(9月19日付)

 SSの廃業・撤退によって、石油製品の安定供給に支障を来す“SS過疎地問題”が全国各地で顕在化しつつある中で、資源エネルギー庁石油流通課は9月18日、全石連・元売7社・石油連盟・JA全農ら石油業界関係者らで構成する「SS過疎地対策連絡会(仮称)」の初会合を開催した。地域住民らの日常生活に不可欠なガソリンや灯・軽油といった石油製品の持続可能な燃料供給体制について議論。地方自治体のほか、郵便局・スーパー・コンビニエンスストア・道の駅など様々な異業種との連携も視野に、まずは石油業界関係者間で新たな供給モデルを検討していく。11月末までに一定の方向性を整理する。
 全石連からは森洋副会長(関東支部長、神奈川理事長)、河本博隆副会長・専務理事、販売業者を代表し渡邉一正氏(長野理事長)、西川一也氏(山梨理事長)が参加する。
 エネ庁調べによると、ガソリンなどの需要減や販売競争の激化などを背景に、全国的にSS数が減少する中で、市町村内のSS数が3ヵ所以下の地域は2014年3月末現在で1,719市町村中265ヵ所にのぼる。SS減少によって、地方の移動手段となっている自動車用のガソリンや、農業機械用の軽油の日常的な給油のほか、高齢世帯などへの冬場の灯油配達に支障が出てくる“SS過疎地”問題が年々深刻化していることが浮き彫りとなっている。
 人口減・少子高齢化の進展、地方から都市への人口流出など社会構造の変化に加え、低燃費自動車の普及拡大などによって、ガソリンの需要減が年々顕在化しているほか、低マージンによる販売競争の激化と相まって、赤字企業が約半数を占めるなど、SS数は94年度末の6万ヵ所をピークに、毎年1千~2千ヵ所近い減少が続いてきた。14年3月末現在のSS数は3万4,706ヵ所に減少。1日4ヵ所にも達するSS減が続いている。
 SS過疎地265の内訳をみると、SS数0が8町村、1ヵ所が63町村、2ヵ所が81町村、3ヵ所が113市町村にのぼる。
 エネ庁では今年度、過疎地の安定供給を維持していくため、地域エネルギー供給拠点整備事業を拡充。全国石油協会を通じて、過疎地内のSSの地下タンク入換支援や、過疎地内の需要動向に応じてSSのダウンサイジング化を図る簡易計量機の設置などについて、通常3分の2補助(中小企業対象)を、過疎地域自立促進市町村計画に位置づけられていることなどを条件に、4分の3に補助率を高めるほか、自治体所有SSは、定額(10分の10)補助することとした。
 エネ庁ではこうした補助スキームを活用したハード支援に加え、連絡会での供給モデルの検討・立案によるソフト面の支援も新たに強化することで、SS過疎地問題に対応していく。






1世帯当たり乗用車保有台数は1.069台に
(9月19日付)

 自動車検査登録情報協会がまとめた2013年度末(14年3月末)時点における自家用乗用車(軽自動車を含む)の1世帯当たり普及台数は全国平均で1.069台となり、19年連続して「1家に1台」以上保有されている実態が判明した。その一方、地域格差は最多の福井(1.743台)と最少の東京(0.461台)との間で3.8倍に達し、前年の3.7倍からさらに拡大するなど、保有実態の違いが改めて浮き彫りになっている。
 保有台数・世帯数は本調査開始以来、ともに一貫して増え続けているが、消費増税前の駆け込み需要などによって保有台数は1.2%増加したものの、世帯数が2.5%増えたことで、今年3月末の普及率は前年比0.014台減の1.069台となり、3年ぶりに減少した。ただ、これは今回から外国人住民の世帯数も含めていることも影響している(外国人世帯数を除くと1.088台)。
 保有台数は新車販売が好調だった1989年度以降、毎年ほぼ200万台ペースで増え、02年度以降も約90万台ずつ増加。06年度からは40万台以下の増加にとどまっていたが、12年度はエコカー補助金効果などで63万台、昨年度は駆け込み需要などで70万台増えた。また、世帯数は毎年40~60万世帯増加を続け、外国人世帯を含めた今回は135万世帯増となった。
 今年3月末時点の保有台数、世帯数はそれぞれ78年比で3倍、1.6倍、88年比では2倍、1.4倍の5,981万台、5,595万世帯にまで増加。こうした結果、世帯当たり普及台数は76年に0.5台、80年に0.6台、86年に0.7台、91年に0.8台、93年に0.9台、96年には1世帯1台に達した。ピークは06年の1.112台。
 都道府県別にみると、上位は福井(1.743台)、富山(1.709台)、山形(1.674台)、群馬(1.654台)、栃木(1.628台)。一方、下位は東京(0.461台)、大阪(0.660台)、神奈川(0.736台)、京都(0.838台)、兵庫(0.921台)と順位変動がなく、この5都府県のみ1世帯1台未満という状態がより深まりつつある。






経営部会、元売各社に需給適正化などを要望
(9月17日付)

 全石連経営部会の浜田忠博部会長は9月9~10日にかけて元売5社(JX日鉱日石エネルギー、出光興産、コスモ石油、EMGマーケティング、キグナス石油)の販売担当幹部を歴訪した。新体制となった今年度の経営部会は『SSがこれ以上、廃業・減少しないように!』を基本的な活動方針に掲げスタートしており、今回の歴訪でも、浜田部会長が今夏のガソリン大減販や低迷するガソリン口銭に苦しむ中小系列SSの実態を説明するとともに、元売各社に対して需給適正化や販社の率先垂範など、SS経営を下支えするための政策推進を要望した。10日訪問のJX、出光には出光泰典副部会長も同行した。
 JXエネでは花谷清常務執行役員、川路正裕販売部長、靏能治販売部部長、出光は川崎武彦常務執行役員販売部長、コスモは佐野旨行取締役常務執行役員と峯明彦販売部長、EMGは今澤豊文副社長燃料油販売本部長と神谷知宏執行役員東日本販売統括部長、キグナスは山内成一郎常務取締役と本井正一取締役がそれぞれ対応。需給バランスや適正ブランド料の問題、クレジットカード手数料の負担増、災害時対応やSS過疎化、水素社会への転換策など諸課題についてもそれぞれ意見交換した。
 JXでは今後の需給体制について、「室蘭製油所を閉め、絶対的な処理量が減っている。生産量は前年比92~3%にとどまっている」と強調。製品の輸出入や石油化学製品への転換など、国内需要に対しフレキシブルに対応していく方針を示した。ガソリンを中心とした流通市場については、「口銭が低い状況が続いている。正念場である」と、過当競争の拡大に対する危機感を販売業界と共有していることを訴えた。
 出光は「7~8月の仕切りコストは約4.7円下がったが、販社はできるだけ小売マージンを下げないようにやってきた。ただそれも厳しい状況にある」とSSマージンの悪化に危機感を示した。販社の率先垂範については「廉売地域で販社だけが独歩高でやっていくのは難しい。ただ、限りなく仕切価格に近いというのは明らかに問題だ。価格レベルの問題であると思う」と述べた。
 コスモではSS過疎地問題について、「燃料油収益の悪化、高齢化、後継者難、地下タンク規制強化などの業界事情に加え、人口減・少子高齢化といった過疎地の本質的な問題がある」との認識を共有したうえで、「当社系列でも、地元関係者が協力し合ってSS運営を引き受けた事例がある」と紹介しながら、規制緩和などを通じた柔軟な供給体制を保つ重要性を強調した。
 EMGは「我々を取り巻く事業環境は厳しい状況が続いている。東日本大震災における業界挙げての真摯な取り組みにより、石油は今後とも重要なエネルギーとして見直された。石油製品の安定供給のためにも精製・販売ともにより健全な経営を目指す努力を重ねていかなくてはならない。特に災害時対応などについては、政府・石連・全石連が連携して取り組んでいくべき課題と捉えている」と述べた。
 キグナスは「消費増税以降、ガソリン販売の不振が続いている。マージンも低迷し、それを補うカーケア収益も、小売り高値や減販の影響から楽観的には考えられない状況だ。想定以上にガソリン需要の落ち込みが激しく、従来の考え方でSS経営をしていくのは難しくなってきたと考える。過当競争から脱し、投資に見合ったマージン確保が必要」と返答した。


 
上からJX(右中央が花谷常務)、EMG(右が今澤副社長)




ガソリン1世帯当たり購入量は40リットルに
(9月3日付)

 8月29日公表された総務省の7月家計調査によると、2人以上世帯のガソリン平均支出額は前年比51円増、前月比454円増の6,586円、平均購入量は前年比3.3リットル減、前月比2.21リットル増の40.29リットルとなった。
 平均購入単価は前年比13.57円高、前月比2.44円高の163.5円で、2008年9月(166.30円)以来の高値となり、2ヵ月連続で160円を超えた。
 うち勤労世帯分の平均支出額は8,219円(前年比173円減、前月比2,159円増)、購入数量は50.33リットル(5.76リットル減、12.72リットル増)、単価は163.3円(13.67円高、2.2円高)となった。
 主要都市別では、支出大が①山口1万1,911円②富山1万194円③前橋1万100円④福島9,595円⑤津9,483円。支出小が①東京23区2,079円②京都2,646円③大阪2,650円④横浜3,104円⑤川崎3,200の順。





2015年度石油流通予算概算要求は116億円
(9月1日付)

 経済産業省が8月29日発表した2015年度予算概算要求のうち、石油流通支援予算は今年度当初予算比11.3億円増の116.4億円を要求する。SS撤退時における地下タンクの撤去や災害対応能力強化に向けた地下タンクの入換・大型化などを支援していくほか、SSの経営安定化に向けて、SSの事業承継に伴う際などの設備更新・導入などを支援していく。新規事業として、石油製品の安定供給確保に向けたSS過疎地などにおける実証事業や、災害時における情報収集ネットワークの整備などを支援していく。災害に強く、地域の実情や経営環境の変化を踏まえたSSサプライチェーンの維持・強化を図るとともに、石油製品販売業の将来に向けた経営基盤強化を促していく。
 具体的には、災害に強いSSサプライチェーンの維持・強化に向けて、1億円増の45億円を要望する。「地域エネルギー供給拠点整備事業」として、地下タンクの撤去に係る費用を支援するほか、SSの災害対応能力を強化するための地下タンクの入換・大型化や漏洩防止対策に向けたFRP内面ライニング施工などを補助する。また、自家発電機導入に係る費用、SS過疎地の需要に応じたSSのダウンサイジング化を図る簡易計量機の設置などに係る費用を支援する。引き続き、地下タンク・配管からの油漏れの早期発見に向けて、土壌汚染の有無を検査する土壌汚染検知検査補助なども行う。
 避難所となる学校、公民館などの公的施設、病院などに、災害時の系統電力や都市ガスの供給途絶に備え、石油製品備蓄タンクと自家発電設備の設置なども補助していく。
 さらに、地域の石油製品の安定供給確保に積極的かつ前向きに取り組んでいく石油販売業者の経営安定化を支援するため、石油製品流通網維持強化事業として22.8億円を増額要求。SS事業承継に伴う際などに、LED照明やベーパー回収型高効率計量機の導入といった設備更新・導入を補助していく。災害発生時のSSの対応能力・技術を磨く訓練・研修会の実施など、SSの災害対応能力の強化や、ハイブリッド自動車など次世代自動車の普及拡大を見据えたSSの次世代化を図るための人材育成などの取り組みも支援していく。また、SS過疎地における実証事業や灯油の配送合理化などへの取り組み、災害時における情報収集ネットワークの構築などを支援する「石油製品流通網再構築実証事業」を新たに立ち上げる。
 公正・透明な競争環境の整備に向けては、石油製品価格の卸・小売価格を全国規模で調査するモニタリング事業で2.4億円。石油製品の品質確保に向けた試買分析も15億円を要求する。このほか、地理的な要因で流通コストが割高で、販売量も少ないために、ガソリン価格が相対的に高い離島対策として、石油販売業者の流通コスト差分を補助し、島民向けの小売価格を実質的に引き下げる「流通コスト支援事業」も今年度と同額の30.5億円を要求。離島の関係者間で石油製品の流通合理化・安定供給に向けた対応策の検討を支援していくため0.7億円を計上した。