2014年12月


エネ研短期見通し・ガソリンは3.6%減
(12月26日付)

 日本エネルギー経済研究所が発表した石油製品の短期需要見通しによると、今年度の総販売量は、電力用C重油の大幅な減少やガソリン、灯油などの販売不振によって、前年度比4.9%減の1億8,410万klと、6年連続で2億klの大台を割り込むとともに、1986年度以来28年ぶりに1億8千万kl台に落ち込む。2015年度は今年度の大幅減の反動からガソリンは増加に転じるものの、電力用C重油の大幅減や灯油の漸減などが響き、2%減の1億8,050万klと予測した。
 油種別にみると、今年度のガソリンは上期の価格高騰や夏場の天候不順の影響などによって、3.6%減の5,340万klに減少する。15年度は経済活動の回復に加え、今年度下期の原油価格暴落による小売価格の値下がりや、今年度の天候要因による大幅減の反動、さらにうるう年影響などにより、1.5%増の5,420万klと5年ぶりに前年度実績を上回ると予測した。
 灯油は、電力・都市ガスへの燃料転換の長期トレンドが継続し、5.6%増の1,690万klと、1971年度以来43年ぶりに1,600万kl台の低水準に落ち込む。15年度は原油価格の低下に伴う小売価格の低下が燃料転換の長期トレンドを緩和するものの、1.5%減の1,660万klに減少する。
 軽油は、消費税増税や震災復興のトラック輸送需要の一段落などの影響によって、0.6%減の3,390万klと3年ぶりに前年を下回る。15年度は小売価格の低下や景気回復による荷動きの活発化などを見込み、0.2%増の3,390万klの微増となる。
 A重油は、高効率設備や省エネなどに伴う農業用途や船舶用途の需要減少に加え、環境対策を背景とした他燃料への転換などの影響により減少トレンドが継続し、4.4%減の1,280万kl、15年度も5.5%減の1,210万klに減少すると見込んだ。






コスモと東燃ゼネ・精製設備を共同化
(12月22日付)

 コスモ石油と東燃ゼネラル石油は19日、両社の千葉製油所(コスモ=トッパー能力日量22万バレル、東燃ゼネグループの極東石油工業=同15.2万バレル)における共同事業について基本契約を締結した。来年1月7日に新たに「京葉精製共同事業合同会社」を発足させる予定。
 基本契約では両製油所を結ぶパイプライン建設についても正式合意した。パイプライン完成後は精製設備を一元化することで、年間100億円程度の収益改善を見込む。また、完成前においても、共同事業会社として両製油所の生産計画を一体的に立案することで生産効率の向上を目指す一方、トッパー(常圧蒸留)装置を含めた最適化も検討するとしている。
 新会社の資本金は800万円でコスモ、極東石油が折半出資する。本社はコスモ本社内に置き、社長には山田茂コスモ供給部担当部長、副社長は忍田泰彦東燃ゼネ供給本部副本部長兼供給計画統括部長が就任する。






エネ庁・緊急元売ヒアリング結果取りまとめ
(12月10日付)

 資源エネルギー庁は3日、7~9月期の緊急元売ヒアリング結果をまとめた。大半の元売が4~8月にかけて仕切価格体系の見直しを行い、大きな混乱なく導入されているものの、以前に比べ複雑さを増していることから、特約店への丁寧な説明やコミュニケーションの強化を訴えた。また、石油化学へのシフト、輸出などによって昨年に比べ非系列取引量の割合や系列・非系列取引価格差の抑制・縮小傾向が見られたが、足下のガソリン需要の落ち込みや石化市況の低迷を見据え、エネ庁は元売各社に対し継続的な需給適正化の取り組みを求めた。
 ヒアリングは元売全7社の販売・需給担当役員らから、ガソリンを中心とした非系列取引の価格や量、系列取引との卸格差の実態など、7~9月の状況を聴取したほか、石油製品流通証明書の運用状況についても調査。SS過疎地対策についても意見交換した。
 石油流通証明書については、最終届け先を把握している割合の平均は3月時点で91%、6月時点で93%、9月時点で92%となった。6月時点から把握が進んだ元売が5社となった一方で、低下した元売も2社あり、足踏み状態にあることが浮き彫りになった。エネ庁からは各社に二次卸先などの協力を含め、引き続き取引先の協力を得て継続して最終届け先の把握を求め、低下した2社からも取引先に再度働きかけることを確認した。エネ庁では元売・小売・商社などの関係者とともにさらにフォローアップを図っていくとした。
 ガソリンの出荷量は原油価格の高止まりや台風など天候不順の影響が予想以上に大きく、前年同期に比べ3%減の1,290万klに落ち込んだ。在庫も6月以降、170万kl程度の水準で推移しており、前年同期の200万kl程度と比べ低水準で推移している。非系列向け出荷量の割合も緊急ヒアリングを開始した昨年4~6月期の20.2%から直近の7~9月期では17.6%と2.6ポイント減少。ただし前4~6月期に比べると0.2ポイント増加している。
 系列特約店と非系列取引との仕切価格差は 1Lあたり3.1円と前期から0.3円拡大した。また、同一都道府県内における系列内最大実仕切価格差は1Lあたり0.2円拡大の5.2円となった。
 SS店頭における価格看板の表示適正化については、各社とも販売子会社に対する周知や指導を行ったとした。エネ庁からは「いまだ改善されていないSSもあり、子会社はもとより系列SSのフォローも必要」と指摘したところ、各社とも地域やエリアごとでの取り組みが必要として、再度、系列SSも含めて表示の適正化を図ると回答した。






精販協議会「SS疲弊変わらず」危機感あらわ
(12月8日付)

 資源エネルギー庁・公正取引委員会参加の下、SSの経営問題について議論する「元売とSS業界との協議の場」が3日に開かれた。全石連からは、出席した元売5社の販売・企画担当役員らに対し、一部の元売販売子会社などにおいて、依然として消費者の誤認を誘う多重価格表示が各地で散見されることから、子会社を含め系列SSに対し、価格表示の適正化を指導するよう要請した。また、「需要減で業転格差が拡大し、公正・公平な競争が阻害されている」など仕切価格体系や需給ギャップの問題を指摘したほか、原油価格の下落局面によって、ガソリン価格の下げ圧力を強めている販売子会社の販売姿勢を問題視するとともに、元売本社では需要減を見据え、利益確保重視を標榜しながら、一部支店ではその方針とは相反する量販指向を強める指導が行われていることに疑問を呈した。
 冒頭、全石連の河本博隆副会長・専務理事が廉売地域における一部PB事業者の販売動向や各地で散見される多重価格表示の実態などを報告。浜田忠博経営部会長からは、「廉売競争の激化で、需要減・マージンの減少・資金繰り悪化という“三重苦”に見舞われ、経営が悪化している」と、SS減に歯止めがかからない状況に危機感を訴えた。
 また、「一番安い価格が前面に掲出され、消費者の混乱を招いている」「100人中10人にも適用されないような安値を表示するのは違和感がある」などと、消費者に誤認を与える価格表示が散見されることから、一刻も早い改善を求めた。
 さらに、「業転玉が減らないために、一部のPBが安値で販売し、地場販売業者からは顧客離れが起きている。1日4ヵ所のSS減少がさらに加速する可能性がある」、「ディスカウンターの値下げに、子会社が即追随していくために、値下げのタイミングが遅れる地場の販売業者はシェアを奪われ、廃業に追い込まれていく」など、地場中小販売業者の経営が危機的な経営状況に追い込まれていることを訴えた。
 このほか「各組合では、これまでに計6回の協議会を開き議論しても、なんの効果も出ていないという突き上げが出ている」と危機感をあらわにした。
 これに対し、各社は価格表示問題について「消費者に誤解を与えるような表示がないよう指導していく」「全石連の価格表示ガイドラインを支店長会議で再度共有し、徹底していきたい」などと述べた。
 業転格差の拡大についても、「生産調整も行っているし、市場適正化にも努めている。この方針を変えるつもりはない」、「輸出や石油化学製品への転換で、余った製品は国内で出さないようにしていく」と、需給の適正化に引き続き取り組む方針を示した。
 販売子会社の販売姿勢については「仕切価格に関しては子会社も一般特約店と変わらない基準で対応している」「適正利潤で販売していくことが重要である」と述べた。








自民党・政権公約に官公需確保を明記
(12月1日付)

 総選挙に向けて自民党は25日に政権公約を発表したが、その個別政策を列記した「政策BANK」中に、「ガソリンスタンドは『公共インフラ』であり、地方公共団体との連携強化を通じ、災害時だけでなく、平時から、官公需において、災害協定を締結した中小石油販売業者の受注機会の確保・増大を図ります」と明記された。
 石油製品の官公需のあり方については全石連・油政連が長年にわたり、地元事業者の優先的な起用や官公需適格組合資格に基づく随意契約の実現を求めてきた。
 こうした要請に対して今年10月、自民党の石油流通問題議員連盟(野田毅会長)の田中和徳会長代理、渡辺博道事務局長、太田房江参議院議員らが宮沢洋一経済産業大臣に「災害協定を締結した中小石油販売業者の受注機会の確保・増大」を求める要望書を提出。さらには衆議院経済産業委員会で議連の山田美樹議員が同趣旨の質疑を行い、宮沢大臣からも「指摘は大事なこと。これを踏まえて国等の契約の方針に明記するよう検討する」と回答していた。
 まずは党の方針として明記されたことになる。