2015年2月


ハイオクレシオ・20年で半減、10%台に
(2月27日付)

 資源エネルギー庁の資源・エネルギー統計による自動車用ガソリン販売に占めるハイオクガソリンの比率(ハイオクレシオ)は、2014年平均が10.8%と10%台に落ち込んだことが明らかになった。年初からの原油高・卸高による小売価格の高止まりで、消費者の買い控えや節約指向が高まり、ガソリン需要全体が落ち込み、燃料油における付加価値商品であるハイオクを取り巻く厳しい販売環境を浮き彫りにする結果となった。
 ハイオクレシオは20年前の1994年は21%と2割を超えていたが、その後は景気の低迷や低燃費自動車の普及、ガソリン全体の需要減なども相まって年々低下し、この20年間でほぼ半減したことが明らかになった。
 首都圏をはじめとした販売激戦地では、最近のガソリン需要減の顕在化を背景に、ハイオクの安値拡販競争も散見される状況となっており、ハイオクの付加価値商品としての適正マージン確保が改めて大きな課題となっていきそうだ。
 14年のハイオク販売量は、前年同期に比べ8.4%減の673万5千klに落ち込んだ。3月は4月からの消費税増税を前にした駆け込み需要が発生したために、前年実績を5.1%上回る62万9千klに大きく伸ばしたが、4月以降は9ヵ月連続で前年割れの状況が続くなど、ハイオクでも需要減が目立ってきている。
 12月ハイオクレシオは前月比0.2ポイント減、前年同期比0.2ポイント減の10.7%に下落した。販売量も2.3%減の61万5千klに落ち込んだ。原油価格の急落で小売価格も値下がりが進んでいるが、販売回復にはつながっていないのが現状だ。
 20年前の94年と比較してみると、ハイオクの年間販売量が1,045万klに対し、レシオは21%と2割を超えていたが、10年前の04年には年間販売量は13.2%増の1,183万klに増加したものの、レシオは3.8ポイント減の17.2%に下落していた。
 その後、11年のハイオク販売は849万8千klと1千万klの大台を大きく下回る状況となった。レシオも12.2%まで低下した。
 12年は前年比8.2%減の780万2千kl、レシオは11.6%、13年は5.7%減の735万5千kl、レシオは11.2%まで下落した。
 04年からの14年まででレシオは6.4ポイント減少するなど、直近10年間での減少幅が大きくなっていることが鮮明となっている。
 一方、ハイオク販売を巡るガソリン市場の現状をみると、各地でガソリンの需要減が顕在化しつつある中でレギュラーが地域の最安値に追随する形で価格下落が進んでいくために、ハイオクもレギュラーに引っ張られ価格競争が激化している。
 さらに、消費税が3%から5%(97年)、5%から8%(14年)に引き上げられてきたが、こうした販売競争の激化などからレギュラーとの価格差は10円程度で抑えられており、ハイオクマージンの目減りも顕在化しており、石油製品全体のマージン悪化に追い打ちをかけている。
 資源エネルギー庁発表による14年のハイオク価格の推移をみると、年初は160円台後半で推移した。7月14日には昨年の最高値となる180.7円まで上昇した。その後は原油価格の急落による仕切価格の値下がりを受けて、小売価格もじりじりと下がり続けており、12月22日時点では160円まで下落した。直近2月23日時点では前週比2.4円値上がりの148.7円となっている。







石油関係諸税の過重負担が顕著に
(2月23日付)

 原油価格の急落によって卸価格の下落が進み、ガソリン価格もじわじわと値下がりが持続してきた中で、ガソリン価格に占める税金の割合が拡大している。すでにその割合は約5割に達しており、ガソリンにかかる「高額な石油諸税」を改めて浮き彫りにする状況となっている。
 資源エネルギー庁による小売価格調査(2月16日・消費税込み)で、レギュラー全国平均は前週比1.9円高の1リットルあたり135.4円と30週ぶりに上昇に転じた。9日調査時点までは29週連続で下がり続け、1990年の調査開始以来、過去最長を更新していた。直近の最高値は昨年7月14日の169.9円で、約7ヵ月間で34.5円値下がりしたことになる。
 ガソリンには本体価格(原油価格+精製・販売コストなど)に、ガソリン税が53.8円(本則税率:28.7円、暫定税率:25.1円)、石油石炭税2.04円、地球温暖化対策税0.5円の石油諸税が課せられている。さらに本体価格と石油諸税の合計金額に、タックス・オン・タックスという形で消費税8%(昨年3月末までは5%)が課せられている。ガソリンの本体価格は原油価格や為替の変動で上下するが、ガソリンにかけられている石油諸税は56.34円でロックされているため原油価格が下落して、ガソリン本体価格が値下がりしても消費税まで含めたガソリン小売価格は「原油価格の下落幅より値下がり幅が圧縮されてしまう」構造となっている。多重・多段階にわたる高額な石油諸税がガソリン価格を大きく膨らませているのが実態だ。
 小売価格は原油価格の高止まりと為替の円安傾向によって、2014年1月以降もじわじわと値上がりし続け、7月14日には直近最高値となる169.9円まで上昇。小売価格の上昇傾向で石油諸税の割合は減少したものの、169.9円でも実に4割が税金という実態にあった。その後、原油価格の急落が進み円安傾向によって下落幅はやや圧縮される傾向にあったものの、小売価格が値下がりする一方で石油諸税の割合は徐々に高まっていき直近最安値の9日調査時点の133.5円では49.6%に達した。







全石連・灯油巡回販売の不正防止を各組合に要請
(2月18日付)

 1月末、灯油巡回販売において元売子会社の契約販売員が注油数量を偽って販売し、その代金の差額を着服する事件がテレビで報道された。事態を重視した全石連は10日の正副会長会議で対応策を緊急に協議した。「これらの行為が適正販売に取り組んでいるほかの組合員事業者の信用失墜にも繋がりかねない」として、関正夫会長名で全国の石油組合理事長あてに、適正販売の継続や同様の事例をそくぶんした場合の速やかな当局への通報など、組合員に呼びかけるよう要請した。また、検討委員会(委員長・矢島幹也東京石商副理事長)を設置し再発防止などの徹底に取り組む方針も決めた。
 テレビで報道された内容は、灯油の巡回販売において18リットルの注文に対し17リットルしか注油せず、18リットル分の代金を受領。この手法で月に数十万円着服した販売員が複数いることなどが紹介された。
 正副会長会議では「適正販売をしている石油販売業界に向けられた消費者の不信感をどう払しょくしていくかは非常に重要」「全石連や石油連盟に属さない巡回販売業者もいるため、この問題は広く根本的にやるべきである」などと、販売業界として積極的な対応を求める意見が続出した。
 このため、全石連は全国の組合員に向けて、灯油巡回販売では顧客への領収書交付とその写しを回収しての在庫管理等の販売システムを徹底するとともに、適正販売継続に向けた従事者への教育・研修などの徹底、地域に根付いた健全経営の継続などを要請した。
 また、今後このような事例をそくぶんした場合には、速やかに当局に通知するなど、厳正・迅速な対応を行うよう要請することにした。







精販協議会・“卸格差拡大”“子会社廉売”の姿勢問う声
(2月16日付)

 資源エネルギー庁・公正取引委員会参加のもと、石油流通問題などについて議論する「元売とSS業界との協議の場」が10日、資源エネルギー庁内で開催された(写真)。全石連からは、出席した元売5社の販売・企画担当役員らに対し、一部廉売地域では10円以上とも言われる系列玉と業転玉との卸格差の拡大が中小販売業者の経営に深刻なダメージを与えていることを声高に訴えた。また、業転格差の拡大を背景に一部の廉売PB業者に価格追随する元売販売子会社の経営姿勢を批判し、市場正常化への率先垂範を求めた。
 冒頭、全石連の河本博隆副会長・専務理事が「最近はまた業転格差が大きくなっている。販売競争が激しい地域では10円、13円にも拡大しているとの指摘もある。業転格差が広がるしたがって、廉売マップでは15~19円の価格差、20円以上の価格差のところが増えている」と指摘。「業転問題を解決しないと精販とも共倒れになってしまう」と、業転問題の拡大に警鐘を鳴らした。
 また、全石連側からは「業転問題が業界のすべての問題の根源。地方では業転を買った一部のPB業者の安値量販店に子会社が追随して市場を安い方に引っ張っている。系列SSではとても対応できない。これが原因でSSが減少している」、「系列仕切価格を下回るような価格で販売している子会社が全元売にあるように思う。まずは再投資の可能な適正マーケットに向けて、子会社が率先して自分たちの再投資可能な価格で販売すべき」と強調。さらに、「多くの中小販売業者が理不尽な仕切体系が直らないか、この協議会に期待している。それにもかかわらず、全然前に進んでいないというお叱りの声をいただいている」と訴えた。
 これに対して元売各社からは「個社ごとに販売能力に見合った生産を行っていくことに尽きる」、「国内で販売しきれないガソリンは海外に輸出している」と、需給適正化への取り組みを続ける方針を示した。
 また、子会社問題についても「原油価格が上げ局面にきたいまこそ、需給を改善して収益確保に軸足を置くべきと考えている」、「子会社を中心に適正なマーケットを作っていかなければならないと考えている」などと述べた。
 消費者に誤認を与える価格表示問題については、詳細なガイドラインの作成に向けて、全石連と石油連盟で少人数のワーキンググループを設置して、具体的な検討を行っていくことを全石連から提案し、了承された。
 一方、ガソリン価格の下落によって、ガソリン税など石油諸税の小売価格に占める割合が5割に達するなど、重税感が増していることから、業界一体となったさらなるPR活動の強化を提案。このほか、エネ庁に対し、過疎地などでのSS経営維持に向けた支援の拡充や、需要減や販売競争の激化を背景に小規模事業者の撤退が増加していることから、SSの将来像やビジネスモデルに対する具体的な検討、円滑な撤退に向けた国による適切な助成支援の検討を要請した。







石油議連・販社問題への対応を指示
(2月13日付)

 自民党石油流通問題議員連盟(野田毅会長)は10日、自民党本部で役員会(写真)を開き、全石連から原油価格急落局面での過当競争の現状や系列玉と業転玉との卸格差問題の実態など、ガソリン流通市場の実情について意見聴取した。また、石油連盟の月岡隆副会長(出光興産社長)からは、需給の適正化や国際競争力確保に向けた設備最適化・事業再編への取り組みを聴いた。
 役員会には野田会長ら24人の議連役員のほか、全石連から正副会長・支部長・部会長、石連の月岡副会長が参加した。エネ庁、公取委の部・課長らも出席した。
 関会長は「自分の商売なので、地に足の着いた、しっかりとした体制でやっていこうと思っている。必ずや我々が生きていける体制を作っていただけると信じている」とSSサプライチェーンの維持・強化に向け議連のバックアップを要請した。
 河本博隆副会長・専務理事は1日4ヵ所のペースでSSの廃業・撤退が加速化する中で、元売販売子会社のガソリン販売シェアが2割を超え、中小販売業者シェアが低下している現状に危機感を示したほか、「業転格差が拡大している。販売競争が激しい一部の地域ではその格差が13円程度まで拡大しているとの指摘もある」と再び業転格差問題が浮上し、地場中小販売業者の経営を直撃している実情を訴えた。
 出席議員も「13円などという業転格差になっているようであれば、これまでの議連の取り組みがすべて無になってしまう。その分を系列に安く吐き出してほしい」と述べた。さらに「廉売SSとの価格差が広がっている。石油流通証明書によって94%のガソリン流通を把握しているにもかかわらず、なぜこのような状況になっているのか」と、石油流通証明書の実効性確保の必要性を訴えた。
 また、議連の最重点政策として取り組んできた7項目のうち、③石油増税の断固たる回避④SSを「公共インフラ」としてエネルギー基本計画で位置づける⑤過疎地などの安定供給策の実現⑥中核SS整備支援策の拡充・強化⑦年金基金問題の円満解決―の5項目については解決または解決に道筋がつきつつあるとした一方で、①業転格差の解消②業転流通実態の徹底的な解明については未解決であるため、エネ庁、公取委に対して「きちんと実態を把握し、解決に向けて取り組んでほしい」と促した。
 さらに、議員からは「1,000円高速で地方に人を呼び込むことが必要」、「地方創生にカンフル剤を打つため1,000円高速が一番即効性がある」などと、地域振興や地方創生を掲げる安倍政権の政策とも合致する『1,000円高速』復活を求める声も上がった。
 野田会長は「上流部門を集約化し、より効率的で国際競争力ある産業として頑張ってもらうためにテコ入れしていかなければならない」と、事業再編への政策支援の必要性を指摘。元売販売子会社のシェアが大きくなっていることについても「やりすぎて特約店が離反してしまっては元も子もない。特約店も黙っていてもついてくるだろうというわけにはいかない。SS対策をしっかりやっていただかないと対立ばかりでは良くない」と、元売各社の系列取引を阻害する販売子会社問題への適切な対応を求めた。







コスモ・10月目途に持株会社体制に移行
(2月9日付)

 コスモ石油は5日に開催した取締役会で、今年10月を目途とした持株会社体制への移行に向けて準備を開始することを決めた。6月開催予定の株主総会での承認、関係官公庁の許認可などが条件となる。
 同社グループは「グローバルな垂直型一貫総合エネルギー企業」への転換を経営ビジョンに掲げ、経営資源のシフトや事業ポートフォリオの転換を目指して取り組んできた。しかし、依然として石油精製販売事業に経営資源が偏重しており、この配分の最適化が課題となっている。経営資源の最適配分を行い、事業単位での競争力強化を実現するために、持株会社体制への移行が効果的と判断するとともに、ガバナンスの観点からも「経営監督機能」と「業務執行機能」を分離する持株会社体制が適していると判断した。