2015年3月


衆議院経産委員会「国策でSS守るべき」
(3月30日付)

27日に行われた衆議院経済産業委員会で、国が進める国土強靭化や地方創生に向けて、地域に根差したSSの重要性が改めて指摘された。
 自民党・石油流通問題議員連盟のメンバーでもある岡下昌平衆議院議員(比例近畿)が発言したもので、同議員はさらに、政府が閣議決定する「中小企業者に関する国等の契約の方針」に地方公共団体と災害時協定を結んだ地元石油販売業者への配慮を明記するよう求めた。
 これに対し関芳弘経済産業大臣政務官が「国の方針に明記することは重要」と述べ、この方針が出た際には約1800のすべての自治体に経産大臣名で要請するとともに、各都道府県で説明会を開いて周知徹底する考えを明らかにした。
 岡下議員は「地元の大阪では価格競争が激しく、石油販売業者の数はピーク時の半数近くに減少している。一方で東日本大震災を契機に、ライフラインとして機能した地域のSSの重要性が強く認識された」と述べ、「地域に根差したSSを国策として守ることこそが国土強靭化につながり、いま政府が取り組んでいる地方創生にもつながると確信している」と発言した。
 昨年秋の臨時国会で廃案となった官公需法改正案が、改めて今国会に提出されたことから、岡下議員はこの法案審議に関連して「地方公共団体との間で、災害時に緊急車両や病院などへの燃料の優先供給協定を結んだ地元の石油販売業者に対し、平常時から燃料調達において配慮するよう、しっかりと明記すべきである」と求めた。





2015年度新車内需見通し・4年ぶり500万台割れ
(3月27日付)

日本自動車工業会は、2015年度の新車内需見通しを公表、乗用車は「普通・小型4輪」が今年度見込み比で横ばいの270万台、「軽4輪」が15%減の150万台、乗用車計では5・8%減の420万台、貨物・バスを加えた4輪車総需要は5・4%減の499万台となり、4年ぶりに500万台の大台を下回ると想定した。この背景として自工会は「景気の緩やかな回復が見込まれるものの、軽自動車税の増税に伴う駆け込み需要の反動減が出る」などと分析している。総需要のピークは1990年度の780万台で、それと比べると36%減・281万台減の水準。
 14年度の乗用車内需見込みは、前年度比で普通・小型が10%減の270万台、軽が3・4%減の176万台、合計7・8%減の446万台とした。また、15年度見通しは05年度比で普通・小型19%減、軽5・8%増、合計12%減、90年度比では普通・小型36%減、軽72%増、合計18%減。乗用車に占める軽シェアは10年連続で3割を超えることが確実視されるなど、軽シフトが鮮明になっている。
 一方、貨物車の15年度見通しは今年度見込み比で「普通」が4・3%減の15・4万台、「小型」が2・6%減の22・7万台、「軽4輪」が2・4%減の40万台、合計2・9%減の78万台と見込んだ。普通貨物は経済対策による公共投資の下支えが徐々に減衰、小型貨物は小規模商店や輸送需要の減少、軽貨物は小規模商店や農家世帯の減少などが続くためで、貨物合計は05年度比で28%減、90年度比では71%もの大幅減。
 さらに、2輪車は「原付1種」が2・7%増の22・6万台、「原付2種」が横ばいの9・2万台、「軽2輪」が1・9%増の5・4万台、「小型2輪」が2・9%減の6・8万台、合計では1・1%増の44万台と見通した。原付は各社ラインアップの拡充、軽2輪はスポーツタイプモデルの増加とコンパクトスクーターの底堅い需要、小型2輪はニューモデル効果の一巡などを要因に挙げている。






全石連・灯油不正販売の再発防止に素案取りまとめ
(3月27日付)

全石連は組織を挙げて灯油の不正販売再発防止に取り組む。元売販社の業務委託販売員による巡回販売での不正行為発覚を受けて発足した灯油適正販売検討委員会(矢島幹也座長、東京石商副理事長、ヤジマ石油社長・コスモ系)は23日開いた会合で、報告書の素案について意見交換した。取りまとめ案は、対応策として管理体制強化や、販売員の規範意識向上の必要性を強調しており、失われた消費者の信頼回復を目指す内容で、近く正副会長に上程される予定となっている。
 同委員会は、1月下旬に報じられた事件をきっかけに発足した。事件は、元売子会社P社の業務委託を受けた販売員が不正に少なく給油し、その差額を着服する不正行為が発覚したもので、全石連では2月10日に急きょ、再発防止や対応措置をとるよう全国47都道府県理事長に文書で要請。各種会合でも必要な対応策を打ち出すべきとの意見集約がされ、消費者に信頼される販売方法を精力的に検討してきた。
 報告書素案では、これまでの経過を踏まえ、事件発生による業界全体への悪影響を懸念しつつ、業界として経営マインドと販売モラルに訴求するソフト面と、電子機器導入を含むハード面からの適正販売方法のあるべき姿を示す必要性を強調。今回の問題点として、顧客に納品書や領収書を発行していないなど管理体制が不十分であることを挙げ、再発防止策としてモラル向上研修の実施や、顧客に計量メーターを指差し確認を行うなど、納得の得られる販売業務工程作成の必要性を指摘している。
 会合では「実際に当社でも消費者からの問い合わせが何件かあった。きつく戒めた文章を入れるべき」、「今回は販売員個人の問題だったが、組織的な問題があれば、それは大変な問題で、地域での信用失墜や多大なコストがかかることを明記すべきだ」、「社員一人ひとりが会社の看板を背負っていると教育すべきだろう」などの意見が出された。


灯油販売のあるべき姿を模索した灯油適正販売検討委員会




PM2・5問題で望月環境大臣に要請
(3月25日付)

全石連は20日、環境省の望月義夫大臣に会い、中央環境審議会がPM2・5排出抑制対策のひとつとして指摘しているガソリン供給時のベーパー排出抑制に関し、これが義務付けられた場合にSS側に過大な経済的負担が生じ、「中小・零細事業者が多いSS業界の経営に深刻な影響を与える」、また「過疎地や災害時の燃料供給維持にも影響を及ぼす」として慎重な配慮を求めた。全石連からは森洋副会長、河本博隆副会長・専務理事、静岡石商の鈴木裕司理事長が訪問。環境省からは三好信俊水・大気環境局長が同席した。
 要望書では、中央環境審議会が自動車の排出ガス低減対策として揮発性有機化合物(VOC)抑制の必要性を答申したことで、仮にSSでの排出対策が義務付けられた場合、1SS当たり数百万~1千万円の費用が発生すると見込まれ、厳しい経営環境下にある中小SSにとってはこれらを負担することが不可能となることを強調した。
 その一方で、SSは東日本大震災以降、エネルギー供給の“最後の砦”として重要性が再認識されており、地域に必要な公共インフラとして石油製品の安定供給に支障をきたさないよう、配慮を強く要望した。
 森副会長らは「SS業界は地下タンク問題もあってこれ以上の負担は難しい」などと窮状を訴えた。これに対して望月大臣は業界の要望に深い理解を示した。


望月大臣(右から2人目)にSS網維持への配慮を求めた(左)から河本副会長・専務理事、森副会長、鈴木理事長




原油輸入量・26年ぶりの低水準
(3月13日付)

日本エネルギー経済研究所はこのほど、日本の原油輸入量についてレポートをまとめた。2014年の輸入量は前年比5・2%減の1億9970万klとなった。1988年(1億9385万kl)以来、26年ぶりの低水準。ピーク時の97年(2億7170万kl)から4分の1強となる7200万klも少ない水準にまで落ち込んだ。
 14年の輸入量が前年比1100万klも減少した要因として、東日本大震災後に急増した原油生焚き火力発電用の需要が景気回復の遅れ、天候不順を背景とする電力需要の低迷やLNG火力発電所の増強により、400万kl減少したことを挙げた。一方、石油製品の需要減を背景に、原油処理量が900万kl減少したことから、「主因は石油精製の落ち込み」との見方を示した。
 各種燃料油の生産量をみると、88年から97年にかけては、いずれの燃料油も増産を記録。だが、その後14年までの17年間では、増加したのはジェット燃料と微増のガソリンのみで、灯油、A重油、B・C重油に至っては14年の生産量が88年を400~2千万kl下回るとした。88年に2億200万klあった内需は、14年には1億8500万klと1600万klもの需要が消失した。
 しかし、実際には同期間における生産量は1億5900万klから1億8千万klへと2100万kl増加している。この矛盾現象は燃料油純輸入量の減少が背景にある。88年には4800万kl(原油輸入量の25%相当)を輸入していたが、14年には灯・軽油、A重油の輸入はほとんどなくなったことで、燃料油輸入量は3600万klまで減少。一方、燃料油の輸出は88年には実質的にはなかったが、14年には2800万klまで拡大した。「縮む内需を輸出増・輸入減という外需の増大で補うことが、設備の統廃合ともども、典型的な装置産業である石油精製で、製油所の稼働率維持に貢献する形になっている」と指摘している。
 一方、14年の原油輸入量は26年前の水準近くに戻ったが、その経済的負担は大きく異なる。88年の原油輸入額は2・4兆円で、名目GDP比では0・6%に過ぎなかったが、14年の輸入額は13・9兆円と巨額に達し、名目GDP比でも2・9%に膨らんでいるとした。足元の原油価格は6月のピーク時から急落したが、「低油価がいつまで継続するのかわからないことにも注意しなければならない」と訴えている。







ガソリン・前年比4・4%の減販
(3月4日付)

2014年度におけるガソリン販売量の減少率が想定以上となっている。原油急落に伴い、小売価格が下落し始めたことで年末商戦以降、需要回復が期待されたが、石油統計速報によると、前年度実績を超えたのは12月のみ。1月は小売価格の割安感がより出始めたにもかかわらず販売量は大きく失速した。14年4月~15年1月までの累計販売量をみると、前年比4・4%減の4448・5万klと大幅減が鮮明。資源エネルギー庁が昨年3月に示した年度推計の減少率1・9%減はもとより、日本エネルギー経済研究所が12月に発表した最直近の推計値である3・6%減よりも実際の減少率がさらに大きくなる可能性が濃厚になってきた。
 今年度の販売量見通しは、エネ庁が1・9%減の5488・1万kl、その後の減販を踏まえてエネ研が3・6%減の5340万klと推計していたが、ここまでは想定以上の苦戦が続いている。4月の消費増税による深刻な反動減を引きずったまま、需要の持ち直しが期待された夏場商戦は天候不順などから記録的な減販に低迷。夏場以降は原油急落に伴ってガソリン小売価格も低下し、12月になってようやく前年に比べ割安に転じたことで販売量も初めて前年実績を超えたものの、1月はより割安感が強まる中で再失速した。
 2月は前年に関東甲信地域を豪雪が襲い出荷が止まった反動や、原油価格が反転上昇したことで仮需が発生したことなどから前年実績を再び上回るとみられるが、年度合計実績の大きな落ち込みをカバーすることはほぼ不可能な状態。4~2月累計でエネ研推計の3・6%減まで減少率の水準を回復させるには、2月の販売量が前年比5・3%増まで伸びることが必要だ。さらに、3月は前年の販売量が消費増税の仮需で高水準になっているため、最終的にここで大きく減販に陥ることは避けられそうにない。
 「エネ庁推計の1・9%減で本格的な需要減と考えていたが、このまま4%超の減少となれば、2年分の需要減が1年で起こったことになる。改めて量から質、採算販売の徹底へと経営の舵を切らないと厳しい」(関東系列SS)といった指摘が改めて強まっている。