2015年8月


16年度石油流通予算概算要求は102億円
(8月31日付)

 経済産業省が28日発表した2016年度予算概算要求のうち、石油流通支援予算は今年度当初予算比16.2億円増の102.1億円を要求する。経営基盤強化に向け、新たにSSの統合・集約・移転などに伴う地下タンクの新設支援を行っていくほか、SS撤退時における地下タンクの撤去や災害対応能力強化に向けた地下タンクの入換・大型化などを支援していく。SSの経営安定化に向けた設備更新支援も行っていく。また、石油製品の安定供給確保に向けたSS過疎地などにおける実証事業や人材育成支援なども引き続き支援していく。地域の実情や経営環境の変化を踏まえたSSサプライチェーンの維持・強化を図っていくとともに、経営基盤や災害対応力の強化を促していく。
 具体的には、過疎地を含むSSサプライチェーンの維持・強化で16.2億円増の57億円を要望する。このうち「地域エネルギー供給拠点整備事業」で34億円を計上。SSの統合・集約・移転の際の地下タンクの新設や大型化に伴う地下タンクの入換、内面ライニング施工などの漏えい防止対策、土壌汚染の検知検査を補助する。地下タンク入換に伴う自家発電機の導入、過疎地における簡易計量機設置なども支援する。
 また、地域の石油製品の安定供給確保に向け、経営基盤強化に取り組む石油販売業者を支援していくため、石油製品流通網維持強化事業として21.8億円を増額要求。SSの経営安定化に向けたPOSシステム、ベーパー回収設備(計量機、荷卸し設備)、樹脂製配管などの設備更新・導入を補助していく。災害時のSSの対応力を磨く訓練・研修会の実施、HVなど次世代自動車の普及拡大を見据えたSSの次世代化を図るための人材育成などの取り組みも支援していく。
 避難所となる学校、公民館などの公的施設や病院などに、災害時の系統電力や都市ガスの供給途絶に備え、石油製品備蓄タンクと自家発電設備の設置なども補助していく。  このほか、石油製品価格の卸・小売価格を全国規模で調査するモニタリング事業で2.4億円。石油製品の品質確保に向けた試買分析も11.5億円を要求する。
 地理的な要因で流通コストが割高で販売量も少ないためにガソリン価格が相対的に高い離島対策として、流通コスト差分を補助して島民向けの小売価格を実質的に引き下げる「流通コスト支援事業」も30.5億円。離島の関係者間で石油製品の流通合理化・安定供給対策の支援で0.7億円を計上した。







官公需方針閣議決定・全石連努力が結実
(8月31日付)

 政府は28日、「平成27年度・中小企業者に関する国等の契約の基本方針」を閣議決定した。国や地方公共団体は、災害協定を締結した石油組合とそれに参加する中小石油販売業者に対して、平時から、随意契約や分離・分割して発注するなど受注機会の増大に努めるものとする、という画期的な新項目を盛り込んだ。また、国は要請の実効性を確保するため、すべての地方公共団体に基本方針を周知するとともに、中小企業庁がこの実施状況を取りまとめて公表することにした(関係部分の抜粋を記事下に掲載)。熾烈な競争入札で利益の出ない官公需受注が増えている石油販売業界にとって、画期的な方針が示された。今後、それぞれの石油組合や支部は、この基本方針を前面に押し立てて国の出先機関や地方公共団体と交渉し、平時からの官公需の受注拡大に取り組むことになる。
 全石連や石油販売業界は、東日本大震災での緊急車両や病院などへの燃料供給の経験から、官公需の平時における地元での調達や官公需受注適格組合である石油組合を通した供給の重要さを訴えてきた。こうした実情を理解する自民党の石油流通問題議員連盟(野田毅会長)も、宮沢洋一経済産業大臣や高市早苗総務大臣などに直接会うなどして、地場SSや石油組合の活用を強く働きかけてきた。こうした取り組みが今回の「基本方針」に具体的に反映された格好だ。
 安倍政権が掲げる地方創生に向けて国は官公需法の改正案を国会に提出し7月に成立した。同法は1966年に施行されて以来、実質的に初めての本格改正となったことから、この法律に基づいて毎年、閣議決定して国や地方公共団体に出される「国等の契約の基本方針」についても、従来の要請内容を一部見直した。
 その柱が「中小石油販売業者に対する配慮」の項目を新たに起こしたこと。官公需適格組合となっている石油組合やそれに参加している中小石油販売業者が、国や地方公共団体との間で災害時協定を締結していることによって、緊急時に燃料油の安定供給が確保されることが重要として各種配慮を求めた。
 具体的には、①災害時だけでなく平時において、協定を締結している石油組合や参加している中小石油販売業者の受注機会の増大に努めること②その場合、円滑な燃料調達ができると認められる場合であって、経済合理性・公正性などに反しない適正な調達ができるときには、極力分離・分割して発注を行うよう努めること③さらには、当該石油組合との随意契約を行うことができることに留意すること、などが明記された。
 また、この基本方針が国の一方的な要請で終わらないために、新たに「地方公共団体への協力依頼」の項目も追加された。国はすべての地方公共団体に対して、基本方針に基づく個別の契約の方針の策定を要請する一方で、この要請によって講じられた措置の実施状況について、中小企業庁が取りまとめてその情報を公表することにした。







原油急落・WTI 6年半ぶりに40ドル割れ
(8月26日付)

 世界同時株安など経済が不安定化する中、原油価格が急落した。米WTIが24日終値で前日比2.21ドル(1バレルあたり。以下も同様)安の38.24ドルに下落、約6年半ぶりに40ドル台を割り込んだ。WTIは21日にも一時的に40ドル台割れの場面があったが、24日は終値で38ドル台まで一気に下がった。
 24日は欧ブレントも前日比2.77ドル安の42.69ドル、中東産も2.23ドル安の43.61ドルまで急落。円建て原油も為替が円高に振れたため、前日比2.2円安の33.7円/Lに下落した。
 一方、ガソリン国内卸は陸上玉が小幅ながら連騰する展開。104円/L台(製油所渡し)のままで推移している。







自家用乗用車・20年連続で1家に1台
(8月26日付)

 自動車検査登録情報協会が発表した2014年度末(15年3月末)における自家用乗用車(軽自動車を含む)の1世帯あたり普及台数は全国平均で1.069台となり、20年連続で“マイカー”が「1家に1台以上」普及している実態が判明した。その一方、地域ごとの最大格差が最多の福井(1.752台)と最少の東京(0.456台)では前年度の3.78倍から3.84倍へとさらに拡大するなど、地域差が鮮明化する様子もうかがえた。
 保有台数・世帯数は本調査開始以来、一貫して増え続けているが、14年度は全国計の保有台数が46万台増、世帯数が45万世帯増と伸び率がほぼ同率だったことに伴い、世帯あたり普及台数も前年同期比で横ばいとなった。
 マイカーの保有台数は、1974年度末の1,581万台から78年度末に2千万台、88年度末に3千万台、93年度末に4千万台、99年度末に5千万台、そして14年度末には前年同期比0.8%増の6,028万台に達し、6千万台の大台を突破。ここ5年間では4.1%増、10年間では6.1%増えている。
 一方で世帯数は、74年度末の3,331万世帯から87年度末に4千万世帯、04年度末に5千万世帯の大台をそれぞれ突破、14年度末は前年同期比0.8%増の5,641万世帯となり、ここ5年間で4.9%増、10年間では10.4%増加した。
 その結果、1世帯あたり普及状況は74年度末の0.475台から75年度末に0.5台、79年度末に0.6台、85年度末に0.7台、90年度末に0.8台、92年度末に0.9台、そして95年度末には1台に達して以降、05年度末の1.112台をピークとしてやや減少傾向をたどりつつも1家に1台以上の状態が20年にわたって続いている。
 また、都道府県別でみた普及上位は福井、富山(1.712台)、山形(1.678台)、群馬(1.655台)、栃木(1.628台)などの順で、福井は14年連続トップを記録したほか、上位12県は1.5台以上普及した。
 反対に下位は東京、大阪(0.657台)、神奈川(0.731台)、京都(0.835台)、兵庫(0.921台)などの順で、この5都府県は1家に1台未満が常態化、減少基調が長く続いているほか、千葉(1.002台)、埼玉(1.004台)の首都2県も1台割れに近づきつつある。







国交省・“高速GS過疎”対応へ
(8月24日付)

 社会資本整備審議会国土幹線道路部会は先ごろ高速道路を中心とした「道路を賢く使う取組」の中間答申をまとめたが、高速道路におけるGS(=ガソリンスタンド)間の距離が100km以上ある「ガソリンスタンド空白区間」が全国83区間にまで増加していることから、高速道路を一時退出して「路外ガソリンスタンド」を活用することなどによって、GS空白区間の解消に積極的に取り組む必要があると提起、来年度から順次対応していく考えを示した。
 道路関係公団の民営化から今年10月で10年を迎えるにあたり、国土交通省は高速道路機構・会社の業務点検結果を取りまとめ、これを報告したが、その中で「燃費向上やガソリン需要減などによる経営環境の悪化に伴いGSが減少し、GS間の距離が100km以上の空白区間が83区間も点在しており、改善が急がれる」とし、高速道路上における周知広報の強化、ガソリン缶詰の販売、テナント撤退への対応として営業料の低減などに努めていることを紹介。実際、管理延長100kmあたりのGS数は民営化時の2.6ヵ所から2014年度末時点で2.3ヵ所へと減少、空白83区間のうち150km超にわたってGSがない場所も16区間に及んでいる。
 そのため、NEXCO西日本では4月20日から1年間、「高速道路外ガソリンスタンドサービス社会実験」として、ETC車限定で、中国自動車道吉和ICと六日市ICの周辺にある市中の指定3SSで給油を行い、流出ICと同じICから1時間以内に再度流入した場合には高速道路の走行を継続した場合と同一の通行料金とする実験を行っている。
 こうした実態を受けて中間答申では「一定のサービス水準を確保する必要がある」とし、路外GSの活用などによる空白区間の解消を促すとともに、「大規模災害への対応も考慮し、高速道路利用者の負担のあり方に留意しつつ、空白区間での高速道路事業によるGS整備などの方策も検討する必要がある」と指摘。国交省も「GSがないのは大きな問題。ガス欠が心配される」との認識を示し、料金収入などを活用したGS建設も検討する必要性に言及した。


SSまでの距離を注意喚起する看板表示(上信越道)




原油輸入先・中東依存度は82%
(8月21日付)

 財務省貿易統計による2014年の原油輸入先はサウジアラビアが33.3%を占め最も多く、次いでアラブ首長国連邦が24.2%、カタールが11%の順で、上位3ヵ国を中東諸国が独占した。中東依存度は前年比1ポイント減の82%だったが、偏在性が依然高いことが浮き彫りとなった。総輸入量は日量345万バレル。14年前半の原油価格の高止まりや火力発電の天然ガス・石炭シフトの高まりなどで、前年比20万バレル減少した。
 日本は1973~82年の中東における2度のオイルショックの打撃を受けた経験から、石油をはじめとする化石燃料の消費削減や、原油輸入先の分散化を図る動きを活発化させた。こうした取り組みが奏功し、87年には中東依存度が68%まで下がった。その後、中東からの供給が安定化したことを背景に、再び中東依存度が高まり、近年は85~90%の高いシェアを維持。12年以降は核開発問題に端を発する経済制裁の影響でイランからの輸入が減少したため、80%台前半で推移している。
 一方、中東のクウェート(7.3%)とイラン(4.8%)を上回り、ロシア(8.1%)が輸入先第4位に食い込んだ。ロシアは06年にわずか1%だったが、08年に4%、10年には7%と着実にシェアを伸ばしており、天然ガスと並んで巨大資源国・ロシアの存在感が高まってきていることが明らかとなった。







1SS平均ガソリン販売量37年ぶり前年割れ
(8月21日付)

 2014年度末の登録SS数3万3,510ヵ所と14年度のガソリン内需5,298万klから弾き出される1SS平均の月間ガソリン販売量は前年度に比べ1.5kl減の131.7klに減少し、1977年度以来37年ぶりに前年を下回った。これまでSS数の減少が1SSあたりの平均販売量を押し上げてきたが、14年度は上期の小売価格の高止まりに加え、消費増税によって消費者の買い控えや節約指向が高まったことで需要減に拍車がかかり、平均販売量を押し下げた格好だ。
 14年度のガソリン内需は前年度比4.5%減と4年連続で前年を下回った。上期の原油価格高止まりや消費増税による小売価格の上昇に加え、夏場の天候不順などが影響して需要減が拡大。そのため、1SS平均販売量は1.1%減、1.5kl減の131.7klと小幅ながら減少した。
 ただ、SS数が6万421ヵ所でピークを迎えた94年度末の平均販売量は69.4klだったが、これと比べると平均販売量は1.9倍に増えている。
 14年度のガソリン内需は、ピークの04年度内需(6,148万kl)と比較すると13.8%減となっているが、SS数がピークを迎えた94年度の内需(5,035万kl)との比較では5.2%増加している。一方で、SS数は94年度から14年度までに44.5%減と、20年間で2万6,911ヵ所の純減となるなど、全国各地で廃業・撤退が相次いでおり、SSのサプライチェーンネットワークにほころびが出始めている。販売量はじりじりと減少しているのに対し、SS数は規制緩和・自由化の進展による急激な経営環境の悪化によって95年度から毎年1千ヵ所近く減少し続けており、13年度までは、94年度以降のSS数の激減が平均販売量を押し上げてきた。
 14年度はわずかに前年度を下回ったとはいえ、平均販売量は130klを超えた。だが、中小企業が大勢を占める石油販売業界を取り巻く経営環境は需要減などを背景とした量販競争の激化によって、1リットルあたり5円を下回るような低マージンでの販売競争が常態化しているほか、大型セルフなどの一部量販店に需要が流れるなど、大半のSSにとって数量増の実感は乏しく、SSごとの経営の改善や良化につながっていないのが現状だ。







お盆市場・猛暑、ガソリン安効果が持続
(8月19日付)

 8月13~16日を中心とした今シーズンのお盆商戦は、台風や大雨などによる天候不順やガソリン小売の高値で需要が落ち込んだ前年に比べて、販売量・収益とも堅調に推移したようだ。連日の猛暑効果で洗車も好調に推移したほか、レンタカーの需要も伸びるなど、油外収益増加の声も聞かれた。ただ、天候が徐々に崩れ、販売量は失速気味で、今後の夏期商戦後半に向けて、市況安とマージン縮小に警戒感を示す声も強まっている。
 関東では、連日の猛暑効果にガソリン価格の低下が加わり、昨年比でガソリン販売は好調に推移したようだ。「連日、晴天に恵まれ観光客の動きもよく、レンタカーの利用者も多く見られた。昨年に比べ、ガソリン価格が安くなってクルマを利用する率が高まっていることも販売増の要因となっている」(長野・出光系)と話す。
 都内でも「天候不順だった前年同期に比べればやや増えた」などの見方が多かった。また、「洗車も好調だった」との声が目立ったが、「人手をかける洗車は不振で、連洗には行列ができた」とも。
 収益面では「ガソリンマージンは昨年より良化」「特にレンタカーが好調で、この先の予約も埋まっている」などの声も聞かれた。
 神奈川でも、ガソリン販売量は前年並みから15%増までと幅があるものの、前年が低迷していただけに多くのSSが前年超えとなった。ただ、「後半になるつれ、天候が崩れてきたことから、これまでの勢いはなくなっている」(出光系)、「量に加え、仕入れが下がり、ガソリンマージンは良かった。むしろ、後半に向け、量の伸び悩み、それに伴う小売り市況安、マージン縮小が心配」(昭和シェル系)などの声も聞かれる。
 中部・北陸では、岐阜山間部など一部を除いて好天に恵まれ、「まずまずのお盆商戦だった」(三重)との声が多い。しかし好調だった出足に比べ「後半は期待したほどではなく、全体では最悪の昨年を少し上回った程度。やはり低燃費車の普及で、お盆とはいえ1週間程度で2回給油に来るお客さんはあまりいない」(名古屋市内のSS)と総括。愛知の東名高速サービスエリア内のSSによると、「15~16日のUターンピークも普段の週末程度で期待外れだった」と手持ち無沙汰気味。同高速の静岡以西は上下とも目立った渋滞はなく、比較的スムーズに流れていた。
 北陸も「後半の販売量はそれほどではなかった」(石川)。期待を裏切られたのが海水浴場近くのSS。「とにかく泳ぎに来るお客さんが激減した。関東ではサメ騒ぎの影響があったようだが、関係なしに毎年人出が少なくなっている」と、愛知県知多半島の海辺のSSは嘆いていた。
 近畿では、期間中、幹線道路沿いのSSは「需要が伸びた」と言い、大阪府郊外のセルフSSマネジャーは「朝夕に集中しない代わりにほぼ1日中客は途絶えなかった」と話す。期間中の需要を支えたのは好天と、ガソリン価格の値下がりにあり、販売業者からは「半年ぶりに手応えがあった」と需要増とマージン確保を実感している。


高速道路は帰省・観光客で渋滞した(13日、関越道練馬インター入口)

都心部の幹線道路は束の間の閑散状態に。後半商戦への期待も大きい
(13日午後、西新宿付近で)




系列SS数・6月末で2万5,097ヵ所
(8月10日付)

 2015年6月末の元売系列SS数がまとまった。それによると、3月末比で178ヵ所減の2万5,097ヵ所と、SSネットワークの縮小が続いている。減少率は0.7%減で、このペースで推移すれば年間減少数は710ヵ所超に達し、14年度の減少数673ヵ所を上回ることになる。13~14年度と2年連続でSS数の減少が鈍化してきたことを踏まえると、今年度はややハイペースといえる。
 元売社有SS数も27ヵ所減の6,125ヵ所で、社有比率24.4%となった。このペースだと年間100ヵ所超の減少と試算され、2年ぶりに3桁となる。14年度は70ヵ所減にとどまっていたことから、SS総数と同様に減少速度が上がっている。ただ、社有SSの減少率0.4%減に対して、販売業者所有SSは0.8%減で推移しており、販売業者所有SSの劣勢が続いている。系列別でみると、SS数・社有SS数ともにJX系、昭シェル系の減少が目立っている。
 一方、セルフSS数は28ヵ所増の7,650ヵ所に拡大した。ただ、このペースで推移すると年間増加数は110ヵ所超にとどまり、14年度の207ヵ所増を大きく下回る状況となっている。うち社有セルフが23ヵ所増の3,923ヵ所。セルフ増加分の大半を社有が占めている格好だ。系列別では出光系が際立って増えた。
 なお、経営統合する方針を明らかにした出光と昭シェルの合計SS数は6,986ヵ所、うち社有比率は29%の1,991ヵ所。セルフは2,067ヵ所、社有は1,192ヵ所で、いずれもJX系に次ぐ業界第2位となる。







消防庁・駆けつけ給油の実証実験検討
(8月10日付)

 過疎地SSでの駆けつけ給油の安全確保策を検討する消防庁の「地域特性に応じた給油取扱所の運営形態に係る安全確保策のあり方に関する検討会」が第2回会合を開き(写真)、顧客が来店した時に近隣の事務所・店舗などから従業員がSSに駆けつけて、給油作業を可能とする具体的対策案を示すとともに、今後、11月末までを目途に進めていくSSでの実証実験案などについて検討した。
 駆けつけ給油を可能とする安全対策に対する今後の検討項目については、近隣の事務所・店舗からのSSの視認性のほか、顧客来店時・事故などが発生した場合にSSに従業員が駆けつけるまでの距離や時間、安全対策上の機器、駆けつけ給油を行っていることを顧客に認識してもらうための看板などの配置・ガイダンスの内容、静電気帯電防止対策―などを提示した。
 これらの安全対策に対する検討項目を踏まえたSSでの実証実験案については、①SSと店舗などが隣接しているが、店舗などからSSを直視できない②SSと店舗などが離れており、店舗などからSSを直視できない③SSと店舗などが隣接しており、店舗などからSSを直視できる④SSと店舗などが離れているが、店舗などからSSを直視できる―という4つの実証パターンに基づいて、車両検知センサー、インターフォン、看板の設置、静電気除去シート、静電気帯電防止作業服・靴などの安全確保に向けたハード対策を用いて、「顧客来店時に適切に駆けつけることができるか」「給油を行い、給油後に適切にロックすることができるか」「不審者の侵入、一般客の誤侵入などに対応できるか」などについて調査する方針を示した。
 今後、全石連などが中心となって実証実験を行うSSを数ヵ所選定。実証実験で調査する項目や安全対策などについては、安全性を担保しつつ、SS現場の実態を踏まえながら柔軟に対応していく方針も示した。







コストコ2号店富山県射水市に開所
(8月5日付)

 会員制量販店のコストコホールセールジャパン(本社・川崎市)は1日、富山県射水市の「射水倉庫店」に国内2番目となるセルフSSを開店した。6月に全国初出店した山形・かみのやま倉庫店に続くSS併設店。オープン初日の価格はレギュラーガソリン127円、ハイオク138円、軽油99円、灯油67円。各油種とも周辺の既存SSより10~15円程度も安い価格設定だった。ガソリン・軽油の計量機は8レーンで16台同時給油の大型SS。給油待ちの車列ができたのは開店時の15分程度で、その後の混雑は見られなかった。
 同店は射水市橋下条の北陸自動車道小杉ICから車で東へ約3分の高台。コストコが山を削るなどして開発した通称“コストコ道路”先端の広大な敷地内にある。すでに建物は完成しており、今月22日開店の倉庫店に先駆けSSがオープンした。
 会員制店舗のため、給油には会員のみの指定クレジットカードかプリカが必要で、現金での利用はできない。開店時に並んだ車は地元の富山が大半だったが、石川、福井、新潟、名古屋などのナンバーもそれぞれ複数見られた。コストコジャパンのケン・テリオ社長は「これでSS併設は2店舗目。今後も全国で増やしていきたい」と述べたが、具体的な時期や場所は明らかにしなかった。
 ガソリン・軽油の計量機8基、灯油2基の同規模SS併設3番目は、今年11月開店予定の岐阜羽島倉庫店(名神高速岐阜羽島IC近く)とみられている。


レギュラー127円で開所したコストコ射水倉庫店併設SS




出光、昭和シェル経営統合へ
(8月3日付)

 出光興産は7月30日開催の取締役会で、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルが保有する昭和シェル石油の株式35%のうち33.3%を取得することを決め、株式譲渡契約を締結した。譲渡実行日は2016年上半期を予定。これに伴い出光が昭和シェルの筆頭株主となり、両社は今後シナジー効果を最大化するため、経営統合に向けた協議を本格化させる。同日開いた記者会見で出光の月岡隆社長は「経営統合の形は協議の中で決まるが、今回の株取得により過程で関係会社化を経るものの、親子関係でなく対等の統合を目指す」、「両社のブランドは消費者に愛顧され、販売店、特約店の方々との取引も長く、当面の間は継続していく」と明言した。なお、株式の取得金額は1,691億円で、全額を借入れる。金融機関は未公表。
 記者会見で月岡社長は業界の現状について、「過剰設備、過当競争が原因でもたらされる低収益体質、さらに昨年度は原油安による在庫評価損で財務は悪化している。一方、国内の安定供給体制の強化、緊急時における石油の重要性は高まっており、この重責を担うためにも経営基盤の強化を図る必要がある」と強調。そのうえで、「昨年来、昭和シェルとは継続的に話し合い重ね、経営統合が最適と判断、その実現のためロイヤル・ダッチ・シェルからの株取得を決断した。昭和シェルの強みは、優秀な社員と系列特約店との強固な信頼関係が築かれていること。今後は対等な精神で真摯に協議を進めたい」と説明した。
 また、昭和シェルの亀岡剛社長グループCEOは「我々を取り巻く環境は厳しい。ガソリンなどの内需減、アジアにおいては新しい製油所が立ち上がっている。企業体質を一層強化するため、出光と経営統合の協議を進めることを決めた。今後どのような企業を目指すのか。①国内の安定供給を担保するため、強いリーディングカンパニー、総合エネルギー会社になる②過去の合併経験から、従業員が出身母体にかかわらず頑張っていける新しい体制をつくる③内需減の中でも国内でしっかりした収益基盤を確保し、世界に出るグローバル企業になる④1つになりお互いの良いところを得て、新しい企業文化をつくる―という4つのビジョンを共有した」と述べた。
 質疑応答では、エネルギー供給構造高度化法対応について、月岡社長が「両社とも目途をつけており、製油所の廃棄はない」としつつ、「油槽所の統廃合などでも大きなメリットがある」と強調、供給体制については「両社ともショートポジションであり、需給調整を果たし業界に強い影響力を与えたい」と意欲をみせた。また、今後の業界動向に関しては「業界のプレイヤーが多い。経営統合後は大手元売4社体制になるが、最終形とは考えにくい。さらなる再編もあり得る」との見方を示した。
 一方、亀岡社長は昭和シェルに15%出資するサウジアラムコとの関係について「日本はアジアで最初にビジネスを行ったところで思い入れが強い。強い会社と経営統合し、より強くなることを評価している」としたほか、経営統合については「一番こだわったところ。系列特約店や社員が最も活躍できる形をつくることが大事で、対等の立場で統合を目指す」などと述べた。
 なお、出光はJX日鉱日石エネルギーとの物流提携、昭和シェルはコスモ石油との四日市での製油所連携をいずれも継続するとした。


経営統合に向けて握手する出光・月岡社長(右)と昭シ・亀岡社長