2015年11月


愛知・コストコとPBを不当廉売申告
(11月25日付)

 愛知県常滑市の中部国際空港玄関口において、コストコSSと地元PBSSとの間で、一般的な仕入れ価格を大きく下回る異常なガソリンなどの廉売競争が発生していることを受けて、愛知石商(宇佐美三郎理事長)は公正な競争市場を守る観点から、19日に公正取引委員会に不当廉売に関する調査を申告した。
 愛知県常滑市の中部国際空港玄関口で、コストコSSと地元PBSSとの間で激しい価格競争に発展し、19日午前の時点で、レギュラー93円前後の攻防を繰り広げている。
 コストコが「中部空港倉庫店」に18日、SSを新規オープンしたのが発端とみられる。全国23店舗を展開するコストコが、すでに営業している倉庫店でSSを併設した初のケースとなる。SS規模は計量機8基、灯油2基の構成。
 「地域最安」がコストコSSの売り物だけに、オープン価格は県内平均より約15円安い114円だった。しかし、同店舗と道路を挟んで隣接する角地に今夏オープンしたPBチェーンのSSも、地域最安でSS網を拡大してきただけに、同SS(計量機8基、灯油2基)も、店頭表示価格を114円から107円に値下げした。これにコストコSSが対抗したため、価格競争の火ぶたが切られた。
 コストコはPBSSの価格に反応し、開店午前11時から同日夕方までに価格を7回も下げ続け、会員限定販売価格でガソリン94円、ハイオク104円で営業を終えた。PBSSも会員価格93.8円で終了した。
 ところが翌朝、PBSSは前夜よりさらに1円下げて会員92.8円、現金フリー93.8円で午前7時に開店。これに気付いた同時開店のコストコ側も「93円に下げるか検討している」などと対抗心をあらわにしており、さらなる値下げ合戦に発展する危険性をはらんでいた。
 この過当競争の激化に周辺の系列店はあきれ顔。同市内のSSは「コストコのSS開店で一気に激戦地になると予想していたが、92円とか94円で販売するとは思ってもみなかった。明らかな不当廉売だ」と、過当競争の激化に危機感を訴えるとともに、採算度外視の販売競争に怒りをあらわにしている。
 コストコとPBSSの隣接地には、大型ショッピングセンター・イオンモール常滑店がSSを併設して来月にもオープンする予定となっている。採算度外視の過当競争が三つ巴の大激戦に発展することが危惧される状況となっており、今後の動向に注目が集まっている。
 24日現在、コストコSSとPBSSとの安売り合戦はコストコ91円、PB89.8円で下げ止まっている。
 18日にSSオープン記念価格114円を数時間後には94円とわずか7時間程で20円も下げたコストコ中部倉庫店のSSは、隣接のPBSSの価格に対抗し、20日に91円まで下げたが、その後PB側の価格に変化がないため、23日までの3連休も同価格のままで激戦を展開した。
 互いに「地域最安」を消費者にアピールしての価格設定だけに、両SSとも譲る気配を見せない安売り合戦だが、23日現在も価格は変えず一応は休戦中のようだ。
 23日のコストコ価格はガソリン91円、ハイオク101円、軽油71円。PBSSは同89.8円、99.8円、69.8円(3油種とも現金は1円高)となっている。










14年度末HV乗用車保有台数は464万台
(11月20日付)

 2014年度末(15年3月末)時点におけるHV乗用車の保有台数は464万台で、乗用車全体の7.7%に達したことがわかった。軽4輪を除くと11.8%を占め、登録乗用車の1割強がHVとなった格好。低燃費車の普及も同時並行で順次進んでいるなど燃費向上が加速しており、ガソリン需要への影響がさらに広がることは不可避とみられる。
 自動車検査登録情報協会が集計しているHV乗用車の保有台数は09年度末に97万台と100万台に満たなかったが、10年度末140万台、11年度末201万台、12年度末283万台、13年度末379万台と大幅に増加。14年度末時点では5年前に比べて4.8倍増となり、年平均では73万台ずつ増勢してきた格好だ。
 一方、乗用車全体の保有台数はHV以外の登録車が減少し、軽4輪が増加する傾向で推移。5年前に比べると、HVを除いた登録車は11.7%減(460万台減)の3,485万台となったが、HVが367万台増えたため、登録車計では2.3%減(92.7万台減)の3,941万台にとどまっている。これに加えて、軽4輪が20.3%増(354万台増)と大幅に伸びたことで、合計では4.5%増(261万台増)の6,052万台弱と2年連続で6千万台超に達した。
 これをもとに乗用車のHV普及率をみると、10年度末には1.7%(軽4輪を除くと2.4%)に過ぎなかったが、毎年増勢が続いていることから、今年3月末時点で1割を超えるなど(7.7%)、ガソリン需要や点検・整備事業への影響度が強まっている様子が浮かび上がった。






兵庫・軽油混和嫌疑で4人逮捕
(11月18日付)

 兵庫県税務課は12日、軽油引取税にかかる地方税法犯則事件の嫌疑者として同県尼崎市の会社役員など4人を兵庫県警が逮捕したと発表した。4人は税務課が同県警と合同で強制調査を行っていたもので、嫌疑では約16万リットルの混和軽油を不正に製造していた。
 今年(平成27)年2月26日の県警、税務課の強制調査から始まった今回の不正軽油事件。2年前の匿名の通報を端緒に調査が行われ今回の逮捕に至った。4人が共謀し、奈良県御所市の油槽所で、軽油と灯油を知事の承認を受けないまま混和燃料製造していた。
 同事案の特徴は犯則嫌疑者住所が兵庫県、大阪府、奈良県と1府2県と県境を越え、容疑規模も大きい。
 兵庫県は嫌疑者の容疑が固まり次第、神戸地検に告発する予定。




全石連・エネ庁長官にSSの窮状訴える
(11月18日付)

 全石連の関正夫会長ら正副会長は11日、資源エネルギー庁を訪れ、日下部聡長官に対し、「原子力だけでなく石油にも目を向けていただきたい」と訴え、石油の安定供給確保に向け、精販ともに赤字経営体質から一刻も早く脱却する必要性を指摘した。そのうえで、①系列玉と業転玉の格差の解消・縮小②仕切価格の予見可能性が確保できる卸価格体系の構築③災害時におけるエネルギー供給の“最後の砦”であるSSネットワークの維持・強化―の3項目の実現を要請した。
 エネ庁に訪れたのは、関会長、森洋副会長、根本一彌副会長、西尾恒太副会長、喜多村利秀副会長、浜田忠博副会長、河本博隆副会長・専務理事ら正副会長。
 関会長は「東日本大震災でもっとも重要だったのは1に石油、2に食料、3に灯油であった。SSは税金の収納でも大変大きな貢献をしている」と石油とSSの重要性を訴えた。また「我々も懸命に努力をしているが、20年前に約6万ヵ所あったSSが約3万ヵ所に半減してしまった。エネ庁にはSSの明日の姿というものを作り上げていただきたい」と述べた。
 日下部長官は「2030年でもエネルギーの大宗は石油である。石油・資源の問題に力を入れなければならない」と石油の重要性を強調した。


日下部長官(写真奥中央)にSS業界の現状について説明した




精販協議会で元売に系列、販社政策質す
(11月18日付)

 資源エネルギー庁・公正取引委員会参加の下、石油流通問題などについて議論する「元売とSS業界との協議の場」が11日、石油会館で開催された(写真)。全石連からは、出席した元売5社の販売・企画担当役員らに対し、「元売の販売政策が“ブランド価値”にふさわしいものであるのか」「販売子会社を通じて小売り分野に積極進出することの功罪についてどう考えているのか」など、今後の系列特約店・販社政策の方向性について質した。
 全石連の河本博隆副会長・専務理事は「元売・SSとも赤字体質になってしまった原因についてどう考えるのか。どうしたら赤字体質から立ち直れるのか。真剣に考えていかなければならない」と訴えた。
 元売各社からは系列施策について、「系列の仕組みは石油販売において必要なものであり、評価されているからこそ残っている。特約店・販売店の繁栄なくして我々はない。系列政策は競争に打ち勝つために効率性を上げ、適正な収益を上げていくこと。特約店に支持されるような商品・サービス・販売施策を提供していく」「特約店・販売店それぞれ独立した企業として、良きビジネスパートナーとなれるよう考えていく。直営SSを増やして商売を進めていく考えはない」「卸販売は行っていないので、系列販売がなければ我が社は成り立たない。販社は販売店さんが倒産・廃業された場合のネットワーク維持やリテール施策の実践、教育の場と位置付けている」などとした。
 全石連からは「121円の仕切りで122円で売っていたらつぶれるが、販社はつぶれない。系列特約店・販売店だけがつぶれているのが実情だ。販社に小売価格で浸食されている」と販社の販売姿勢を含めた元売各社の販売政策に疑問を呈した。
 また「今日売るガソリンの仕入価格がわからない。およそ現実的ではない建値が示されるために、隣のSSの価格を見て売るしかない。商売のイロハのイの条件が満たされていない。透明性の高い仕切価格を予め提示し、それを完全に取りきっていく。透明性の高い仕切価格ができれば業転格差もなくなる」とした。
 公取委に対しても「我々の仕切りを下回る価格で売られている販社がある。販社の社長は連帯保証人になっていない。加えて資金繰りの心配もない。我々は自宅まで担保に入れて、連帯保証人になって銀行からお金を借りている。なおかつ毎月資金繰りの心配もしなければならない。我々の仕切りを下回る価格で販社に売られたら我々は淘汰されるだけ。差別対価で取り上げていただかなければ公平・公正な競争はできない」と訴えた。
 一方で、公取委の田辺治取引企画課長は「仕入れ価格が高いのであれば、共同仕入れを行う、合併して1つの会社になって仕入れ量を増やすなど、仕入れを下げる方向性もあるのではないか。大企業に伍して中小企業が1つになって競争力を高め、共同購入・共同販売を行うことは独禁法上も問題ない」と述べた。
 これに対して全石連側からは「大きなロットを持っているところは仕入れが安い。共同仕入れを行い、安い玉を手当てできない過疎地SSに供給し、地方の過疎地SSを守っていくべき」との意見も出された。
 佐合達矢石油流通課長は精販協議会で引き続き、「公正な市場を作っていくというゴールに向けてしっかりと議論を進めていきたい」と述べた。






出光、昭シェル・合併で新ブランド検討
(11月16日付)

 昭和シェル石油と出光興産は12日、経営統合に関する基本合意書を締結、「対等の精神」に基づいて「合併」することを基本方針とした。統合後の一定期間は両ブランドを併用するが、“新たなブランド”を用いることを積極的に検討する。
 新会社は2016年10月~17年4月を目途に発足させることを目指し、代表取締役および業務執行取締役は当面、両社から同数ずつ候補者を指名する予定。また、本社を両社の本社所在地ではない新たな場所とする予定だ。発足5年目には年間500億円程度の統合効果実現を目指す。





500人超が参加し総決起大会開催
(11月16日付)

 全国の石油組合や元売から約500人が参集、与党から80人以上の国会議員の参加を得て、全石連(関正夫会長)・全国油政連(森洋会長)、石油連盟(木村康会長)は12日、東京・永田町の憲政記念館で石油増税反対総決起大会を開催した。石油業界の総意として「これ以上、国民に負担をかけるな!」をスローガンに①森林対策等に地球温暖化対策税を充当するのは絶対反対②自動車用燃料等の課税公平性の実現③ガソリン税・軽油引取税の旧暫定税率の廃止―を訴えた。石油流通問題議員連盟の野田毅会長・自民党税制調査会最高顧問をはじめとする多数の支援議員を交え、小林久志石油連盟副会長、西尾恒太全石連副会長・近畿支部長による意見開陳に続き、森油政連会長の読み上げた大会決議を満場一致で採択。最後に根本一彌全石連副会長・東北支部長の発声でシュプレヒコールを挙げた。また、各県の参加者は地元選出国会議員にも個別陳情した。

石油増税反対・国民負担軽減を訴えた

関全石連会長

野田石油議連会長




元売系列SS数・2万5千ヵ所割れ
(11月13日付)

 2015年9月末の元売系列SS数がまとまった。それによると、3月末比で320ヵ所減の2万4,955ヵ所となり、2万5千ヵ所を割った。このペースで推移すると、年間減少数は640ヵ所規模となり、14年度の減少数を下回る見通しだ。
 元売社有SS数は3月末比36ヵ所減の6,116ヵ所で、社有比率は24.5%となった。このペースで推移すれば、年間減少数が3年連続で100ヵ所割れとなる。これに対して、販売業者所有SSは284ヵ所減の1万8,839ヵ所と、依然として社有SSより減少率の高い状況が続く見通しだ。
 一方、セルフSS数は71ヵ所増の7,693ヵ所に拡大。SS数に占めるセルフ比率は30.8%に上昇した。ただ、このペースだと年間増加数は140ヵ所超にとどまり、14年度の207ヵ所増を大きく下回る格好だ。また、社有セルフ数は43ヵ所増の3,943ヵ所だった。






岡山・新理事長に小出総太郎氏
(11月11日付)

 岡山石商・協は5日に理事会を開催し、小出総太郎理事(写真、東真産業社長・JX系)を理事長に選出した。木村容冶理事長の退任に伴うもので、任期は来年の5月まで。小出新理事長は「組合が抱えている問題に対してはかなり難しい点も多々あるが、皆さんのご協力を得ながら私なりに解決に向けてベストを尽くしていきたい」とあいさつした。







北石連・官公需「要望書」副知事に手交
(11月2日付)

 北石連の伊藤豊会長ら執行部は10月29日、北海道庁を訪れ、「官公需における燃料調達に関する要望書」を辻泰弘副知事に手渡した。伊藤会長ら北石連執行部は、官公需での燃料調達において、災害時協定に参加している中小石油販売業者へ配慮するよう明記した「平成27年度中小企業者等に関する国等の契約の基本方針」の趣旨を徹底するよう強く要請。要望書を受け取った辻副知事は、「道としても市町村などに周知徹底を図りたい」と確約した。
 道と北石連は2011年12月に災害時協定を締結。道は中小石油販売業者に平時から分離・分割発注し、受注機会の確保・拡大を図る旨の条文を全国で初めて明文化した。さらに道は、独自の官公需基本方針としての「中小企業者等に対する受注機会の確保に関する推進方針」を昨(26)年7月に一部改正して、「道と防災協定を締結している中小企業者等および防災協定を締結した団体を構成する中小企業者の受注機会の確保・拡大に努める」との旨を国に先駆けて追加するなど、災害時協定の実効性を高めるために前向きに取り組んでいる。
 今回、道庁を訪れたのは伊藤会長はじめ、河辺善一、菅原耕両副理事長、前川正一専務理事の執行部4人。高橋はるみ知事宛の要望書を辻副知事に提出したうえで、特に組合員の落札率が50%台に低迷している教育局関係入札での改善などを強調して求めた。
 辻副知事は、自身が最北の稚内に3年間赴任した経験談などを話したうえで、「石油の大切さは痛感している。地域のライフラインを確保するためにも、ぜひ頑張ってほしい」と業界側を激励。今回の要望については「国のこうした方針を市町村などはしっかりと理解してほしい。道としても周知徹底を図りたい」と約束した。


辻副知事に要望書を手渡す伊藤会長、河辺副理事長、菅原副会長(写真右から)