2015年12月


16年度予算案・石油流通支援に総額134.5億円
(12月28日付)

 政府が24日閣議決定した2016年度予算予算案のうち、石油流通支援予算は15年度補正予算を含め、今年度当初予算比48.6億円増の134.5億円を計上した。経営基盤強化に向け、新たにSSの統合・集約・移転などに伴う地下タンクの新設支援を行っていくほか、SS撤退時における地下タンクの撤去や災害対応能力強化に向けた地下タンクの入換・大型化などを支援する。また、石油製品の安定供給確保に向けたSS過疎地などにおける実証事業や人材育成支援なども引き続き支援。地域の実情や経営環境の変化を見据えたSSサプライチェーンの維持・強化を図るとともに、経営基盤や災害対応力の強化を促す。15年度補正予算では50億円を措置し、ローリー大型化・共同タンク運営、省エネ型機器の導入を支援する。
 具体的には、過疎地を含むSSサプライチェーンの維持・強化で89.4億円を措置する。このうち「地域エネルギー供給拠点整備事業」で30.5億円を計上。過疎地でのSSの統合・集約・移転の際の地下タンクの新設や地下タンクの大型化に伴う入換、地下タンクからの漏洩防止対策、土壌汚染の検知検査などを補助する。地下タンク入換に伴う自家発電機の導入、過疎地における簡易計量機設置なども支援する。また、15年度補正予算で石油製品供給体制整備事業として50億円を措置。長期的に事業を継続し、最終的な供給責任を担っていく中小石油販売業者などを対象に、過疎地域や豪雪地などでの安定供給確保に向け、大型化や共同所有などによるタンクローリーの導入や、共同タンク運営など石油製品の配送合理化の取り組みを促す。加えて、SSの生産性向上や経営安定化を後押しするため、省エネ型洗車機、ベーパー回収設備(高効率計量機、荷卸し設備)、POSシステム、樹脂製配管の導入を補助する。
 地域の石油製品の安定供給確保に向け、経営基盤強化に取り組む石油販売業者を支援するため、石油製品流通網維持強化事業として7.7億円を確保。過疎地など地域の実情や外部環境の変化に対応した燃料供給システムに係る実証事業、災害時のSSの対応力を磨く訓練・研修会の実施、HVなど次世代自動車の普及拡大を見据えたSSの次世代化を図るための人材育成などの取り組みも支援していく。
 避難所となる学校、公民館などの公的施設、病院などに、災害時の系統電力や都市ガスの供給途絶に備え、石油製品備蓄タンクや自家発電設備の設置なども補助する。
 このほか、石油製品価格の卸・小売価格を全国規模で調査するモニタリング事業で2.4億円、石油製品の品質確保に向けた試買分析も11.5億円を要求する。
 地理的な要因により流通コストが割高で、販売量も少ないために、ガソリン価格が相対的に高い離島対策として、流通コスト差分を補助して島民向けの小売価格を実質的に引き下げる「流通コスト支援事業」も30.5億円、離島の関係者間の石油製品の流通合理化・安定供給対策の支援で0.7億円を計上した。







公取委・愛知県常滑の2SSに「警告」
(12月28日付)

 公正取引委員会は24日、コストコホールセールジャパン(本社・川崎市)とバロン・パーク(本社・愛知県半田市)の2社に対して、不当廉売(独占禁止法第19条)違反のおそれがあるとし、「今後、こうした行為を行わない」よう警告した。公取委が警告を出すのは2013年1月のミタニ以来約2年ぶりだが、不当廉売申告からわずか1ヵ月強で警告するのは初めて。今回の原価割れ販売があまりにも著しい水準だったためとみられるが、それだけに地元では「排除措置命令が出されなかった」ことへの不満は根強い。
 両社は、愛知県常滑市内のコストコホールセール中部空港ガスステーションとユニーオイル常滑りんくうSSの間で対抗。コストコSSのオープン後、11月18~27日までの10日間にわたってレギュラーガソリン価格を一時85.8~87円まで引き下げるなどし、原油価格も下回るような異常な原価割れ廉売競争を続け、周辺業者の営業を困難にさせるおそれを生じさせた疑いから、警告を受けた。
 地元SSなどの深刻な影響を懸念した愛知石商(宇佐美三郎理事長)がこの2社による異常な廉売に対して、21日までに7回にわたって公取委に不当廉売で申告していた。

■愛知石商コメント
 公取委の警告に対し、コストコとPBバロン・パークの不当廉売を訴えていた愛知石商(宇佐美三郎理事長)の浅田俊広専務理事は、「採算を度外視した今回の異常な安売りは、周辺業者を淘汰させ両社のSSだけで独占的に地域を牛耳ろうという悪質なものだけに、排除命令が下されるものと思っていた。結果は警告という軽い処分で、極めて不満だ。警告対象期間もコストコSS開店から10日間に限られているが、その後も不当な安売りを競い合っている。組合はこうしたものも公取委に調査申告しており、さらに厳正な処分を期待したい」と述べた。
 警告処分が出された24日、レギュラーガソリンでコストコは102円、バロン・パークのPBは100.8円と、周辺SSより10~15円安い価格で販売している。

■コストココメント
 公取委から警告を受けたことに対し、コストコはホームページ上で会員に向けて「警告は当社の法令違反を認定するものではなく、あくまで、そのおそれがあるとしてなされる行政指導です」、「中部空港SSの新規オープン後10日間に限るものであること、価格は最近隣SSの一般販売価格に合わせそれと同程度にしたもので、ベストバリューを提供するというポリシーに従って責任を果たそうとした結果であること、有料会員制であることの影響を十分検討すべきことなどの事情を説明し、不当廉売に該当するおそれはないと主張しましたが、公取委の理解が得られず、警告に至ったことは誠に遺憾です」「今後とも法令を順守しながら、その範囲内で、会員に可能な限りのベストバリューを提供する所存です」などとお知らせした。




コストコ(写真上)と近隣PB(写真下)のレギュラー価格は
一時85.8~87円まで値下がりした。




エネ研予測・16年度ガソリン需要1.9%減に 今年度は0.7%増
(12月25日付)

 日本エネルギー経済研究所が発表した石油製品の短期需要見通しによると、今年度の総販売量は、原子力発電所の再稼働に伴う電力用C重油の減少や、A重油・その他C重油の節減、燃料転換によって、前年度に比べ1.1%減の1億8,090万klに落ち込むと予測。2016年度も重油類の需要不振に加え、ガソリンや灯油などの減少が響き、3.2%減の1億7,510万klと47年ぶりに1億8千万klを下回るとした。
 油種別にみると、今年度のガソリンはうるう年影響や前年度の天候不順からの反動、小売価格の下落などにより、0.7%増の5,330万klと5年ぶりに増加。16年度はHVや軽自動車など低燃費車の普及で1.9%減の5,230万klに減少する。
 灯油は、今年度が暖冬影響により1.2%減の1,650万klに減少。16年度も電力や都市ガスなどへの燃料転換を見込み1.5%減の1,620万klに減少するとした。
 軽油は、今年度が荷動きなどが鈍く0.3%減の3,350万klの微減となる。16年度は貨物車の輸送効率・燃費改善の継続による輸送用需要の減少や、燃料転換による産業用需要の減少を見込むものの、荷動きの活発化などから0.1%増の3,350万klの微増と予測した。
 A重油は、今年度が高効率設備や省エネなどに伴う農業用途や船舶用途の需要減少に加え、環境対策を背景とした他燃料への転換などの影響により減少トレンドが継続し、6.1%減の1,160万kl、16年度も2.7%減の1,130万klに減少するとした。






SS経営力強化作業WGで具体策検討
(12月21日付)

 資源エネルギー庁石油流通課は17日、『SS事業者の経営力強化に向けた検討会(SS経営力検討会)』作業ワーキンググループ(WG)会合を開いた(写真)。SSの経営力強化策を検討する『SS経営力検討会(座長=後藤康浩日本経済新聞社編集委員)』を9月に立ち上げたが、作業WGでは、経営改善や多角化、協業化などを通じて、SSの“稼ぐ力”を創出する具体的な方策を検証した。
 作業WGでは、中小小売店のボランタリーチェーン(VC)を展開する全日食チェーン(全日本食品)の齋藤充弘会長を招き、大手総合スーパーなどに対抗するVC(イメージ図)の仕組みや強みなどについて講演を聞いた。
 全日食のVCについては、多数の独立した中小小売店が連携・組織化し、仕入れ・物流などを共同化して、「①加盟店に商品を供給していく事業と、②なにを、幾ら、幾つ、だれに売るかという売り方提案の2つが事業の柱」と述べた。「本部が一元的に仕入れ・卸機能を持つことにより、大手スーパーに負けない原価でナショナルブランドの商品を加盟店に供給できることが強みだ」とした。また、情報システムだけで約100億円を投資。加盟店に導入したPOSシステムから日々集まってくるビックデータを分析し、地域別に売れ筋商品を選定したり、安く仕入れた商品をただ安く売るのではなく、販売価格と販売数量の関係から、最も利益が出る「最適売価」を算出し、加盟店に提案している。さらに「だれが、なにを買っているかをきちんとつかむことがイロハのイである」とし、「買わない人に安く売っても意味はない。顧客の購入履歴をすべて捉えて、来店時に個別の特売チラシを顧客ごとに打ち出している」。
 続いて、こうした事業経験から、ガソリンの値付けについても「近くで安売りしているSSがあった場合の最適な売価というのは、高いか安いかではなく、高くないことが重要。高いと安いの間の“高くない”という概念をビジネスの中心に持っておくことが重要だ。我々が扱っている商品は特殊な商品ではなく、どこでも買える商品。高くない売価を設定すれば、近くのお客さんは来てくれる。それにサービスが良い、接客が良いとなれば、すべてお店のプラスになる。これはガソリンでも同じではないか」と助言した。
 他方、「安く売る努力は非常に大変。赤字を覚悟しないと、安さではやっていけない。安く売る人がいるならやらせればいい。自らの経営体力を失っていくだけ」と安売りの危険性を指摘。その一方、「欧米などでは同一取引同一価格が独禁法の基本。本来、同じタンクローリーで売るなら同じ価格で売らなければならない。日本の独禁法はこれが不備である。人の顔色を見て売っていいことになっている。だから、小さくても安く買える店もあるし、たくさん売っているのに高く買っている店もある。日本では小さいから高いということはなく、安く買うところが安いのだ」と述べた。
 また、SSのVC化の可能性については「単独では限界がある。サプライチェーンを組んでいくしかない。皆で力を合わせるほうが良いと思う。倒産して離れていく方はいるが、全日食を辞めて1人でやっていこうという方は過去いない。地域で分裂して離れていったところもない」とVCの組織力・メリットを強調した。
 齋藤氏は1946年生まれ。71年、慶応義塾大学経済学部卒業。ダイエーを経て72年、全日本食品に入社。2001年に代表取締役社長、13年に代表取締役会長(現職)。
 このほか会合では、潜在的なSSの顧客ニーズに応える新たなサービスを提供していくためのデザイン経営の活用について報告。また、顧客満足度の追求や競争力強化、人材力で先進的な取り組みを行っているSS事例を収集し『優秀事例集(通称=100選)』としてまとめることとし、今後、各石油組合などを通じて推薦してもらうことを決めた。
  ◇   ◇
 作業WGメンバー(敬称略)▽原谷真人(北見石油販売)▽佐藤義信(丸山)▽照沼正輝(照沼商事)▽渋谷彰樹(シブヤエネックス)▽石川昌司(渥美石油)▽芝野哲郎(滋賀石油)▽細川将史(冨士商)▽山田正敏(山田石油)▽三原英人(三原産業)▽藤岡秀則(フジオカ)▽永岡壯三(大分石油)


大手に対抗する「ボランタリーチェーン」の仕組みやメリットを聞いたSS経営力強化作業WG

齋藤全日食チェーン会長が講演した




軽油販売・5年ぶり前年割れ フリート・元売直売のシェア上昇
(12月18日付)

 資源エネルギー庁がまとめた2014年度供給ルート別販売実績によると、軽油は前年度比4.2%減の3,263万klと5年ぶりに前年実績を下回った。また、灯油は構造的な燃料転換の影響により11.7%減の1,730万klと4年連続で前年実績を下回るとともに、2年連続で2千万klの大台を割り込んだ。
 ルート別にみると、軽油はSSの販売量が6.6%減の827万klに減少し、シェアも0.7ポイント減の25.3%に落ち込んだ。フリートSSも0.3%減の589万kl、シェアは0.6ポイント増の18%に増加した。元売直売は2%減の288万klで、シェアは0.2ポイント増の8.8%となった。SSルートでの販売不振が際立つ一方、フリートや元売直売がシェアを高めた。バス・トラック向けは販売量・シェアとも横ばい。
 灯油は、SSの販売量が15.7%減の360万klと大きく落ち込んだ。販売シェアも0.9ポイント減の20.8%に減少。一方、JAは1.6%減の121万klだったが、シェアは0.7ポイント増の7%となった。
 また、10年前の04年度との比較では、軽油の需要は15.5%減で、600万klの需要が消失した。SSの販売量も38.2%減と、供給ルートの中で最も減少が大きく、シェアも9.4ポイント下がった。フリートSSは7.7%減と減少幅が緩やかで、シェアは1.5ポイント増えている。
 一方、灯油は10年前と比べて39.5%減となり、1,128万klもの需要が消失した。SSの販売量も47.3%減とほぼ半減、278万klの需要を失い、シェアも3.1ポイント減少。これに対してホームセンターが0.7ポイント増の1.8%にシェアを伸ばした。






岐阜・SS設備リユース事業を開始
(12月16日付)

 改装などで不用になった機材を他のSSで再利用してもらう「SS設備リユース事業」を岐阜石商(山田菊雄理事長)がスタートさせた。まだ十分に使える洗車機や計量機といった大型機材から工具類などを廃棄処分するのではなく、必要とするSSに組合が仲介役となって斡旋する新規事業で、早くもミニローリーなど2件の売買が成立した。
同石商では、6年前に全国でいち早く廃タイヤ回収に取り組むなど独自のアイデアで事業展開し成果をあげていることから、リユース事業についても軌道に乗せたいと意欲を燃やしている。
 SS機材のリユースを思い立ったのは組合の事業委員会(後藤明彦委員長、関自動車社長・PB)。「給油所の改装やSS廃業・撤退等で不用となる中古機材を必要とする組合員も少なくないはず。組合が窓口となってこうした中古品の斡旋に乗り出したらどうか」の声が上がり、事務局が中心となって事業化を進めてきた。
 このほど動き出したリユース事業は、組合作成の「申込書」に売却希望の場合①対象設備とその写真②メーカー③型式④カラー⑤使用年数⑥故障や傷・汚れの有無などについて記入。購入の場合は①対象設備②要望等を書き込み、それぞれ事務局にFAX送信する。組合はこれらのデータを組合員の名前は伏せ、市町村名だけ記載して同組合専用のホームページ(HP)で紹介。HPを見た組合員から売買希望があれば、相手方の了解を得て当事者同士で価格や引き渡し方法を話し合ってもらう。売買が成立した場合は直ちに報告してもらい、HPにある該当商品に赤い『済』マークを付けていく。
 これまでに売却希望は購入希望は6件(計量機、ローリーなど)、購入希望は12件(ローリー、計量機、マット洗い機など)が寄せられ、使用年数5年の門型洗車機と未使用インパクトレンチの売買が成立し、それぞれ『済』印となった。売買は双方の話し合いで決め、組合は金額までかかわらない。
 同組合は2009年から廃タイヤ事業に全国で初めて着手。毎年4~5万本を回収し、その手数料は組合財政に大きく寄与している。
 青木光弘専務理事は「地域や系列の違いで、日ごろほとんど顔を合わせない組合員同士の情報交換の一つとして、リユースを活用してほしい。この事業が将来的に軌道に乗ったら、僅かな金額でも組合に手数料が入るよう関係法令を調べていきたいが、まずはこの事業のメリットをもっと知ってもらい、売買希望件数を増やすこと」と話している。


組合のホームページで他の組合員に紹介されたローリー




愛媛・官公需適格組合の資格取得
(12月16日付)

 愛媛石協(三原英人理事長=写真))は2日付で四国経済産業局から官公需適格組合の認可を受けた。これによって四国内4石協すべてが官公需適格組合の資格を取得したことになる。
 同石協では、各支部内の石油製品の需要動向などを把握しながら、官公需の受注に向けて具体的な準備を行っているが、「組合員への周知を進めながら、適格組合としての体制整備を行い、来年度からの受注につなげていきたい」としている。
 8月28日に閣議決定した「平成27年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」に、「中小石油販売業者に配慮」という画期的な新項目が明記され、官公需の平時からの分離・分割発注や随意契約の活用など、受注機会の拡大を関係自治体などに要請する動きや、官公需適格組合の資格取得を目指す動きが全国の組合で広がっている。






元売ヒアリング・非系列出荷2割弱に固定化
(12月11日付)

 資源エネルギー庁が2015年度7~9月期の元売ヒアリング結果をまとめた。ガソリン出荷量は、昨年4月からの消費増税による需要減の反動や原油価格急落による小売価格の値下がりなどで、前年同期比3.1%増の1,326万klとなった。系列向けが0.9%増の1,030万klと小幅な増加にとどまる一方で、非系列向けは5.8%増の230万klに増加。輸出を除く出荷量に占める非系列出荷量の割合は0.6ポイント増の18.3%に上昇した。非系列出荷が2割弱に固定化するなど、影響力が徐々に高まってきていることが浮き彫りとなった。石油流通課の佐合達矢課長が12月9日の全石連正副会長会議で報告した。
 非系列出荷量の割合を各社別にみると、全元売7社中5社で減少。増加した2社は安定的な非系列取引先への販売が増えたとした。ガソリン在庫量は7月以降160万kl台の低水準を維持した。
 2015年6月と9月時点の系列特約店と非系列取引の実仕切価格差は0.2円縮小の1リットルあたり2.7円で、13年6月に緊急ヒアリングを開始して以来の最小格差だった。また、同一都道府県内における系列内最大実仕切価格差は4~6月期に比べ0.4円拡大して5.5円となり、価格差が大きかった1社は主因として運賃格差や価格折衝の結果とした。
 一方、仕切価格体系については、7月に仕切価格の算定方法を変更した元売が1社あったが、それ以降は従前の仕切り体系を維持している。
 国内市況と仕切価格のかい離が生じた場合の事後調整や、週次改定を踏まえた特約店との価格交渉による調整については、原則として当月内で行っている元売が5社、原則として行っていない元売が2社だった。
 現状の仕切価格体系については、多くの元売が肯定的に評価する一方で、国内製品市況が原油コストとの連動性が低いことを問題視する元売もあった。商社などとの非系列玉の固定的な取引についても販売関連コストの有無の差だけ、販売子会社に対しても他の系列店と特段の差を設けていないと回答した。
 また、非系列取引先についてはJAのほか、PBや需要家なども安定的な取引先となっていることを明らかにした。
 エネ庁では仕切価格体系について、月内の調整であっても事後調整は「自社の仕入価格がわからず販売を行うことは、コスト意識に基づく自主的・合理的な経営を阻害するもので、原則として事後調整が行われないような基準価格の設定・運用が求められる」と提言。
 さらに、石油製品価格決定メカニズムの透明化・適正化を進めていくうえで、元売各社における商品先物市場の活用は流動性の低さもあって限定的となっているが、原油価格の下落傾向で各社が多額の在庫評価損を計上していることも踏まえ、欧米の先物市場などの利用実態と活用法について改めて検討していく方針を示した。
 このほか、14年度中に業転玉の購入を理由に特約販売契約を解除した元売は2社、業転玉購入を理由とした軽減認定制度の延長申請を認めなかった元売は5社だった。一方的に措置を執ることはしておらず、話し合いによる双方納得のうえで対応したとした。
 石油流通証明書による最終届け先の把握割合は、9月時点で94.2%と6月時点から横ばいだった。






岐阜・コストコ岐阜羽島店を不当廉売申告
(12月9日付)

 岐阜石商(山田菊雄理事長)は7日、コストコ岐阜羽島倉庫店(羽島市)のSSのガソリン販売価格について、不当廉売の疑いがあるとして公正取引委員会に調査を求める申告を行った。コストコSSの同日のレギュラーガソリン価格は113円だった。県内SSの平均価格は約130円となっており、同石商では、コストコのレギュラー価格が一般的な卸価格を下回っている可能性があり、不当廉売に該当するとみて、公取委に調査依頼を申し出た。
 コストコSSは倉庫店に先行し、10月16日にレギュラー115円でオープン。地元の既存SSに比べ10~20円安い価格設定だった。同石商はSSが会員限定のため、その動向を注視してきた。しかし倉庫店がオープンした先月20日には113円まで値下げ。その影響で顧客を奪われるなど、周辺の中小SSの被害が拡大していた。
 山田理事長は「市況が下がっているとはいえ、大企業が後ろ盾の不当な安売りで到底容認できない。愛知県常滑市でも破格値で問題を起こしているようだが、全国展開の量販店の横暴を許してはならない」と訴える。





JX、東燃ゼネ・17年4月目途に経営統合 4ブランドは継続使用へ
(12月7日付)

 JXホールディングスと東燃ゼネラル石油は3日、2017年4月を目途に経営統合を目指すことで基本合意書を締結した。2016年8月を目途に、経営統合本契約を締結する予定。経営統合の方法は、JX日鉱日石エネルギー(16年1月1日からはJXエネルギー)を吸収合併存続会社とし、JXHDの普通株式を対価とするいわゆる三角合併を基本とする。統合比率は、本契約を締結するときまでに両社で協議して決める。新会社グループは、それぞれの特約店、代理店、販売店などがグループのいずれに属していたかにかかわらず公平に対応し、長年にわたり培ってきた信頼関係をさらに発展させるよう努めていく。現エネルギー事業で使用しているENEOS、エッソ、モービル、ゼネラルの各ブランドは「経営統合後も継続して使用する」こととし、将来の統合エネルギー事業にとって最適なブランド政策については今後検討していく。
 同日、JXHDの木村康会長と内田幸雄社長、JXエネの杉森務社長、東燃ゼネの武藤潤社長と廣瀬隆史副社長が合同記者会見した。両社は内需が減少する中で、国際的競争力を有するアジア有数の総合エネルギー・資源・素材企業グループとして発展し、持続可能で活力ある経済・社会の発展に貢献することを目指す。
 両社は今後、相互信頼と公平公正かつ対等の精神にのっとり、ゼロベースで経営統合に向けて検討を行う。経営統合後は持株会社の下に統合エネルギー会社とJX開発、JX金属の3社を置き、「持株会社」および「統合エネルギー会社」で用いるにふさわしい新たな商号を検討。また、持株会社と統合エネルギー会社の本社はJXグループの本店所在地(現在移転中)とする。
 経営統合後、5年以内に連結ベースで年間1千億円以上の収益改善効果を達成することを目標とし、「製油所、油槽所などの統廃合」「川崎地区の製造拠点の一体運営」「組織の統廃合および効率化」「精製・製造、需給、物流、販売の最適化の実行」に関する具体的な計画を策定する。
 会見に臨んだ木村会長は、経営統合を目指す背景について「経営基盤を強く、競争力あるものにするとともに、石油産業の国際競争力の強化、さらにはエネルギー業界の発展に資すると考える。必ずや経営統合を成功させたい。また、多くの石油元売の歴史を背負っており、多くの歴史的ブランドを支えていただいた皆様に一層支持される経営を目指す」などと強調。武藤社長は「両社の強みを組み合わせることで、1+1が2をはるかに超える企業価値の向上を実現できると確信するに至った。単独でも5年、10年はいけると思うが、生き残るのが目的ではなく、企業価値を高めることが重要。特約店、代理店、販売店、SSとの関係は大事で、十分に話し合い、基本的方針に基づいて良い方向を決めていくことが大事だ。皆様から選ばれ続ける元売として、皆様とともに成長を続けていきたい」と訴えた。
 また、内田社長はここまでの経緯と意義などについて「今夏ごろから事業環境などを忌憚なく意見交換し、今後20年、30年という将来に向けた考え方を共有し合って理解を深め、選択肢の1つとして全面的な経営統合を秋口ごろから検討してきた。単純合算以上の付加価値を達成するため、武藤社長とともに陣頭指揮を執っていく」と説明、リーダーシップ発揮に強い意欲をみせた。さらに、他元売との提携関係を質されたのに対し、杉森社長は「現在の提携関係は尊重していきたい」、廣瀬副社長も「これまでの提携関係は最大限尊重し、さらに付加価値を上げる関係に進化させたい」との考えを示した。






自工会・自動運転ビジョンを策定
(12月4日付)

 日本自動車工業会は自動運転ビジョンを公表し、2020年までに自動運転技術を実用化し(導入期)、30年までにその普及拡大を図り(展開期)、50年までには社会に定着させる(成熟期)展開シナリオを定めた。20年東京オリンピックで日本の技術力を世界に発信するため、高度道路交通システム(ITS)や自動走行システムの実用化に向けた動きを加速させる。
 具体的には、20年に向けて「予防安全・運転支援システムの普及」、30年までに「ITSの普及」、「高速道などでの限定的な自動運転の導入」、「都市内での限定的な自動運転試験の運用」「自動駐車の普及」、50年までには「市街地などでの限定的な自動運転」「高齢化・過疎化に対応する限定的な自動運転」「大型車の隊列走行」を実現し、事故ゼロ・渋滞ゼロ、自由な移動と効率的な物流を目標に2輪車、自転車、歩行者を含むすべての交通参加者のために自動運転技術を役立てる。
 技術方式は車載センサーで周辺認識を行う“自律型”に加え、通信を利用して周辺情報と連携させる“協調型”へと高度化されていく。走行環境によって必要な技術レベルの違いも大きい。自動運転を実現するためには、通信システム、情報セキュリティー、高精度マップの開発や運用の仕組みづくりなどの「共通基盤技術」領域、法的整備や次世代交通環境整備などの「制度・インフラ」領域でも解決すべき課題は多い。自動化レベルを段階的に高度化しながら完全自動走行へと近づけることで、社会を支えるクルマとしての進化を目指す方針だ。





愛知県常滑・イオンSS新設で三つ巴に
(12月4日付)

 愛知県常滑市の中部国際空港玄関口の埋立地・りんくうタウンに12月1日、大型ショッピングセンター「イオンモール常滑店」のSSがオープンした。同店の隣では、コストコSSと地元PBSSが激しい値下げ合戦を繰り広げており、イオンの参戦で三つ巴の超激戦地となった。
 イオンモール常滑店のグランドオープン(4日)に先立ち開店したのは、三菱商事エネルギーグループのエム・シー・オイル(本社・東京都千代田区)が運営するイオン常滑SS(写真上)。
 8台同時給油可能な計量機を4基備える中規模SSで、オープン価格はイオンカード会員でレギュラー109円、ハイオク120円でコストコと同額。軽油はコストコより3円高の93円(写真下)。また、PBSSの会員価格はレギュラー107.8円、ハイオク118.8円、軽油88.8円で、現金フリーは3油種とも各1円高を掲げている。
 イオンSSも含め、3店いずれも県内の平均的な価格に比べて10~15円程度も安い。このため、すでに5回にわたって不当廉売での調査申告を公取委に提出している愛知石商(宇佐美三郎理事長)では、「地元中小SSの存続にかかわる」として、その判断結果を見守っている。







全石連・過疎地などのVOC実態把握へ
(12月2日付)

 全石連(関正夫会長)は、過疎地や離島などの中小SSに対するガソリン地下タンク容量やガソリン販売数量の実態把握に着手する。燃料蒸発ガス(VOC)低減対策の一環として、タンクローリーからSS地下タンクへのガソリン荷卸時(StageⅠ)および車両への給油時(StageⅡ)について、それぞれ排出抑制対策が求められる可能性が強まっていることを受け、全石連は「第2の老朽地下タンク問題になりかねない」として、3月20日に望月義夫環境大臣(当時)に、「SS向けにVOC対策が義務付けられた場合、零細企業が多い過疎地や離島のSSは存続不可能となる。災害時におけるエネルギー安定供給の”最後の砦”と位置付けられている地場SSを存続させるために、特段の配慮をお願いしたい」と要望しているが、過疎地や離島のSSのVOC排出の実態を把握し、「政策的な配慮を求めるための定量的なデータ」を整える。
 まず全国8支部から各1県(地区)を抽出し悉皆調査を実施、来年3月から本格化する中央環境審議会の動きに合わせる。
 SS関連のVOC対策は、中環審が「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について」(第12次答申)の中で、固定発生源に対するこれまでの取り組みと国内における対策のあり方で、「VOC排出量上位10業種のうち、燃料小売業においては自主的取組による排出削減が進まず、他業種ほどの低減が見られない」と指摘したうえで、StageⅠについて、「すでにいくつかの自治体では条例で対策が義務付けられており、今後推進していくことが強く望まれる」、StageⅡについては、「自動車構造側での対応(ORVR方式)、費用対効果等の実効性や欧米での状況等を踏まえたうえで、早急に検討する必要がある」とした。
 この答申を踏まえて、この9月に全石連、石油連盟、計量機工業会に対して中環審専門委のヒアリングが実施され、全石連は、給油時の対策については「StageⅡ方式ではなく、給油時、駐車時、走行時にも効果があるクルマ側でのORVR方式でお願いしたい」とする一方、StageⅠについては、「離島のSSの平均ガソリン販売量は、全国平均(月間131.7kl)のわずか17分の1の7.6klであり、エネルギーの最後の砦の任を担う小規模なSSに対して、過度の負担が生じないよう、格段の配慮をお願いしたい」と再度、要請している。
 これらの動きを踏まえ、全石連は「零細、中小SSが苦境に直面する、という定性的な表現ばかりでなく、今後の中環審などに向けての発信に際しては、過疎地や離島のSSの定量的なデータによる実態把握が不可欠」と判断、8支部を通じて、過疎地を多く抱える8石油組合に対して、総務省指定の過疎地(全国797市町村)に所在する組合員SSの①ガソリン地下タンク容量②ガソリン販売量③ガソリン計量機数―の調査を要請することとなった。