2016年4月


価格指標にプラッツ、OPISが参入
(4月27日付)

 透明性の確保が求められている中、石油製品の海上市場に25日から米国系プラッツ、26日から同じく米国に本拠地を置くOPISが相次ぎ参入した。これに国内のリム情報開発(本社・中央区)を加え、海上市場の価格指標の評価において急速な競争原理が働くことになった。海上市場に参入した2社は今後、陸上価格の評価もスタートする方針を示しており、高い関心を集めている。
 価格評価についてプラッツは独自のウィンドウ(取引画面)で参加者に取引を行わせ値付け。OPISはJOX取引やヒアリングをもとに値付けする。なお、先行したプラッツの25日価格評価は、東京=95.4円/L(ガソリン税込)、中京=95.2円、阪神=94.9円となっている。






公取委・フォローアップ調査の骨子を報告 販社の価格設定に警告
(4月27日付)

 公正取引委員会は20日に開かれた自民党石油流通問題議員連盟(野田毅会長)の役員会で、2013年7月にまとめた「ガソリンの取引に関する調査」のフォローアップ調査の骨子を報告した。
 この中で、仕切価格決定方式について、仕切りフォーミュラで決めている元売が、価格体系などを見直す際の交渉、各構成要素の額や販売関連コストの趣旨などの説明が特約店・代理店に十分に行われていないと指摘。13年調査後の公取委の改善要請が「十分に改善されていない」とした。
 自社業転玉がどの流通経路で販売されたものでも、自社の系列特約店・販売店が購入・販売することを制限してはならないとした13年調査後の元売各社への要請も、元売が自社業転玉をエネルギー商社に対し、特約店・販売店に売らないよう圧力をかけているとの指摘もあり、特約店・販売店の自社業転玉の自由な購入・販売が妨げられているとした。
 他社業転玉の取扱制限も、一部に「元売から看板を取り上げると脅されたため、他社業転玉の取扱量を大幅に減らすことを余儀なくされた」との指摘や「個別の交渉において他社業転玉を購入・販売していると不利に取り扱われる」とし、特約店が不当に不利益となるような行為は行ってはならないとの要請に対し、「改善が徹底されていない」とした。
 一部の元売が、自らの判断により、差別なく一律に、当月内で行っているとした“事後調整”は、特約店から「仕切価格の修正は毎月行われており、通知価格は建値化している」との意見や、「仕切価格が不透明になり収益管理ができない」「修正の額は市況の実態とかい離しており、修正を行う基準を明確にすべき」との指摘があった。値引き交渉も「小規模特約店は値引きを受けられるかどうか不確実である」なども意見もあった。
 販売子会社と一般特約店との仕切格差については、「販社は取引数量に応じたインセンティブ以上の仕切格差がある」との指摘や、「一部の販社が率先した安売りや底値に張り付くような価格設定をしている」との意見があった。
 こうしたフォローアップ調査の実態を受けて、公取委は、仕切価格の決定方式について、各構成要素の額および販売関連コストの趣旨や用途についての説明を各特約店に十分に行うべきと指摘。事後調整も「元売の販売政策に従わせやすくする効果が生じ、特約店の事業活動を制限することになりやすいため、事後調整の実施基準を可能な範囲で明確にし、示す必要がある」と指摘した。また、特約店・販売店の自主的・合理的な経営行動を阻害するおそれがあることから、「当初の仕切価格を市況の実態に即したものに見直すべき」とした。さらに、特定の系列特約店を競争上著しく有利または不利にさせるなど、合理的な理由なく差別的な取り扱いをした場合や、販社に対して同一商圏の一般特約店に比べ、取引条件や取引内容の相違を超えて著しく低い仕切価格で販売した場合にも、独禁法上の差別対価になると指摘。販社が油外収益をガソリン販売に補てんすることや、元売から付与されたインセンティブを特定SSが有利になるよう配分することによって低価格で販売し、周辺事業者の経営を困難にさせる場合には不当廉売になるとした。
 一方、元売がエネルギー商社に自社業転玉の当該元売系列特約店・販売店に販売することを制限するなど、エネルギー商社の事業活動を不当に拘束する場合には独禁法上問題(拘束条件付取引)になると指摘。自社業転玉について系列特約店・販売店がエネルギー商社から自由に購入することが可能になることが望ましいとした。
 公取委では今後、フォローアップ調査骨子に基づき、報告書を作成。不透明な仕切価格体系の実態や自社業転玉の取扱制限などについて、元売各社に改善の徹底を求めていく。また独禁法違反事案への厳正な対処とともに、元売の経営統合後の新会社の対応を含め、引き続き、ガソリンの流通動向を注視していく。
 全石連は同調査の内容を精査し、新たな問題点や要望事項などを検討することとした。






石油議連・SSのVOC対策に〝待った〟
(4月25日付)

 自民党石油流通問題議員連盟(野田毅会長)は20日、自民党本部で役員会を開き、石油販売業界の要望事項を聞くとともに、SSに多額な追加コスト負担を迫るような議論が進められている揮発性有機化合物(VOC)の低減対策について、環境省から説明を求めた(写真)。また、公正取引委員会が2013年7月にまとめた「ガソリンの取引に関する調査」のフォローアップ調査の骨子を報告した。
 冒頭、全石連の関正夫会長は「熊本地震はなかなか収束しない状況で心配している。我々は小売業として被災された方々の一番近いところにおり、石油連盟や資源エネルギー庁などのご協力をいただきながら、我々が一生懸命頑張ることが国のためになる」と、業界挙げて石油製品の安定供給確保に万全を期す考えを強調。続いて河本博隆副会長・専務理事が、相次ぐ地震で停電が発生する中、中核SSなどを中心に、自家発電機を稼働させ緊急車両等への優先給油など供給確保に懸命に取り組んでいる熊本県内の石油販売業者の震災対応を説明した。
 石油販売業界からの要望事項では 1.VOC低減対策など、PM2.5等大気汚染対策の見直しのほか、2.卸価格体系について、公正で透明な競争環境ルールの確立や、需給を適切に反映した卸価格指標の構築 3.公正取引確保に向け、元売統合によって、市場での販売子会社SSのシェアが高まることへの適切な対応(公正取引委員会に意見書提出済み)と、公取委・資源エネルギー庁による電力・ガス取引でみられる「適正取引ガイドライン(仮称)」の制定を求めた。このほか、4.灯油ローリーや省エネ型洗車機などの購入支援、過疎地対策や災害対応能力強化に対する支援など、石油販売業の経営安定化に資する支援策の継続強化を訴えた。
 一方、議連でも取り上げられた日本郵便が進めている本社一括のガソリン調達については、「日本郵政と議論させていただいた結果、大変話がうまくまとまり、これを契機に各郵便局と協力関係を結んで取り組んでいくことになった。先生方のご指導に感謝申し上げたい」と述べた。
 大気汚染対策について環境省は、PM2.5は中国等からの越境汚染の影響が西日本などで大きいものの、国内発生源も一定の寄与割合を占めていることから、VOC排出削減などの国内における排出抑制対策を確実に進めることが必要と指摘。VOC排出削減対策については、タンクローリーからSSの地下タンクへの荷卸し時の対策と、計量機から車への給油時の対策があり、これらの対策が欧米で義務化されており、給油時の対策は欧州ではSS側、米国では車両側(ORVR)での対応が行われているとした。「どちらの対策がいいかは中央環境審議会で議論の途中であり、環境省でも決めていない。対策技術ごとの実行可能性や技術的課題、対策による効果、費用対効果などを検討し、様々なご意見をうかがいながら決めたい」と述べた。
 これに対して出席した議員からは、「SSに1,000万円もの新たな負担が生じるとなると、公的な対応策がなければ実行できないのではないか。車が1万円程度で済むのであれば、自動車メーカーと協議しながら対応できる余地があるのではないか」(田中和徳議員)と指摘。また「SSはエネルギー基本計画で、『エネルギー供給の“最後の砦”』と位置づけられた。SSにさらに過度な負担を強いることは国民生活に大きな影響を与える。自動車メーカーはORVR付きの車をつくっている。米国的な対応が望ましい」(中村裕之議員)と訴えた。
 望月義夫前環境大臣は「SSからの排出割合は全体の1%程度。だからといって見過ごすわけではないが、SSは地下タンクの規制強化などもあって約3万ヵ所まで減少した。政府は地方創生を掲げているのに、これで1,000万円もかけて対応しなければならなくなったら、SSは皆やめてしまう。SSに負担をかけさせるのは理論的に成り立たない。よく考えて答えを出すべき」と述べた。
 野田会長は「先生方が述べられた意見が議論の総意だ。エネ庁・経産省の中でもしっかり調整してほしい」と、SSに追加的な負担を求める対策に待ったをかけた。






災害時石油連携計画で出動、病院などへ配送
(4月22日付)

 エムロード(本社・熊本市、三角清一社長)と新出光(本社・福岡市、出光泰典社長)は、「熊本地震」で被災した病院や高齢者福祉施設などに燃料を緊急供給している。東日本大震災の教訓で設けられた『災害時石油連携計画』に基づく対応で、発動されたのは初めて。
 燃料の供給が途絶した施設から市町村などを通じて、経済産業省が元売や全石連に支援を依頼。供給量が比較的少ない場合は全石連が各地のSSに協力を求めて、燃料を搬送する“官民”協力の仕組みだ。
 地震発生直後から、震源地に近い熊本市東区の病院、益城町の老人福祉施設などから次々に「停電したために自家発電機用のガソリンや軽油を供給してほしい」という要請があった。全石連は直ちに近隣の特約店や販売店に連絡、エムロードと新出光が対応してくれることになった。
 16日~19日夕までに、両社のタンクローリーが要請のあった計6ヵ所の施設に軽油やガソリンを届けた。それぞれの施設は「もう少しで燃料がなくなるところだった。燃料がなければ夜間はどうすることもできなかった。本当にありがたい」と感謝していた。
 『災害時石油連携計画』により16日午後から共同オペレーションルームが開設され、元売各社・全石連・熊本・大分県内の中核SS・小口燃料配送拠点が協力して安定供給を確保する体制を整えている。
  ◇  ◇
 新出光は18日、九州電力の要請を受けて、停電が続いていた阿蘇市内牧にタンクローリーで軽油を緊急配送し、電源車に給油した。


電源車に軽油を供給する新出光のタンクローリー(阿蘇市内牧で)




経産省・20年にEV・PHV100万台へ
(4月15日付)

 経済産業省はEVやプラグインハイブリッド車(PHV)の普及に向けたロードマップを策定し、公表した。政府目標として掲げる「2030年までに新車販売に占める次世代自動車の割合を5~7割とすることを目指す」ため、16年2月末のEV・PHVの累計販売台数14万台から、20年に7倍強となる100万台(保有ベース)まで増やすことを目標として掲げた。また、20年に向けて、大規模商業施設や宿泊施設、観光施設などに充電器2万基(急速・普通、既設分を含む)の設置を目指すとした。
 EV・PHVの普及を促すインフラ整備に向け、電欠の懸念を払拭し、安心感を高めるために、道の駅や高速道路のSA・PAなどのわかりやすい場所に計画的に設置していくことや、最適配置を進めるため、都道府県の充電器整備計画の見直しを促す。このほか、共同住宅や職場などへの設置、関係者(国、自動車メーカー、ディベロッパーなど)が幅広く連携する推進母体の立ち上げなどの取り組みを強化すべきとした。






オカモトグループが九州に初進出
(4月15日付)

 北海道から全国展開しているオカモトグループのヤマウチ(本社・香川県高松市、岡本将社長)が佐賀県唐津市に「セルフ唐津バイパス」をオープンした。九州・沖縄県では初めての出店で、近隣のSSをかなり下回る低価格で販売。今後も九州各県に進出する意向を示しており、大分県に開店するという情報もある。
 出店したのは唐津市の唐津バイパス沿いで、大型商業施設・イオン唐津の近く。4月1日に開店し、24時間営業。オープン特価ではガソリン97.8円、軽油77.8円、灯油41.8円(ポイントプリカ)を打ち出した。
 オカモトグループは、北海道帯広市に本社を置き、「生活応援企業」として、石油製品から映画・音楽・書籍、インターネットカフェなど幅広い事業を展開している。ヤマウチはグループ企業の一つ。
 同社は「お客様に喜んでいただくために1円でも安く提供するとともに、厳しい品質管理で安心・安全な製品をお届けし、地域の皆様のお役に立ちたい」としている。また、「これからも条件に適した物件があれば出店したい」という意向も示しており、九州各県での開設を検討しているとした。
 大分県のSS関係者によると、近日中に県内でSSを開設する動きが進んでいるという。ヤマウチ側は「現在交渉中なので明らかにできない」としている。
 九州では、同じ北海道に本社を置くアサヒ商会が“低価格路線”で福岡、佐賀、長崎、熊本、宮崎、鹿児島県に計8店を開設している。アサヒ商会に続くオカモトグループ進出が九州市場にどう影響するかが注目される。


佐賀県唐津市にオープンした「ヤマウチセルフ」




2015年・世帯平均灯油購入量は194リットル
(4月13日付)

 総務省が発表した2人以上世帯の2015年家計統計によると、灯油購入量は全国平均で前年比6.3%減の194.4klと、3年連続で前年実績を下回った。原油価格の急落による小売価格の値下がりで、パワフルな暖房性能に加え、コストメリットも加わった灯油だが、暖冬の影響で電気・ガスへの燃料転換の動きに歯止めがかからず、需要減が顕在化しつつあることが明らかとなった。
 内需が縮む厳しい市場環境の中で、18市が前年を上回り健闘したものの、神戸(42.7%減)、千葉(34.3%減)、東京23区(28.7%減)など、少量都市での需要減に拍車がかかっていることが浮き彫りとなった。平均単価は22円安の78.05円/Lと10年(72.36円/L)以来5年ぶりの低水準となった。平均単価は下落したものの、購入量の減少が響き支出額は5,781円安の1万4,798円に下落し、10年(1万6,913円)以来5年ぶりに2万円台を割り込む低水準となった。
 都道府県庁所在地と政令指定都市の計52市別(表参照)で、灯油購入量の最多は14年も1.青森の1040.6kl(前年比4%減)。次いで 2.北海道(1,002.1L)3.秋田(693.4L)4.山形(621.9L)5.盛岡(614.6L)の順。最少は 1.大阪の20.3L(11.9%増)となった。次いで2.東京23区(23.6L)3.神戸(26.5L)4.横浜(38.8L)5.千葉(48.5L)の順。
 東日本大震災発生前の10年から15年までの推移をみると、10年の235.4Lから11年に240L、12年も243.1Lと増加。ただ、小売価格の値上がりによる消費者の買い控え・節約指向の高まりで13年は229.4Lに減少、14年も207.4Lと前年割れとなった。小売価格の値下がりで、需要増が期待された灯油だが、暖冬という天候要因にも揺さぶられ今シーズンは期待外れの商戦となった。






2014年犯罪統計・SSでの犯罪発生は4,043件
(4月8日付)

 警察庁が公表した2014年犯罪統計によると、SS(LPGスタンドを含む)で発生が認知された刑法犯の件数は前年比3.6%減の4,043件だったことが明らかになった。2000年以降、ピークをつけた03年の1万1,588件に比べると約3分の1にまで減少、SSの防犯対策が進んだ様子も伺えるが、登録SS数(各年3月末現在)から単純試算した過去3年間の発生率は12%、ここ6年間でもほぼ同様の傾向が続いており、油断は禁物だ。
 SSにおける刑法犯認知件数を犯罪種別にみると、窃盗が全体の65%を占める2,643件で、うち侵入窃盗が448件、非侵入窃盗が2,114件だった。
 侵入窃盗の内訳は、「給油所荒らし」356件(前年は327件)、「金庫破り」72件(70件)といずれも増加した。また、「乗り物盗」は81件(84件)で、うち自動車盗が18件(22件)、オートバイ盗が17件(24件)。
この中で、給油所荒らしの被害程度は「被害なし」110件、「10万円未満」108件、「50万円未満」70件、「100万円未満」18件、「500万円未満」8件、「1,000万円未満」1件などとなった。また、解決事件を除いた196件中、単独犯が100件、2人組が75件で、主たる被疑者の年齢層構成割合は「20~24歳」が全体の35%と最も多く、「25~29歳」が19%、「30~39歳」が16%、「40~49歳」が15%、「50~59歳」が12%と続いた。
 一方、非侵入窃盗の内訳では、「置引き」636件(627件)、「自販機狙い」99件(121件)、「職場狙い」95件(111件)、「車上狙い」43件(43件)、「部品狙い」20件(15件)で、自販機狙いと職場狙い以外は減らなかった。
 2000年以降の傾向としては、侵入窃盗の減少が目立つ。「現金を置き残さない」などSS業界を挙げた防犯意識の高揚、監視カメラやセンサーなど機械警備の導入拡大、警備会社の活用も奏功している模様。反面、非侵入窃盗の割合が相対的に上昇、特に置引きが増えている。
 なお、国内全体での刑法犯認知件数は前年比7.8%減の121万件と、戦後最多を記録した02年(285万件)から12年連続で減少した。






環境省・「炭素の価格化」検討へ
(4月6日付)

 環境省は先ごろ発表した「パリ協定から始めるアクション50―80~地球の未来のための11の取組~」の中で、炭素税や賦課金、排出量取引など、「炭素の価格付けに関する制度」(炭素の価格化)の導入を検討していることを明らかにした。
今後は技術のほか、ライフスタイルや経済社会システムの変革を視野に入れ、社会構造イノベーションの絵姿として、長期低炭素ビジョン(仮称)を策定し、中央環境審議会で検討していく予定。
 「炭素の価格化」には、CO2の排出量に応じて課税する炭素税や、排出量に上限を設けて企業間で不足分や余剰分をやり取りする排出量取引がある。同制度を長期的視点から検討すべき取り組みの1つとして挙げている。






東京電力・2018年度中に「ゼロ石油火力」へ
(4月6日付)

 C重油の最大需要家である東京電力が2018年度中に石油火力を全停止するという報道が流れた。3・11東日本大震災から丸5年を経過し、全原発が停止する中で国内の電力需要を支えて再評価された石油だったが、『環境』と『効率』という両面で、電力から“脱石油”どころか“ゼロ石油”を突きつけられようとしているもので、元売各社の今後の中期計画や精製2次装置構成にも影響を与え、ひいてはガソリン需給にも大きな影響が出そうだ。
 石油火力は、1966年度に石炭を抜いて国内電力の電源トップとなり、石油危機による国策としての『脱石油』によって、85年度に液化天然ガス(LNG)と原子力に抜かれて3位に転落する間の20年間はトップ電源であった。ピークの73年度のBC重油シェアは1億1,000万kl(うち電力向け3,405万kl、別途に原油生炊き2,360万kl)で燃料油内需の約半分、当時2,700万klだったガソリンの4倍以上を占めた。その後、相場要因による多少の増減はあったものの、ほぼ一貫して減少を記録し、2009年度には1,643万klまで減少、うち電力向けは558万kl(このほか原油生炊き364万kl)まで低下した。
 ところが3・11による石油火力復活で、12年度は2,744万kl、うち電力向け1,607万kl(原油1,348万kl)となり、精製元売はごく短期間で3倍近い火力発電ニーズに応える実績を挙げた。「連産されてしまう他の燃料の需給を悪化させ、採算性を損なってでも、C重油供給を確保した」というのが当時の実態だ。このことを踏まえて、石油連盟は昨年5月に、「電源の長期的な計画外停止などに備えた予備力として、どのような電源を位置付けるかを検討することが必要」、「最近の実績を踏まえ、エネルギー基本計画でピーク電源及び調整電源とされている石油火力の位置付けを明確にすることが必要」、「予備力として石油火力を活用するためには、緊急時のみの運用では国内サプライチェーンを維持できないため、石油火力の平時からの一定稼働が必要」と提言した。長期見通しで30年に3%とされた石油火力の位置付けに対し、「リプレース」を前提に「上方修正を求めた」ものであったが、「電力からはゼロ回答が帰ってきた」という経緯となる。
 元売各社のC重油の近況(3月期14年度、12月期15年実績)は、12年度以降は再び減少に転じているが、最大手JXエネが708万kl(うち電力向け501万kl)、出光272万kl、東燃ゼネ214万kl、コスモ166万kl(電力向け82万kl)、昭シェル107万klとなっており、東電・ゼロ石油の影響は、JXエネが最も大きいとみられる。さらに、元売各社には「一定の役割を石油火力が担う」ことを前提に組み立てられてきた中期計画、今年度末期限の第2次高度化法対応など、大きな修正を余儀なくされるもので、今後はガソリンや中間3品需給にも影響が出てきそうだ。