2016年6月


JASS2675ヵ所、セルフ率は33%に
(6月29日付)

 JA全農がまとめた2016年3月末現在の47都道府県別SS数は、前年同期に比べ46ヵ所減の2,675ヵ所に漸減する一方、セルフSS数は21ヵ所増の884ヵ所へと増加した。SS数が減少傾向にある中で、セルフは年々増えており、セルフ率は33%と業界平均の28.7%を上回り、各地でセルフへの転換を急速に進めていることがわかった。
 SS数は一昨年の49ヵ所減、昨年の57ヵ所減、今年の46ヵ所減と、40~50ヵ所のペースで減少。これに対し、セルフは一昨年の33ヵ所増、昨年の28ヵ所増、今年の21ヵ所増と増加傾向は緩みつつあるものの、ガソリンの需要減を背景に各地で販売競争が激化する中で、セルフを中心にJA-SSの存在感が高まっている。JAでは近年、経営効率化などを目的に、老朽化した小規模なSSの廃止を進める一方で、大型セルフに集約化するなど、SSの競争力強化に向けた積極的な取り組みが浮き彫りとなっている。
 県別にみると、SS減は20道府県に上り、新潟95ヵ所(7ヵ所減)、北海道274ヵ所、奈良15ヵ所(各5ヵ所減)などとなった。
 一方、セルフは、SS数が減少傾向にある中で着実に拠点を増やしており、セルフ率は1.3ポイント増の33%に上昇。県別では、長崎14ヵ所(4ヵ所増)、島根13ヵ所(3ヵ所増)となるなど15道県で増加した。セルフ率は全2ヵ所ともセルフの大阪を除くと、愛知61.7%、埼玉59.3%、宮城56.9%、茨城52.9%に達するなど、ガソリンの過当競争が著しい激戦地ほどセルフ化が進んでいることが判明した。






2015年度・ハイオクレシオ10.7%に減少
(6月29日付)

 ハイオクレシオがじわりと減少している。資源エネルギー庁の資源・エネルギー統計による自動車用ガソリン販売に占めるハイオクガソリン販売の比率は、2015年度平均(15年4月~16年3月)が前年度比0.1ポイント減の10.7%に落ち込んだ。一昨年夏場以降の原油価格の急落によって、小売価格も値下がりに転じたことで、ハイオクを含めたガソリン需要も小幅な回復傾向がみられた。ただ消費増税後もレギュラーとの価格差が変わらず、ハイオクマージンは減少傾向にあり、SSの重要な付加価値商品であるハイオクのマージン回復が喫緊の課題となっている。
 15年度のハイオク販売量は前年度比2.7%増の683万klに増加した。4月は前年の消費増税による駆け込み需要の反動減が発生したため、9.7%増の55万klと大きく販売量を増やした。7月が1.2%増、8月が4.1%増と猛暑によって需要が伸び、10月以降も6ヵ月連続で前年を上回るなど堅調に推移した。
 レシオはゴールデンウィーク期間、お盆期間を中心としたドライブ需要の盛り上がりなどで、4~5月、8月の3ヵ月間は11%となったが、他の9ヵ月間は10%台に沈むなど、ハイオクの需要拡大には盛り上がりがかける結果となった。
 20年前の95年度は、ハイオクの年間販売量が1,055万klで、レシオは20.6%と2割を超えていたが、10年前の05年度には年間販売量は1,113万klに増加したものの、レシオは16.2%に下落した。
 その後、ガソリン販売は04年度をピークに減少傾向をたどっており、それに伴ってハイオク販売も前年を下回る状況が続くなど、需要の縮小傾向が進んでいる。最近の実績をみても、2年前の13年度は前年度比4.3%減の729万kl、レシオは11.1%に、14年度は8.8%減の665万kl、レシオは10.8%まで落ち込んだ。
 一方、14年4月から消費税が5%から8%に上がったものの、ハイオクとレギュラーの価格差は10円程度で変わっていない。さらに、販売競争の激化でガソリンマージン自体も廉売地域などでは5円以下に沈んでいるところもあり、収益悪化の進行に危機感が高まっている。






富士経済・2035年に日本はHV200万台へ
(6月27日付)

 富士経済が6月15日公表した2035年のHV・EV世界市場予測によると、年間販売台数は15年比でHVが2.9倍の468万台、PHVが31.7倍の665万台、EVが16.7倍の567万台で、PHVとEVがHVを上回ると見込んだ。うち、日本のHV市場は2.3倍の200万台で、世界シェアの43%(15年は54%)を占めると予想している。
 現状ではHVが先行しており、25年ごろまでは次世代車の中心を維持するが、HVは一部の日本メーカーが注力するにとどまり、今後の市場の伸びは緩やかになる一方、PHV・EVは25年以降に市場の伸びが加速し、30年ごろには三つ巴へとほぼ拮抗すると見通している。
 エリア別にみると、日本はHVが次世代車の主流で、PHVは20年ごろからミドルクラス以上を中心に車種が増え、EVは走行距離が200マイル(320km)を超える車種の発売によってユーザー層が広がり、自動運転や充電インフラの技術革新と連動して、25年ごろから市場の伸びが期待されるとした。
 また、北米はZEV規制に合わせてPHV・EVの多車種展開が進み、PHVは36.4倍の182万台で世界シェアの27%を占め、EVも20年ごろから市場が大きく伸びるとしつつ、「ピックアップトラックの電動化などが課題」とも指摘。欧州は購入時の補助や優遇策がPHV・EVの販売を後押しし、「欧州メーカーもPHVの多車種展開を計画、25年ごろには比較的低価格のPHV」も発売されて、PHVは24.1倍の217万台、EVは14.9倍の149万台と見込んだ。
 さらに、中国は政府計画で20年までに新エネ車(PHV・EV)の目標走行車数を500万台としており、新エネ車産業の発展を見据え、電力需要を担う原発建設や充電設備の整備を計画、EVは13.5倍の203万台、世界シェアは36%に達すると予想した。






1~3月期元売ヒアリング・業転格差2円に縮小、非系列出荷18.1%
(6月27日付)

 資源エネルギー庁は、2015年度1~3月期(16年1~3月)の元売ヒアリング結果をまとめた。多くの元売が、系列SSによる事後調整の存在や期待感によって、コスト意識に基づく販売を阻害していると認識。事後調整の期間も、一部に翌月または最大で3ヵ月前に遡って行われている実態も判明した。公正・透明な卸価格指標の形成に向け、国内スポット価格に新たな価格情報会社が参入している点については、スポット価格の透明性・公正性の向上に期待しているものの、その利活用は1社を除いて様子見の状況にある。一方、ガソリン出荷は非系列玉と系列玉との価格差が2円に縮小したことで、系列向け出荷が増加するなど、系列回帰の動きが浮き彫りとなった。
 4月に取りまとめた熊本市を対象に実施した『石油流通実態把握調査結果』で、系列SSにおける業転格差の許容度が平均で1.8円となったことを踏まえ、元売各社のブランド政策とブランド料(販売関連コスト)の評価について確認したところ、全元売がブランド料(販売関連コスト)は販促支援、各種カード施策、POSシステムの提供および人材育成などのブランド維持コストとして必要な水準であり、「特約店からも理解を得ている」または「理解を得るよう努めている」とした。
 1~3月のガソリン出荷量は、輸出量の増加に加え、内需出荷量も微増したため、前年同期比4.1%増の1,295万klとなった。系列向けが1.4%増の939万klと増加したのに対し、非系列向けは1.7%減の208万klに減少。輸出を除く出荷量に占める非系列出荷量の割合も0.6ポイント減の18.1%に減少(4社は減少、3社は微増)した。ガソリン在庫量は5月の定修に向けて在庫を積み増した社もあり180万kl台となったものの、14年6月以降160~170万kl台の低水準を維持している。
 3月時点の系列特約店と非系列取引の実仕切り価格差は、12月時点から1円縮小し、1リットルあたり2円となり、13年度からの緊急元売ヒアリングで最小の格差となった。また、1~3月期の同一都道府県内における系列内最大実仕切価格差は、10~12月期に比べ0.3円縮小し5.5円となった。このうち、実仕切価格差が大きかった1社は、その主要因として運賃格差や価格折衝の結果を挙げた。
 石油流通証明書による最終届け先の把握割合は3月時点で95%。12月時点から1ポイント増と小幅ながら上昇した。
 エネ庁では、総合資源エネルギー調査会資源・燃料分科会において、今月15日に『中間論点整理』を取りまとめている。公正・透明な市場形成と取引環境の整備に向けて、仕切価格の事後調整や卸価格指標の構築などを政策課題として取り上げ、今後具体的に検討していく方針を明らかにした。






資源・燃料分科会で中核SS拡充を提言
(6月22日付)

 資源エネルギー庁は15日、総合資源エネルギー調査会資源・燃料分科会を開き、2016~20年度までの石油備蓄目標を定めるとともに、今後の石油中下流部門(調達・精製・流通・販売)の政策の方向性などについての『中間論点整理』をまとめた。また、石油販売業界を代表し委員として参加する全石連の河本博隆副会長・専務理事は、4月に発生した熊本地震を教訓に、SSの災害時対応能力の強化・拡充の必要性を提言した。
 河本副会長・専務理事は、「中核SSは石油備蓄法上も位置づけられ、設置されている自家発電機も現状は基本的に中核SSにのみ補助が出ている。中核SSの供給カバー率は市町村単位では3割程度となっている。今後どこで震災が起こるかわからない。要件を緩和し、中核SSの定義を広げ、供給カバー率を上げていくべき。熊本地震では中核SSでないSSがたまたま自家発を設置していて、それが大きく活躍した。来年度予算編成に向けてぜひ検討をお願いしたい」と要請した。
 また、「自治体や病院などの重要施設の非常用電源は非常に重要であるが、非常用電源の重要性に対する自治体の認識が不足している。全石連を通じた補助制度(1.2億円)もあるがなかなか申請が上がってこない。予算規模を1桁アップして、補助制度を活用できるようにすれば、国民の生命・財産を守ることにつながる」と政策支援の強化を訴えた。
 これに対し、佐合達矢石油流通課長は「SSの災害対応力を高めていく必要がある」との認識を示したうえで、中核SSの拡大については「頭の整理が必要だ」と今後検討していく考えを示した。需要家サイドの自家発導入などについては、「国として考えていくところと、各自治体でどのようなお考えがあるかということもある。互いに連携を図りながらより一層災害時対応力強化に向けて検討していきたい」と述べた。
 石油連盟の木村康会長は「公正・透明な市場形成と取引環境の整備は重要な課題であり、石油業界としても、引き続き取引慣行の透明化・適正化に取り組むとともに、価格指標の適正化・透明性向上に取り組んでいる」と指摘。そのうえで「(中間論点整理で)元売会社の特約店などに対する仕切価格決定方式について、より一層国内需給を適正に反映した形に見直すことが期待されるとしたが、仕切価格の決定は、各元売会社の自主的判断に委ねられるべきであり、こうした点にも十分配慮してほしい」とした。
 一方、熊本地震への石油業界一体となった石油製品の安定供給確保に向けた取り組みについて、電気事業連合会の廣江譲副会長から電源車への燃料供給に対して、「石油業界から大変大きなサポートをいただいた」と感謝の言葉を述べた。
 今回取りまとめた『中間論点整理』では、SSが中長期的に燃料の安定供給の役割を果たすため、「将来の再投資に必要な収益力の確保が必要」と指摘。そのために①流通段階の経営統合・集約化、業務提携、物流の合理化などを通じた生産性向上、②地域・顧客のニーズに応えられる多角的なビジネス展開を進めていくために必要な政策のあり方を課題に挙げた。
 さらに、卸取引のより一層の透明化・適正化に向けて「元売から特約店などへの卸価格の事後的な調整(事後調整)の実施基準の明確化を含む卸価格決定方式の明確化など、より一層の取引の透明化・適正化について議論を深め、国は事業者に対するガイドラインの策定を進めるべき」と提言。さらに国内需給を適切に反映した、市場参加者に信頼される卸価格指標の構築と、それに連動した仕切決定方式への見直しの必要性を訴えた。今後こうした論点を具体的に検討していくワーキンググループなどを設置し、今夏以降検討していくこととした。
 20年度までの石油備蓄目標については、国家備蓄がこれまでの数量目標(5千万kl)を改め、輸入量の90日分とした。元売会社に義務付けている民間備蓄は従来通り消費量の70日分とした。


SSネットワークの強化・拡充を訴えた河本副会長・専務理事(左)




全石連・神戸で総会、森新執行部が始動
(6月20日付)

 全石連(全石商・全石協)は16日、神戸市で通常総会を開き、全国各地の組合員・SSによる石油流通網の堅守を通じ、エネルギー供給"最後の砦"として、地域社会との共生を永続するための新年度事業をスタートさせた。任期満了に伴う役員改選では、関正夫会長の勇退を受けて森洋新会長が誕生。石油内需減、元売再編など経営環境の変化を見据えて3部会を新設、副会長も3人増員し、5氏が新任されるなど、諸課題にも柔軟かつ迅速対応していく組織体制へと拡充した。一方、SSビジネス見本市には近畿支部管内からの参加を含めて約1,500人が参集し、新たなビジネスチャンスを模索した。
 総会には、全国から約400人の各地組合役員が参集。初めに、この1年間に亡くなられた業界関係者に黙祷をささげ、開催地区を代表して西尾恒太近畿支部長が「総会会場の名称は、平清盛が開いた“大輪田泊(おおわだのとまり)”に由来する大輪田の間。神戸は開港150周年を迎える国内屈指の港だが、その素地は古い。大輪田泊に思いをはせて、ぜひこの貴重な“最後の砦”、ライフラインとしての地位を確かなものにし、総会を契機にそれぞれの英知と経験を結集し、より良い石油業界へと発展する礎となることを念じたい」と歓迎。関会長が冒頭であいさつするとともに、登壇した来賓各氏を紹介、代表の3氏が祝辞を述べた。
 続いて、新任された6府県理事長を紹介。表彰式では国家表彰受章者3氏、功労役職員73人、共同事業表彰の優秀14組合、準優秀5組合、優良11組合の各代表者にそれぞれ表彰状を手渡した。
 その後、議長に西尾近畿支部長、副議長に宇佐美三郎中部支部長と喜多村利秀九州支部長を選任して議事に入り、市場変化に対応したSSの経営革新、公正・公平な取引環境の実現、安心安全のためのSSネットワーク強化を推進する新年度事業計画など、全提出議案を承認した。
 また、任期満了に伴う役員改選で森洋新会長が選出され、所信を表明。関会長は名誉会長に就任し、森会長から贈られた感謝状に謝意を述べたうえで、新執行部にエールを送った。このバトンを受け、事業環境の大きな変化を踏まえた部会体制のさらなる充実化と、それをリードするため副会長を増員した新執行体制を早速始動した。
 最後に、次期通常総会を中部支部管内の三重県志摩市・賢島で開催することとし、宇佐美支部長が「地元の亀井理事長とともに、皆様に喜んでいただけるようご案内したい」と述べて閉会した。


SSサプライチェーンの維持・強化に取り組むことを誓い合った




総(代)会ほぼ終了、5府県で新理事長
(6月16日付)

 5月13日の福井・香川を皮切りに始まった各地総(代)会は、震災影響で今月23日に開催を延期した熊本を除き、8日の山形・三重で終了し、28道府県で任期満了に伴う役員改選が行われたうち、理事長は23道府県で再選、5県で新任された。
 沖縄は全石連に合わせて改選期を1年前倒し、濱元清理事長(三光社長・出光系)を3選。一方、千葉・安藤順夫(千葉石油社長・出光系)、岐阜・澤田栄(丸栄石油社長・出光系)、石川・吉岡英一郎(丸一石油社長・JX系)、大阪・安井一男(昭栄社長・JX系)、香川・国東宣之(四国石油社長・コスモ系)の5氏が新理事長に就いた。また、岡山では昨年11月に就任した小出総太郎理事長(東真産業社長・JX系)が再選された。
 そのほか、全石連8支部の改選では、関東・浜田忠博(新潟理事長、新潟シェル社長・昭シェル系)、四国・天野博司(香川副理事長、天野商事社長・JX系)の2氏が新支部長に選任され、他の4支部長は続投。総会を28日開催予定の中部支部は宇佐美三郎支部長(愛知理事長、宇佐美鉱油社長・出光、JX系)の再選が内定。近畿支部(西尾恒太支部長)は21日に総会を開く。
 再選された理事長、全石連6支部長は次の通り(敬称略)。
 ▽北海道・伊藤豊(アイックス社長・出光系)▽岩手・宮澤啓祐(宮澤商店社長・昭シェル系)▽宮城・佐藤義信(丸山社長・JX系)▽福島・根本一彌(根本石油会長・JX系)▽新潟・浜田忠博▽愛知・宇佐美三郎▽三重・亀井喜久雄(亀井商事社長・JX系)▽富山・島竜彦(島石油社長・JX系)▽福井・井田浩志(井田石油社長・JX系)
 ▽滋賀・芝野桂太郎(滋賀石油会長・JX系)▽京都・松田好民(ペガサス会長・EMG系)▽奈良・松本安司(松本石油社長・コスモ系)▽和歌山・森下正紀(Mネット社長・JX系)▽兵庫・田中一彦(西村社長・JX系)▽広島・大野徹(大野石油店社長・昭シェル系)▽鳥取・坂口元昭(山陰石油社長・コスモ系)▽島根・土田好明(土田産業社長・JX系)▽山口・藤井泓(若山石油会長・出光系)▽徳島・藤川禎造(丸善商事会長・コスモ系)▽高知・武井勝一(武井石油店社長・JX系)▽愛媛・三原英人(三原産業社長・JX系)
 ▽北海道支部・伊藤豊▽東北支部・根本一彌▽中国支部・大江英毅(大江石油会長・JX系)▽九州支部・喜多村利秀(喜多村石油店社長・JX系)






給油取扱所事故・火災19件、流出61件
(6月13日付)

 消防庁は2015年中(1~12月)に発生した危険物事故状況をまとめた。SSを含む給油取扱所での火災事故は前年に比べ7件減の19件となり、過去10年間で最も少なかった。また、流出事故(油漏えいなど)も4件減の61件に減少した。いずれも事故件数は減少したものの、さらに事故の発生リスクを引き下げるため、日常点検の励行や安全管理を担う人材の育成強化など、事故防止に向けた不断の取り組みが重要となっている。
 火災事故の内訳をみると、一般取扱所が156件で最も多く、次いで製造所28件、給油取扱所が19件の順で続いた。最近5年間をみてもこの3施設が上位を占めている。給油取扱所は、SS数が年々減少しているものの、依然として事故発生の危険性が高い水準あることが浮き彫りとなった。1件あたりの損害額は40万円と比較的軽微であるものの、前年の23万円を上回った。死者は0人だが、負傷者が3人出た。
 発生原因をみると、「誤操作」(5件)、「維持管理不十分」(3件)、「操作確認不十分」(2件)などの人的要因が11件あり、全体の5割を超える。  一方、油漏洩などを含む流出事故では、一般取扱所が100件で最も多く、次いで屋外タンク貯蔵所64件、給油取扱所61件、タンクローリーなどを含む移動タンク貯蔵所46件の順だった。
 このうち、給油取扱所の流出事故は前年を下回った。経年地下タンクの漏洩防止対策を義務づける消防法改正省令が2011年2月1日に施行したことに加え、FRP内面ライニングなどの地下タンクの漏洩防止対策に対する国の支援制度などもあって、漏えい防止対策に取り組む動きが活発化していることも背景にありそうだ。給油取扱所1件あたりの損害額も19万円減の56万円と減少したが、負傷者が2人出た。
 また、移動タンク貯蔵所の流出事故は29件減の46件となった。1件あたりの損害額も29万円減の54万円だったが、死者が2人、負傷者が2人と人的被害が発生している。
 発生原因をみると、給油取扱所では「監視不十分」(12件)、「操作確認不十分」(9件)、「誤操作」(5件)など人的要因が30件に上るが、「腐食疲労等劣化」(18件)も依然高水準で推移している。移動タンク貯蔵所では、交通事故が9件のほか、「誤操作」「操作未実施」(各8件)、「操作確認不十分」(7件)など、人的要因が29件に上る。
 このほか、火災や危険物の流出を伴わない破損や交通事故などの事故が173件発生しているが、そのうち給油取扱所が132件と全体の7割強を占めるなど目立っている。
 なお、給油取扱所数は2015年3月31日現在で前年比968ヵ所減の6万2,022ヵ所。このうちSS数は3万3,510ヵ所で、全給油取扱所のうちSSが54%となっている。






SS過疎地協議会・VOC対策強化を懸念
(6月3日付)

 資源エネルギー庁は5月31日、全石連、石油連盟、各元売会社などと連携して、過疎地域において石油製品の安定供給確保に不可欠なSSを地域住民・自治体が一体となって維持する取り組みをサポートする「SS過疎地対策協議会」の第3回会合を開催した(写真)。会合ではSS過疎地の現状のほか、全石連や石連、元売各社のSS過疎地問題への取り組み、自治体・政府によるSS過疎地関連施策・支援措置、SS過疎地対策の先進事例などをまとめた『SS過疎地対策ハンドブック』について議論。今後、各地でSS過疎地を抱える自治体や石油組合向けの説明会を開催し、SS過疎地問題の処方箋としてハンドブックの活用を呼びかけていくことで一致した。
 SS過疎地の現状については、ガソリンなどの需要減、後継者難、販売競争の激化などを背景に全国的にSS数が減少する中で、市町村内のSS数が3ヵ所以下の地域が3月末現在、288ヵ所に上ることがわかった。前年同期に比べ5ヵ所増え、SSが0ヵ所の町村は11、1ヵ所の町村が71、2ヵ所の町村が100、3ヵ所の市町村が106となった。
 また、SS過疎地の実態をより精緻に把握するため、昨年度導入した『SS立地情報把握システム』において、最寄りSSまでの距離が15km以上ある住民が所在する市町村は257ヵ所に上ることがわかった。このうち、SSが3ヵ所以下のSS過疎市町村と重複している自治体は49市町にとどまり、残り208市町村が新たなSS過疎地として浮かび上がってきた。
 全石連の河本博隆副会長・専務理事は、「政府の『骨太の方針』にSS網の維持・強化が盛り込まれた」と指摘。深刻化するSS過疎地問題に全石連では「経営部会の所管事項として過疎地・離島問題をはっきり明記し、しっかり取り組んでいく」と強調した。また「官公需はSS減を食い止める方策の1つであり、新たに官公需部会を作り、過疎地のSSの燃料油需要を下支えする方策を検討していく」と述べた。
 さらに、SS業界が抱える問題として、ガソリンベーパーに対するVOC(揮発性有機化合物)問題について指摘。「環境省の審議会の議論は、SS側に機器・設備を設置して対策を講じるべきとの方向に進んでいるようである。VOC対策に関する我々の試算では車側に機器を取り付けるのは1万円程度だが、SS側で機器・設備を設置すると1千万円もかかる。SS側で対応することになれば『第2の地下タンク問題』になる可能性が高い。現在、全国各地で開かれている石油組合の総(代)会では、VOC問題を大変気にしているところもある。それはすなわちVOC問題が『第2の地下タンク問題』に発展し、SSのさらなる減少の引き金になるという危機感からだ。『第2の地下タンク問題』にならないよう、我々としては全力でVOC問題に対処していきたい」と訴えた。
 一方、大江英毅中国支部長は「中山間地域の灯油配送には大変苦慮している。住民や需要家の方々のところに設置するホームタンクに対する補助制度をお願いしたい。限界集落などの高齢者・買い物弱者への有効な支援策にもなるのではないか」、大坂功青森石商理事長も「各地の避難所などには灯油ストーブなどの石油機器はあっても、石油備蓄に対しては整備されていないのが現状。現在行われている避難所などへの備蓄タンク支援(予算1.2億円)についても、増額をご検討いただきたい」と灯油需要を下支えする支援制度の拡充を求めた。
 このほか、西川一也山梨石商理事長は「過疎地対策ハンドブックの中に、『自治体のリーダーシップが求められる』という言葉が出てくるが、我々からすると、現状では自治体の顔が見えない」と指摘し、SS過疎地問題への自治体の積極的な関与の必要性を訴えた。渡邉一正長野石商理事長は「説明会には自治体に加え、石油組合も呼んでいただきたい。(SS過疎地問題に対する)自治体の考え方をうかがいたい」と述べた。