2016年7月


全国油政連・新会長に西尾氏が就任
(7月1日付)

 全国石油政治連盟(森洋会長)は6月29日、石油会館で通常総会を開き、任期満了に伴う役員改選で、新会長として全石連副会長・近畿支部長を務めている西尾恒太氏(旭油業社長・EMG系)を選任した。

西尾恒太全国油政連会長




出光・創業家が昭和シェルとの経営統合に反対
(7月1日付)

 出光興産と昭和シェル石油が進める経営統合について、出光の大株主である出光創業家が反対の姿勢を示していることが6月28日、明らかとなった。出光が同日開催した株主総会で、大株主の代理人から経営統合について反対の意見表明がなされ、取締役選任議案に反対票が投じられた。ただ、取締役選任議案を含むすべての議案はその他の株主の賛成で可決された。
 こうした事態に陥ったことについて、月岡隆社長は「当社グループの企業価値向上のみならず、日本国内のエネルギーの安定供給体制の維持・強化に貢献することの重要性について、大株主のお考えと当社経営陣はその考えを同じくする中で、大株主とは今回の経営統合について継続的にコミュニケーションを行ってきた。本日の定時総会の場で大株主からこのような形で統合反対の意見表明があったことは、誠に残念」とのコメントを発表。そのうえで「当社グループの持続的な成長と石油業界の将来を考えたとき、昭和シェル石油との経営統合は最善の策と確信していることには変わりなく、今後も対等の精神の下、経営統合に向けた協議を継続していく」と指摘、「大株主をはじめ株主の皆様にご理解いただける統合会社の設立に向け取り組んでいく」とした。





自動車保有台数・3年連続8千万台維持
(7月8日付)

 自動車検査登録情報協会がまとめた今年3月末現在における自動車の総保有車両数(原付1種・2種を除く)は、前年同期比0.3%増の8,090万台となった。5年連続で前年を上回るとともに、3年連続で8千万台の大台を保った。これを燃料別にみると、登録ガソリン車、軽4輪、HVが大半を占める「その他燃料車」を単純合算した“ガソリン車系”が0.2%増の7,080万台、また、軽油車もクリーンディーゼル乗用車の人気上昇を反映して1.7%増の613万台となるなど、燃費改善が進んでいるものの「自動車ビジネス」としての間口は萎んでいない実態が判明した。
 総保有車両数は5年前比、10年前比、20年前比でそれぞれ2.8%増(224万台)、2.4%増(191万台)、15.4%増(1,079万台)と増加している。
 また燃料別・車種別では、前年、5年前、10年前、20年前比でそれぞれ登録ガソリン車が3.1%減(111万台)、12.4%減(495万台)、17.9%減(762万台)、3.8%減(138万台)の3,491万台に減少したものの、軽4輪が1.2%増(35万台)、11.4%増(307万台)、25.5%増(610万台)、73.0%増(1,265万台)の2,999.6万台と3千万台目前に迫り、さらに「その他燃料車」も10年前比で12.3倍の589万台とHV人気を反映。
 この結果、“ガソリン車系”は5年前比3.4%増(236万台)、10年前比5.8%増(389万台)、20年前比で31.6%増(1,702万台)となるなど、ビジネスチャンスは着実に広がっている。一方、軽油車はそれぞれ2.8%減(18万台)、17.5%減(233万台)、52.8%減(686万台)と減少が続いたが、前年比では10万台増加、ディーゼル乗用車の普及効果が現れ始めた格好だ。






ガソリン小売・17週ぶりに軟化
(7月8日付)

 資源エネルギー庁による小売価格調査(7月4日・消費税込み)レギュラー全国平均は0.2円安の123.8円で、17週ぶりに値下がりした。1.7円高の長崎、0.7円高の岩手、0.4円高の愛媛など、17府県で値上がり、1.3円安の青森と群馬、0.8円安の沖縄、0.7円安の東京と奈良など25都道府県で値下がりし、5県は横ばいだった。
 ハイオクも0.2円安の134.6円。軽油は0.1円安の103.5円。灯油は18リットル店頭、配達ともに横ばいの1,156円、1,310円。





森会長が業界歴訪スタート
(7月11日付)

 全石連の森洋会長と河本博隆副会長・専務理事は、6月16日の通常総会(神戸市開催)での新体制発足後初めて、自民党石油流通問題議員連盟(野田毅会長)、資源エネルギー庁、元売各社など業界内外関係者らへの歴訪をスタートした。森会長はこの中で、全石連の新執行部体制や各部会活動のあり方、今後の具体的な組織活動方針などを説明し、協力・支援を強く要請。全国各地の組合員・SSによる石油サプライチェーンを堅持し、災害時などのエネルギー供給“最後の砦”としての重責を全うしていく方針を示した。
 6月30日には石油流通議連の野田会長、7月6日(訪問順)には、JXホールディングスの木村康会長(石油連盟会長)、東燃ゼネラル石油の武藤潤社長、廣瀬隆史副社長、横井敬和常務取締役、コスモ石油の小林久志社長、資源エネルギー庁資源・燃料部の山下隆一部長、石油流通課の小山和久課長と面談した。
 この中で、森会長は石油の内需減や元売再編など、SSを取り巻く急速な環境変化を踏まえ、新たに『SS経営革新』『官公需』『次世代』の3部会を新設するとともに、副会長も3人増員し10人体制とし、SSの経営課題や市場問題などに迅速かつ的確に対応する体制を整備したことを報告した。
 また、石油業界全体に今後大きな影響を与える喫緊の課題として、SSから排出されるガソリンベーパーなどの揮発性有機化合物(VOC)排出抑制対策について、環境省の審議会において、SS側に対策を求める議論が行われている現状を報告。森会長は「車側で対応すれば1台1万円。SS側で対応すれば1SSあたり1千万円にものぼる。SSに対応を求められるようなことになったら、第2の地下タンク問題となり、多くのSSが廃業・撤退せざるを得なくなる。こうした事態は絶対に避けなければならない」と述べ、SSサプライチェーンのき損につながりかねない事態に陥ることがないよう、協力・支援を求めた。
 一方、税制問題について、河本副会長・専務理事は「環境省では炭素税的な新税を導入し、化石燃料などから税金をさらに搾り取ろうというような動きが出ているようだ。これ以上、石油に税金を課すようなことは反対していかなければならない」と強く訴えた。
 これに対して野田会長は、「議連としても支えていくので、業界が一丸となっていけるよう、強いリーダーシップを発揮してほしい」と述べた。
 木村会長は「安定供給・安定需要・安定収益を確立し、消費者に選ばれる強靭な石油業界を目指していくことが重要であり、それが業界のためにも、社会のためにもなると思う」と述べた。
 武藤社長は「石油が必要なエネルギーであることは間違いない。石油業界全体を持続可能なビジネスとして成り立たせていくことが石油の安定供給につながる。その安定供給は、我々元売だけでもできないし、SS業界の方々だけでもできない」と、石油業界を挙げて安定供給確保に努めていく必要性を訴えた。
 小林社長は「VOC問題でSSが対応せざるを得なくなったら大変なことになる。石油業界としては共通認識が出来上っていると思う。(経済合理性の面からも)やはり車側で対応していただくほうが良い」と、石油業界一体となって対応していくことが必要との認識を示した。
 このほか、エネ庁に対して森会長は「熊本地震ではまさに精販一体となって石油製品の供給インフラを他業界に先んじて立ち上げ、熊本の復旧・復興に大きく貢献した。今後もいつどこで災害が発生するかわからない。自治体などと災害時の協定を締結している石油組合の組合員に10分の10で自家発電機を設置すべき。予算の確保をお願いしたい」と要請した。


野田会長(中央)に今後の活動方針を説明する森会長(右)と河本副会長・専務理事(左)

木村JXHD会長(左)

小林コスモ社長(右)




JCRME・国内初の新市場、取引開始
(7月11日付)

 ギンガエナジージャパン、日本ユニコムが出資するJCRME(本社・港区)は今月27日から、新市場『OIL SPOT Market Transfer To TOCOM (略称TT市場、TOCOM受渡制度を用いた現物取引マーケット)』をスタートする。インターネット上の取引で①スタンダード海上②スタンダード陸上③ノンスタンダード陸上、の3取引を実施する。
 海上はガソリン、灯油、未課税軽油、陸上はガソリン、灯油をそれぞれ取扱う。同市場で売買された価格は立会外取引を通し、東京商品取引所のクリアリング制度や申告受渡制度などが利用できるため、決済や製品受渡しの信頼性は高い。国内で現物、先物の両市場が連動する仕組みが実現するのは初めて。
 公正・透明で多様な石油業者が参加できる市場の整備が目的。現物市場の複雑な取引を標準化し、条件の絞込みによる恣意的な値付けを排除した透明な価格指標の発信を目指す。同市場で売買された価格は立会外取引を通じ先物市場に建玉されるため、東商取の受渡・決済機能が利用できる。また、取引価格が成約した場合は参加者全員にスクリーン上で数量、価格のみ通知される。売買方法は時間優先・価格優先で、価格操作などを防止する観点から最安値の売値を超えて高く買うこと、最高値も買値を超えて安く売ることはできない。
 3市場個別では、スタンダード海上は取引単位が1口500klで京浜、中京、阪神、菊間の各製油所および東商取指定の油槽所が対象。スタンダード陸上は1口10klで川崎、堺の各製油所、一方、ノンスタンダード陸上は、取引単位は10klだが、全国の製油所・油槽所が対象で制限なし。3市場ともに立会時間は24時間。年間費は無料、取引手数料は海上が1klあたり20円から、陸上は50円からとなる。また、スタンダード2市場の取引期間は当該月の約2ヵ月前からで行うことができる。
 なお、7日開催した市場説明会(写真)には資源エネルギー庁資源・燃料石油流通課の小野澤恵一課長補佐、東商取の小渕大樹理事が来賓あいさつし、同市場と価格指標の関連については、OPIS社のジオン・チャンアジア取締役とリム情報開発の吉井亮介部長がそれぞれ説明した。





15年度末SS数・3万2,333ヵ所に減少 1日あたり「3.8SS廃止」ペース
(7月13日付)

 資源エネルギー庁がまとめた2015年度末の全国登録SSと事業者数によると、SS数は前年同期に比べ1,177ヵ所純減の3万2,333ヵ所となった。3年連続でエネ庁の職権により、再開見込みのないSSの消除を行った結果、全国で418ヵ所減少数が増えた格好だ。この職権消除を行わなかった場合の純減は759ヵ所となり、昨年の職権消除件数を除いた減少数(827ヵ所)を下回った。ただ、新設数を除く廃止数でみると1,379ヵ所減となり、1日3.8ヵ所のペースで減少しており、SSを取り巻く経営環境は依然厳しさを増している。事業者数も855社純減の1万5,574社。職権消除件数(389社)を除くと466社となった。
 SS数の内訳をみると、廃止数は職権消除数(418ヵ所)を含め1,379ヵ所と、前年度比36ヵ所減と2年連続で前年を下回った。新設も17ヵ所減と2年連続で前年を下回る202ヵ所にとどまった。
 SS数は94年度末の6万421ヵ所をピークに21年連続で減少し続けている。この間、ピーク時の6割を超える3万7,583ヵ所(新設を除く、新設は9,495ヵ所)ものSSが全国から姿を消した。
 石油業界は過当競争が激しさを増す一方、少子高齢化の進展、人口減少など社会構造の変化に加え、若者の車離れ、低燃費車の普及拡大など急速な環境の変化によって、ガソリンを中心とした石油製品の需要減が顕在化し、SSの経営状況は急速に悪化。中小零細業者が大勢を占める石油販売業者の撤退・廃業が増加している。
 このペースでSS減が進むと、2年後の17年度末には3万ヵ所割れとなる可能性が高く、災害時のエネルギー供給の“最後の砦”であるSSサプライチェーンの弱体化がさらに進行する危険性が強まっている。





全農エネルギー下関・広島の直営2SSに注意処分
(7月15日付)

 公正取引委員会は11日、全農エネルギー(本社・千代田区、平井信弘社長)のJASS-PORT清末(山口県下関市)に対して、「独占禁止法の不当廉売につながるおそれのある行為がみられた」として“注意”を通知した。5月下旬時点で同SSはレギュラー104円で販売、「一般的な仕切価格(113円前後)では、全農SSに追従すると10円以上の逆ザヤが発生する」などとして、6月1日に山口石商が不当廉売の調査依頼を行っていた。
 同石商は「注意という結果であるのなら、いったい全農エネの仕入価格はいくらなのか、はなはだ疑問。流通証明によって、全農SSに卸している元売が確認できるはずで、それならば差別対価ではないか」、「西日本一円で全農SSの廉売は常態化しており、民間SSの生業を危機的な状況に陥れている」としている。
 一方、全農エネルギーに対しては広島石商も不当廉売の調査依頼を行っており、JASS-PORTコパ広島(広島市)が6月28日に不当廉売で“注意”を受けている。





石油連盟・備蓄燃料の長期保存に注意喚起
(7月27日付)

 石油連盟(木村康会長)は東日本大震災以降、警察や消防、病院、避難所などに対し、非常用発電機や緊急車両用などの燃料備蓄の必要性を訴えてきた。一方でこれらの備蓄燃料が長期間保存された場合、酸化が進むなどして燃焼不良などの不具合を引き起こす恐れがあることから、石油連盟は備蓄をしている重要家に向けて全石連(森洋会長)の各県組合員事業者を通してチラシ(写真)を配布し、注意事項を周知するよう要請。周知チラシは今週以降、組合事務局に必要数が送付される予定。
 資源エネルギー庁は首都直下地震や南海トラフ地震などの激甚災害の発生に備え、災害時の石油供給体制の整備を行っており、非常用発電機や緊急車両などへの燃料備蓄の強化を進めている。需要家に対しては全石連、石油連盟ともに災害に備えた燃料備蓄の必要性を広く訴えてきており、本年4月の熊本地震でもその教訓が一部生かされている。
 需要家側ではこうした燃料備蓄の理解が広まる一方で、自家発電用の軽油や灯油、A重油などを長期保存するケースも出てきており、エネ庁はこの7月に作成した「災害時燃料供給の円滑化のための手引き」の中で、備蓄燃料の定期点検や燃料入替えの必要性についても周知。地方経産局でも自治体担当者や石油組合などを対象にした説明会を開催している。
 今回、精販が連携して周知に努める。石油連盟が作成したチラシ13万枚を、備蓄燃料を所有する需要家に配布するもので、このチラシは各県の石油組合を通じて組合員事業者に届け、組合員事業者は燃料販売の際に需要家に配布するとともに、注意事項などの説明を行うことになる。





エネ庁・資源燃料分科会提言受け取引実態を調査
(7月29日付)

 資源エネルギー庁資源・燃料部石油流通課は、資源・燃料分科会が6月15日に取りまとめた『中間論点整理』での提言を踏まえ、公正・透明な競争環境の整備に向けて、ガソリンなど現物のスポット取引や先物取引の状況、卸価格決定方式の実態などについて調査に着手し、委託する調査会社の公募を開始した。『中間論点整理』では、卸価格決定方式の明確化や、国内石油製品需給を適切に反映した卸価格指標の構築などを課題に挙げており、同調査と並行して秋以降ワーキンググループ(WG)を設置し、事後調整の実施基準の明確化を含む卸価格決定方式の明確化など、取引の一層の透明化・適正化について議論していく。また、不当廉売・差別対価など不公正取引の実態などについても議論を深める。
 2014年以降の各元売から系列SSへの仕切価格推移をみると、ガソリンなどの現物市場の低迷や需要減による過当競争の激化などによって、仕切価格の事後的な価格調整(事後調整)が散見されるようになるなど、仕切価格が事実上の「建値」となり、「販売業者間での不公平感が生まれる」のみならず、「販売業者側のコスト意識に根差した経営改善努力を曇らせる」、また「本来は価格をシグナルとして取引が柔軟に調整される市場メカニズムが歪めてしまうおそれがある」などの問題が指摘されている。
 このため、①石油製品価格(卸価格、小売価格)の推移・傾向の要因分析(原油価格変動が与える影響など)を実施。過去の傾向や諸外国(シンガポール市場や欧米市場の状況)との比較を統計的手法用いて調査分析する。
 また、②現物スポット市場や先物市場、輸出入の活性化のために、現在の取引実態について調査を行うとともに、市場の活性化に必要な政策的対応について検証する。
 加えて、③特に建値と事後調整の傾向が顕在化し始めた14年以降の元売と特約店間、特約店と販売店間などの取引慣行の実態についてもアンケート調査などを実施し、より透明・公正な市場形成に向けた問題・課題なども整理する。
 一方、同調査と並行して、外部有識者(学識経験者)、業界関係者、消費者代表などによるWGを設置し、アンケート調査や各種各調査などから得られた分析結果に基づき、今後の課題・問題点を抽出して、公正・透明な競争環境の整備に向けた卸価格の交渉プロセスや事後調整の実施基準の明確化などを含む卸価格体系のあり方などについて議論を行い、提言をまとめていく。