2016年10月


島根県・県立学校に随意契約促す
(10月7日付)

 島根石協(土田好明理事長)は3日、島根県が県立学校に対し随意契約に関して、「国の方針と県要綱に基づいて適切に処理されたい」との通知を出したことを明らかにした。同石協では「これによって今後、学校現場において随意契約が進むことが期待できる」としている。
 島根県立学校の暖房用燃料の調達については、8月に土田理事長と曳野律夫専務理事が鴨木朗県教育長、高橋泰幸学校企画課長を訪ね、「国や地方公共団体は、災害協定を締結した石油組合及び協定に参加している中小石油販売業者に対し、平時から随意契約や分離・分割して発注するなど受注機会の増大に努めるものとする」という閣議決定の主旨を学校現場に徹底してもらうことを強く要請。
 これに対して鴨木教育長は「県と石油組合との災害協定に基づき、災害時に迅速かつ的確に燃料を供給するためには事前にどこに給油施設があるかなどを知っておく必要があり、そのためには平時から組合員との付き合いが重要。法令の範囲内で、入札ではなく、随意契約でできるのではないか。こうした考えを実際に燃料調達事務を行っている県立学校に助言したい」と回答していた。
 この結果、9月30日付で学校企画長から県立学校長宛てに「県石油組合が本県と災害時優先燃料供給等に関する協定を締結していることに鑑み、灯油等の燃料調達業務にあたり、国の方針について十分斟酌したうえで、県要綱に基づき適切に処理されたい」との通知を出したもの。この通知に関して同石協では、「これによって今後は学校現場において随意契約が進むのでは」と、県の対応を高く評価するとともに、随意契約が増えることに大きな期待を寄せている。






出光、昭シェル・経営統合を延期へ
(10月17日付)

 出光興産の月岡隆社長と昭和シェル石油の亀岡剛社長が13日、都内で記者会見を開き、出光創業家が経営統合に反対していることを受けて、来年4月に予定していた経営統合の時期を延期すると発表した。10~11月に予定しているロイヤル・ダッチ・シェルからの昭シェル株(33.3%)を取得する方針に変更はない。
 延期の理由について、月岡社長は「大株主である創業家のご理解をいただけないまま経営統合することは、新会社の安定的な運営に対する大きなリスクになるだけでなく、本末転倒だ」と述べ、創業家との協議にまい進する考えを示した。そのうえで、「今回あえて延期の時期を設けていないのは、創業家に対するメッセージ。相互に十分な議論を尽くすことで、経営統合を心底理解していただくことが重要」と強調した。
 一方、亀岡社長は「経営統合において、出光興産はベストなパートナーであり、この点は一切揺らいでいない」と強調。「月岡社長とは、(創業家には)時間をかけてご理解をいただき、経営統合に向かっていきましょうとお話しした。これが新しい会社のためにもなると考えている」と述べた。
 また、延期の期間について、月岡社長は「数年ということはあり得ない。1年以内にはやりたい」、亀岡社長も「2~3年とは考えていない。できるだけ早急にすべきだ」とした。
 さらに、創業家の理解を得られる根拠について問われた月岡社長は、「『大家族』の一員である販売店の方々から、現状の厳しさを訴える声が届いている。販売店の皆さんの経営環境の厳しさは日々増している。JXホールディングスと東燃ゼネラル石油の統合も進行しており、販売店の皆さんの不安も高まっている。全国出光会の会長から出光会の総意として、創業家と話し合いのテーブルについて、真摯に話し合ってほしいという声をいただいたことも大きい。これによって、(創業家には)協議のテーブルについていただけると感じた」と述べた。






トヨタとスズキ・業務提携を検討
(10月17日付)

 トヨタとスズキは12日、環境、安全、情報などの分野で業務提携に向けた検討を始めると発表した。自動車業界の開発分野がIT・自動運転などと大きく変化する中、スズキの軽自動車開発・販売やインドなどでの実績と、トヨタの持つ技術開発力を合わせることでグローバルな競争力の強化につなげるものとみられる。ただ、具体的な提携内容は両社とも「ゆっくりと考える」とし、明確な方針は示さなかった。
 記者会見にはトヨタの豊田章男社長とスズキの鈴木修会長が出席。豊田社長は「生き抜くために必要なのは、変化に対応する力。個別の技術開発に加え、同じ志を持った仲間づくりが重要」と強調するなど、自社が欧米各社よりも仲間づくり・標準づくりの面で遅れていると指摘。一方、鈴木会長は「独立した企業として経営していくスズキの覚悟に変わりはない」としながらも、「良品廉価な車づくりだけでは、将来は危うい」などとし、先進・将来技術で最も信頼できるトヨタと提携していく意義を強調した。


提携検討の記者会見に臨むトヨタ・豊田社長(左)とスズキ・鈴木会長




太陽・南西石油の全株式取得
(10月21日付)

 太陽石油は18日、ブラジルの国営石油会社ペトロブラスの子会社であるペトロブラス・インターナショナル・ブラスペトロが所有する南西石油(沖縄県西原町、資本金441.6億円)の全株式を取得する「株式譲渡契約」を締結したと発表した。譲渡金額は約1.3億ドルとみられる。
 沖縄県内における石油製品の安定供給の一翼を担うべくターミナル事業に取り組むとともに、将来的には石油事業とのシナジー効果創出を期待している。
 契約締結日は17日で、取得株式総数は268万5,664株(9月現在)。年内の譲渡実現に向けて協議中としている。






石油議連・VOC問題のSS負担を議論 野田会長 SS負担“容認できない”
(10月24日付)

 自民党石油流通問題議員連盟(野田毅会長)は21日、自民党本部で役員会を開き(写真)、環境省においてSSなどに新たな排出抑制策を求める検討が進められているガソリンベーパーなどの揮発性有機化合物(VOC)問題と、石油販売業者の官公需の受注拡大などについて議論した。
 冒頭、全石連の森洋会長は「全国津々浦々にあるSSのネットワークをこれ以上減らしたくない。いつ起こるかわからない震災に備えて、10分の10で自家発電機の導入支援をお願いしたところ、先生方のお力添えによって4年間で8千ヵ所に導入する方針が示された」と感謝の言葉を述べた。そのうえで「いつ起こるわからない震災にこの自家発が機能するよう、日ごろからの訓練によって備えていきたい」と訴えた。
 また、河本博隆副会長・専務理事は昨年8月の「国等の契約の基本方針」閣議決定後の石油組合による官公需の受注状況について説明。そのうえで、石油販売業者の官公需受注拡大に向けて、①国や自治体などに閣議決定の内容について改めて周知徹底すること、②自治体などが石油組合と災害協定を締結している場合には率先して随意契約に移行すること、③会計法、地方自治法令、WTO協定などを理由として随意契約が認められないケースがあることから、関係法令を整備・見直すこと―の3点を要望した。また、SSのVOC問題についても「熊本地震においてSSは活躍している。これ以上SSを減らさないため、燃料小売業のVOC排出抑制策を短期的課題のもと拙速に議論を進めないでほしい」と強く訴えた。
 出席の国会議員からは、VOC問題について「SSが毎日3~4ヵ所減っている中で全国にSS過疎地が広がっている。SSは灯油配達も行う命を守るライフラインである。VOC問題でSSにステージ2の対応を求められると1千万単位の設備投資を求められる。SSの閉鎖に拍車をかけ、住民の方々に不安を与える。もうすでに自動車業界は米国にVOC対策を施した車を輸出している。自動車側にVOC対策を求めていくべき」と述べた。また「VOC問題については科学的根拠が極めて希薄なうえに短期的課題としていることは全く理解できない。SS側の負担を増やすような設備を取り付ける費用対効果も理解できない。1都8県もORVRによる自動車側での対応を求めている。SS側に負担を求めることは反対だ」と訴えた。
 官公需については、「必要な部局に必要な情報が伝わっていない可能性がある。総務省と連携し、自治体の官公需を担当している部局の担当者を集めて説明会を開催するべき」、「具体的に問題になっている事例を挙げて、国の出先機関については我々が、自治体については総務省を通じて対応していくべき」などと訴えた。
 一方、価格表示のガイドラインについても「全石連と連名にしていないことは問題である。エネ庁として強く指導すべき」と訴えた。
 VOC問題について、環境省水・大気環境局の高橋康夫局長は「関係省庁を巻き込んで議論していきたい。大変厳しい状況に置かれているSSにさらなる負担や、営業が難しくなるような状況にならないようにすることを肝に銘じている」と回答した。
 野田会長は「SSは、切羽詰まった経営危機に瀕していることを改めて痛感した。VOC問題についてはSSだけにすべて押し付けることだけは容認できない。環境省はよく頭に置いておくように」と、SS側に負担を求めることに改めて反対の姿勢を示した。







自家用乗用車・世帯あたり1.064台
(10月24日付)

 自動車検査登録情報協会がまとめた2015年度末(16年3月末)現在における自家用乗用車(登録車・軽自動車合計)の1世帯あたり普及台数は全国平均1.064台で、前年同期比0.005台減少したものの、21年連続で「1家に1台以上」となった。一方、地域間の最大格差は、最多の福井(1.749台)と最少の東京(0.450台)では3.89倍へと広がるなど、地域差が一層鮮明化している。
 同協会が集計している保有台数と世帯数(総務省。1月1日現在)は調査開始以来、一貫して増加しているが、15年度末は保有台数の伸び率を世帯数の伸び率が上回ったことで、1世帯あたり保有台数は若干低下した。
 保有台数は、78年度末2千万台、88年度末3千万台、93年度末4千万台、99年度末5千万台、14年度末に6千万台を超え、15年度末は前年比0.5%増の6,060万台となり、5年間で3.6%増、10年間では10.6%増加した。
 一方、世帯数は5年間で5.1%増、10年間で10.1%増加。この結果、1世帯あたり普及台数は75年度末0.5台、79年度末0.6台、85年度末0.7台、90年度末0.8台、92年度末0.9台、95年度末には1.0台に達し、05年度末の1.112台をピークに少しずつ減少傾向ながら、1家に1台以上の状態が続いている格好だ。
 地域別にみると、全国最多は15年連続して福井で、富山、山形、群馬、栃木、茨城、岐阜、長野、福島、新潟、山梨、佐賀の12県が「1.5台以上」、逆に東京、大阪、神奈川、京都、兵庫、千葉、埼玉の7都府県が「1.0台未満」となった。






精販協議会・販社の廉売追随問題視 満タン運動、VOC問題で共闘
(10月26日付)

 資源エネルギー庁・公正取引委員会参加のもと、石油流通問題などについて議論する「元売とSS業界との協議の場」精販協議会)が21日、石油会館で開かれた(写真)。全石連からは、出席した元売5社の販売・企画担当役員らに対し、災害時に備え消費者に自衛的備蓄を促す「満タン」&「プラス1缶」運動の共同展開とともに、環境省の審議会において、「短期的課題」と位置付け、SSに新たな負担を迫るような議論が進められている揮発性有機化合物(VOC)問題への共闘を訴えるなど、石油業界に大きな影響を与える問題への精販のさらなる連携強化を呼びかけた。また、大手PB業者の市場席巻により中小販売業者の廃業・撤退が相次いでいることに危機感を訴え、業転格差の縮小や需給の適正化を訴えた。さらに、一部PBなどの安値に追随する元売販売子会社の販売政策を問題視し、卸価格変動に対する販社としての公平かつ適正な対応を強く要請した。
 満タン運動の共同展開について元売各社は、「その趣旨に賛同する」「共同展開することに全く異論はない」などと述べた。一方で、「製品劣化の問題もあるので、併せて注意喚起していくことも必要」などとした。今後、石油連盟と連携し、具体的な運動展開のあり方について検討することを決めた。  元売各社はVOC問題への共闘についても、「元売にとってもコストアップにつながることであり、共闘していきたい」などと回答。環境省審議会の動向などを注視し、「引き続き油断せず対応していくことが必要」との認識で一致した。
 一方、業転格差の問題や販社の販売姿勢について、全石連側からは、西尾恒太近畿支部長が大阪・千里ニュータウン地区周辺の1996年~2016年まで20年間のSS推移について報告(グラフ参照)。「96年の191ヵ所から16年には91ヵ所にまで減少した。そのうち地場SSが163ヵ所から62ヵ所へと100ヵ所も減った。販社SSが増加している一方で、地場SSだけが淘汰されている。全国でこうした問題が発生し、SS過疎地につながっている」と、SS過疎地を加速させる地場SSの廃業・撤退に危機感を訴えた。そのうえで、販社SSの増勢について「販社の仕切りは一般特約店と同じと言うが、販社SSには安値に対応する力、安値で売り続ける力がある」と指摘。不当廉売に対する公取委の審査についても、「『原価+販管費』できちんとみてほしい。原価しかみていないのではないか」と注文をつけた。
 さらに、販社について、全石連の役員からは「一部のPBなどの安値をベンチマークして、販社やCAなどが値付けするために、市場混乱の悪循環に陥っている」「販社と一般特約店の仕切りが同じであるならば、なぜ販社はPBの安値で販売でき、一般特約店が販売できないのか。会社の体力差だけなのか。体力だけの違いと言われてしまうと、我々は座して死を待つしかない」と訴えた。
 森洋会長は「身の丈に合って生産ができていないために、余剰玉が商社などを通じて供給されている」と需給適正化の必要性を強調。また「業転格差が3円、4円と開いていくと公平公正な競争ができない」と業転格差の縮小を訴えた。
 これに対して元売各社は、「販社と一般特約店との仕切価格体系は同じ。差別はしていない」「販社には無暗に顧客を増やすようなことはさせてはいない。各論で問題があればご指摘いただきたい」「生産調整を行ったり、輸出に振り向けたりと、マーケットに悪影響を及ぼさないようにしている」などと述べた。
 このほか、価格表示適正化ガイドラインの全石連と石油連盟との連名による作成について、石油連盟は同ガイドラインの周知・徹底を了承した石油連盟の理事会決定文書の同ガイドライン内への添付を提案した。






エネ庁・石油精製・流通研究会が初会合
(10月28日付)

 石油サプライチェーンを形成する『精製部門』『流通部門』の生産性向上や、ガソリンなどの石油製品に係る公正・透明な市場形成と取引環境の整備などを検討する資源エネルギー庁の石油精製・流通研究会は24日、経産省内で初会合を開いた(写真)。
 流通部門では、公正・透明な卸市場形成と取引環境の整備に向けて、資源・燃料分科会の中間論点整理で示された①卸取引の一層の透明化・適正化②国内需給を適切に反映した、市場参加者に信頼される卸価格指標の構築③国内需給を反映した卸価格(仕切価格)決定方式への見直しなどを論点に、問題点や課題などを抽出し、対応策を検討していく。
 具体的には、元売とSSの共存・共栄に向けた取引環境の整備に向けて、元売にとっての安定的な販売量の確保や設備稼働率維持に貢献しているSSの自主的・合理的な経営行動を阻害しない経営支援(個別の卸価格値引きを含む)のあり方のほか、卸価格の『業転格差+事後調整』が常態化していることについての問題点や課題などを抽出し、対応策を検討する。業転価格を含む卸価格市況の実態に即した仕切価格体系の必要性なども論点として挙げた。
 一方、需給を適正に反映した卸価格指標のさらなる信頼性向上に向けて、価格指標のあり方について検討するほか、価格指標の信頼性向上に向けた現物・先物スポット市場の厚みを増すための手法や、先物市場の利活用策も検討課題として掲げた。
 議事では、石油業界を代表し委員として参画する全石連の河本博隆副会長・専務理事が「先般、秋田県仙北市の販売業者を訪れた際、40~50年の地下タンクの消防規制に対応するには自己負担が大きく、やめようかと話していたが、高齢者世帯を中心に灯油配送だけで200軒もの顧客を抱えており、非常に悩んでおられた。過疎地への対応をどう考えるのか。特にその経営者が営むSSは豪雪地帯にあり、雪かきなどもサービスで行ってきたが、自分たちがSSをやめたら、その地域の石油供給はどうなってしまうのか」と、深刻なSS過疎地問題であることを指摘し、同研究会での検討の必要性を訴えた。
 一方、飛田恵理子氏(東京都地域婦人団体連盟理事)も「高齢化・人口の一極集中など、我が国が抱える社会的な問題や災害が多発している問題への対応も検討する必要がある」と強調。石油連盟常務会の岩井清祐副会長(JXエネルギー常務取締役)は、「石油火力をどう維持していくかを議論していくべき」と述べた。
 さらに、出席委員からは「2030年においても1次エネルギー供給の3割とエネルギー源のトップを占める石油を支える人材の確保・育成をどう進めていくかも論点とすべき」「製油所などの生産性向上とともに、保安体制の確保やIoT(あらゆるものがインターネットにつながること)など先進的なデジタル技術が製油所などの競争力となるのか議論していくべき」「石油市場で起こる差別対価や不当廉売など問題を議論する前提として、契約関係・取引慣行などの経緯や状況について資料を提出してほしい」などの意見が出された。このほか「日本に比べて、米国や英国でPBが多い明確な理由があるのか」との質問もあり、次回以降の会合で提示することにした。
 研究会の座長を務める橘川武郎委員長(東京理科大学イノベーション研究科教授)からはエネ庁に対し、来年3月末に期限を迎えるエネルギー供給構造高度化法の第2次告示に次ぐ3次告示のあり方と、元売再編が業転玉を含む石油流通に与える影響などを論点として提示し、今後検討していく考えを示した。






コスモ・トッパー能力2.7万バレル削減
(10月28日付)

 コスモ石油は、千葉・四日市両製油所の常圧蒸留装置(トッパー)精製能力を見直し、24日から実施した。四日市の第5トッパー(日量6・3万バレル)を停止し、第6トッパーの精製能力を6.9万から8.5万バレルに増強。一方、千葉の第1トッパーを10万から11万バレル、第2トッパーを12万から13万バレルに増強した。来年3月末に対応期限を迎えるエネルギー供給構造高度化法第2次告示への対応を一部前倒し、経済産業省に「原油等の有効利用目標達成計画の変更」の届けを提出、受理されている。
 これにより、同社3製油所のトッパー能力は、千葉が22万から24万バレルに増加、四日市が13.2万から8.5万バレルに減少、堺が変更なく10万バレルで、合計の精製能力は45.2万から42.5万へと2.7万バレル減少したことになる。