2016年12月


石油協会・住民拠点SS整備事業受付開始
(12月9日付)

 全国石油協会は、石油製品の安定供給確保に向け、長期的な事業継続が可能な住民拠点SSを運営する揮発油販売業者に対して、災害時などに使用する自家発電機を導入する際の設備購入費用を補助する「住民拠点SS整備補助事業」の事前申請を12日から開始する。締め切りは来年1月20日。資源エネルギー庁は今後4年間で8千ヵ所の住民拠点SSを配備する計画で、同事業を活用して住民拠点SSとなるための事実上の予備審査として、事前申請を行う。詳細は、石油協会のホームページ(http://www.sekiyu.or.jp/)まで。
 住民拠点SSは、自家発電機をSSに配備し、①災害発生時にSS設備の損傷や従業員の負傷などにより事業継続が困難となった場合を除き、可能な限り地域住民や被災者などに給油を行い、資源エネルギー庁に対して、今後国が整備する「緊急時連絡システム」により、発災後速やかに被害状況の報告を行うなどの一定の役割を果たす、②災害時に自家発電機が正常に稼働するよう、平時から定期点検を行うとともに、年に1度は稼働確認を行う、③エネ庁が実施する「緊急時連絡システム」の報告訓練への協力、④エネ庁が住民拠点SSとして公表することに同意―の4項目を誓約することを条件に、自家発電機の本体購入費・設置工事費・消防納付金の補助対象経費について10分の10補助する(消費税、消防手続費、諸経費など一部自己負担が発生)。補助対象経費上限額は250万円。
 また、自家発電機を配備していることを条件(自家発電機と同時申請も可)に、緊急可搬式バッテリー計量機と緊急用可搬式ポンプについても合計50万円を補助上限に10分の10補助する。
 今回の事前申請において、2016年度以降に設置するすべての希望数を把握。そのうえで16年度第2次補正予算分(19.8億円)については、今年度末までに本申請を受け付けることとしている。





共同事業キャンペーン・伝票、タオル前年上回る
(12月9日付)

 全石連共同事業部会(大江英毅部会長)は6日会合(写真)を開き、今年度の共同購買事業増強キャンペーンの実績速報を報告した。目標達成した組合数は、給油伝票が30組合、洗車用タオルが32組合と、いずれも前年実績を上回った。
 大江部会長は「部会長に就任して半年が経つ。この間、共同事業キャンペーンなど成果につながっているものもあるが、課題も残されている」と述べ、全石連が一体となって共同事業に取り組んでいくよう、部会として働きかけていく方針を確認した。
 給油伝票のキャンペーン実績速報値は前年実績比5%増で、目標達成率でみると124%と大幅にアップ。目標達成組合数も昨年の29組合を上回って30組合となった。
 また、洗車用タオルは昨年実績にはわずかに届かなかったものの、目標達成率は103%となった。達成組合は4組合増えて32組合だった。






税制改正大綱・農林漁業用重油制度の延長認められる
(12月14日付)

 与党の2017年度税制改正大綱が12月8日に決定した。月内に閣議決定し年明けの国会で審議される。全石連(森洋会長)と油政連(西尾恒太会長)が強く要望してきた農林漁業用重油制度の延長や内航船向け燃料の還付制度は延長が認められ、懸念されていた森林吸収源対策の使途転用による化石燃料への増税は阻止された。業界の要望運動が成果を上げた。
 来年3月末で3年間の期限が切れる農林漁業用A重油に係る石油石炭税の免税・還付制度については、石油販売業界の要望通り引き続き3年間適用されることになった。内航運送用船舶燃料などを対象に地球温暖化対策税分を還付する制度も来年3月末が期限だったが、これも適用期限が3年延長された。
 地球温暖化防止のための森林吸収源対策の財源に、石油石炭税やそれに上乗せされた温対税などの税収が転用される案が農林水産省などから出され、温対税の増税に繋がることが懸念されていた。
 しかし、今回の議論で「個人住民税均等割の枠組みの活用も含め都市・地方を通じて国民に等しく負担を求めることを基本とする森林環境税(仮称)の創設に向けて検討し18年度税制改正で結論を得る」とされ、石油へのさらなる増税には繋がらない方針が示された。





コストコ・つくばに仮オープン
(12月14日付)

 コストコホールセールジャパン(本社・川崎市)は10日、茨城県つくば市内のつくば倉庫店に関東で初進出となる併設SSを仮オープンした(写真)。価格はレギュラーが112円、ハイオクが123円、軽油は88円、灯油は61円。グランドオープンは15日となっている。同社が国内で展開するSSは6ヵ所目となる。
営業時間は午前7時~午後8時30分。計量機はマルチタイプ8台で、16台が同時給油可能。
 特別キャンペーンとして今月18日まで、SSで税込2,500円の利用者を対象に、店内で利用可能な割引券を贈呈中。15日には軽食サービスと景品を提供する予定だ。






東商取・石油現物市場『トコムウィンドウ』を開設
(12月14日付)

 東京商品取引所は8日、石油現物市場『トコムウィンドウ』を開設し、現物価格指標の提供を開始すると発表した。取引対象はガソリン、灯油、軽油、A重油、LSAの海上・陸上取引で、インターネット上の掲示板を活用し行う方式。成立した価格は東商取のホームページで公表する。
 現在、ギンガエナジージャパン、日本ユニコムが出資するJCRME(本社・港区)が運営している現物市場『OIL SPOT Market Transfer To TOCOM (略称TT市場、TOCOM受渡制度を用いた現物取引マーケット)』を事実上、引き継ぐ格好で実施するもの。
 さらに同市場の価格指標は来年5月に上場予定の『石油製品現金決済先物取引』の決済価格に活用する。
 濱田隆道社長は「石油現物市場はTT市場を引き継ぐ形で行う。年内にも開始できればと考えている。この現物市場で提供する価格指標をプラッツ、OPIS、リムなどの価格情報機関のアセスメント対象の1つに加えてもらい、それを中心にしたものを来年5月上場の現金決済先物取引の決済価格にしたい」とした。さらに現金決済先物取引の決済価格は「プラッツと決めた訳ではない」と答えた。





ガソリン供給ルート別シェア・元売子会社が2割超 価格低下し販売量1.7%増に復調
(12月16日付)

 資源エネルギー庁がまとめた2015年度のガソリン供給ルート別販売実績によると、国内販売は原油価格急落による小売価格の値下がりとうるう年要因が働き、前年比1.7%増の5,348万klに増加した。供給ルートに占める販売シェアは、「一般特約店」が0.7ポイント減の58.1%、「商社」が0.7ポイント増の14.3%に拡大した。元売子会社は横ばいの20.2%となった。油価低下でガソリン需要に復調の兆しがみえるものの、一般特約店が劣勢を強いられている一方で、商社が存在感を強めるとともに、資本力と競争力を背景に子会社の底堅い影響力を浮き彫りにした。10年前の05年度との対比(円グラフ参照)では、65.9%だった「一般特約店」販売シェアが7.8ポイント減少するなど、過当競争や後継者問題などで廃業・撤退に追い込まれている地場中小販売業者の現状を物語る結果となった。
 15年度のガソリン国内販売は、小売価格の値下がりやうるう年要因に加え、14年4月からの消費増税の反動増、夏場の猛暑による需要増加などで、前年度に比べ1.7%増と、10年度以来5年ぶりに前年を上回った。ただ、04年度のピーク時(6,291万kl)と比べると943万klもの需要が消失する結果となった。
 ルート別にみると、「一般特約店」は0.6%増の3,109万kl、「商社」は6.9%増の764万klに増加した。「元売直売」は1.7%増の1,206万kl、「元売子会社」も2.1%増の1,083万klと市場での影響力を物語るように存在感を増した。
 「一般特約店」のうち「特約店直営」の販売シェアは0.6ポイント減の43.8%、「販売店」は0.2ポイント減の8.5%といずれも減少。一方、「商社」のうちPB・異業種など業転取引を中心とした「商社・その他」が0.4ポイント増の6.2%とシェアを高めた。全農のシェアは横ばいの4.9%となった。
 10年前の05年度と比較すると、過当競争の激化や後継者問題による廃業・撤退などの増加で「一般特約店」の販売量は約1千万klも減少している。
 ルート別販売シェアを05年度と比べると、「一般特約店」が65.9%から58.1%へと7.8ポイントも下がった一方で、「元売直売」は15.2%から22.6%と7.4ポイントも上昇している。「商社」は0.3ポイント増の14.3%と小幅な上昇にとどまったが、「商社・販売店」が7.5%から5.9%に縮小した一方で、「商社・その他」が5.3%から6.2%に拡大。全農は4.8%から4.9%とほぼ横ばいを維持した。







公取委・元売2強統合を承認
(12月21日付)

 公正取引委員会は19日、出光興産による昭和シェル石油の株式取得およびJXホールディングスによる東燃ゼネラル石油の株式式取得について審査結果を発表した。それによると、当事会社が申し出た問題解消措置を講じることを前提とすれば、一定の取引分野における競争を実質的に制限することにならないと認められたとして、出光およびJXHDに対して排除措置命令を行わないことを通知、審査を終了した。
 公取委は今回の案件について、単独行動によっては競争を実質的に制限することにはならないものの、協調的行動によって競争を実質的に制限することになると判断。これに対して当事会社から「競争事業者の競争力維持のための措置などを内容とする問題解消措置の申出」があったことを踏まえ、この措置が講じることを前提とすれば、実質的に競争を制限することにはならないと判断したもの。
 公取委はガソリン、灯油、軽油、A重油の主燃料油については協調的な行動がとられると実質的な競争制限が起こると問題点を指摘。
 これを受けた当事会社は具体的な問題解消措置について輸入促進措置として、油種ごとに元売以外の事業者によって輸入される数量が内需の10%に相当する数量になるまで備蓄義務の肩代わりを行うほか、輸入事業者に対して不利益を与えないことを公取委に確約。さらにその他の問題解消措置として、競争事業者の競争力を維持するため、現行バーター取引の維持などを実施するとしている。





石油精製流通研・「取引慣行策定」エネ庁、公取委関与を
(12月26日付)

 資源エネルギー庁の石油精製・流通研究会は20日開いた第4回会合で、ガソリンの適正な取引慣行のあり方などについて議論した(写真)。エネ庁が実施した販売業者へのアンケートやヒアリングによって、事後調整の常態化による仕切価格の建値化が浮き彫りになったほか、元売販売子会社が安値に追随する販売政策への系列SSの疑心暗鬼が広がっていることを踏まえ、元売各社に①卸価格指標などをベースにした仕切価格の設定②仕切価格体系の十分な説明③卸価格の事後調整基準の明確化など、具体的な対応策を提示。元売ヒアリングなどを通じ、原油コストや価格指標などを比較して仕切価格の建値が起きていないかを監視していく方針を示した。
 会合で全石連の河本博隆副会長・専務理事は、「仕切価格の建値化、形骸化が進んでおり、コストがわからずに値付けをしていては、商売のイロハのイができていないのも同然なので、ぜひ改善してもらいたいとの強い要望があった」と強調。そのうえで「エネ庁と公取委が深く関与することによって、公正・透明な仕切価格体系が形成されるような取引慣行のガイドラインをぜひ実現させてほしい。特に公取委に強くお願いしたい」と取引適正化ガイドラインの策定を強く求めた。
 また、子会社問題については「例えば金沢市内では、1つの通りに同じマークの子会社SSが3つも4つもあるという話もある。連結決算なので実態はわからないが、子会社単体では赤字という噂があるなど、子会社SSがこれ以上増えていくことに対し疑問視する意見がある」と指摘。エネ庁に対し「子会社の実態も定期的にヒアリングをし、明らかにしてほしい」と訴えた。
 さらに、仕切価格を下回る極端な廉売事案の背景に存在する供給過剰問題を指摘。「(エネルギー供給構造高度化法の)第3次告示を実施し、過剰設備の削減や設備最適化の措置対策を行うことで、乱売合戦が減って、SS過疎地が増えないようにすべき」と提言するとともに「国として桟橋やタンクなどの輸出インフラ整備の予算措置を講じ、需給バランスを保ってほしい」と要請した。加えて「前回会合の講演の中で『米国にはSS産業はなくなったと。いずれは日本もそうなるだろう』との指摘には、ものすごい違和感がある。販売業界は石油製品の安定供給を通じ、災害対応などの社会貢献に取り組んでいるという自負心がある。絶対にそうはならない、またはそうしてはならない」と強く訴えた。
 一方、元売代表委員はエネ庁がヒアリングを通じ仕切価格の建値化状況を把握することについて「政府が仕切価格の決定方式・水準にまで踏み込み、元売の仕切価格を指導するということにつながるような対応を行うことはいかがなものか。取引のあり方については、企業間の自律的な事業活動に委ねるべき」と強調。また、差別対価に対する独禁法上の基準の明確化や信頼性・透明性の高い価格指標の構築を訴えた。
 このほか、第3次告示の取り扱いついて、エネ庁は「精製設備の廃棄を誘導することが長期的にみて本質の解決にはならないのではないか」と指摘。元売代表委員も「2度の高度化法によって、資本の枠を超えた提携や企業再編に踏み込んできている。まだ多いと言って切ってしまうと、安定供給が担保できない可能性もある。精製能力の削減ですべてが解決することはない」と述べた。
 これに対して、河本副会長・専務理事は「もちろん過剰設備を廃棄するだけでいいと単純に言っているわけではない。身の丈にあった生産をしていただき、適正な利益が取れるような仕切価格体系が構築されれば問題はない。これが何十年も言ってきても直っていないので申し上げた」と、一刻も早い需給適正化と公正・透明な仕切価格体系の構築を訴えた。






JX、東燃ゼネ・株主総会で経営統合承認
(12月26日付)

 JXホールディングスと東燃ゼネラル石油は21日開催した各社臨時株主総会で、経営統合に必要な事項が原案通り承認されたと発表した。今後は、来年(=29年)1月1日の東燃ゼネによるEMGマーケティングの吸収合併、3月29日の東燃ゼネ上場廃止、4月1日の両社経営統合へと進む予定だ。
 決議事項は、JXHDが①株式交換契約承認②定款中一部変更③取締役4人選任④監査役2人選任。一方、東燃ゼネは①JXHDとの株式交換契約承認②JXエネルギーとの吸収合併契約承認③EMGマーケティングとの吸収合併契約承認。





出光・昭シェル株式の31.3%を取得
(12月26日付)

 出光興産は19日、ロイヤル・ダッチ・シェルから昭和シェル石油の株式1億1,776万1,200株(議決権比率31.3%)を取得した(取得価額1,589.8億円)。
 同日付で公正取引委員会が問題解消措置の実施を前提に、昭シ株の取得を承認したことに伴い実施した。ただ、当初は1億2,526万1,200株(議決権比率33.3%)を取得する方針だったが、同日開催の取締役会で株式譲渡契約の変更契約の締結を決議。公開買付規制の主旨を最大限に尊重した。
 なお昭シェルによると、出光が株式取得数を33.3%から31.3%に引き下げたことで生じた残りの全株式1.9%(小数点以下第2位を切り捨て)は、ザ・シェル・ペトロリウム・カンパニー・リミテッドがそのまま保有するとしている。





17年度石油流通支援予算に149億円 災害対応力強化、人材確保・育成
(12月26日付)

 政府が22日閣議決定した2017年度予算案のうち、石油流通支援予算(16年度補正予算と17年度予算を合わせ総額148.9億円)では、災害時に備えた地域におけるエネルギー供給拠点の整備に24.5億円を確保し、①自家発電機を備えた『住民拠点SS』の整備に向け、地場中小SSなどを対象に定額補助(10分の10)での自家発の導入支援で10億円②『住民拠点SS』と緊急車両などに石油製品を供給する『中核SS』などを対象に4.8億円を措置し、地下タンクの入換・大型化を支援③中核SSや住民拠点SSなどの災害対応力強化に向けた研修・訓練で1.6億円④地下タンクなどの撤去支援として8.1億円、また、避難所や病院などの重要インフラへの自衛的な燃料備蓄を促すため1.3億円をそれぞれ計上した。
 一方、過疎地などにおける石油製品の流通体制を維持・強化するため総額14.5億円を計上。①複数事業者が行うSS統合・集約・移転の際の地下タンクの設置支援②地域の実情を踏まえた燃料供給システムに係る実証事業やSSの人材育成、地域の人材の流出防止や有効活用を図る人材マッチング事業などの支援③地下タンクの漏えい防止対策、土壌汚染の検知検査④地下タンクの放置防止を図る地下タンクなどの撤去などを支援する。
 さらに、地理的要因で流通コストが割高で、販売量も少ないためにガソリン価格が相対的に高い離島対策として、流通コスト差分を補助して島民向けの小売価格を実質的に引き下げる「流通コスト支援事業」で30.5億円、離島の関係者間での石油製品の流通合理化・安定供給対策支援に0.7億円を計上した。
 このほか、石油製品価格の卸・小売価格を全国規模で調査するモニタリング事業に加え、災害時の中核SS・住民拠点SSなどの稼働状況を迅速に把握する『災害時情報収集システム』の構築などで2.4億円、石油製品の品質確保に向けた試買分析も11.5億円を確保した。
 16年度第2次補正予算では、石油製品安定供給確保支援事業として総額61億円を計上。自家発電機、灯油配送ローリー、省エネ型洗車機などの導入を支援する。16年度補正予算と17年度当初予算による切れ目のない政策支援により、災害時のエネルギー供給の“最後の砦”となるSSの強靭化や、SSの持続的な発展を促す人材確保・育成支援、経営力強化などを後押しし、地場中小SSを中心とした石油サプライチェーンの維持・強化を図る。