お釣りをプリペイドカードで返されている事業者の皆様へ


 消費者の方より、「セルフ式のガソリンスタンドで給油し、現金で支払ったところおつりがプリペイドカードで出てきた。今後そのガソリンスタンドを利用する予定がなく困っている」との声が寄せられております。インターネット上でも、同様の事例に不満の声が上がっています。

  こうしたお釣りの取扱いをされている事業者の方もおられるかと思いますが、
今後トラブルにつながる可能性があることから、法的な取扱いについて整理しておきたいと思います。


<日本法律事務所 菊川洋弁護士の見解>

現金決済におけるおつりの返還請求権は、金銭の支払いを目的とする債権(金銭債権)です。金銭債権の債務者は、通貨で弁済しなくてはなりません。

おつりがプリペイドカードになって出てきた場合、ガソリンスタンドは、金銭債務の弁済をプリペイドカードでしたことになり、代物弁済があったものと考えられます。

代物弁済は契約ですので、「債権者の承諾」がない限り、有効な弁済になりません。

ガソリンスタンドがプリペイドカードカードでお釣りを出すことは、顧客の承諾がない限り、釣り銭の支払い債務の不履行になると考えられます。

したがって、顧客は、ガソリンスタンドに対し、おつりを現金で支払うように請求できます。また、かかる請求を受けたガソリンスタンドは、その請求に応じる義務があります。

 <参照条文:民法402条第1項本文、同第482条、同第415条>


 つまり、お客様の承諾なくプリペイドカードで釣り銭を返すことは、債務不履行にあたると考えられますので、トラブルを避けるためにも、お客様に十分に説明し、納得いただいた上でお取扱いされるようにして下さい。