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▼「ガソリンの流通に関する実態調査報告書」の公表
(16年10月29日更新)
 公正取引委員会は、平成16年9月22日、「ガソリンの流通に関する実態調査報告書」を公表した。この調査については、全国石油商業組合連合会が、平成12年9月26日、当時の公正取引委員会の根来委員長に提出した「独占禁止法違反事案に対する厳正な対応と実効性のある措置について」と題する要望書の中で要望していたことで、その後、機会あるごとに、実態調査の実施を要望してきた活動に対応するものと理解される。
 同実態調査は、平成16年1月から6月頃にかけて実施され、元売、石油販売業者、商社等に対して、アンケート調査(書面調査)とヒアリング(聴取)調査が行われたものである。
 同報告書では、主としてガソリンの業転玉の流通について調査したものであるが、ガソリンの生産、販売、物流、系列ルート及び業転ルートの流通経路の実態、元売の卸売価格の決定方式及びその実態、業転玉の卸売価格の実態、元売と系列特約店との商標権使用許諾を含む取引契約の実態等、ガソリンの広範な取引の実態が明らかにされている。その中で、注目すべき点は、
(1)系列特約店の約70%が自己の仕入価格の算定方式を知らされておらず、このことは、系列特約店の合理的な経営を行おうとする活動を逆行させる恐れがある
(2)元売が商標権を侵害しない行為までも禁止しており、商標権の濫用とみられ、優越的地位の濫用の恐れがある
との指摘である。
 公正取引委員会は、関係事業者に対して、実態及び問題点を踏まえ適切に対応することを望むとした上で、引き続き流通の動向を注視していくとしている。

本報告書は以下の公取委ホームページで見ることが出来ます。


▼不公正な取引方法規制強化についての要望書提出
(15年11月25日更新)
 全国石油商業組合連合会は、平成15年11月19日、公正取引委員会の竹島委員長及び上杉事務総長に対し、不当廉売、差別対価等不公正な取引方法の規制強化について、違反者に対する罰則の導入、違反調査における犯則調査権限の導入行うため独占禁止法の強化改正を文書で要望した。
 公正取引委員会では、独占禁止法違反の措置について見直しを行うため、独占禁止法研究会を設けて、検討していたところ、このほどその検討結果がまとまり、報告書が公表された。
 同報告書によれば、私的独占行為、談合等カルテル行為については、課徴金の引上げ、課徴金対象行為の拡大、内部告発者の減免制度の導入、犯則調査権限の導入等が提言されているが、不公正な取引方法の規制強化については、「消費者の保護等の観点から損害が著しく、競争秩序を侵害する程度の大きいものについて刑事罰を導入することを検討することが適当」にとどまっており、石油販売業界が苦しめられている不当廉売や差別対価の規制強化については何ら触れられていなかった。
 このため、中小企業が公正な競争環境の中で競争できるように、上記のとおり、不公正な取引方法の規制強化についての具体策実現を要望したものである。

※要望書(全文)は、「ライブラリー」のコーナーに掲載しています。


▼全石連が「法律問題相談室」を開設(15年9月5日更新)
 全石連が独禁法関連問題を中心にした全国の組合員からの問い合わせなどに対応するため、準備を進めていた「法律問題相談室」が9月1日に開設した。
 「法律問題相談室」は、不当廉売や差別対価などを含めた独禁法問題を中心に、組合員からの個別相談を受け、公取委への申告や民事訴訟などのアドバイスを行う。
  同相談室の室長は、公取委の中国支所長や本部の室長などを務め、4年前に全石連に入局した山西正紀氏で、「小さなことでも遠慮なく連絡してほしい」と呼びかけている。直通の電話番号は03―3593―5815。相談は無料。



▼独占禁止法の改正問題について(15年9月5日更新)
 公正取引委員会は、平成14年11月7日、独占禁止法研究会を設置し、独占禁止法の措置体系全体の在り方について、見直しを開始した。
 これは、平成13年12月の総合規制改革会議の第一次答申や平成14年4月17日の独占禁止法改正についての衆議院経済産業委員会における「独占禁止法違反行為に対する抑止力の強化の観点から、課徴金、刑事罰や公正取引委員会の調査権限の在り方を含めた違反行為に対する措置体系全体について早急に見直すこと。」との付帯決議に基づいて設置されたものである。
 同研究会に、措置体系見直し検討部会が設けられ、公正取引委員会の調査権限、課徴金制度、措置減免制度等について検討が行われてきた。
 同検討部会は、この秋10月頃報告書を取りまとめ、公正取引委員会に提出する予定である。
 これまでの同検討部会における議論から、報告書の内容は、
(1)公正取引委員会に対する強制調査権限の付与
(2)課徴金の対象を新規参入妨害に拡大
(3)課徴金の大幅な引き上げ
(4)違反行為を繰り返す悪質業者に対する課徴金加算制度の導入
(5)違反行為を「自首」した業者に対する課徴金減免制度の導入
などが盛り込まれるものと予想されている。
 公正取引委員会は、同報告書の提出を受けて法改正作業に入るが、極めて重要な問題と受け止め、十分に議論し、時間をかけて各方面の納得のいくような法案の形にしたいとしている。



▼公取委に『独占禁止法違反行為に対する差止請求制度の改正』を要望(14年6月6日更新)
 全石連は、平成14年5月29日、先般本会の「独占禁止法問題研究会」がとりまとめた「民事的救済制度の実効性の確保策」に関する中間報告書を、公正取引委員会に提出し、独占禁止法の差止請求制度を改善するため、独占禁止法の改正を要望しました。
 当中間報告書は、立証が困難な独占禁止法違反行為について、被害者の立証負担を軽減するため、独占禁止法にも、特許法に規定されている民事訴訟法の文書提出命令の特則規定を設けるべきであると提言しており、この提言を受けて、独占禁止法にも特許法に準じた形で、民事訴訟法の文書提出命令の特則規定を設けるよう、法改正を要望したものです。



▼『独禁法問題研究会』中間報告書を政策部会が了承(14年4月16日更新
全石連政策部会は、平成14年4月16日、「独占禁止法問題研究会」がとりまとめた「民事的救済制度の実効性の確保策」に関する中間報告書を了承しました。
 この民事的救済制度というのは、独占禁止法の「不公正な取引方法」について、違反行為によって著しい損害を受け、または損害を受けるおそれのある消費者、事業者が裁判所に違反行為の差止めを請求できる制度です。
 被害者は、差止請求を行う場合、不当廉売や差別対価等の「不公正な取引方法」の違反事実を立証しなければなりませんが、現行の民事訴訟法の手続きにおいては、限界があります。
 例えば、不当廉売を立証するためには、廉売行為者の販売価格が仕入価格を下回っていることを示す仕入伝票等の書類が必要ですが、これらの書類は、「自己使用文書」、「技術又は職業の秘密」に当たる書類とされており、民事訴訟法ではこれらの書類は、提出の義務はないとされています。
 このようなことから、非常に難しいとされている特許権の侵害行為の訴訟においては、民事訴訟法の特則規定が設けられ、「自己使用文書」や「技術又は職業の秘密」に当たる書類であっても、提出を拒む正当な理由が必要で、正当な理由があるかどうかを判断するため裁判所がその書類の提示を求めることができることになっています。
 中間報告書は、立証が困難な独占禁止法違反行為についても、被害者の立証負担を軽減するため、独占禁止法にも、特許法に規定されているこの民事訴訟法の文書提出命令の特則規定を設けるべきであると提言しています。



▼不当廉売で3件目の『警告』(14年4月02日更新
公正取引委員会は、平成14年3月27日、青森県南津軽郡大鰐町の(株)柿本石油の大鰐セルフ給油所が、平成 13年11月中旬から平成14年1月末日までの間、ほとんど毎日、レギュラーガソリンを80円~82円、ハイオクガソリンを90円~92円で販売していた行為について、販売に要する費用を著しく下回る価格であり、周辺地域における石油製品小売業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるとして、今後このような行為を行わないよう文書で「警告」したと発表しました。
 この警告は、平成13年8月6日の栃木県小山市の新日本エネルギーに対する警告に次ぐもので、公正取引委員会の石油販売業界の不当廉売の取締りについて強い姿勢を示すものとして評価されてよいと思います。
 不当廉売の警告は、平成4年の北海道の茂田商事の件以来これで3件になりましたが、「勧告」という法的措置に至ったものがありません。今後、「勧告」という法的措置が採られるよう公正取引委員会の厳正な法運用が望まれるところです。



▼公取委 新『不当廉売外ガイドライン』を提示(14年1月09日更新
 公正取引委員会は、平成13年12月14日、「ガソリン等の流通における不当廉売、差別対価等への対応について」(ガソリン等ガイドライン)を作成し、これを当全石連に通知するとともに資源エネルギー庁、石油連盟にも通知しました。
 このガイドラインは、石油業界における不当廉売、差別対価等について、公正取引委員会が独占禁止法違反行為を調査する上での考え方を示したものです。その概要は次のとおりとなっています。

(1)廉売価格が仕入価格を下回るかどうかの基準
・名目上の仕入価格ではなく、値引き等を考慮した実質的な仕入価格で判断する。
・元売からの事後的な値引き・奨励金等、給油所新設、改造、販売活動の資金援助等は、仕入価格の引下げとして考慮しない。
・ 廉売している給油所の1か月間の実質的仕入価格の加重平均を基準とする。

(2)実質的仕入価格を上回っていても、総販売原価を下回っている場合で、周辺の販売業者の事業活動が困難にさせるおそれがある場合は不当廉売として規制する。
(総販売原価=仕入価格+販売経費+一般管理費)

(3)元売の運営委託方式による給油所における費用については、生産に要した費用(原油代、精製費、輸送費、油槽費等)と販売に要した費用(コミッションフィー、給油所維持費等)を合わせた費用を、供給に要する費用とみる。

以上のほか、元売の行為についても、独禁法上の考え方を示し、

(1)元売が他の元売と共同して、正当な理由なく、共同仕入を行おうとする販売業者との取引を拒絶すること

(2)元売業者が取引先の販売業者に対し、他の元売業者の商品の取扱いを不当に制限すること

は、独禁法上問題となることを明らかにしています。



▼全石連に独禁法問題研究会(13年11月06日更新
 石油販売業界には不当廉売や差別対価など不公正な取引が依然として存在し、中小零細な販売業者が苦境に立たされています。公正取引委員会に対し、違反行為を摘発するよう申告を行っていますが、調査結果は、「注意」か「違反なし」の回答がほとんどで、実効が上がっていません。今年の8月に『警告』した不当廉売の事件(別掲)がありましたが、これについても、法的な措置でないため、警告を受けた事業者は相変わらず安売りを継続しており,『警告』の効果がありません。
 全石連は,従来から、独占禁止法の運用を強化するように公正取引委員会に対し要望してきましたが、実現しておりません。
 そこで全石連としては、独占禁止法違反行為に対する独禁法の抑止機能が十分に発揮されていないことから、村上政博横浜国立大学教授を座長とする「独占禁止法問題研究会」を設置し、不公正な取引方法などの独占禁止法違反行為に対する罰則を強化するなど、独禁法の抑止力・執行力の強化についての提言を行うため、独禁法に関連する諸問題を検討するための研究会を設置し、第1回の会合を10月19日に開きました。
 なお、組合員各位の中で独禁法問題でお悩みの方があれば、当ホームページの「声」の欄を通じてお寄せください。



独禁法見直しに向けて「意見」(13年10月9日更新
 公正取引委員会は、経済活動の基本ルールである独占禁止法は可能な限り経済・社会構造の変化や世の中のニーズを踏まえたものとする必要があるとして、平成13年2月、一般集中の規制問題と手続規定の検討・見直しを行うため、有識者による「独占禁止法研究会」を発足させました。同研究会は、「一般集中部会」と「手続関係規定部会」を設け、より専門的・集中的に検討しました。このうち、「手続関係規定部会」は、平成13年8月、検討結果を報告書にとりまとめ公表しました。同研究会は、今後、同報告内容について検討を進めるとしておりますが、検討のための参考にするため、関係各方面の意見を求めています。
 そこで、全石連は、平成13年9月、次のような意見を提出しました。
(1) 「不公正な取引方法」についての違反行為に対する
課徴金・罰則規定の新設
(2) 「違反するおそれのある行為」に対する措置の在り方の検討
(3) 違反事件における措置理由の開示など法運用の透明化
(4)
独占禁止法違反行為の差止請求訴訟における
「挙証責任転換規定」
(被告の立証責任義務)の新設



不当廉売で9年ぶりに「警告」(13年10月9日更新)
公正取引委員会は、平成13 年8月6日、栃木県小山市の新日本エネルギー(株)のプラザ小山給油所が、平成13年4月中旬から同年6月中旬までの間ほとんど毎日、レギュラーガソリンを81~84円、ハイオクガソリンを92~94円で販売していた行為について、販売に要する費用を著しく下回る価格であり、周辺地域における石油製品小売業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるとして、今後このような行為を行わないよう文書で「警告」したと発表しました。この警告は、平成4年7月に出された北海道の茂田商事に対する「警告」以来9年ぶりのものです。
 「警告」は法的措置ではありませんが、その他多数の不当廉売案件が「違反なし」、「注意」で終わっていることから見ればかなり重い措置といえます(石油販売業界における不当廉売の事件で、排除勧告などの法的措置をとられた案件はありません)。
 しかし、「警告」しても何らかの是正措置が伴わないので、このような措置のとり方が果たして有効な措置なのかという疑問が業界から出されています。






第1章 独禁法とは

独禁法の正式名称は「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」といいます。戦後、日本経済の民主的な発展を目的として昭和22年に作られました。 独禁法は、“私的独占”、“不当な取引制限”及び“不公正な取引方法”を禁止し、事業者の公正かつ自由な競争の確保を目的としています。
“私的独占”とは、特定の有力事業者が競争企業の合併・株式所有などを通じて競争企業を事実上支配し、市場における競争を排除し独占してしまうことです。 “不当な取引制限”とは、同業者同士、業界団体で価格や生産数量など取り決めて、互いに自らの取引を制限し、競争をなくしてしまうことです。“不公正な取引方法”とは、不当廉売、差別対価、優越的地位の濫用をはじめ公正な競争を阻害するおそれのある行為を行った場合をいいます。

独禁法は公正取引委員会が専門に運用しています。公正取引委員会は、独禁法に違反する疑いがあるという端緒(申告や情報収集)があると、事実を明らかにするため調査を行います。事業者の事務所などに立ち入り、証拠書類を押収する権限を使って調査することもあります。
調査して違反が認定されれば、違反行為を止めるよう、適当な措置をとるよう『勧告』します。『勧告』に従えば同様の『審決』で適当な措置をとることを命令します。『勧告』に従わない場合は、公正取引委員会で『審判』が開かれ、証拠に基づき事実の有無等について争うことになります。『審判』が終了して『審判審決』が出ますが、これに不服の場合は、東京高裁、最高裁で争うことになります。

違反行為のうち、価格協定など価格に影響のある違反行為については、課徴金制度が適用され、業種及び事業規模により違反行為期間における売上高の6%から1%までの金額を、納付命令により国庫に納付しなければなりません。また、“私的独占”、“不当な取引制限”の違反行為には罰則があり、公正取引委員会の告発によって懲役・罰金が科されることがあります。

独禁法はこれまで数度の緩和改正が行われましたが、その重要性が見直され、昭和5年の強化改正以後、罰則の強化等の改正が行われています。平成12年5月の改正では、独禁法違反行為による被害者の自己救済の道を開くため、『不公正な取引方法』について、地方裁判所に直接、個人が違反行為の排除について差止め請求の申立てができる“私訴制度”(第4章参照)が設けられました。

第2章 不当廉売とは


 不当廉売とは、「不公正な取引方法」の一つで、『正当な理由がないのに商品又は役務をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給し、そのほか不当に商品又は役務を低い対価で供給し、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれのあること』と規定されています。
 わかりやすい事例で説明しますと、首都圏における有力スーパーの2店舗が牛乳販売において採算を無視した破格の販売を実施したため、2店舗周辺の牛乳専売店は小規模のため企業努力では到底対抗できず、事業そのものができなくなる壊滅的な被害を受けました。公取委はこの廉売競争を『不当廉売』と認定し、『排除勧告』を行いました。
 石油販売業の不当廉売を判断する基準は、まず、「実質的仕入価格」を下回っていないかどうか、「実質的仕入価格」を下回っていなくても「総販売原価」を下回っていないかどうかによって判断されます。

第3章 差別対価とは


 差別対価とは、「不公正な取引方法」の一つで、特定市場で競争相手を倒すため特別低い価格にしたり、不合理な差別により取引先が有利になったり不利になったりし、その結果、公正な競争を阻害した場合のことをいいます。
 『地域的な差別対価』と『相手による差別対価』の二つがあります。『地域的な差別対価』とは、ある地域の有力な事業者が他地域に進出し、本拠地における価格に比べて著しく低い価格で販売し、競争業者に多大な打撃をあたえる場合、『相手による差別対価』とは、有力メーカーなどが自社の販売戦略を実行するうえで、卸先に対する価格などを合理的な理由なく操作し、販売戦略の阻害要因となる卸先を故意に排除しようとする場合-をいいます。

第4章 私訴制度とは


 平成13年4月、独禁法には、独禁法違反行為によって著しい損害を受ける、もしくは、受けるおそれのある個々の事業者や一般消費者が自らを救済するため、当該独禁法違反行為の差止めを裁判所に求めることができるいわゆる「私訴制度」が導入されました。
 不当廉売、差別対価、(差別取り扱い)などの『不公正な取引方法』が対象となる独禁法違反行為です。 
で、裁判所に申立てができるのは、「利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者」で、申立てができる裁判所は、(1)被告の住所地又は所在地を管轄している裁判所(2)被害の発生地を管轄している裁判所(3)(1)又は(2)の地方裁判所所在地を管轄する高等裁判所所在地の地方裁判所(4)東京地方裁判所となっています。